JP3085051B2 - Lng船におけるカーゴタンク内への非常用カーゴポンプ等の搬入方法 - Google Patents

Lng船におけるカーゴタンク内への非常用カーゴポンプ等の搬入方法

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JP3085051B2
JP3085051B2 JP05239219A JP23921993A JP3085051B2 JP 3085051 B2 JP3085051 B2 JP 3085051B2 JP 05239219 A JP05239219 A JP 05239219A JP 23921993 A JP23921993 A JP 23921993A JP 3085051 B2 JP3085051 B2 JP 3085051B2
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正廣 樽
明人 信太
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はLNG船におけるカーゴ
タンク内への非常用カーゴポンプ等の搬入方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】LNGを輸送するLNG船は、図3の
(イ)(ロ)に一例を示す如く、船体1内に、たとえ
ば、5つの船倉2を区画形成し、該各船倉2内に、支持
台3を介してNo.1〜5のカーゴタンク4を設置し、
該各カーゴタンク4の頂部に位置するタンクドーム5
を、船体1の上甲板6上へ倉口7から突出位置させ、該
タンクドーム5のドーム天板8の周縁部と倉口縁9との
間をドーム接手10により接続してシールするようにし
てある。又、揚荷を行うために、下端にカーゴポンプ1
1を備えた荷役パイプ12を、各カーゴタンク4内の底
部からタンクドーム5を通してドーム天板8上の位置ま
で達するように設置すると共に、積荷を行うために、上
記荷役パイプ12の下端部に積荷パイプ13を分岐接続
し、更に、上記カーゴポンプ11が故障したときのため
に、各カーゴタンク4内の底部からタンクドーム5を介
してドーム天板8上に開口するように非常用荷役パイプ
14が設置してある。又、上記ドーム天板8上にはマン
ホール30が設置してある。なお、図3の(イ)におい
て、15は各船倉2に対応して上甲板6上に立設したベ
ントポスト、16はコンプレッサルームであり、図3の
(ロ)において、17はカーゴタンク4の中心隔壁、1
8は保冷材を示す。
【0003】上記LNG船においては、平常時の荷役作
業は荷役パイプ12を用いて行われるが、カーゴポンプ
11が故障すると揚荷を行うことができなくなってしま
うので、その場合は、非常用カーゴポンプを、固定式又
は可搬式のダビットによりドーム天板8上に吊り降ろし
てカーゴタンク4内に搬入させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記非常用
カーゴポンプは、たとえば、1.5tと重量物であるこ
とから、この非常用カーゴポンプを取り扱うことができ
るような大型のダビットを用意しておかなければなら
ず、更に、ダビットを用いた場合、非常用カーゴポンプ
をドーム天板8上に吊り降ろす動作が不安定になる、と
いう問題がある。又、予備カーゴポンプをカーゴタンク
内に搬入させる場合にも同様な問題がある。
【0005】そこで、本発明は、非常用カーゴポンプや
予備カーゴポンプのために大型のダビットを用意してお
かなくても済むようにし、且つドーム天板上に非常用カ
ーゴポンプ等を吊り降ろす際の動作を安定して行うこと
ができるようなLNG船におけるカーゴタンク内への非
常用カーゴポンプ等の搬入方法を提供しようとするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために、タンクドームのドーム天板を挟むように
上甲板上に立てられているベントポスト間又はベントポ
ストと船体の上部構造物との間に、カーゴブロックを装
備したワイヤロープを張架し、次に、上記カーゴブロッ
クに取り付けたチェーンブロックによって非常用カーゴ
ポンプ又は予備カーゴポンプの如きカーゴポンプを所要
の高さ位置へ吊り上げ、次いで、上記カーゴブロックを
ウインチの操作でワイヤロープに沿い移動させながら上
記カーゴポンプをタンクドームのドーム天板上方部へ運
搬し、しかる後、上記カーゴポンプを、補助ロープの操
作で水平方向の位置を微調整しつつ上記チェーンブロッ
クの操作により吊り降ろしてカーゴタンク内へ搬入する
ことを特徴とするLNG船におけるカーゴタンク内への
非常用カーゴポンプ等の搬入方法とする。
【0007】
【作用】非常用カーゴポンプ等は、カーゴブロックによ
りワイヤロープに沿わせて移動させることから運搬が楽
であり、又、チェーンブロックの操作で吊り上げ下げる
ことから安定した昇降動作が得られることになる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。
【0009】図1及び図2は本発明の一実施例を示すも
ので、図3の(イ)(ロ)に示したと同様な構成として
あるLNG船において、No.2のカーゴタンク4で非
常荷役を行う場合について示す。
【0010】すなわち、No.2のカーゴタンク4内の
カーゴポンプ11が故障した場合、先ず、No.2のカ
ーゴタンク4のドーム天板8を前後で挟む位置にあるベ
ントポスト15の上部間に、カーゴブロック19を装備
させたワイヤロープ20を張架する。次に、上記カーゴ
ブロック19に、チェーンブロック21を取り付けると
共に、上記カーゴブロック19に、手動式のウインチ2
2から繰り出した巻上ロープ23の一端を、一方のベン
トポスト15に設けたガイドシーブ24を介して係止さ
せる。
【0011】この状態で、非常用カーゴポンプ25を、
所要の手段によってドーム天板8の近くの位置まで運搬
すると、上記ウインチ22の操作でカーゴブロック19
をワイヤロープ20に沿い移動させてチェーンブロック
21を非常用カーゴポンプ25の上方へ位置させ、続い
て、チェーンブロック21を操作してチェーン26を巻
き下げ、カーゴフック27に吊具28を介して非常用カ
ーゴポンプ25を吊り下げ支持させるようにする。又、
このとき、非常用カーゴポンプ25に補助ロープ29を
取り付けておく。
【0012】次に、上記チェーンブロック21を操作し
て非常用カーゴポンプ25を所要の高さ位置まで吊り上
げ、続いて、ウインチ22の操作によりカーゴブロック
19を移動させて非常用カーゴポンプ25をドーム天板
8上に突出する非常用荷役パイプ14の上方へ位置さ
せ、しかる後、非常用カーゴポンプ25に取り付けてお
いた補助ロープ29を適宜操作して非常用カーゴポンプ
25の水平方向の位置を微調整しながら、上記チェーン
ブロック21の操作により非常用カーゴポンプ25を吊
り降ろし、非常用荷役パイプ14内を通してカーゴタン
ク4内の底部へ搬入する。
【0013】上記の如く、非常用カーゴポンプ25をタ
ンク底部へ搬入した後、非常用荷役パイプ14の上端を
盲板で塞ぐ等の所定の作業を行ってから、非常用カーゴ
ポンプ25を駆動することによって、No.2のカーゴ
タンク4内のLNGが非常用荷役パイプ14を通して揚
荷される。
【0014】上記において、非常用カーゴポンプ25
は、カーゴブロック19によりワイヤロープ20に沿わ
せて移動させるため運搬が楽であり、且つチェーンブロ
ック21の操作で吊り上げ下げするため安定した昇降動
作が得られる。又、この際、非常用カーゴポンプ25の
重量はチェーンブロック21、カーゴブロック19、ワ
イヤロープ20を介して前後のベントポスト15に作用
するが、ベントポスト15は、構造設計上、非常用カー
ゴポンプ25の重量を支持するには充分なる強度を有す
るものであるため、故障はない。
【0015】上記実施例では、非常用カーゴポンプ25
をカーゴタンク4内へ搬入させる場合について示した
が、予備カーゴポンプをカーゴタンク4内へ搬入させる
場合にも同様に実施することができる。すなわち、上記
実施例の場合と同様にして予備カーゴポンプ25′をド
ーム天板8の上方まで運搬させた後、図2において一点
鎖線で示す如く、予備カーゴポンプ25′を、ドーム天
板8上のマンホール30を通してカーゴタンク4のN
o.3ホリゾンタルガーダ31上へ搬入させるようにす
る。なお、予備カーゴポンプ25′は、No.3ホリゾ
ンタルガーダ31まで搬入させた後は、タンク内のポン
プ移動装置によりタンク底部まで移動させることができ
る。
【0016】なお、上記実施例では、No.2のカーゴ
タンク4への採用例を示したが、本発明は図1に示すN
o.1〜No.5のカーゴタンク4のすべてを対象とす
るものである。この場合、No.1とNo.3のカーゴ
タンク4については、上記実施例と同様に、ドーム天板
8を前後で挟む位置のベントポスト15間にワイヤロー
プ20を張るようにすればよく、No.4のカーゴタン
ク4については、ドーム天板8の前方に位置するベント
ポスト15とドーム天板8の後方に位置する船体1の上
部構造物としてのコンプレッサルーム16との間にワイ
ヤロープ20を張るようにすることで実施することがで
きる。更に、No.5のカーゴタンク4については、居
住区域の如き船体1の上部構造物を利用してワイヤロー
プ20を張ることによって同様に実施することができ
る。
【0017】又、本発明は上記実施例にのみ限定される
ものではなく、チェーンブロック21及びウインチ22
は、エア駆動式等の駆動式を採用して、更に作業の簡易
化を図ることができるようにしてもよいこと、その他本
発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え
得ることは勿論である。
【0018】
【発明の効果】以上述べた如く、本発明のLNG船にお
けるカーゴタンク内への非常用カーゴポンプ等の搬入方
法によれば、カーゴタンク内のカーゴポンプが故障した
とき等に、そのカーゴタンクのドーム天板の前後に位置
するベントポスト間又はベントポストと船体の上部構造
物との間にワイヤロープを張り、該ワイヤロープに沿っ
て移動できるようにしたカーゴブロックに、チェーンブ
ロックを介して非常用カーゴポンプや予備カーゴポンプ
等を吊らせるようにし、補助ロープの操作で位置調整し
ながらチェーンブロックの操作でカーゴポンプを下降さ
せてカーゴタンク内に搬入させるようにするので、非常
用カーゴポンプ等を吊り降ろす動作を安定して行わせる
ことができ、非常用カーゴポンプ等のために大型のダビ
ットを用意しておかなくても済むようになる、という優
れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示すLNG船の全体を示す
概要図である。
【図2】図1のA部の拡大図である。
【図3】LNG船の一例を示すもので、(イ)は全体の
概要図、(ロ)は(イ)のB−B拡大矢視図である。
【符号の説明】
1 船体 4 カーゴタンク 5 タンクドーム 8 ドーム天板 11 カーゴポンプ 14 非常用荷役パイプ 15 ベントポスト 16 コンプレッサルーム(上部構造物) 19 カーゴブロック 20 ワイヤロープ 21 チェーンブロック 25 非常用カーゴポンプ 25′ 予備カーゴポンプ 29 補助ロープ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B63B 25/08 B63B 25/16 B63B 27/00 - 27/08 B63B 27/16 - 27/18 B63B 27/24

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タンクドームのドーム天板を挟むように
    上甲板上に立てられているベントポスト間又はベントポ
    ストと船体の上部構造物との間に、カーゴブロックを装
    備したワイヤロープを張架し、次に、上記カーゴブロッ
    クに取り付けたチェーンブロックによって非常用カーゴ
    ポンプ又は予備カーゴポンプの如きカーゴポンプを所要
    の高さ位置へ吊り上げ、次いで、上記カーゴブロックを
    ウインチの操作でワイヤロープに沿い移動させながら上
    記カーゴポンプをタンクドームのドーム天板上方部へ運
    搬し、しかる後、上記カーゴポンプを、補助ロープの操
    作で水平方向の位置を微調整しつつ上記チェーンブロッ
    クの操作により吊り降ろしてカーゴタンク内へ搬入する
    ことを特徴とするLNG船におけるカーゴタンク内への
    非常用カーゴポンプ等の搬入方法。
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