JP3084963B2 - 撥水・撥油性皮膜を有する液晶表示装置 - Google Patents
撥水・撥油性皮膜を有する液晶表示装置Info
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Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、撥水・撥油性皮膜を有
する液晶表示装置に関するものである。さらに詳しく
は、撥水・撥油性、防汚性に優れた保護膜を液晶表示パ
ネルやカラーフィルタ基板、偏光板表面に設けた液晶表
示装置に関するものである。
する液晶表示装置に関するものである。さらに詳しく
は、撥水・撥油性、防汚性に優れた保護膜を液晶表示パ
ネルやカラーフィルタ基板、偏光板表面に設けた液晶表
示装置に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、ＳＴＮ（スーハ゜ー ツウィステット゛ ネマティッ
ク）型やＴＦＴ（薄膜トランジスタ）型の液晶表示装置
は、電極配線を形成した２枚の透明基板間に液晶を介し
て液晶パネルとなり、前記２枚の基板間に電圧が印加さ
れると液晶は透過率をコントロールされて液晶シャッタ
ーとなる。
ク）型やＴＦＴ（薄膜トランジスタ）型の液晶表示装置
は、電極配線を形成した２枚の透明基板間に液晶を介し
て液晶パネルとなり、前記２枚の基板間に電圧が印加さ
れると液晶は透過率をコントロールされて液晶シャッタ
ーとなる。
【０００３】ＴＦＴ液晶表示装置の液晶パネル断面構成
を（図３）に示し、この液晶パネルの組立工程の概要を
以下に述べる。スイッチング素子と画素電極をＸＹマト
リクス状に配したＴＦＴ（薄膜トランジスタ）基板１と
共通電極を形成した対向透明基板２の対向内面にはポリ
イミド等の有機薄膜から成る配向膜３を印刷法などによ
り形成し、配向を制御するためにラビング処理を施す。
を（図３）に示し、この液晶パネルの組立工程の概要を
以下に述べる。スイッチング素子と画素電極をＸＹマト
リクス状に配したＴＦＴ（薄膜トランジスタ）基板１と
共通電極を形成した対向透明基板２の対向内面にはポリ
イミド等の有機薄膜から成る配向膜３を印刷法などによ
り形成し、配向を制御するためにラビング処理を施す。
【０００４】次に、ＴＦＴ基板もしくは対向透明基板の
周辺領域に印刷法などによりシール材４を形成した後、
画素領域にＴＦＴ基板１と対向透明基板２間の間隙を一
定に制御するためビーズまたはガラスファイバー等のス
ペーサ材５を分散させ、ＴＦＴ基板と対向透明基板を貼
合わせる。この対向空間内に液晶６を注入し、液晶注入
口を樹脂を用いて封止する。さらに、ＴＮ（ツイステッ
ド・ネマチック）方式として、パネルを偏光板７にはさ
んで液晶パネル８ａを完成する。
周辺領域に印刷法などによりシール材４を形成した後、
画素領域にＴＦＴ基板１と対向透明基板２間の間隙を一
定に制御するためビーズまたはガラスファイバー等のス
ペーサ材５を分散させ、ＴＦＴ基板と対向透明基板を貼
合わせる。この対向空間内に液晶６を注入し、液晶注入
口を樹脂を用いて封止する。さらに、ＴＮ（ツイステッ
ド・ネマチック）方式として、パネルを偏光板７にはさ
んで液晶パネル８ａを完成する。
【０００５】投射型液晶表示装置において、液晶パネル
の対向基板にはカラーフィルタを有さず、カラーフィル
タ基板や偏光板が液晶パネルとは個別に設けられている
ものもある。この場合の装置構成を（図４）に示す。
の対向基板にはカラーフィルタを有さず、カラーフィル
タ基板や偏光板が液晶パネルとは個別に設けられている
ものもある。この場合の装置構成を（図４）に示す。
【０００６】投射型液晶表示装置は光源９とレンズ１０
およびスクリーン１１に対して、像を形成するための液
晶パネル８ｂおよび偏光板７、カラー画像再現のための
カラーフィルタ１２が配置された構成となっている。
およびスクリーン１１に対して、像を形成するための液
晶パネル８ｂおよび偏光板７、カラー画像再現のための
カラーフィルタ１２が配置された構成となっている。
【０００７】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示装置は画素領
域において、液晶パネル内はもちろんのことパネル表面
上に異物が存在すると表示される画像上に前記異物が陰
影となって現われる。
域において、液晶パネル内はもちろんのことパネル表面
上に異物が存在すると表示される画像上に前記異物が陰
影となって現われる。
【０００８】特に投射型液晶表示装置のように液晶パネ
ルのみならずカラーフィルタ基板や偏光基板上に異物が
存在すると、前記レンズを介して画像が拡大表示される
ために前記異物も拡大陰影となって現われる。また、投
射画像を表示するための前記スクリーンの表面に異物が
存在すると、投射された光が前記異物にて乱反射され、
不良画像となる。
ルのみならずカラーフィルタ基板や偏光基板上に異物が
存在すると、前記レンズを介して画像が拡大表示される
ために前記異物も拡大陰影となって現われる。また、投
射画像を表示するための前記スクリーンの表面に異物が
存在すると、投射された光が前記異物にて乱反射され、
不良画像となる。
【０００９】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ために液晶パネルやカラーフィルタ基板、偏光板の表面
上に膜厚がナノメートル程度で均一な撥水・撥油性の保
護膜を形成し、撥水・撥油・防汚性、かつ耐久性に優れ
た保護膜を設けた液晶表示装置を提供することを目的と
する。
ために液晶パネルやカラーフィルタ基板、偏光板の表面
上に膜厚がナノメートル程度で均一な撥水・撥油性の保
護膜を形成し、撥水・撥油・防汚性、かつ耐久性に優れ
た保護膜を設けた液晶表示装置を提供することを目的と
する。
【００１０】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の液晶表示装置は、液晶パネルやカラーフィル
タ基板、偏光板の表面に化学吸着膜を設けた液晶表示装
置であって、前記化学吸着膜はシロキサン結合を介して
化学結合させた撥水・撥油性を備えていることを特徴と
する。
に本発明の液晶表示装置は、液晶パネルやカラーフィル
タ基板、偏光板の表面に化学吸着膜を設けた液晶表示装
置であって、前記化学吸着膜はシロキサン結合を介して
化学結合させた撥水・撥油性を備えていることを特徴と
する。
【００１１】
【作用】前記本発明の構成によれば、液晶表示装置の液
晶パネルやカラーフィルタ基板、偏光板の表面にシロキ
サン結合によって化学結合されてなる化学吸着膜を形成
させており、撥水・撥油性に優れたものとなって汚れが
付着しにくくなる。その上、耐久性に優れた膜とするこ
とができ、表面からは容易に剥離しない。また、化学吸
着膜は単分子膜であるという本発明の構成によれば、均
一な厚さの膜にすることができ、透明性に優れたものと
することができる。
晶パネルやカラーフィルタ基板、偏光板の表面にシロキ
サン結合によって化学結合されてなる化学吸着膜を形成
させており、撥水・撥油性に優れたものとなって汚れが
付着しにくくなる。その上、耐久性に優れた膜とするこ
とができ、表面からは容易に剥離しない。また、化学吸
着膜は単分子膜であるという本発明の構成によれば、均
一な厚さの膜にすることができ、透明性に優れたものと
することができる。
【００１２】
【実施例】本発明の液晶表示装置は一般に、透明基板と
してガラス基板を用いているため、表面にはすでにＳｉ
Ｏ2膜が形成されておりその表面に水酸基を多く含んで
いる。しかし、カラーフィルター基板や偏光板のように
基板表面の一方が樹脂で、その表面に水酸基がわずかし
かない場合には、プラズマ処理、紫外線照射、またはシ
ロキサン層を形成することによって表面を親水性にする
ことができる。
してガラス基板を用いているため、表面にはすでにＳｉ
Ｏ2膜が形成されておりその表面に水酸基を多く含んで
いる。しかし、カラーフィルター基板や偏光板のように
基板表面の一方が樹脂で、その表面に水酸基がわずかし
かない場合には、プラズマ処理、紫外線照射、またはシ
ロキサン層を形成することによって表面を親水性にする
ことができる。
【００１３】次に、一端にクロロシリル基（ＳｉＣｌn
Ｘ3-n基、ｎ＝１、２、３、Ｘは官能基）を有する直鎖
状炭素鎖を含む分子、例えばフッ化炭素基およびクロロ
シリル基を含むクロロシリル系界面活性剤を混ぜた非水
系溶媒に接触させて、基板表面の水酸基と前記クロロシ
リル基を複数個含む物質のクロロシリル基を反応させて
前記物質よりなる単分子膜を前記基板表面に析出させ
る。
Ｘ3-n基、ｎ＝１、２、３、Ｘは官能基）を有する直鎖
状炭素鎖を含む分子、例えばフッ化炭素基およびクロロ
シリル基を含むクロロシリル系界面活性剤を混ぜた非水
系溶媒に接触させて、基板表面の水酸基と前記クロロシ
リル基を複数個含む物質のクロロシリル基を反応させて
前記物質よりなる単分子膜を前記基板表面に析出させ
る。
【００１４】あるいはクロルシリル基を複数個含む物質
を混ぜた非水系溶媒に接触させて前記基板表面の水酸基
と前記クロロシリル基を複数個含む物質のクロロシリル
基を反応させて前記物質を前記基板表面に析出させる工
程と、非水系有機溶媒を用い前記基板表面に残った余分
なクロロシリル基を複数個含む物質を洗浄除去し、前記
基板上にクロロシリル基を複数個含む物質よりなるシロ
キサン系単分子膜を形成する工程と、一端にクロロシリ
ル基を有する直鎖状炭素鎖を含むシラン系界面活性剤を
前記基板上に化学吸着し単分子吸着膜を累積する工程と
により前記基板表面にフッ化炭素系化学吸着単分子累積
膜を形成できる。
を混ぜた非水系溶媒に接触させて前記基板表面の水酸基
と前記クロロシリル基を複数個含む物質のクロロシリル
基を反応させて前記物質を前記基板表面に析出させる工
程と、非水系有機溶媒を用い前記基板表面に残った余分
なクロロシリル基を複数個含む物質を洗浄除去し、前記
基板上にクロロシリル基を複数個含む物質よりなるシロ
キサン系単分子膜を形成する工程と、一端にクロロシリ
ル基を有する直鎖状炭素鎖を含むシラン系界面活性剤を
前記基板上に化学吸着し単分子吸着膜を累積する工程と
により前記基板表面にフッ化炭素系化学吸着単分子累積
膜を形成できる。
【００１５】これにより極めて薄いナノメーターレベル
の膜厚のフッ化炭素系単分子膜が基板表面に形成でき、
膜面は傷つきにくく、耐久性、撥水・撥油性、防汚性に
優れたものとなる。
の膜厚のフッ化炭素系単分子膜が基板表面に形成でき、
膜面は傷つきにくく、耐久性、撥水・撥油性、防汚性に
優れたものとなる。
【００１６】前記フッ化アルキル基を有するクロロシラ
ン系界面活性剤としては、例えばＣＦ3（ＣＦ2）7（Ｃ
Ｈ2）2ＳｉＣｌ3、ＣＦ3ＣＨ2Ｏ（ＣＨ2）15ＳｉＣ
ｌ3、ＣＦ3（ＣＨ2）2Ｓｉ（ＣＨ3）2（ＣＨ2）15Ｓｉ
Ｃｌ3、Ｆ（ＣＦ2）4（ＣＨ2）2Ｓｉ（ＣＨ3）2（Ｃ
Ｈ2）9ＳｉＣｌ3、Ｆ（ＣＦ2）8（ＣＨ2）2Ｓｉ（Ｃ
Ｈ3）2（ＣＨ2）9ＳｉＣｌ3、ＣＦ3ＣＯＯ（ＣＨ2）15
ＳｉＣｌ3、ＣＦ3（ＣＦ2）5（ＣＨ2）2ＳｉＣｌ3、等
のようなトリクロロシラン系界面活性剤をはじめ、例え
ばＣＦ3（ＣＦ2）7（ＣＨ2）2ＳｉＣｌn（ＣＨ3）3-n、
ＣＦ3（ＣＦ2）7（ＣＨ2）2ＳｉＣｌn（Ｃ2Ｈ5）3-n、
ＣＦ3ＣＨ20（ＣＨ2）15ＳｉＣｌn（ＣＨ3）3-n、ＣＦ3
ＣＨ20（ＣＨ2）15ＳｉＣｌn（Ｃ2Ｈ5）3-n、ＣＦ3（Ｃ
Ｈ2）2Ｓｉ（ＣＨ3）2（ＣＨ2）15ＳｉＣｌn（ＣＨ3）
3-n、Ｆ（ＣＦ2）4（ＣＨ2）2Ｓｉ（ＣＨ3）2（ＣＨ2）
9ＳｉＣｌn（Ｃ2Ｈ5）3-n、Ｆ（ＣＦ2）8（ＣＨ2）2Ｓ
ｉ（ＣＨ3）2（ＣＨ2）9ＳｉＣｌn（ＣＨ3）3-n、ＣＦ3
ＣＯＯ（ＣＨ2）15ＳｉＣｌn（ＣＨ3）3-n、ＣＦ3（Ｃ
Ｆ2）5（ＣＨ2）2ＳｉＣｌn（ＣＨ3）3-n（但し式中の
ｎは何れも１または２）等のような低級アルキル基置換
のモノクロロシラン系あるいはジクロルシラン系界面活
性剤があげられる。
ン系界面活性剤としては、例えばＣＦ3（ＣＦ2）7（Ｃ
Ｈ2）2ＳｉＣｌ3、ＣＦ3ＣＨ2Ｏ（ＣＨ2）15ＳｉＣ
ｌ3、ＣＦ3（ＣＨ2）2Ｓｉ（ＣＨ3）2（ＣＨ2）15Ｓｉ
Ｃｌ3、Ｆ（ＣＦ2）4（ＣＨ2）2Ｓｉ（ＣＨ3）2（Ｃ
Ｈ2）9ＳｉＣｌ3、Ｆ（ＣＦ2）8（ＣＨ2）2Ｓｉ（Ｃ
Ｈ3）2（ＣＨ2）9ＳｉＣｌ3、ＣＦ3ＣＯＯ（ＣＨ2）15
ＳｉＣｌ3、ＣＦ3（ＣＦ2）5（ＣＨ2）2ＳｉＣｌ3、等
のようなトリクロロシラン系界面活性剤をはじめ、例え
ばＣＦ3（ＣＦ2）7（ＣＨ2）2ＳｉＣｌn（ＣＨ3）3-n、
ＣＦ3（ＣＦ2）7（ＣＨ2）2ＳｉＣｌn（Ｃ2Ｈ5）3-n、
ＣＦ3ＣＨ20（ＣＨ2）15ＳｉＣｌn（ＣＨ3）3-n、ＣＦ3
ＣＨ20（ＣＨ2）15ＳｉＣｌn（Ｃ2Ｈ5）3-n、ＣＦ3（Ｃ
Ｈ2）2Ｓｉ（ＣＨ3）2（ＣＨ2）15ＳｉＣｌn（ＣＨ3）
3-n、Ｆ（ＣＦ2）4（ＣＨ2）2Ｓｉ（ＣＨ3）2（ＣＨ2）
9ＳｉＣｌn（Ｃ2Ｈ5）3-n、Ｆ（ＣＦ2）8（ＣＨ2）2Ｓ
ｉ（ＣＨ3）2（ＣＨ2）9ＳｉＣｌn（ＣＨ3）3-n、ＣＦ3
ＣＯＯ（ＣＨ2）15ＳｉＣｌn（ＣＨ3）3-n、ＣＦ3（Ｃ
Ｆ2）5（ＣＨ2）2ＳｉＣｌn（ＣＨ3）3-n（但し式中の
ｎは何れも１または２）等のような低級アルキル基置換
のモノクロロシラン系あるいはジクロルシラン系界面活
性剤があげられる。
【００１７】これらの中でも特にトリクロロシラン系界
面活性剤の親水性基と結合したクロロシリル結合以外の
クロロシリル結合が、隣合うクロロシリル基とシロキサ
ン結合で分子間結合を形成するため、より強固な化学吸
着膜となり得る。
面活性剤の親水性基と結合したクロロシリル結合以外の
クロロシリル結合が、隣合うクロロシリル基とシロキサ
ン結合で分子間結合を形成するため、より強固な化学吸
着膜となり得る。
【００１８】また、ＣＦ３（ＣＦ２）ｎＣＨ２ＣＨ２Ｓ
ｉＣｌ３（但し式中のｎは整数であり、３〜２５程度が
最も扱いやすい）は、撥水・撥油性および防汚性等の機
能性との釣合が取れているため望ましい。さらには、ア
ルキル基鎖部分にエチレン基やアセチレン基を付加した
り組み込んでおけば、単分子膜形成後に５メガラド程度
の電子線照射することで架橋できるため、単分子膜の硬
度をより向上させることも可能である。
ｉＣｌ３（但し式中のｎは整数であり、３〜２５程度が
最も扱いやすい）は、撥水・撥油性および防汚性等の機
能性との釣合が取れているため望ましい。さらには、ア
ルキル基鎖部分にエチレン基やアセチレン基を付加した
り組み込んでおけば、単分子膜形成後に５メガラド程度
の電子線照射することで架橋できるため、単分子膜の硬
度をより向上させることも可能である。
【００１９】本発明に使用できるクロロシリル系界面活
性剤は、前記したように直鎖状だけではなくフッ化アル
キル基または炭化水素基が分岐した形状でも、また末端
の珪素にフッ化アルキル基または炭化水素基が置換した
形状（即ちＲ、Ｒ1、Ｒ2、Ｒ 3をフッ化アルキル基また
は炭化水素基として一般式Ｒ2ＳｉＣｌ2、Ｒ3ＳｉＣ
ｌ，Ｒ1Ｒ2ＳｉＣｌ2もしくはＲ1Ｒ2Ｒ3ＳｉＣｌ等）で
あってもよいが、吸着密度を高めるためには一般には直
鎖状が望ましい。
性剤は、前記したように直鎖状だけではなくフッ化アル
キル基または炭化水素基が分岐した形状でも、また末端
の珪素にフッ化アルキル基または炭化水素基が置換した
形状（即ちＲ、Ｒ1、Ｒ2、Ｒ 3をフッ化アルキル基また
は炭化水素基として一般式Ｒ2ＳｉＣｌ2、Ｒ3ＳｉＣ
ｌ，Ｒ1Ｒ2ＳｉＣｌ2もしくはＲ1Ｒ2Ｒ3ＳｉＣｌ等）で
あってもよいが、吸着密度を高めるためには一般には直
鎖状が望ましい。
【００２０】さらに例えば、ＳｉＣｌ4、ＳｉＨＣｌ3、
ＳｉＨ2Ｃｌ2、Ｃｌ−（ＳｉＣｌ2Ｏ）n−ＳｉＣｌ
3（但し式中ｎは自然数）、ＳｉＣｌm（ＣＨ3）4-m、Ｓ
ｉＣｌm（Ｃ2Ｈ5）4-m（但し式中ｍは１〜３の整数）、
ＨＳｉＣｌι（ＣＨ3）3-ι、ＨＳｉＣｌι（Ｃ2Ｈ5）
3-ι、（但し式中ιは１または２）等のようなクロロシ
リル結合を複数個含む物質を化学吸着させた後に、水と
反応すると表面のクロロシリル結合が親水性のシラノー
ル結合に変わり、基板表面が親水性となる。
ＳｉＨ2Ｃｌ2、Ｃｌ−（ＳｉＣｌ2Ｏ）n−ＳｉＣｌ
3（但し式中ｎは自然数）、ＳｉＣｌm（ＣＨ3）4-m、Ｓ
ｉＣｌm（Ｃ2Ｈ5）4-m（但し式中ｍは１〜３の整数）、
ＨＳｉＣｌι（ＣＨ3）3-ι、ＨＳｉＣｌι（Ｃ2Ｈ5）
3-ι、（但し式中ιは１または２）等のようなクロロシ
リル結合を複数個含む物質を化学吸着させた後に、水と
反応すると表面のクロロシリル結合が親水性のシラノー
ル結合に変わり、基板表面が親水性となる。
【００２１】なお、このクロロシリル基を複数個含む物
質の中でも、テトラクロロシラン（ＳｉＣｌ4）は反応
性が高く分子量も小さいため、より高密度にシラノール
結合を付与できる。このようにして親水性化すると高分
子を含む基板の酸化処理よりも親水性をより高くするこ
とができる。この上に例えばフッ化アルキル基を含むク
ロロシラン系界面活性剤を化学吸着でき、このようにし
て得た化学吸着膜はより高密度化される。
質の中でも、テトラクロロシラン（ＳｉＣｌ4）は反応
性が高く分子量も小さいため、より高密度にシラノール
結合を付与できる。このようにして親水性化すると高分
子を含む基板の酸化処理よりも親水性をより高くするこ
とができる。この上に例えばフッ化アルキル基を含むク
ロロシラン系界面活性剤を化学吸着でき、このようにし
て得た化学吸着膜はより高密度化される。
【００２２】本発明に用いる非水系溶媒は、クロロシラ
ン系界面活性剤と反応する活性水素を持たない有機溶媒
であればよい。その例としては、１，１ジクロロ−１−
フルオロエタン、１，１−ジクロロ−２，２，２−トリ
フルオロエタン、１，１−ジクロロ−２，２，３，３，
３−ペンタフルオロプロパン、１，３−ジクロロ−１，
１，２，２，３−ヘプタフルオロプロパン等のフッ素系
溶媒、例えばヘキサン、オクタン、ヘキサデカン、シク
ロヘキサン等の炭化水素系溶媒、例えばジプチルエーテ
ル、ジベンジルエーテル等のエーテル系溶媒、例えば酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル
等エステル系溶媒の何れかが望ましい。
ン系界面活性剤と反応する活性水素を持たない有機溶媒
であればよい。その例としては、１，１ジクロロ−１−
フルオロエタン、１，１−ジクロロ−２，２，２−トリ
フルオロエタン、１，１−ジクロロ−２，２，３，３，
３−ペンタフルオロプロパン、１，３−ジクロロ−１，
１，２，２，３−ヘプタフルオロプロパン等のフッ素系
溶媒、例えばヘキサン、オクタン、ヘキサデカン、シク
ロヘキサン等の炭化水素系溶媒、例えばジプチルエーテ
ル、ジベンジルエーテル等のエーテル系溶媒、例えば酢
酸メチル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸アミル
等エステル系溶媒の何れかが望ましい。
【００２３】以下に本発明の代表例を説明する。 （実施例１）まず、有機材料からなる偏光フィルムを液
晶パネルに貼付けてなる液晶パネル８ａの前記偏光板７
表面をプラズマ処理、紫外線照射等によって親水性にす
る。その後有機溶媒で洗浄し、フッ化炭素基およびクロ
ロシリル基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒、例えばＣ
Ｆ3（ＣＦ2）7（ＣＨ2）2ＳｉＣｌ3を用い、２ｗｔ％程
度の濃度で溶かした８０ｗｔ％ｎ−ヘキサデカン（トル
エン、キシレン、ジシクロヘキサンでもよい）、１２ｗ
ｔ％四塩化炭素、８ｗｔ％クロロホルム溶液を調整した
液中に２時間程度浸漬する。
晶パネルに貼付けてなる液晶パネル８ａの前記偏光板７
表面をプラズマ処理、紫外線照射等によって親水性にす
る。その後有機溶媒で洗浄し、フッ化炭素基およびクロ
ロシリル基を含む物質を混ぜた非水系の溶媒、例えばＣ
Ｆ3（ＣＦ2）7（ＣＨ2）2ＳｉＣｌ3を用い、２ｗｔ％程
度の濃度で溶かした８０ｗｔ％ｎ−ヘキサデカン（トル
エン、キシレン、ジシクロヘキサンでもよい）、１２ｗ
ｔ％四塩化炭素、８ｗｔ％クロロホルム溶液を調整した
液中に２時間程度浸漬する。
【００２４】前記液晶パネルおよび偏光フィルムの表面
には自然酸化膜１３が形成されておりその酸化膜表面に
は水酸基１４が多数含まれているので、フッ化炭素基お
よびクロロシリル基を含む物質のＳｉＣｌ基と前記水酸
基が反応し、脱塩酸反応が生じて前記半導体基板表面全
面にわたり下記（化１）に示す結合が生成される。
（（図２）参照）そこで、フッ素を含む単分子膜１５が
液晶パネルおよび偏光板の表面全面と化学結合した状態
で膜厚１５オングストローム程度の保護膜となって形成
できる（（図１）参照）。
には自然酸化膜１３が形成されておりその酸化膜表面に
は水酸基１４が多数含まれているので、フッ化炭素基お
よびクロロシリル基を含む物質のＳｉＣｌ基と前記水酸
基が反応し、脱塩酸反応が生じて前記半導体基板表面全
面にわたり下記（化１）に示す結合が生成される。
（（図２）参照）そこで、フッ素を含む単分子膜１５が
液晶パネルおよび偏光板の表面全面と化学結合した状態
で膜厚１５オングストローム程度の保護膜となって形成
できる（（図１）参照）。
【００２５】
【化１】
【００２６】本実施例ではカラーフィルタ基板、偏光
板、液晶パネルが一体化したものを用いて説明したが、
個々の基板を処理できることは言うまでもない。
板、液晶パネルが一体化したものを用いて説明したが、
個々の基板を処理できることは言うまでもない。
【００２７】なお、（図１）では基板の表裏面のみに単
分子膜が形成された様子を示しているが基板全周囲に形
成されるものである。そして、前記化学吸着単分子膜は
必要に応じて不要部分をドライエッチ除去することがで
きる。従って、個々に処理した基板を用いてパネル化す
ることも可能である。
分子膜が形成された様子を示しているが基板全周囲に形
成されるものである。そして、前記化学吸着単分子膜は
必要に応じて不要部分をドライエッチ除去することがで
きる。従って、個々に処理した基板を用いてパネル化す
ることも可能である。
【００２８】
【発明の効果】以上説明した通り、本発明の液晶表示装
置によれば、液晶表示パネルやカラーフィルタ基板、偏
光板の表面に化学結合されてなる化学吸着膜を形成でき
るので、撥水・撥油性を付与できる。また、化学吸着膜
は単分子膜であるという本発明の構成によれば、ナノメ
ータ、オングストローム単位の極めて薄い膜が得られ、
透明性に優れ、均一性のよい膜にすることができる。従
って、極めて撥水・撥油性、防汚効果の高い保護膜を提
供することができる。
置によれば、液晶表示パネルやカラーフィルタ基板、偏
光板の表面に化学結合されてなる化学吸着膜を形成でき
るので、撥水・撥油性を付与できる。また、化学吸着膜
は単分子膜であるという本発明の構成によれば、ナノメ
ータ、オングストローム単位の極めて薄い膜が得られ、
透明性に優れ、均一性のよい膜にすることができる。従
って、極めて撥水・撥油性、防汚効果の高い保護膜を提
供することができる。
【００２９】本発明の処理を施すことで、液晶パネルや
カラーフィルタ基板、偏光板などの表面に異物が付着し
にくく、付着異物による画像不良を防止できる。また、
汚れについても除去しやすい。従って、高品質の液晶表
示装置を提供することが出来る。
カラーフィルタ基板、偏光板などの表面に異物が付着し
にくく、付着異物による画像不良を防止できる。また、
汚れについても除去しやすい。従って、高品質の液晶表
示装置を提供することが出来る。
【図１】本発明の第１の実施例を説明するために液晶パ
ネルの表面を分子レベルまで拡大した処理後の断面工程
概念図
ネルの表面を分子レベルまで拡大した処理後の断面工程
概念図
【図２】本発明の第１の実施例を説明するために液晶パ
ネルの表面を分子レベルまで拡大した処理前の断面工程
概念図
ネルの表面を分子レベルまで拡大した処理前の断面工程
概念図
【図３】液晶パネルの断面概略構成図
【図４】投射型液晶表示装置構成図
１ ＴＦＴ基板 ２ 対向基板 ３ 配向膜 ４ シール材 ５ スペーサ ６ 液晶 ７ 偏光板 ８ａ、８ｂ 液晶パネル ９ 光源 １０ レンズ １１ スクリーン １２ カラーフィルタ １３ 自然酸化膜 １４ 水酸基 １５ 単分子膜
Claims (2)
- 【請求項１】基板表面にクロロシリル基（ＳｉＣｌ n Ｘ
3-n 基、ｎ＝１，２，３、Ｘは官能基）を含む物質をシ
ロキサン結合を介して化学結合させることにより前記基
板表面に化学吸着膜を形成してなる撥水・撥油性皮膜を
有する液晶表示装置。 - 【請求項２】基板表面にクロロシリル基（ＳｉＣｌ n Ｘ
3-n 基、ｎ＝１，２，３、Ｘは官能基）を含む物質をシ
ロキサン結合を介して化学結合させることにより前記基
板表面に化学吸着膜を形成してなる撥水・撥油性皮膜を
有する投射型液晶表示装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25955392A JP3084963B2 (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 撥水・撥油性皮膜を有する液晶表示装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP25955392A JP3084963B2 (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 撥水・撥油性皮膜を有する液晶表示装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06110049A JPH06110049A (ja) | 1994-04-22 |
| JP3084963B2 true JP3084963B2 (ja) | 2000-09-04 |
Family
ID=17335718
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP25955392A Expired - Lifetime JP3084963B2 (ja) | 1992-09-29 | 1992-09-29 | 撥水・撥油性皮膜を有する液晶表示装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3084963B2 (ja) |
-
1992
- 1992-09-29 JP JP25955392A patent/JP3084963B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06110049A (ja) | 1994-04-22 |
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