JP3083970B2 - ガス加湿方法 - Google Patents

ガス加湿方法

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JP3083970B2
JP3083970B2 JP07108003A JP10800395A JP3083970B2 JP 3083970 B2 JP3083970 B2 JP 3083970B2 JP 07108003 A JP07108003 A JP 07108003A JP 10800395 A JP10800395 A JP 10800395A JP 3083970 B2 JP3083970 B2 JP 3083970B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、工業用ガス等を高露点
に加湿する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】冷延鋼板の焼鈍においては、焼鈍中の鋼
板表面のカーボン汚れの防止及び加窒制御を行うため
に、窒素及び水素を主成分とする焼鈍雰囲気ガスを加湿
して炉内に供給することが行われている。このような工
業用ガスを加湿する方法としては、水蒸気をガス中に
吹き込む方法、乾燥ガスを温水槽中に吹き込み、ガス
気泡が温水表面から浮上する間に加湿する方法、例え
ば、特公平6−74451号公報に一例が記載されてい
るように、加湿塔において乾燥ガスを下部から導入し、
上部から温水を散水させて充填層内で向流接触する方法
が用いられている。以上の方法において、ガス露点を精
密に制御する必要がある場合は、の加湿塔を使用する
方法が用いられる。なぜなら、の水蒸気を直接吹き込
む方法では、乾燥ガス流量と吹き蒸気量を個別に制御
し、所定のガス露点になるように蒸気量を演算して制御
するが、ガス露点の精度を向上させるためにはガス露点
のフィードバック制御を行う必要があり、ガス露点の変
更時に露点のハンチング現象が生じる恐れがある。ま
た、の方法においては、乾燥ガスの流量を変更すると
吹き込み気泡の状態が変化することによって、目標ガス
露点に制御することが困難となるからである。一方、
の方法ではガス露点を安定して目標露点に制御すること
が可能であり、露点設定値を変更する場合の制御応答性
を改善する方法として、一時的に水蒸気/冷却水を吹き
込む方法を併用すれば、精度良くガス露点を制御できる
という利点がある。図3にはこのようなガス加湿方法を
適用したガス加湿設備10の一般例を示すが、下部の温
水タンク11からポンプ12によって温水を汲み上げ上
部の散水ノズル13から中間部の充填層14に散水し、
乾燥ガス入口15から導入されるガスと向流させて加湿
し、加湿塔16の上部出口側に設けられたガス加熱器1
7によって所定温度に加熱している。そして、温水タン
ク11の側面にはレベル計18が設けられ、制御器19
によって電磁弁20を制御し、不足分を補給タンク21
から一定温度に加熱された温水によって供給している。
なお、22は温水タンク11の水を所定温度に加熱する
ためのヒータ、23は補給タンク21の不足の水を供給
するための弁を示す。この方法においては、露点制御精
度を確保するために、温水温度を精度良く管理すること
が最も重要な問題となってくる。そこで、温水は前記温
水タンク11内において、ヒータ22による温度コント
ロールが行われ、乾燥ガスの加湿に費やされる温水は補
給タンク21からの補給温水によって賄われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、加湿開
始時において循環用のポンプ12を起動した際、温水が
循環配管24及び充填層14内を流れ始めるので、循環
配管24及び充填層14の内容積に相当する分だけ温水
タンクレベルが低下すると、補給タンク21からの補給
水が流れ込み温水タンク11内の温水レベルを一定にし
ようとするが、急激に大量の補給水が補給タンク21か
ら供給されるので、補給タンク21からの温水の温度が
低下し、このため温水タンク11の温水温度が変動し、
加湿精度が低下するという問題がある。ここで、そのよ
うな問題が生じないようにするには、温水タンクの容量
を大きくすることも考えられるが、設備が高騰すると共
に設置スペースが大きくなり、更に温水温度を所定温度
まで上昇するのに長時間を要するという問題がある。本
発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、設備費が廉
価で、露点制御精度がよいガス加湿方法を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】前記目的に沿う請求項1
記載のガス加湿方法は、下部に温水タンクが、中間部に
充填層がそれぞれ設けられた加湿塔に、下部から乾燥ガ
スを導き、前記温水タンクからの温水をポンプで汲み上
げ、上部の散水スプレーから放水して前記乾燥ガスを加
湿し、加湿したガスを上部から排出するガス加湿方法に
おいて、前記温水タンクの温水レベルの検出を、通常操
業時に水の不足を検知する運転レベルと、これより高い
位置に設置され、運転準備前の水位を決定する準備レベ
ルとの2点で行い、これらを切り換えて運転を行ってい
る。また、請求項2記載のガス加湿方法は、請求項1記
載の方法において、前記運転レベルと準備レベルとの差
分に対応する温水タンクの容量が、前記ポンプアップさ
れる温水の循環配管及び前記充填層の水容積以上となっ
ている。
【0005】
【作用】請求項1、2記載のガス加湿方法においては、
温水タンクの温水レベルの検出を、通常操業時に水の不
足を検知する運転レベルと、これより高い位置に設置さ
れ、運転準備前の水位を決定する準備レベルとの2点で
行っているので、運転準備前には準備レベルで温水タン
クに水を蓄えておき、ポンプを起動して温水タンクから
温水を汲み上げ、充填層にスプレーを行い運転準備を行
う際は、準備レベルより下位置にある運転レベルで温水
の検知を行う。これによって、運転準備中は補給水(温
水を含む)が浸入しないので、温水タンク内の水の温度
が急激に下がることがない。特に、請求項2記載のガス
加湿方法においては、運転レベルと準備レベルとの差分
に対応する温水タンクの容量が、ポンプアップされる温
水の循環配管及び充填層の水容積以上となっているの
で、運転準備が完了し、更に通常の運転を行う場合であ
っても、温水タンク内の温水は一定温度に保持できる。
【0006】
【実施例】続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明
を具体化した実施例につき説明し、本発明の理解に供す
る。ここに、図1は本発明の一実施例に係るガス加湿方
法を適用した設備の説明図、図2は作動状態を示す説明
図である。なお、実施例において前記従来例に係る設備
と同一の構成要素については同一の番号を付してその詳
しい説明を省略する。
【0007】本発明の一実施例を適用したガス加湿設備
30においては、加湿塔16の下部にある温水タンク1
1には上下2つの温水レベル計31、32が設けられ、
これらの出力は制御器33に入力されている。そして、
この制御器33の信号によって補給タンク21に接続す
る電磁弁20のオンオフを行っている。
【0008】前記温水レベル計31は準備レベルを検出
するためのものであり、温水レベル計32は通常の運転
レベルを検知するためのもので、温水レベル計31より
少し下位置に取付けられている。ここで、温水レベル計
31、32の高さの差をLとし、温水タンク11の断面
積をSとし、循環配管24及び充填層14の水容積(運
転に必要な水の量をいう)をVとした場合、S・L≧V
とすることが好ましく、更に温水タンク11の大型化を
防ぐために、1.2V≧S・L≧Vとするのがより好ま
しい。
【0009】前記制御器33は、このガス加湿設備30
を作動させるためのプログラムが記載されたプログラム
コントローラからなっている。温水タンク11の液面を
制御する部分についてのみ図2を参照しながら説明する
と、このガス加湿設備30を停止させている間は、準備
レベルを検出する温水レベル計31を作動状態にして、
液面を制御し、不足する場合には、補給タンク21から
温水を入れておく。そして、ガス加湿設備30を作動さ
せる場合には、まず図示しない準備開始スイッチを押し
て、運転準備開始を行う。これによって、温水レベル計
31の動作を止めて温水レベル計32を作動させるが、
運転準備期間中は、水位が運転レベルより上位置にある
ので、補給タンク21から温水は入って来ないこととな
る。
【0010】この状態で運転準備を完了すると正常運転
に入るが、運転準備が完了したか否かは、タイマーによ
って行ってもよいし、別に液面計を設けて温水タンク1
1の水位が一定になったことを確認して行ってもよい。
乾燥ガスを入れて加湿運転を行うと、更に水位が下がる
ので、温水レベル計32が作動して、電磁弁20が開
き、補給タンク21から温水タンク11内に補給水(温
水)が浸入して、一定レベルを保つことになる。なお、
補給タンク21には内部にヒータが設けられて、常時温
水タンク11内の温水と同温度の水が用意されている。
【0011】前記実施例においては、温水レベル計32
の動作は、運転準備の開始と共に行ったが、運転レベル
が十分低い位置にある場合には、運転準備完了の時点ま
で投入できるようにすれば十分である。
【0012】
【発明の効果】請求項1、2記載のガス加湿方法は以上
の説明からも明らかなように、温水タンクにおいて、準
備レベルと運転レベルで温水液面を検知して、運転準備
時にはこれを切り換えて使用しているので、運転準備中
は外部から水が浸入することがなく、結果として温水タ
ンク内の温水を一定温度に保持できる。しかも、温水タ
ンクの容量を大きくする必要がないので、温水温度を所
定温度に上げるのに長時間を要しないと共に、設備費、
及び設置スペースの増加を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るガス加湿方法を適用し
た設備の説明図である。
【図2】作動状態を示す説明図である。
【図3】従来例に係るガス加湿設備の説明図である。
【符号の説明】
11 温水タンク 12 ポンプ 13 散水ノズル 14 充填層 15 乾燥ガス入口 16 加湿塔 17 ガス加熱器 20 電磁弁 21 補給タンク 22 ヒータ 23 弁 24 循環配管 30 ガス加湿設備 31 温水レベル計 32 温水レベル計 33 制御器

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下部に温水タンクが、中間部に充填層が
    それぞれ設けられた加湿塔に、下部から乾燥ガスを導
    き、前記温水タンクからの温水をポンプで汲み上げ、上
    部の散水スプレーから放水して前記乾燥ガスを加湿し、
    加湿したガスを上部から排出するガス加湿方法におい
    て、 前記温水タンクの温水レベルの検出を、通常操業時に水
    の不足を検知する運転レベルと、これより高い位置に設
    置され、運転準備前の水位を決定する準備レベルとの2
    点で行い、これらを切り換えて運転を行うことを特徴と
    するガス加湿方法。
  2. 【請求項2】 前記運転レベルと準備レベルとの差分に
    対応する温水タンクの容量が、前記ポンプアップされる
    温水の循環配管及び前記充填層の水容積以上となってい
    る請求項1記載のガス加湿方法。
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