JP3083961B2 - バン型車両のテールゲートリフト構造 - Google Patents

バン型車両のテールゲートリフト構造

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JP3083961B2 JP06219466A JP21946694A JP3083961B2 JP 3083961 B2 JP3083961 B2 JP 3083961B2 JP 06219466 A JP06219466 A JP 06219466A JP 21946694 A JP21946694 A JP 21946694A JP 3083961 B2 JP3083961 B2 JP 3083961B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、バン型車両のテールゲ
ートリフト構造に関し、詳しくはバン型車両の荷台後部
下端に設けられたテールゲートリフトを用いてコンテナ
後部に設けられた観音開き式扉の閉時に該扉の閉状態を
ロックするバン型車両のテールゲートリフト構造に関す
る。
【0002】
【従来の技術】バン型車両等の貨物自動車のコンテナ後
部門戸は荷物搬出入のため、シャッタ扉或いは観音開き
式扉が設けられていて、荷役時には該扉を開放し、コン
テナの後端下部に装着されたテールゲートリフトを使用
して、荷物の積み降ろし作業を行っている。荷物の積み
降ろしに使用されるテールゲートリフトは走行時には、
コンテナの下に格納される場合とコンテナの後部門戸に
沿わせて垂直に起立した状態に保持される場合とがあ
る。
【0003】図6はこのような観音開き式扉を持つバン
型車両を後部方向から見た後部正面図である。図6に示
すように、観音開き式扉を持つバン型車両は、一般には
左右の扉パネル2、4上に軸受部材6、8によって回動
及び摺動自在に枢着され、両先端部(上部は未図示)に
カム部10を有するロックロッド12を設け、扉パネル
2、4を閉めたとき、該カム部10を門口側の上枠(未
図示)と下枠14に設けたカムキーパ16に夫々係止さ
せて扉パネル2、4をロックし、扉パネルの閉塞状態を
保持する。なお、図6において、18はテールゲートリ
フトであり、20はこれを構成する平行四辺形のリンク
機構であり、22は同じくテンションアームであり、2
4は同じくプラットホームであり、28は同じくリフト
アームである。なお、図7はテールゲートリフトのプラ
ットホームを垂直に立てた状態を示す斜視図である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のような従来の扉
のロック装置は、ロックロッド12自身の重量に加えて
ロック装置の付属品の重量を勘案すると、数十キログラ
ム以上にもなり、積載荷物の重量からみて無視できない
重量となる。さらに、上記バン型車両の観音開き式扉と
テールゲートリフト18を備えた従来のバン型車両は、
前記観音開き扉の施錠用ロックロッド12は、閉められ
た観音開き扉の面からさらに後部方向に突出して取付け
られているため、図8に示すように、テールゲートリフ
ト18のプラットホーム24を垂直に立てて扉パネル
2、4の扉面に沿わせたとき、テールゲートリフトのプ
ラットホーム24がロックロッド12に突き当たらない
ようにするため、コンテナの下枠14に、厚みtを持っ
た回動規制部材26を着脱自在に設けておかなければな
らない。またプラットホーム24の後端は扉面からかな
り後方に突出されることになる。そのため荷役時には水
平位置に保持されたテールゲートリフトのプラットホー
ム24の前縁とコンテナの床後端縁との間に40〜60
ミリメートルの隙間S(tと同じ厚み)が生じる。この
ためテールゲートリフトを用いて荷役作業を行うとき、
この隙間に渡し板を設けなければならず、またこの渡し
板はコンテナ内から引き出す構造となっているが、庫内
から引き出すとき、事故や故障の原因となっている。さ
らに、荷役作業時には回動規制部材26が邪魔になるの
で、これを取り外すという作業が加わる。
【0005】本発明は、上述のような従来の欠点を改善
しようとするものであり、その目的は、コンテナ後部に
設けられた観音開き式扉の閉時に該扉の閉状態をロック
するバン型車両のテールゲートリフト構造において、荷
役時に渡し板を不要にするなど荷役作業の省力化を計る
ことができ、かつ扉パネルの閉状態を保持するロックロ
ッドを用いることなく扉パネルをロックでき、車両全体
の軽量化を計ってコストダウンを達成することができる
ようなバン型車両のテールゲートリフト構造を提供する
ことにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに本願の請求項1に係る発明は、コンテナ後部に設け
られた観音開き式扉の閉時に該扉の閉状態をロックする
バン型車両のテールリフト構造において、テールゲート
リフトを構成するリンク機構により上下方向に移動自在
であり、かつ水平方向と垂直方向に動作する油圧動作の
プラットホームと、上記プラットホームが垂直に位置す
る時,その垂直面とほぼ同じ面に位置し、コンテナの開
口面において揺動自在に軸承されている2枚の観音開き
式扉と、上記観音開き式各扉の上端から下端に亘って貼
着され、上端は扉の上縁よりも上に突出して閉塞時にコ
ンテナの上枠に当接し、下端には扉の施錠となる落し錠
を設けた細長状の抑え板と、を具備し、油圧により垂直
位置にロックされているプラットホームが各扉の前記抑
え板を抑え、該扉を閉位置にロックすることを特徴とす
るバン型車両のテールゲートリフト構造を提供する。本
願の請求項2に係る発明では、請求項1に係る発明にお
いて、プラットホームは上記抑え板に設けた抑えダンパ
を介して扉を押し圧することを特徴とするバン型車両の
テールゲートリフト構造を提供する。請求項3に係る発
明では、請求項1に係る発明において、プラットホーム
は各扉の自由端縁部の近傍に設けられた細長状の抑え板
を介して扉を押圧していることを特徴とするバン型テー
ルゲートリフト構造を提供する。請求項4に係る発明で
は、請求項3に係るは発明において、プラットホームは
各扉の自由端縁部の近傍に設けられた細長状の抑え板に
設けた抑えダンパを介して扉を押し圧していることを特
徴とするバン型車両のテールゲートリフト構造を提供す
る。請求項5に係る発明では、請求項2又は請求項4に
係る発明において、上記抑えダンパは硬質の合成ゴムに
より構成されていることを特徴とするバン型車両のテー
ルゲートリフト構造を提供する。請求項6に係る発明で
は、請求項1に係る発明において、気密構造に構成され
た扉をプラットホームの押圧でロックすることを特徴と
するバン型車両のテールゲートリフト構造を提供する。
請求項7に係る発明では、請求項1又は請求項2に係る
発明において、プラットホームはロックロッド施錠機構
を有することを特徴とするバン型車両のテールゲートリ
フト構造を提供する。
【0007】
【作用】コンテナ後部に設けられた観音開き式扉の閉時
に該扉の閉状態をロックするバン型車両のテールゲート
リフト構造において、扉パネルからロックロッドを省き
テールゲートリフトの垂直に立てられたプラットホーム
により閉められた扉パネルを抑え、これにより扉パネル
をロックする。ロックロッドの省略によりテールゲート
リフトのプラットホームを扉パネルに接近させることが
でき、このため渡り板を省略できる。
【0008】
【実施例】本発明の実施例について図面を用いて詳細に
説明する。図1は本発明を説明するための斜視図であ
り、特にテールゲートリフトが降ろされた状態を示すも
のであり、図2はその使用状態を示す説明図である。こ
れらの図において100はトラックであり、その後部1
01にはコンテナ102が固定されている。コンテナ1
02の後壁は観音開き式の開閉部103となっている。
コンテナ102の下部下側にはテールゲートリフト10
4が設けられている。テールゲートリフト104は、ト
ラック100の後部下側で揺動自在な2本の腕105が
設けられ、その先端にはプラットフォーム106が取付
けられている。なお2本の腕はそれぞれテンションアー
ム22とリフトアーム28である。該プラットフォーム
106は、従来装置と同様に水平位置と垂直位置間の移
動はプラットホーム106の裏側に設けられている油圧
シリンダの動作により行なわれる。またプラットホーム
106の先端にはキャスターストッパ107が設けられ
ている。
【0009】図2において、実線にて示すテールゲート
リフト104の位置はプラットホーム106を地上に降
した状態を示し、2点鎖線の位置はプラットフォーム1
06をコンテナの床面と同じ高さに保持した状態を示
し、鎖線の状態はプラットフォーム106をコンテナ1
02の後壁面に跳ね上げた状態を示している。図1に示
すように、テールゲートリフト104のプラットフォー
ム106が実線の状態あるいは2点鎖線の状態にある
時、これに載置されているキャスタ108の車輪はキャ
スターストッパ107と当接し、キャスタ108の滑落
を防止している。
【0010】図3は後部から開閉部103を構成する扉
パネル109及び110の構成を示した平面図であり、
扉パネル109は後部から見て右側のもの、扉パネル1
10は後部から見て左側のものである。扉パネル109
及び110は軽量木材の一種であるバルサ材、ベニア合
板あるいは発泡合成樹脂からなる板状の芯材の両表面に
アルミニウムの薄板が貼着されている。また、図には示
されていないが、コンテナが冷凍バン型であれば各扉パ
ネルの裏側には合成樹脂発泡材からなる断熱層が設けら
れている。コンテナが冷凍バン型でない場合にはこのよ
うな断熱層は不要である。扉パネル109は右側の側壁
111に蝶番112により回動自在に軸承されている。
扉パネル110は左側の側壁113に蝶番114により
回動自在に軸承されている。扉パネル109と110は
中央で閉まるように構成された観音開き式の扉構造であ
る。各扉パネル109及び110の自由端縁部の近傍に
は上端から下端亘って、細長状の抑え板115が貼着さ
れている。該抑え板115は板金加工により形成された
薄い金属板からなる。抑え板115の上端は扉の上縁よ
りも上に突出しており、扉パネル109及び110が閉
じられている時、該上端116はコンテナの上枠117
に当接する。抑え板115の下端には落し錠118が取
り付けられ、扉パネル109及び110が閉ざされてい
る時落し錠118はコンテナの下枠119に明けられた
穴に挿入されて扉パネルが自由に開かないようにしてい
る。120は扉パネル109及び110を明ける時に使
用する引張り把手である。121はT字型金具で、扉パ
ネルが開放されている時、これをコンテナ側壁外側に係
合して扉パネルの不要な開閉動作を防ぐ。抑え板115
の中央付近には抑えダンパ122が固定されている。抑
えダンパ122は硬質の合成ゴムにより形成されてい
る。図4は図3のA−A線に沿って切断した断面図であ
る。図4からわかるように、本発明では、プラットホー
ム106が垂直に立てられている時、プラットホーム1
06の上面とドアパネル109及び110との間にはほ
とんど隙間がなく、ただそれらの間には薄い抑えダンパ
122が介在するのみである。なお、バン型車両が工場
内などの私有地内をテンポラリに走行する時、テールゲ
ートリフトを水平にしたまま走行する場合がある。この
ような時に落し錠118を落して扉パネルが開かないよ
うにできる。
【0011】次に本発明において、扉パネルの閉動作及
びロック動作について説明する。コンテナ内に対し荷物
の積み込みが終了し、運転者が扉パネル109及び11
0を閉ざし、落し錠118をおとしてこれら扉パネルが
不要に開らくのを防ぐ。その後、プラットホーム106
が図2の2点鎖線の位置にある状態から油圧装置を動作
させて図2の鎖線の位置すなわち垂直の位置まで回動さ
せる。ここまでプラットホーム106を回動させると、
これの表面が抑えダンパ122に当接し、軽くこれを押
し圧すると同時に、運転者はテールゲートリフトを動作
させる電磁バルブを閉じて、プラットホーム106を固
定する。このように、テールゲートリフトのプラットホ
ームが油圧により扉パネルをロックする力は、ロックロ
ッドがカムキーパによって保持ロックする力よりも強
い。
【0012】次に扉パネルを開く時には、電磁バルブを
開き、油圧機構を動作させてプラットホーム106を水
平の位置まで移動させ、その上面をコンテナの床面と同
じ高さまで移動させる。この時、プラットホーム106
の縁部はコンテナの床の端縁と接近していて隙間はほと
んど生じない。その後落し錠118を開放して扉パネル
109及び110を開き、キャスタ108を用いて積み
荷をコンテナの内部から運び出し、これをプラットホー
ム106上に移動させ、地上まで降下させて積み荷をキ
ャスタ108ごと地上に移動させる。
【0013】バン型車両は積み荷の種類によっては、コ
ンテナを密閉して運搬しなければならないような場合が
る。通常このような場合に対処したコンテナの扉パネル
は新幹線車両の扉のようにこれが閉ざされた状態にある
時、電磁力により扉パネルをコンテナ後部の開口部周辺
に設けられているパッキンに押し付けるようにしてい
る。しかしながら、このような構造をとれば、常時電磁
石に電流を流し続けなければならない。これに対して本
発明では、油圧シリンダにより扉パネルをパッキン方向
に押し圧し、電磁バルブを閉めれば扉パネルに対する押
し圧力は保持されるので、省エネルギ型のロック装置を
構成することができる。
【0014】図5は本発明の別の実施例を示す後面図で
ある。この実施例では、プラットホーム106の裏面先
端に近い部分に水平方向に1本のロックロッド123を
回動自在並びに水平方向に移動自在に設ける。そして、
図5には詳細に示してはいないが該ロックロッドの両先
端には従来のロックロッドと同じように、カム部を設け
これらをコンテナの側壁に設けたカムキーパ124に夫
々係止させて、プラットホーム106を固定する。
【0015】上記実施例では、抑えダンパ122を細長
い抑え板115上に設けたが、扉パネル表面に設けた円
形あるいは角状の台板上に設けてもよい。
【0016】以上、本発明を上述の複数個の実施例によ
って説明したが、このほか本発明の主旨の範囲内で種々
の変形や応用が可能であり、これらの変形や応用を本発
明の範囲から排除するものではない。
【0017】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本願の請求
項1乃至請求項7に記載の発明では、従来のバン型車両
の後部における観音開き式扉のロック機構と比較して、
ロック機構を軽量且つ簡素に構成することができる。ま
た、従来必要としていたテールゲートリフトの渡し板を
省略することができ、且つコンテナの後部が外観上簡素
化され、テールゲートリフト格納時にこれが後部から突
出する量を従来のものより少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図2】テールゲートリフトの動作説明図である。
【図3】本発明の一実施例を示す後部正面図である。
【図4】図3のA−A線に沿って切断した断面図であ
る。
【図5】本発明の他の実施例を示す後部正面図である
【図6】従来例を示す後部正面図である。
【図7】従来例を示す斜視図である。
【図8】従来のテールゲートリフトの動作を示す説明図
である。
【符号の説明】
2・・・・・扉パネル 4・・・・・扉パネル 6・・・・・軸受部材 8・・・・・軸受部材 10・・・・・カム部 12・・・・・ロックロッド 14・・・・・下枠 16・・・・・カムキーパ 18・・・・・テールゲートリフト 20・・・・・リンク機構 22・・・・・テンションアーム 24・・・・・プラットフォーム 26・・・・・回動規制部材 28・・・・・リフトアーム 100・・・・・トラック 101・・・・・後部 102・・・・・コンテナ 103・・・・・開閉部 104・・・・・テールゲートリフト 105・・・・・腕 106・・・・・プラットフォーム 107・・・・・キャスターストッパ 108・・・・・キャスタ 109・・・・・扉パネル 110・・・・・扉パネル 111・・・・・側壁 112・・・・・蝶番 113・・・・・側壁 114・・・・・蝶番 115・・・・・抑え板 116・・・・・上端 117・・・・・上枠 118・・・・・落し錠 119・・・・・下枠 120・・・・・引張り把手 121・・・・・T字型金具 122・・・・・抑えダンパ 123・・・・・ロックロッド 124・・・・・カムキーパ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B60P 1/44

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コンテナ後部に設けられた観音開き式扉の
    閉時に該扉の閉状態をロックするバン型車両のテールリ
    フト構造において、 テールゲートリフトを構成するリンク機構により上下方
    向に移動自在であり、かつ水平方向と垂直方向に動作す
    る油圧動作のプラットホームと、 上記プラットホームが垂直に位置する時,その垂直面と
    ほぼ同じ面に位置し、コンテナの開口面において揺動自
    在に軸承されている2枚の観音開き式扉と、 上記観音開き式各扉の上端から下端に亘って貼着され、
    上端は扉の上縁よりも上に突出して閉塞時にコンテナの
    上枠に当接し、下端には扉の施錠となる落し錠を設けた
    細長状の抑え板と、 を具備し、油圧により垂直位置にロックされているプラ
    ットホームが各扉の前記抑え板を抑え、該扉を閉位置に
    ロックすることを特徴とするバン型車両のテールゲート
    リフト構造。
  2. 【請求項2】プラットホームは上記抑え板に設けた抑え
    ダンパを介して扉を押し圧することを特徴とする請求項
    1に記載のバン型車両のテールゲートリフト構造。
  3. 【請求項3】プラットホームは各扉の自由端縁部の近傍
    に設けられた細長状の抑え板を介して扉を押圧している
    ことを特徴とする請求項1に記載のバン型テールゲート
    リフト構造。
  4. 【請求項4】プラットホームは各扉の自由端縁部の近傍
    に設けられた細長状の抑え板に設けた抑えダンパを介し
    て扉を押し圧していることを特徴とする請求項3に記載
    のバン型車両のテールゲートリフト構造。
  5. 【請求項5】上記抑えダンパは硬質の合成ゴムにより構
    成されていることを特徴とする請求項2又は請求項4に
    記載のバン型車両のテールゲートリフト構造。
  6. 【請求項6】気密構造に構成された扉をプラットホーム
    の押圧でロックすることを特徴とする請求項1に記載の
    バン型車両のテールゲートリフト構造。
  7. 【請求項7】プラットホームはロックロッド施錠機構を
    有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の
    バン型車両のテールゲートリフト構造。
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