JP3083174B2 - 回転掘削型小口径推進用先端土質判定方法及びその装置 - Google Patents

回転掘削型小口径推進用先端土質判定方法及びその装置

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JP3083174B2
JP3083174B2 JP15171591A JP15171591A JP3083174B2 JP 3083174 B2 JP3083174 B2 JP 3083174B2 JP 15171591 A JP15171591 A JP 15171591A JP 15171591 A JP15171591 A JP 15171591A JP 3083174 B2 JP3083174 B2 JP 3083174B2
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貞男 河野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転掘削型小口径推進
工法において掘削地山の土質変化をリアルタイムで検知
し、最適な推進工法を逐次選択していくために必要な土
質情報を判定する回転掘削型小口径推進用先端土質判定
方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、掘削地山の土の判定手法として
は、掘削地山を推進先端装置内に取り込んだ後、装置後
方に排土する工法、すなわち、掘削排土方式の推進工法
の場合において、排土の性状から間接的に掘削地山の土
質の変化を調べるという方法が一般的に用いられてい
る。しかしながら、この方法によると、地山が掘削され
て後排土されるまでに時間を要し、土質が変化した場合
に最適な施工方法を迅速に選択することができない。と
いう欠点がある。
【0003】あるいは、掘削先端装置の先端部に圧力計
や加速度計等のセンサを取り付けて推進時の土質判定に
応用することも考えられる。しかしながら、この場合、
土質以外の要因、たとえば、推進方法、推力、推進速度
などによってもセンサより得られる圧力、重力加速度等
が異なり、精度の良い土質判定を行うためにはこうした
土質以外の要因を一定に保つなどの手立てが必要とな
る。そのため、現実的には推進時の土質判定に使用した
場合、高い精度の判定をおこなうことは困難である。あ
るいは、回転部から信号を取り出す際、ノイズなどの影
響により回転掘削部からセンサー信号を取り出しにくい
という難点もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記した通り、従来の
方法ではいくつかの課題がある。すなわち、推進中に土
質あるいは土質の変化をリアルタイムに把握する方法、
あるいは、推進工法、あるいは推力、先端回転部の回転
数、速度によらない推進時の土質判定方法、さらに、ノ
イズなどの影響を受けにくい土質判定方法が望まれてい
る。
【0005】本発明は上記の実情に鑑みてなされたもの
で、土質情報をリアルタイムで良好に判別し、効率的な
施工方法の選択を可能にする回転掘削型小口径推進用先
端土質判定方法及びその装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、回転型掘削装置を土中に推進中のパラメー
タを下記の関数に適用して得られる変換値を横軸に示
し、パワーを縦軸に示した特性を、実験データから既に
判明している土質毎のパラメータを下記の関数に適用し
て得られる変換値を横軸に示し、パワーを縦軸に示した
特性と対比することにより土質判定を行なうことを特徴
とする回転掘削型小口径推進用先端土質判定方法であ
る。 関数 F(f、r、l)=f*1/(r*mean(l))*10 f:回転トルクの微小振動の周波数 r:回転型掘削装置の回転数(回転/min) mean(l):回転型掘削装置の回転先端部に取り付
けられたビットの平均 位置(半径:cm)
【0007】又、本発明は上記課題を解決するために、
土中を推進する推進先端装置と、該推進先端装置の先端
部に具備され土砂を掘削するための回転型掘削装置と、
該回転型掘削装置の回転トルクの微小振動を捉える圧力
変動検出装置と、該回転型掘削装置の回転時に発生する
前記圧力変動検出装置の出力信号に基づいて土の粒径を
判定する演算処理装置とを具備した回転掘削型小口径推
進用先端土質判定装置である。
【0008】
【作用】上記手段により、回転型掘削装置は油圧モータ
で回転トルクを得る。本発明ではこの回転トルクの油圧
を計測し、掘削推進中の油圧の微小振動の周波数につい
てスペクトル解析をおこなう。一方で、土質(粒径)ご
とに回転トルクの微小振動の周波数特性を求めておく。
油圧の微小振動の周波数特性は土の粒径の大小で異なる
が、推力にはほとんどよらないものであることを確認し
ている。推進中に求められる周波数特性に基づく関数値
と実験データから既に判明している土質ごとの周波数特
性から求まる関数値とを対比することにより、土質の判
定を推進時にリアルタイムにおこなう。
【0009】
【実施例】以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に
説明する。
【0010】図1は掘削先端部に発生する振動あるいは
回転型掘削装置の回転トルクの微小振動を利用して推進
時にリアルタイムで土質を判定する装置を示す図であ
る。同図において、1は推進先端装置で、円筒状の本体
部2と該本体部2の先端の回転型掘削装置3を備えてい
る。4は圧力変動検出装置で、回転トルクの振動を油圧
振動を利用して捉えるためのものである。9は油圧モー
タ、10は油圧ホース、11は油、12はパワーユニッ
ト、13は回転方向である。このように構成された推進
先端装置は回転型掘削装置3を回転しながら土中を推進
していく。このときに発生する回転トルクの油圧振動を
圧力変動検出装置4で検出する。増幅器5は検出装置4
で検出した油圧振動の信号を受けてこれを増幅し、A/
Dコンバータ6でディジタル信号に変換して後、ディジ
タル計算機7に送出される。該ディジタル計算機7は圧
力変動検出装置4の出力信号の波形特性に基づき土質情
報について演算処理して結果(土質情報)をリアルタイ
ムで表示器8に表示させる。図2は、前記ディジタル計
算機7で実行される土質情報の算出処理を説明するため
のグラフ図である。同図の横軸は回転トルクの微小振動
の周波数と、回転型掘削装置の回転数と、回転先端部に
取り付けられたビットの平均位置(半径)の3つのパラ
メーターを以下の関数に適用して得られる変換値Aを示
し、縦軸はパワーPを表している。 ここで、用いる関数は F(f、r、l)=f*1/(r*mean(l))*10 f:回転トルクの微小振動の周波数 r:回転型掘削装置の回転数(回転/min) mean(l):回転型掘削装置の回転先端部に取り付
けられたビットの平均 位置(半径:cm) で与えられる。
【0011】図2からわかるように変換値AとパワーP
の間には土質に応じた特性が存在する。すなわち、図2
(a)に示すように、粒径の小さな粘性土では、変換値
Aは比較的大きな値(A1〜A2)が卓越する一方で、
図2(b)に示すように、粒径の大きな礫を含む土では
小さな値(A3〜A1)が卓越する。また、図2(c)
に示すように、粒径がその中間的な大きさである砂質土
では、中間的な値(A5〜A6)のものが顕著である。
A1,A2,A3,A4,A5,A6の1例を図4に示
す。
【0012】ここで、周波数スペクトル解析と前記関数
で得られるこれらの結果は、推進先端装置にかかる推力
にほとんどよらない土質に特有のものであることを確認
している。
【0013】図3(a),(b),(c)はこのことを
示す図である。推進先端装置にかかる推力が実線で示す
10ton(回転型掘削装置先端部の単位断面積当たり1
1.3kgf/cm2 )の場合と、点線で示す15ton(回転
型掘削装置先端部の単位断面積当たり17.0kgf/cm
2 )の場合のスペクトル解析結果を示している。この図
によれば、推力が変化しても、カッタトルクの微小振動
の周波数スペクトル解析結果は土質が同じであれば、比
較的一定していることがわかる。
【0014】従って、この特性を土質(例えば土の粒径
や粒度)ごとに求めておけば、推進時にセンサより得ら
れる振動の周波数特性により土質の性状を知ることがで
きる。例えば、粒径1mm毎などに振動周波数特性を予め
得ておき、これをデータベースとして蓄積しておくこと
により、推進することができ、掘削作業を効率的に進め
ることが可能となる。図3は図2で示すグラフ図が推進
先端装置にかかる推力の影響をほとんど受けない土質に
特有のものであることを示している。
【0015】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、土
の粒径などの土質情報を粘土から礫までの幅広い粒径範
囲にわたって、リアルタイムで粒径判別を可能にし、こ
のことによって回転掘削型小口径推進機の推進時の施工
管理において効率的な施工方法の選択を可能にする装置
を提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係り、掘削先端部に発生す
る振動あるいは回転型掘削装置の回転トルクの微小振動
を利用して推進時にリアルタイムで土質を判定する装置
を示す構成説明図である。
【図2】本発明の一実施例に係り、土質ごとにf(回転
トルクの微小振動の周波数)とr(回転型掘削装置の回
転数)とl(回転型掘削装置の回転先端部に取り付けら
れたビットの平均位置)から求まる関数値の分布が異な
ることを示すグラフ図である。
【図3】図2で示すグラフ図が推進先端装置にかかる推
力の影響をほとんど受けない土質に特有のものであるこ
とを示すグラフ図である。
【図4】本発明に係る変換値の一例を示す説明図であ
る。
【符号の説明】
1…推進先端装置、2…本体部、3…回転型掘削装置、
4…圧力変動検出装置、5…増幅器、6…A/Dコンバ
ータ、7…ディジタル計算機、8…表示器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) E21D 9/06 311 E21D 9/06 301

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転型掘削装置を土中に推進中のパラメ
    ータを下記の関数に適用して得られる変換値を横軸に示
    し、パワーを縦軸に示した特性を、実験データから既に
    判明している土質毎のパラメータを下記の関数に適用し
    て得られる変換値を横軸に示し、パワーを縦軸に示した
    特性と対比することにより土質判定を行なうことを特徴
    とする回転掘削型小口径推進用先端土質判定方法。 関数 F(f、r、l)=f*1/(r*mean(l))*10 f:回転トルクの微小振動の周波数 r:回転型掘削装置の回転数(回転/min) mean(l):回転型掘削装置の回転先端部に取り付
    けられたビットの平均 位置(半径:cm)
  2. 【請求項2】 土中を推進する推進先端装置と、該推進
    先端装置の先端部に具備され土砂を掘削するための回転
    型掘削装置と、該回転型掘削装置の回転トルクの微小振
    動を捉える圧力変動検出装置と、該回転型掘削装置の回
    転時に発生する前記圧力変動検出装置の出力信号に基づ
    いて土の粒径を判定する演算処理装置とを具備した回転
    掘削型小口径推進用先端土質判定装置。
JP15171591A 1991-06-24 1991-06-24 回転掘削型小口径推進用先端土質判定方法及びその装置 Expired - Lifetime JP3083174B2 (ja)

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