JP3082326B2 - 動力農機の油圧制御装置 - Google Patents

動力農機の油圧制御装置

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JP3082326B2 JP03196675A JP19667591A JP3082326B2 JP 3082326 B2 JP3082326 B2 JP 3082326B2 JP 03196675 A JP03196675 A JP 03196675A JP 19667591 A JP19667591 A JP 19667591A JP 3082326 B2 JP3082326 B2 JP 3082326B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、動力農機の油圧制御
装置に関するものであり、特に、比例流量制御バルブに
より対地作業機の昇降制御を行う動力農機の油圧制御装
置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】動力農機に連結した対地作業機を昇降さ
せる場合、油圧回路に比例流量制御バルブを設けてその
オンタイムを制御し、対地作業機の昇降制御を行うもの
が知られている。これは、対地作業機を上限付近から下
降させるときに下降速度を測定する区間を設け、この測
定区間内で規定のオンタイムで比例流量制御バルブを規
定時間駆動して変位を測定する。そして、予め規定した
変位との差に応じて補正カウンタ値を増減し、該補正カ
ウンタ値に基づいて、制御中にセットされたセットオン
タイムを補正している。この補正量は前記補正カウンタ
値に基づいて常時同量の補正が為される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の油圧制
御装置は、測定区間内で求めた補正カウンタ値に基づい
て、制御中のセットオンタイムの大小に拘わらず常時同
量の補正がかかるため、比例流量制御バルブの機械的な
ばらつきや、油温上昇による特性の変化によっては補正
カウンタ値が大となり、セットオンタイムが極端に小の
ときは比例流量制御バルブの動作が停止することがあ
る。
【0004】そこで、比例流量制御バルブの温度特性や
機械的なばらつきを考慮し、制御中のセットオンタイム
の大小に応じて適正な補正をするために解決すべき技術
的課題が生じてくるのであり、本発明はこの課題を解決
することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明は上記目的を達
成するために提案されたものであり、比例流量制御バル
ブにより対地作業機の昇降制御を行う動力農機であっ
て、予め規定したオンタイムで比例流量制御バルブを規
定時間駆動したときの変位を測定し、予め規定した速度
と実際に測定された速度との差に応じて駆動オンタイム
を補正する油圧制御装置に於いて、制御中にセットされ
たセットオンタイムが規定値以上のときのみ、前記駆動
オンタイムの補正が行われるようにしたことを特徴とす
る動力農機の油圧制御装置を提供するものである。
【0006】
【作用】対地作業機の昇降速度を制御するに当り、予め
規定したオンタイムで比例流量制御バルブを駆動して変
位を測定し、規定した速度と実際に測定された速度との
差に応じて補正カウンタ値が定められる。上記測定区間
で算出した補正カウンタ値に基づき、制御中にセットさ
れるセットオンタイムを補正して比例流量制御バルブの
作動を制御する。そして、セットオンタイムが上記測定
区間で規定したオンタイム以上のときのみ駆動オンタイ
ムの補正を行い、セットオンタイムが規定値に達しない
ときは駆動オンタイムを補正せず、セットオンタイムの
まま比例流量制御バルブが作動する。従って、小流量域
での補正過多が防止される。
【0007】
【実施例】以下、この発明の一実施例を図面に従って詳
述する。図1は動力農機であるトラクタを示したもので
あり、同図に於いて符号1は機体、2は対地作業機であ
るロータリ、3はトップリンク、4はロワーリンク、5
はリフトアーム、6は水平制御用のリフトシリンダ、7
は水平ストロークセンサである。又、8はマスト、9は
ロータリ本体2aとトップリンク3とを結合する支持板
である。前記ロータリ本体2aの後部と支持板9とは姿
勢制御用シリンダ10を介して連結されており、この姿
勢制御用シリンダ10と平行に姿勢ストロークセンサ1
1を配設し、ロータリ本体2aの姿勢を電気的に検出す
るようにしている。又、リフトアーム5の回動基部にリ
フトアーム角度センサ12を設けると共に、シート下部
に左右方向の傾斜を検出するスロープセンサ13を設
け、更に、リヤカバー14にデプスセンサ15を取り付
けて耕深制御できるように形成してある。
【0008】前記各種センサは機体1に設けられた制御
装置16に接続されており、該制御装置16には対地作
業機の高さを調節するポジションレバー17、ロータリ
の耕深を調節する耕深設定器18、ロータリの傾きを調
節する傾斜設定器19、ディセラポイント設定器20等
の各種スイッチ類が設けられている。又、前記リフトア
ーム5はリフト用の油圧シリンダ(図示せず)の伸縮に
より上下方向へ回動し、油圧昇降機構21を構成してお
り、このリフトシリンダは比例流量制御バルブ22によ
り油圧制御される。尚、符号23は水平制御バルブであ
る。
【0009】図2はブロック図であり、前述した各種セ
ンサ及びスイッチ類が制御装置16に接続され、該制御
装置16からの信号によって比例流量制御バルブ22及
び水平制御バルブ23が制御される。図3は下げ速度補
正のフローチャートであり、先ずロータリ2が上限付近
から下降開始したときのみ下げ速度測定のルーチンに入
る(ステップ101→102)。下げ速度測定のルーチ
ンでは、予め規定したオンタイムTO で比例流量制御バ
ルブ22を規定時間駆動したときの変位を測定し、この
変位から速度を算出して予め規定した速度との差を求め
る。この差が規定範囲より小であれば補正カウンタを+
1し(ステップ103→104)、差が規定範囲より大
であれば補正カウンタを−1して(ステップ103→1
05)、夫々補正カウンタ値としてメモリに記憶する
(ステップ106)。ステップ103で、差が規定範囲
内であるときは、そのままステップ106へ進んで補正
カウンタ値を記憶する。
【0010】図4及び図5は本発明のポジション制御の
フローチャートであり、先ず各種スイッチ及びセンサ等
の検出値を読み込み(ステップ201)、図3にて説明
した下げ速度補正のルーチンに入る(ステップ20
2)。このルーチンで補正カウンタ値を記憶し、ステッ
プ203でポジションレバー17の設定値とリフトアー
ム角度センサ12の検出値との差を比較する。差がニュ
ートラル、即ち、ポジションレバー17の設定値とリフ
トアーム5の高さが一致したときは、比例流量制御バル
ブ22への信号出力をオフにして(ステップ204)、
ステップ201へ戻る。
【0011】前記ポジションレバー17の設定値がリフ
トアーム角度センサ12の検出値より大であるときは、
リフトアーム5を上昇するためにその差に応じたオンタ
イムがセットされる(ステップ205)。ステップ20
5でセットされたセットオンタイムT1 にて比例流量制
御バルブ22へ上昇出力をオンにし(ステップ20
6)、ステップ201へ戻る。
【0012】一方、ポジションレバー17の設定値がリ
フトアーム角度センサ12の検出値より小であるとき
は、リフトアーム5を下降するためにその差に応じたオ
ンタイムがセットされる(ステップ207)。ステップ
207でセットされたセットオンタイムT2 と、前述し
た下げ速度補正ルーチンで予め規定したオンタイムTO
とを比較し(ステップ208)、セットオンタイムT2
が下げ速度補正時の規定オンタイムTO 以上であれば、
下げ速度補正ルーチンで記憶した補正カウンタ値に定数
1 を乗じて補正オンタイムTC を算出する(ステップ
209)。そして、ステップ207でセットされたセッ
トオンタイムT2 に該補正オンタイムTC を加算して補
正し(ステップ210)、この補正された駆動オンタイ
ムにて比例流量制御バルブ22へ下降出力をオンにし
(ステップ211)、ステップ201へ戻る。
【0013】ここで、ステップ208でT2 <TO とな
ったとき、即ちステップ207でセットされたセットオ
ンタイムT2 が下げ速度補正時の規定オンタイムTO
り小であれば、TC =0にして駆動オンタイムの補正を
行わない(ステップ212→210)。従って、セット
オンタイムT2 が小で、比例流量制御バルブ22を通過
する油の流量が小のときは駆動オンタイムは補正され
ず、比例流量制御バルブ22の機械的なばらつきや油温
上昇による特性の変化に拘わらず、小流量域での作動特
性が確保される。
【0014】ここで、前述したフローチャートの中で、
図5に示したステップ206及び208以降を図6に示
すように変更してもよい。図4のステップ203で上昇
要求があったときはステップ205でセットオンタイム
1 をセットし、これを定数α(例えばα=150)で
割って1ランク補正量M1を求める(ステップ22
0)。更に、下げ速度補正ルーチンで記憶した補正カウ
ンタ値に前記1ランク補正量M1 を乗じ、セットオンタ
イムT1 に加算して駆動オンタイムを補正し(ステップ
221)、この補正された駆動オンタイムにて比例流量
制御バルブ22へ上昇出力をオンにし(ステップ22
2)、ステップ201へ戻る。
【0015】一方、ステップ203で下降要求があった
ときはステップ207でセットオンタイムT2 をセット
し、これを定数β(例えばβ=100)で割って1ラン
ク補正量M2 を求める(ステップ223)。定数βは定
数αより小に設定されており、下降側の1ランク補正量
2 が上昇側の1ランク補正量M1 より大となり、下降
側の補正量が上昇側の補正量より大となる。更に、上昇
要求があった場合と同様にして、補正カウンタ値に1ラ
ンク補正量M2 を乗じ、セットオンタイムT2 に加算し
て駆動オンタイムを補正し(ステップ224)、この補
正された駆動オンタイムにて比例流量制御バルブ22へ
下降出力をオンし(ステップ225)、ステップ201
へ戻る。
【0016】従って、下げ速度補正ルーチンで記憶した
補正カウンタ値に基づき、上昇側及び下降側の双方に於
いてセットオンタイムT1 又はT2 の大小に応じた補正
が為され、前記下げ速度補正ルーチンの他に別個に測定
区間を設けずして、全流量域で適正な補正を行うことが
できる。図7は下げ速度測定のルーチンの他の実施例を
示すフローチャートであり、電源投入後にロータリ2を
上限付近から降下させ、予め規定したオンタイムで規定
時間下降させる(ステップ301)。そして、規定時間
中の降下量を測定し(ステップ302)、その測定回数
が所定のn回に達したか否かを判別する(ステップ30
3)。n回測定したときは、n回の降下量を平均してγ
を算出し(ステップ304)、降下基準値をγに決定す
る(ステップ305)。そして、ポジションレバー17
の設定値とリフトアーム5の高さとの差は規定範囲内で
あるとセットして(ステップ306)、ステップ301
へ戻る。一方、測定回数がn回以上であるときは降下基
準値γとの差を演算し(ステップ303→307)、ス
テップ301へ戻る。又、測定回数がn回未満のときは
ステップ306へジャンプする。
【0017】而して、従来はオペレータが規定降下量か
ら一旦下げ速度補正を行った後に、何回かロータリ2を
上下動させると比例流量制御バルブ22の機械的なばら
つきや油温上昇等により、作業途中で降下速度が変化す
ることがあったが、図7のフローチャートに従って下げ
速度を測定したときは、電源投入後に降下量をn回測定
したときまでの基準値を下げ速度の補正の基準とするの
で、比例流量制御バルブ22にばらつきがあった場合で
も、適正な下げ速度の補正が行われる。
【0018】尚、この発明は、この発明の精神を逸脱し
ない限り種々の改変を為すことができ、そして、この発
明が該改変されたものに及ぶことは当然である。
【0019】
【発明の効果】この発明は上記一実施例に詳述したよう
に、下げ速度の測定区間で規定したオンタイム以上にセ
ットオンタイムがセットされたときは駆動オンタイムの
補正が行われ、セットオンタイムが前記測定したオンタ
イムに達しないときは駆動オンタイムは補正されない。
従って、対地作業機を少しずつ下降させる場合に、比例
流量制御バルブの機械的なばらつき等があっても、補正
が掛かり過ぎることがなく、安定した油圧制御が為され
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例なるトラクタの側面図。
【図2】油圧制御装置のブロック図。
【図3】下げ速度補正ルーチンのフローチャート。
【図4】ポジション制御のフローチャート、その1。
【図5】ポジション制御のフローチャート、その2。
【図6】他の実施例なるポジション制御のフローチャー
ト、その3。
【図7】他の実施例なる下げ速度測定ルーチンのフロー
チャート。
【符号の説明】
1 機体 2 ロータリ 5 リフトアーム 16 制御装置 17 ポジションレバー 22 比例流量制御バルブ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 比例流量制御バルブにより対地作業機の
    昇降制御を行う動力農機であって、予め規定したオンタ
    イムで比例流量制御バルブを規定時間駆動したときの変
    位を測定し、予め規定した速度と実際に測定された速度
    との差に応じて駆動オンタイムを補正する油圧制御装置
    に於いて、制御中にセットされたセットオンタイムが規
    定値以上のときのみ、前記駆動オンタイムの補正が行わ
    れるようにしたことを特徴とする動力農機の油圧制御装
    置。
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