JP3082243U - スリッパ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 洗浄が容易で、しかも何百回も洗浄が可能で
あり、さらにはリサイクル化を可能にしたスリッパを提
供すること。 【解決手段】 上面に甲皮部１２を設けた底部１１の裏
面に中敷き１３を出し入れ自在とした袋口を形成したス
リッパ１０を構成する。前記底部１１、甲皮部１２及び
中敷き１３の材料をはポリエステル繊維製パイル織編物
及びポリエステル製で構成する。洗浄の際は中敷き１３
を袋口から取り出して、底部１１自体を洗浄する。スリ
ッパ１０を廃棄する場合は、中敷き１３を挿入した状態
でそのまま溶かしてリサイクル化を可能としている。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、洗浄が容易でしかも何百回も洗浄が可能であり、さらにはリサイク ルが可能なスリッパに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来、洗浄が容易なスリッパとしては、例えば実開平４−１１８００１号公報 が挙げられる。この実開平４−１１８００１号公報に記載されているスリッパは 、プラスティック製の底部に甲皮部をファスナーで着脱自在に取り付け、底部が 汚れたときに甲皮部を取り外して底部を水洗いできるようにしたものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の従来のスリッパにあっては底部が剛性を有しているので 、電気洗濯機を使ったり、ドライクリーニングにより工業的に洗浄した場合、底 部の形が崩れて回復不能となるおそれがあり、洗浄後の再使用が困難である。こ のため、洗浄するにしても一足づつ手作業に頼らざるを得ない。

【０００４】 また、底部にプラスティック製を使用したり、プラスティック製あるいは金属 製のファスナーを使用しているので、再利用が不可能であり、最近のリサイクル 化という観念にも反するという問題があった。

【０００５】 本考案は上述の問題点に鑑みて提供したものであって、洗浄が容易で、しかも 何百回も洗浄が可能であり、さらにはリサイクル化を可能にしたスリッパを提供 することを目的としているものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

そこで、本考案の請求項１記載のスリッパでは、上面にポリエステル繊維から なる甲皮部１２を形成すると共に、裏面の爪先側に袋口１５を形成したポリエス テル繊維からなる袋状の底部１１と、前記袋口１５から出し入れ自在に挿入され て前記底部１１内に装着されるポリエステル製の中敷き１３とで構成されている ことを特徴としている。

【０００７】 かかる構成とすることで、スリッパ１０を洗浄する場合には、底部１１から中 敷き１３を出して、電気洗濯機やドライクリーニングで繰り返して洗浄ができ、 また、洗浄してもスリッパ１０の本体は形崩れしにくく、脱水後もほとんど形崩 れを起こさないので、底部１１への中敷き１３の挿入作業も容易である。さらに 、爪先側に袋口１５を設けているので、スリッパ１０を履いて歩くとき床面から 中敷き１３を踵側へ押し込む方向に作用するので、中敷き１３が不用意に底部１ １から脱落するのを防止することができる。

【０００８】 また、ホテルや病院に備えるスリッパのように不特定多数の人によって使用さ れるスリッパ１０に適用することで、汚れる度に新品に交換しなくてよく、多数 のスリッパ１０の汚れを電気洗濯機やドライクリーニングにより一括処理して落 とすことができるので、低コストにて清潔なスリッパを宿泊客や来院者に提供す ることができるものである。

【０００９】 さらには、本考案のスリッパ１０の構成材料は、底部１１、甲皮部１２及び中 敷き１３のすべてをポリエステル製を用いているので、最終的には、スリッパ１ ０ごと溶かして再利用ができ、現代のリサイクル化というニーズに適合できるも のである。

【００１０】 請求項２記載のスリッパでは、前記底部１１及び甲皮部１２にはポリエステル 繊維製パイル織編物を用いていることを特徴としている。

【００１１】 これにより、電気洗濯機やドライクリーニングで洗浄してもシワになりにくく 、形崩れもしにくいものである。このため、洗浄後に中敷き１３を底部１１の袋 口１５を介して挿入する作業も容易となり、特にホテルや病院で大量に使用され る場合には好適例である。また、ポリエステル繊維製パイル織編物は脱水性が良 いので、洗濯後、短時間で乾燥するため、直ぐに使用することができる。

【００１２】 請求項３記載のスリッパでは、前記中敷き１３は、芯材１３ａの両面に滑らか なポリエステル製のシート１３ｂを貼着して構成していることを特徴としている 。

【００１３】 これにより、履き心地の良いスリッパ１０を提供でき、また、滑らかなポリエ ステル製のシート１３ｂにより、底部１１との間の摩擦抵抗が小さくなり、袋口 １５からの中敷き１３の出し入れが円滑にできる。

【００１４】 請求項４記載のスリッパでは、前記甲皮部１２をポリエステル繊維製パイル織 編物を積層して構成していることを特徴としている。

【００１５】 これにより、形状の復元力が大きくなり、洗浄による甲皮部１２の形崩れを防 止することができる。また、甲皮部１２は弾力性があって復元力の高いポリエス テル繊維でパイル織編物を用いているので、甲皮部１２を不用意に足で踏んだ場 合でも直ぐに円弧状の元の形状に復元でき、利用者に苛立ちや不快感を与えるこ ともない。特に、紙製でスリッパを構成したり、偏平な布地で甲皮部１２を構成 した場合には、甲皮部１２を不用意に足で踏んだ場合には、甲皮部１２は円弧状 に復元しないために、利用者に苛立ちや不快感を与えることになる。しかし、本 考案のスリッパ１０では上述したようにかかる不具合は生じないものである。

【００１６】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施の形態を図面を参照して詳細に説明する。図１〜図４に本 考案の第１の実施形態のスリッパ１０を示している。このスリッパ１０は、布製 の底部１１と、この底部１１に太い糸により縫い付けた甲皮部１２からなる本体 及び底部１１に着脱自在に納装した板状の中敷き１３とで構成されている。

【００１７】 底部１１と甲皮部１２の布地にはポリエステル繊維製のパイル織編物を使用し ており、また、底部１１に甲皮部１２を縫い付ける糸もポリエステル繊維製の物 を使用している。 底部１１は２枚の布地１１ａ、１１ｂを重ね合わせた周縁をポリエステル繊維 製の玉縁布１４とともにポリエステル繊維製の糸にて縫い付けて袋状に縫製され ている。この２枚の布地１１ａ、１１ｂのうち裏側の布地１１ｂは汚れの目立ち にくい暗色、例えば、ベージュ色を施すと共に、表側の布地１１ａより爪先側を 短くして底部裏面の爪先側に中敷き１３を出し入れするための袋口１５を形成し ている。

【００１８】 上記ポリエステル製の中敷き１３は、図５に示すように、厚手の芯材１３ａの 両面に滑らかな表面を有するポリエステル製のシート１３ｂを貼着し、周縁をポ リエステル製のテープ１３ｃで縁取りして構成されている。

【００１９】 ポリエステル繊維で構成した甲皮部１２は、２枚のパイル織編布地１２ａ、１ ２ｂの間に立体構造を有し、弾力性に富み、形状復元力の大きいポリエステル製 の織編物からなる中芯布１２ｃを積層し、重ね合わせた３枚の布地１２ａ、１２ ｂ、１２ｃを一体に縫着して構成されている。 また、３枚の布地１２ａ、１２ｂ、１２ｃを縫着する糸も太い物を使用してい るとともに、ポリエステル繊維製の糸を用いている。

【００２０】 このように、底部１１と甲皮部１２からなる本体をいずれも布地１１ａ、１１ ｂ、１２ａ、１２ｂ、１２ｃで構成しているので、底部１１から中敷き１３を抜 き出すことで、電気洗濯機やドライクリーニングでの洗浄が容易となる。 また、底部１１の布地１１ａ、１１ｂや甲皮部１２の布地１２ａ、１２ｂ、１ ２ｃを縫い付ける糸も太い糸を使用しているので、洗浄による糸のほつれもほと んどなくなり、何百回も洗浄が可能となる。その結果、スリッパ１０を業務用と して、例えば、ホテルや病院などで使用することで、低コストなスリッパ１０を 提供することができる。

【００２１】 さらに、甲皮部１２は弾力性があって復元力の高いポリエステル繊維でパイル 織編物を用いているので、甲皮部１２を不用意に足で踏んだ場合でも直ぐに円弧 状の元の形状に復元でき、利用者に苛立ちや不快感を与えることもない。 なお、紙製でスリッパを構成したり、偏平な布地で甲皮部１２を構成した場合 には、甲皮部１２を不用意に足で踏んだ場合には、甲皮部１２は円弧状に復元し ないために、利用者に苛立ちや不快感を与えることになる。しかし、本考案のス リッパ１０では上述したようにかかる不具合は生じないものである。

【００２２】 また、スリッパ１０の本体を洗浄しても形崩れしにくく、脱水後もほとんど形 崩れをしないものであり、そのため、脱水後に底部１１への中敷き１３の挿入作 業も容易となる。さらに、中敷き１３を出し入れするための袋口１５を爪先側に 設けているので、スリッパ１０を履いて歩くとき、床面から中敷き１３を踵側へ 押し込む方向に作用するので、中敷き１３が不用意に底部１１から脱落するのを 防止することができる。

【００２３】 かかるスリッパ１０をホテルや病院も使用することで、汚れる度に新品に交換 しなくてもよく、電気洗濯機やドライクリーニングで多数のスリッパ１０の汚れ を一括して落とすことができ、低コストにて清潔なスリッパ１０を宿泊客や来院 者に提供できるものである。

【００２４】 また、スリッパ１０本体の布地としてポリエステル製パイル織編物を用いてい るので、電気洗濯機やドライクリーニングで洗浄してもシワになりにくく、形崩 れもほとんどないものである。したがって、洗浄後に中敷き１３を袋口１５から 挿入する作業も容易となる。とくに、スリッパ１０が大量に使用されるホテルや 病院などでは、洗浄（洗濯）後のスリッパ１０本体への中敷き１３の挿入作業が 非常に楽になる。

【００２５】 さらに、ポリエステル繊維性パイル織編物は脱水性が非常に良いので洗濯後の 乾燥で直ぐにスリッパ１０を使用することができ、非常に使い勝手が良いもので ある。

【００２６】 また、中敷き１３に厚手のポリエステル製の芯材１３ａを用いているので、履 き心地の良いスリッパ１０を提供できる。さらに、芯材１３ａの両面には滑らか なポリエステル製のシート１３ｂを用いているので、パイル織編物布地１１ａ、 １１ｂを用いた底部１１との間の摩擦抵抗が小さくなり、袋口１５からの中敷き １３の出し入れを円滑にできるものである。 さらに、甲皮部１２を織編物布地１２ａ、１２ｂ、１２ｃからなる三層構造と しているので、洗浄による甲皮部１２の形崩れをも防止することができる。

【００２７】 特に、本考案のスリッパ１０の構成材料として、底部１１、甲皮部１２、中敷 き１３や、各布地を縫い付ける糸もポリエステル繊維やポリエステル製を用いて いるので、本体に中敷き１３を入れたまま、工場などでスリッパ１０を溶かして 再利用することができ、リサイクル化という現代のニーズに合うものである。

【００２８】 （第２の実施の形態） 第２の実施形態を図６に示す。この実施形態におけるスリッパ１０Ａは、裏面 に設けた袋口１５に近接して爪先側に中敷き１３の抜け止め用に布片１６を縫着 したものである。 本実施形態におけるスリッパ１０Ａによれば、中敷き１３をスリッパ１０Ａの 本体の底部１１に装着したとき中敷き１３の爪先側端部をこの布片１６に掛け止 めできるので、スリッパ１０Ａの使用時に中敷き１３が脱落するのを確実に防止 することができる。

【００２９】 なお、本実施形態におけるスリッパ１０Ａの他の構成は先の実施形態でのスリ ッパ１０と同一であるので、同一の構成要素には同一の符号を付して説明は省略 する。もちろん、本実施形態でも先の実施形態に比べて布片１６を追加している だけなので、布片１６の効果以外に先の実施形態と同じ効果を奏するものである 。

【００３０】

【考案の効果】

本考案の請求項１記載のスリッパによれば、スリッパを洗浄する場合には、底 部から中敷きを出して、電気洗濯機やドライクリーニングで繰り返して洗浄がで き、また、洗浄してもスリッパの本体は形崩れしにくく、脱水後もほとんど形崩 れを起こさないので、底部への中敷きの挿入作業も容易である。さらに、爪先側 に袋口を設けているので、スリッパを履いて歩くとき床面から中敷きを踵側へ押 し込む方向に作用するので、中敷きが不用意に底部から脱落するのを防止するで きる。

【００３１】 また、ホテルや病院に備えるスリッパのように不特定多数の人によって使用さ れるスリッパに適用することで、汚れる度に新品に交換しなくてよく、多数のス リッパの汚れを電気洗濯機やドライクリーニングにより一括処理して落とすこと ができるので、低コストにて清潔なスリッパを宿泊客や来院者に提供することが できるものである。

【００３２】 さらには、本考案のスリッパの構成材料は、底部、甲皮部及び中敷きのすべて をポリエステル製を用いているので、最終的には、スリッパごと溶かして再利用 ができ、現代のリサイクル化というニーズに適合できるものである。

【００３３】 請求項２記載のスリッパによれば、前記底部及び甲皮部にはポリエステル繊維 製パイル織編物を用いているので、電気洗濯機やドライクリーニングで洗浄して もシワになりにくく、形崩れもしにくいものである。このため、洗浄後に中敷き を底部の袋口を介して挿入する作業も容易となり、特にホテルや病院で大量に使 用される場合には好適例である。また、ポリエステル繊維製パイル織編物は脱水 性が良いので、洗濯後、短時間で乾燥するため、直ぐに使用することができるも のである。

【００３４】 請求項３記載のスリッパによれば、前記中敷きは、芯材の両面に滑らかなポリ エステル製のシートを貼着して構成しているので、履き心地の良いスリッパを提 供でき、また、滑らかなポリエステル製のシートにより、底部との間の摩擦抵抗 が小さくなり、袋口からの中敷きの出し入れが円滑にできる。

【００３５】 請求項４記載のスリッパによれば、前記甲皮部をポリエステル繊維製パイル織 編物を積層して構成しているので、形状の復元力が大きくなり、洗浄による甲皮 部の形崩れを防止することができる。また、甲皮部は弾力性があって復元力の高 いポリエステル繊維でパイル織編物を用いているので、甲皮部を不用意に足で踏 んだ場合でも直ぐに円弧状の元の形状に復元でき、利用者に苛立ちや不快感を与 えることもない。特に、紙製でスリッパを構成したり、偏平な布地で甲皮部を構 成した場合には、甲皮部を不用意に足で踏んだ場合には、甲皮部は円弧状に復元 しないために、利用者に苛立ちや不快感を与えることになる。しかし、本考案の スリッパでは上述したようにかかる不具合は生じないものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施の形態におけるスリッパの
斜視図である。

【図２】本考案の第１の実施の形態におけるスリッパの
底面図である。

【図３】本考案の第１の実施の形態における中敷きの着
脱自在状態を示す底面側の図である。

【図４】本考案の第１の実施の形態における甲皮部を含
むスリッパの断面図である。

【図５】本考案の第１の実施の形態における中敷きの要
部拡大断面図である。

【図６】本考案の第２の実施の形態におけるスリッパの
底面図である。

【符号の説明】

１０ スリッパ １０Ａ スリッパ １１ 底部 １２ 甲皮部 １３ 中敷き １３ａ 芯材１ １３ｂ シート １５ 袋口

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上面にポリエステル繊維からなる甲皮部
   （１２）を形成すると共に、裏面の爪先側に袋口（１
   ５）を形成したポリエステル繊維からなる袋状の底部
   （１１）と、前記袋口（１５）から出し入れ自在に挿入
   されて前記底部（１１）内に装着されるポリエステル製
   の中敷き（１３）とで構成されていることを特徴とする
   スリッパ。
2. 【請求項２】前記底部（１１）及び甲皮部（１２）には
   ポリエステル繊維製パイル織編物を用いていることを特
   徴とする請求項１記載のスリッパ。
3. 【請求項３】前記中敷き（１３）は、芯材（１３ａ）の
   両面に滑らかなポリエステル製のシート（１３ｂ）を貼
   着して構成していることを特徴とする請求項１または請
   求項２に記載のスリッパ。
4. 【請求項４】前記甲皮部（１２）をポリエステル繊維製
   パイル織編物を積層して構成していることを特徴とする
   請求項１〜請求項３にいずれか記載のスリッパ。