JP3081918U - プラスチック製時計バンドのアジャスト構造 - Google Patents

プラスチック製時計バンドのアジャスト構造

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統和 池田
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株式会社バンビ
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 治具を使用しないで、簡単に一般の需要者で
もその取り付け或いは取り除くができるプラスチック製
時計バンドのアジャスト構造にある。 【解決手段】 プラスチックの素材の雄片20と雌片3
0とで構成されるアジャスト駒10であり、このアジャ
スト駒10の雄片20を備える枠体22を、次の雌片3
0の差込部35に挿入させて、傾斜爪24を窓穴37に
係合させて所定数のアジャスト駒10を複数連結して時
計バンド1を構成する。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、簡単にアジャストできるプラスチック製時計バンドのアジャスト 構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、駒を組み合わせて構成される時計バンドにおいて、そのバンドのサイズ をその装着部分に合わせて長さを調整するためには、アジャスト駒といわれる調 整駒を取り除き、或いは取り付けることによって行われている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
この場合、所謂金属製時計バンドにあっては、この種のアジャスト駒につき、 各種技術が開発され、実用化されている。しかしながら、近時普及しているウレ タンやプラスチックなどの高分子系素材を使用したプラスチック製時計バンドに あっては、簡単に長さ調整が行えるアジャスト駒が存在しない。このため、専門 の技術者でなくても誰でも簡単に調整でき、簡易なアジャスト構造のプラスチッ ク製時計バンドが要望されている。
【0004】 本考案は、上述したような課題を解決するものであり、その目的は、プラスチ ックの素材の特性を活用してシンプルな構造で、特別な治具を使用することがな く、また、時計専門店などでの特殊な技術者によることなく、誰でも自分の腕で 簡単にアジャストできるものである。
【0005】 しかも、アジャスト駒を構成する雌片の本体表面に着色や着色模様、絵柄、絵 模様、デザインなどの識別標識を施すことにより多様な構成の雌片を組み合わせ て、自分の好みに合わせたカスタムなプラスチック製時計バンドのアジャスト構 造を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1記載の考案は、プラスチック製時計バン ドであって、基端部の支軸に設けた先端側に向かう略コ字形の枠体の前枠に、基 端側に向かう傾斜爪が固着されている雄片と、平面略四辺形形状をなす本体の基 端側の側面から先端側に向かう差込部が形成され、この差込部の下面に略四辺形 形状の窓穴が形成されている雌片とを、雌片の先端部の軸受と前記支軸のピンと で雄片が回動可能にさせた複数個のアジャスト駒を構成し、各アジャスト駒の雄 片の枠体を次の雌片の差込部に挿入させて、傾斜爪を窓穴に係合させて所定数の アジャスト駒を連結してなることを特徴とする。
【0007】 ここで、「アジャスト駒」とは、時計バンドや装身具のサイズをその装着部分 に合わせて調整するための取り付け或いは取り除き可能な駒材をいう。また、ア ジャスト駒を構成する雄片と雌片との素材は、ポリアセタールやABS樹脂、ポ リアミドなどのエンジニアリングプラスチックが挙げられる。
【0008】 請求項2記載の考案は、アジャスト駒を構成する雄片と雌片とは、ポリアセタ ールやABS樹脂、ポリアミドなどのエンジニアリングプラスチックであること を特徴とする。
【0009】 請求項3記載の考案は、アジャスト駒を構成する雄片の傾斜爪の裏面には、所 定数の窪みや凹凸模様などの滑り防止加工を施してなることを特徴とする。
【0010】 請求項4記載の考案は、アジャスト駒を構成する雌片は、本体の表面に2条以 上の着色或いは非着色の膨出部を形成してなることを特徴とする。
【0011】 請求項5記載の考案は、アジャスト駒を構成する雌片は、本体の表面に着色や 着色模様、絵柄、絵模様、デザインなどの識別標識を施してなることを特徴とす る。
【0012】
【作用】
請求項1記載の考案は、雄片と雌片とで構成されるアジャスト駒である。この 場合、雄片の枠体を、連結させる次のアジャスト駒の雌片の差込部に挿入させ、 傾斜爪を窓穴に挿入させると、傾斜爪が元に復元し、傾斜爪の後端部が窓穴の後 端縁に係止され、雄片の枠体は差込部から抜脱することがなくなり、以下漸次同 様にして複数個のアジャスト駒を連続状に取り付けることができ、目的の時計バ ンドが簡単に構成できる。
【0013】 また、逆に時計バンドの調整のためにアジャスト駒を取り除くには、目的の窓 穴に係止されている傾斜爪を指先で押圧すると、傾斜爪は弾性で雌片の表面側に 押圧移動されるため、雄片の枠体が差込部から抜き出して雄片を雌片から外すこ とができ、簡単な操作でアジャスト駒が取り除ける。
【0014】 請求項2記載の考案は、アジャスト駒の素材がポリアセタールのようなエンジ ニアリングプラスチックで構成されているため、耐摩耗性、耐食性、電気絶縁性 及び弾性などを備え、アジャスト駒として最適な素材であり、その成形が簡単で あり、安価に、量産性に優れている。
【0015】 請求項3記載の考案は、傾斜爪の裏面に滑り防止加工を施されているため、ア ジャスト駒の取り除きの際、傾斜爪から指先などの滑りが防止できる。
【0016】 請求項4記載の考案は、アジャスト駒を構成する雌片の本体は、2条以上の膨 出部が形成され、着色或いは非着色されているため、カラフルな時計バンドが構 成できる。
【0017】 請求項5記載の考案は、本体の表面に着色や着色模様、絵柄、絵模様、デザイ ンなどの識別標識を施してあるため、多様な構成の時計バンドが構成できる。
【0018】
【考案の実施の形態】 本考案の実施形態を図面を用いて説明する。図1は、アジャスト駒を示す平面 図、図2は、同裏面図、図3は、同裏面側からの斜視図、図4は、同断面図、ア ジャスト駒の連結状態を示す裏面図、図6は、同断面図である。
【0019】 本考案に係る時計バンド1は、複数のアジャスト駒10,10,…から構成さ れており、図示省略する従来の三ツ折式やひっかけ形式の中留スライド式、及び はしご形式の中留式などの公知の留め具を介して時計バンドが構成されている。 これらアジャスト駒10の素材は、ポリアセタールやABS樹脂、ポリアミドな どのエンジニアリングプラスチックを使用することが好ましい。
【0020】 アジャスト駒10は、回動可能な雄片20と雌片30とに大別されている。つ まり、この雄片20は、基端部の支軸21に先端側に向かう略コ字型の枠体22 が一体的に取り付けてあり、また、先端側の枠体22の前枠23に後端側に向か い、かつ後端部が若干傾斜している傾斜爪24が一体的に取り付けられている。
【0021】 また、この傾斜爪24の裏面には、図2や図5などに示すように複数の円形状 の窪み25,25,…が形成されたり、図3に示すように、例えば、三角印の突 起部26や文字などの突起部27が形成されているが、その裏面にこのような窪 み25や突起部26,27などが形成されることは任意な事項である。
【0022】 一方、雌片30の先端部に設けた軸受31,31に、上記雄片20の支軸21 に配したピン29の両突出部を通して、雄片20が回動可能に雌片30に取り付 けられている。
【0023】 この雌片30は、平面略四辺形形状をなす本体32の表面に直交状に2条の膨 出部33を備え、かつ基端側の側面34から先端側に向かう差込部35が形成さ れている。そして、この差込部35の下面36に略四辺形形状の窓穴37が形成 されている。また、前記膨出部33は、任意な事項であり、例えば、単なる1条 の平らな形状にしたり、3条以上に形成するなど任意であるし、着色したり或い は地色のままの非着色に構成してもよい。さらに、本体32の表面は、着色模様 や絵柄、絵模様、デザインなどの識別標識を施してもよい。
【0024】 このような構成の雄片20と雌片30とは、上記するように雌片30の先端部 に設けた軸受31,31に、上記雄片20の支軸21に配したピン29の両突出 部を通して取り付けられ、図4に示すように雄片20が略45度回動するように アジャスト駒1が構成されている。しかし、この雄片20の回動範囲は、任意な 事項であり、図示例より大きくしたり、逆に小さい回動範囲に選定することもで きる。
【0025】 このアジャスト駒10を複数個取り付けて時計バンドを構成するには、その雄 片20の枠体22を、連結させる次のアジャスト駒10aの雌片30の差込部3 5に挿入させ、傾斜爪24を窓穴37に完全に挿入させると、傾斜爪24が元に 復元し、傾斜爪24の後端部28が窓穴37の後端縁38に係止され、雄片20 の枠体22は差込部35から抜脱することがなくなり、以下漸次同様にして複数 個のアジャスト駒10,10a,…を連続状に取り付けることにより時計バンド 1が構成できる。
【0026】 また、このように構成させた連続状に取り付けた時計バンド1において、長さ 調整などのため、アジャスト駒10を取り除くには、その取り除くべきアジャス ト駒10の傾斜爪24を指先などで雌片30の表面側に押圧させると、傾斜爪2 4は弾性に抗して表面側に押圧されるため、雄片20の枠体22が差込部35か ら抜き出すことができ、所望のアジャスト駒10が取り除ける。
【0027】
【効果】
本考案は、次のような効果がある。 本考案のアジャスト駒は、その雄片の枠体を連結させる次のアジャスト駒の 雌片の差込部に挿入させ、傾斜爪を窓穴に完全に挿入させると、この傾斜爪が元 に復元し、その傾斜爪の後端部が窓穴の後端縁に係止され、雄片の枠体は差込部 から抜脱することがなくなり、アジャスト駒を簡単な操作で連続状に取り付ける ことがきる。また、この取り付け方と逆の操作をすれば、アジャスト駒を簡単に 取り除くことができる。 本考案のアジャスト駒の素材は、ポリアセタールのようなエンジニアリング プラスチックで構成されているため、その耐久性があるし、成形が簡単で、安価 に、量産性に優れている。 本考案は、傾斜爪の裏面に滑り防止加工を施されているため、アジャスト駒 を組み立てて取り付けたり、取り除き作業の際、傾斜爪から指先などの滑りが防 止できる。 本考案は、アジャスト駒を構成する雌片の本体は、2条以上の膨出部が形成 され、着色或いは非着色されているため、カラフルな時計バンドが構成できる。 本考案は、雌片の本体表面に着色や着色模様、絵柄、絵模様、デザインなど の識別標識を施してあるため、多様な構成の時計バンドが構成できる。 しかも、多様な構成の雌片を組み合わせて、自分の好みに合わせたカスタムな プラスチック製時計バンドが構成できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 アジャスト駒を示す平面図。
【図2】 同裏面図。
【図3】 同裏面側からの斜視図。
【図4】 同断面図。
【図5】 アジャスト駒の連結状態を示す裏面図。
【図6】 同断面図。
【符号の説明】
10 アジャスト駒 20 雄
片 22 枠体 24 傾
斜爪 30 雌片 35 差
込部 37 窓穴

Claims (5)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチック製時計バンドのアジャスト
    構造であって、 基端部の支軸に設けた先端側に向かう略コ字形の枠体の
    前枠に、基端側に向かう傾斜爪が固着されている雄片
    と、 平面略四辺形形状をなす本体の基端側の側面から先端側
    に向かう差込部が形成され、この差込部の下面に略四辺
    形形状の窓穴が形成されている雌片とを、 雌片の先端部の軸受と前記支軸のピンとで雄片が回動可
    能にさせた複数個のアジャスト駒を構成し、 各アジャスト駒の雄片の枠体を次の雌片の差込部に挿入
    させて、傾斜爪を窓穴に係合させて所定数のアジャスト
    駒を連結してなることを特徴とするプラスチック製時計
    バンドのアジャスト構造。
  2. 【請求項2】 アジャスト駒を構成する雄片と雌片と
    は、ポリアセタールやABS樹脂、ポリアミドなどのエ
    ンジニアリングプラスチックであることを特徴とする請
    求項1記載のプラスチック製時計バンドのアジャスト構
    造。
  3. 【請求項3】 アジャスト駒を構成する雄片の傾斜爪の
    裏面には、所定数の窪みや凹凸模様などの滑り防止加工
    を施してなることを特徴とする請求項1又は2記載のプ
    ラスチック製時計バンドのアジャスト構造。
  4. 【請求項4】 アジャスト駒を構成する雌片は、本体の
    表面に2条以上の着色或いは非着色の膨出部を形成して
    なることを特徴とする請求項1、2又は3記載のプラス
    チック製時計バンドのアジャスト構造。
  5. 【請求項5】 アジャスト駒を構成する雌片は、本体の
    表面に着色や着色模様、絵柄、絵模様、デザインなどの
    識別標識を施してなることを特徴とする請求項1、2、
    3又は4記載のプラスチック製時計バンドのアジャスト
    構造。
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