JP3081771B2 - 熱交換器のヘアピン管挿通方法及びその装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、貫通孔が穿設された複
数の放熱フィンが夫々の貫通孔を一致させるべく複数重
ねられた熱交換器の前記貫通孔にヘアピン管を自動挿通
するための熱交換器のヘアピン管挿通方法及びその装置
に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、拡管用のヘアピン管を、熱交換器
を形成する複数の板体状放熱フィンの夫々に挿通する場
合には、図７に示す様に、拡管用のヘアピン管17の挿通
用の貫通孔18が一定のパターンで穿設された複数の放熱
フィン19の夫々のパターンを一致させるべく該放熱フィ
ン19の夫々を重合して所定の枠体20に収納し、その後該
枠体20に収納された熱交換器16の一端側の放熱フィン19
a の貫通孔18から、作業者自らが拡管用のヘアピン管17
を順次手送りによって他端側の放熱フィン19b まで挿通
していた。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】然しながら、前記従来
の様に、作業者自らが拡管用のヘアピン管を前記複数積
み重ねられた放熱フィンの貫通孔に順次手送りによって
挿通する場合には下記の様な問題点があった。

【０００４】即ち、上記の如く複数積み重ねられた板状
放熱フィンには、熱交換器の種類等によってヘアピン管
を挿通するための貫通孔が種々のパターンで複数設けら
れてなるものである。

【０００５】よって、複数の挿通孔が所定のパターンで
設けられて重合された放熱フィンの夫々に、拡管用のヘ
アピン管を順次手送りによって挿通する場合に、所定の
間隔を有して折り曲げられたヘアピン管の夫々の管部を
同時に、しかも前記放熱フィンの夫々の貫通孔に対して
容易に、且つ瞬時に挿通するためには予め寸分の違いも
なく該放熱フィンの夫々の貫通孔を同直線上となるべく
位置決めさせておかなければならないが、如何せん、前
記重合された放熱フィンの夫々の貫通孔の位置も決して
高精度に、且つ正確に貫通されたものではなく、プレス
機や旋盤等によって加工されたものである。

【０００６】従って、上記放熱フィンの夫々の貫通孔を
同直線上に位置決めさせるべく、該放熱フィンの夫々を
前記枠体を介して正確に揃えても必ずしも複数の放熱フ
ィンの夫々の貫通孔を同直線上に位置決めすることは出
来ず、よって拡管用のヘアピン管を前記の如く重合され
た放熱フィンの貫通孔に順次手送りによって挿通する際
に多くの時間ロスが発生するばかりでなく、強いては熱
交換器の生産性の低下を引き起こすという重大な問題が
生じていた。

【０００７】然して、本発明は上記の問題を全て解決す
るものであり、熱交換器を形成する複数の放熱フィンの
夫々の貫通孔に対して容易に、且つ瞬時に所定の間隔を
有して折り曲げられたヘアピン管を確実に挿通すること
が出来る非常に作業性の優れた、しかも熱交換器の生産
効率の極めて高い熱交換器のヘアピン管挿通方法及びそ
の装置を提供することを課題とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するために全く新しい熱交換器のヘアピン管挿通方法
及びその装置を発明し、以下の手段を講じたものであ
る。

【０００９】即ち、本発明における熱交換器のヘアピン
管挿通方法は、熱交換器本体7 の一端側の放熱フィン8a
の貫通孔10から往復作動体2 に具備され、且つ先鋭な先
端3aを有する棒状挿通体３を、夫々が隣合わせに位置す
る棒状挿通体３と逆方向に回転させながら前記往復作動
体２の前進を介して放熱フィン8aの貫通孔10に挿通する
ことで各放熱フィン8aの貫通孔10を順次一直線に揃えな
がら整列し、その後前記熱交換器本体7 の他端側の放熱
フィン8bの貫通孔10から突出した棒状挿通体3の先鋭な
先端3aの周面部を、予め他端側の放熱フィン8bの貫通孔
10に対向して位置決めされたヘアピン管９の開口端部9a
に当接し、その後熱交換器本体７より離間する往復作動
体２と共に後退する棒状挿通体３の先鋭な先端3aの周面
部に前記ヘアピン管９の開口端部9aを当接させた状態を
維持すべく該ヘアピン管９を前記往復作動体２の動きに
同調させて熱交換器本体７の他端側の放熱フィン8bの貫
通孔10からヘアピン管移送体11の移動を介して挿通する
ことにある。

【００１０】更に、上記方法を実施するための装置とし
て本発明は、ヘアピン管９を挿通するための貫通孔10が
穿設された複数の放熱フィン８から形成された熱交換器
本体７と、該熱交換器本体７の一端側の放熱フィン8aの
貫通孔10から他端側に位置する放熱フィン8b側へと挿通
可能な先鋭な先端3aを有した棒状挿通体３を回転させる
挿通体回転装置４を有すると共に回転する棒状挿通体３
を一端側の放熱フィン8aの貫通孔10から他端側の放熱フ
ィン8bの貫通孔10側へと各放熱フィン8aの貫通孔10を順
次一直線に揃えつつ整列させるべく熱交換器本体７の一
端側の放熱フィン8aに対向して往復自在な往復作動体2
と、他端側の放熱フィン8bの貫通孔10から突出した棒状
挿通体3 の先鋭な先端3aの周面部が、夫々の開口端部9a
に当接可能に該開口端部9aを前記他端側の放熱フィン8b
の貫通孔10に対向して位置決めされるヘアピン管9 を前
記貫通孔10に挿通させるべく移送するヘアピン管移送体
11とからなり、前記挿通体回転装置４が、夫々隣合わせ
に位置する棒状挿通体３を、夫々逆方向に回転させ、し
かも該ヘアピン管移送体11が、前記熱交換器本体７から
の往復作動体２の離間時に、該往復作動体２と共に後退
する棒状挿通体３の先鋭な先端3aの周面部に前記ヘアピ
ン管９の開口端部9aを当接させた状態を維持すべく該ヘ
アピン管９を前記往復作動体２の動きに同調して熱交換
器本体７の他端側の放熱フィン8bの貫通孔10から挿通さ
せるべく移動する構成にしてなることにある。

【００１１】

【００１２】

【００１３】

【作用】上記構成からなる熱交換器のヘアピン管挿通方
法に於いては、先鋭な先端3aを有する棒状挿通体３を回
転させながら前進させることで各放熱フィン8aの貫通孔
10に回転する棒状挿通体３の先鋭な先端3aをスムーズに
抵抗なく挿通しつつ各放熱フィン８の貫通孔10を挿通さ
れる棒状挿通体３により順次一直線に揃えながら整列さ
せることが出来るという利点がある。

【００１４】その後、他端側の放熱フィン8bの貫通孔10
より突出した棒状挿通体３の先端3aは、夫々の開口端部
9aを前記他端側の放熱フィン8bの貫通孔10に対向して位
置決めされたヘアピン管９の開口端部9aの開口部内に挿
入されつつ該開口端部9aの開口周縁に前記棒状挿通体３
の先鋭な先端3aの周面部を密着した状態で当接すること
になる。

【００１５】従って、その後先鋭な先端3aをヘアピン管
９の前記開口端部9aの開口部内に挿入しつつ、該開口端
部9aの開口周縁にも先鋭な先端3aの周面部を密着した棒
状挿通体３を具備した往復作動体２が熱交換器本体７か
ら離間する際、ヘアピン管移送体11が、該往復作動体２
と共に後退する棒状挿通体３の先鋭な先端3aに前記ヘア
ピン管９の開口端部9aを当接させた状態を維持すべく該
ヘアピン管９を前記往復作動体２の動きに同調させて熱
交換器本体７の他端側の放熱フィン8bの貫通孔 10から押
動挿通させるべく移動することでヘアピン管９の開口端
部9aが夫々の放熱フィンの非貫通孔部10a に当接させる
ことなく、該ヘアピン管９を作業者等の人手を全く介す
ることなく熱交換器本体７に挿通する作業を完全自動化
することが出来る利点がある。

【００１６】更に、前記棒状挿通体３の夫々が隣合わせ
に位置する棒状挿通体３と逆方向に回転することから、
重合された放熱フィン８の夫々に生じる棒状挿通体３の
回転による歪みの発生を、夫々の棒状挿通体３の逆回転
により打ち消して防止することが出来るだけでなく、前
記棒状挿通体３を各放熱フィン８の貫通孔10にスムーズ
に挿通させることが出来る利点がある。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に従って説明する。

【００１８】図１に於いて、１は熱交換器のヘアピン管
挿通装置を示し、1aはヘアピン管挿通装置本体を示すと
共に、1c，1dはヘアピン管挿通装置本体1aの基台1bに具
備され、且つ複数の貫通孔10が一定のパターンで形成さ
れた放熱フィン８の夫々が、該パターンを一致させるべ
く重合されて形成された熱交換器本体７をヘアピン管挿
通装置本体1aに固定するための熱交換器保持体を示す。

【００１９】２は前記構成からなる熱交換器本体７の一
端側の放熱フィン8aの貫通孔10から他端側の放熱フィン
8b側へと挿通可能で、且つ先鋭な先端3aを有した複数の
先鋭な棒状挿通体３を、前記熱交換器本体７の一端側の
放熱フィン8aの貫通孔10に対向させると共に、前記ヘア
ピン管挿通装置本体1a上に設けられた第１の案内溝1eに
沿って往復自在に具備した往復作動体を示す。

【００２０】６は前記熱交換器保持体1c，1dを介してヘ
アピン管挿通装置本体1aに固定された熱交換器本体７の
他端側の放熱フィン8bの貫通孔10の夫々に対向して該貫
通孔10に挿通されるヘアピン管９を前記貫通孔10側にス
ライド自在に保持するヘアピン管保持体を示す。

【００２１】11は前記ヘアピン管保持体６を介して熱交
換器本体７の他端側の放熱フィン8bの貫通孔10の夫々に
対向してスライド自在に保持されたヘアピン管９を前記
貫通孔10側にスライドさせて挿通すべく前記熱交換器本
体７に設けられた第２の案内溝1fに沿って往復動するヘ
アピン管移送体を示し、且つ該ヘアピン管移送体11の前
記ヘアピン管９との当接部には、該ヘアピン管９のＵ字
状部が嵌入可能なヘアピン管嵌入用凹状部11a が設けら
れてなる。

【００２２】本実施形態における熱交換器のヘアピン管
挿通装置は以上の構成からなるが、次にかかる装置を用
いて重ねられた放熱フィンを介して形成された熱交換器
に拡管用のヘアピン管を挿通する場合について説明す
る。

【００２３】先ず、図２（イ）に示す様に、上記構成か
らなる熱交換器のヘアピン管挿通装置本体1aに設けられ
た往復作動体２を前記第１の案内溝1eに沿って熱交換器
本体７へと前進（矢印Ｃ）させることにより、前記往復
作動体２に設けられた棒状挿通体３は複数重ねられた放
熱フィン８の貫通孔10の夫々を、該棒状挿通体３の先鋭
な先端3aを介して容易に、且つ瞬時に一直線上に揃えな
がら挿通されると共に、他端側の放熱フィン8bの貫通孔
10より突出（矢印Ｄ）することになる。

【００２４】よって、上記の如く熱交換器本体７の他端
側の放熱フィン8bの貫通孔10より突出（矢印Ｄ）した棒
状挿通体３の先端3aは、同図（ロ）の様に、夫々の開口
端部9aを前記他端側の放熱フィン8bの貫通孔10に対向し
て位置決めされたヘアピン管９の前記開口端部9aの開口
部内に挿入（矢印Ｅ）するだけでなく、該開口端部9aの
開口周縁にも前記棒状挿通体３の先端3aの周面部を密着
した状態で当接することになる。

【００２５】従って、その後先端3aをヘアピン管９の前
記開口端部9aの開口部内に挿入するだけでなく、該開口
端部9aの開口周縁にも先端3aの周面部を密着した棒状挿
通体３を具備した往復作動体２が、同図（ハ）に示す様
に、熱交換器本体７から離間（矢印Ｆ）する際、前記ヘ
アピン管移送体11が該往復作動体２と共に後退する棒状
挿通体３の先端3aに前記ヘアピン管９の開口端部9aを当
接させた状態を維持すべく該ヘアピン管９を前記往復作
動体２の動きに同調して熱交換器本体７の他端側の放熱
フィン8bの貫通孔10から押動挿通させるべく移動（矢印
Ｇ）することから、前進する棒状挿通体３を介して重合
された放熱フィン８の貫通孔10の夫々を、一直線上に瞬
時に揃えることが出来るだけでなく、該棒状挿通体３の
後退時にヘアピン管９の開口端部9aが夫々の放熱フィン
の非貫通孔部10a に当接することなく、該ヘアピン管９
を作業者等の人手を全く介することなく熱交換器本体７
に挿通する作業を完全自動化することが出来るのであ
る。

【００２６】更に、上記実施形態に於いて、複数重ねら
れた放熱フィン８の貫通孔10の夫々を一直線状に揃えて
整列させるべく往復作動体2 に、先鋭な先端3aを有した
複数の棒状挿通体３が具備されているが、必ずしも前記
貫通孔10の夫々を一直線上に揃える手段は直線胴部を有
した完全な棒状挿通体３に限定されず、例えば、図３及
び図４に示す様に、芯材であるワイヤー12に帯状のスプ
リング材13が巻着され、且つ通常の状態にあっては棒状
で、負荷が懸かると湾曲又は折曲可能なフレキシブルシ
ャフト14を棒状挿通体３として用いてもよい。

【００２７】かかる棒状挿通体３は、ヘアピン管挿通装
置本体1a内部に収納された往復作動体２にその一端14a
が固着され、且つ他端14b に先鋭な先端3aが設けられて
なり、しかも基台1bに載置された放熱フィン8aの貫通孔
10に対向すべく設けられた略Ｕ字状の案内ガイド体15に
夫々挿通され、ヘアピン管挿通装置本体1aの上面外部で
その先端3aが案内ガイド体15から突出されている。

【００２８】即ち、前記往復作動体２を前進させること
により、前記棒状挿通体３は案内ガイド体15の内面に沿
って湾曲しながら前進するが、案内ガイド体15の直線部
15aを通過する際に、一直線状に矯正されて、その先端3
aが放熱フィン8aの貫通孔10に挿通されることとなるの
である。

【００２９】このように、棒状挿通体３を湾曲又は折曲
可能なフレキシブルシャフト14にて構成することによ
り、棒状挿通体３をヘアピン管挿通装置本体1a内部に収
納することができるので、上記実施例の様に、棒状挿通
体３をヘアピン管挿通装置本体1aの上面外部に設ける必
要がない。

【００３０】従って、上記実施形態に比して、ヘアピン
管挿通装置本体1aの長さを短くすることができ、省スペ
ース化することができるという利点がある。

【００３１】尚、上記実施形態のように、往復作動体２
をヘアピン管挿通装置本体1aの上面外部に設けた場合で
あっても、湾曲又は折曲可能な棒状挿通体３を用いるこ
とも可能であることは言うまでもない。

【００３２】また、上記実施形態に於いて、往復作動体
２には複数で、且つ先鋭な棒状挿通体３が、熱交換器本
体７に設けられた貫通孔10の穿設パターンに対向すべく
設けられてなるが、図５（イ）に示す様に、前記往復作
動体２又はヘアピン管挿通装置本体1aの少なくとも何れ
かに挿通体回転装置４を設けることにより、夫々隣合わ
せに位置する棒状挿通体３を夫々逆方向に回転（矢印
Ｈ）させ、その後同図（ロ）の様に、往復作動体２を熱
交換器本体７側へと移動（矢印Ｉ）させることより、重
合された放熱フィン８の夫々に生じる棒状挿通体３の回
転による歪みの発生を、夫々の棒状挿通体３の逆回転に
より打ち消しながら回転しつつ前進する棒状挿通体３の
先鋭な先端3aをスムーズに抵抗なく各放熱フィン８の貫
通孔10に挿通しつつ各放熱フィン８の貫通孔10を挿通さ
れる棒状挿通体３により順次一直線に揃えながら整列さ
せることが出来る利点がある。

【００３３】又、上記実施形態に於いて、往復作動体２
に具備された棒状挿通体３の先端3a側は、何ら支持され
ていないが、例えば、図６に示す様に棒状挿通体３の先
端3a側に略筒状の案内ガイド体15を設けてもよい。

【００３４】このように、棒状挿通体３に案内ガイド体
を設けることによって、該棒状挿通体３は途中で湾曲す
ることもなく、確実に放熱フィン８の貫通孔10に挿通出
来る利点を有することとなる。

【００３５】更に、上記実施形態に於いて、棒状挿通体
３は、夫々隣合わせに位置する棒状挿通体３を夫々逆方
向に回転することで重合された放熱８の夫々に生じる棒
状挿通体３の回転による歪みの発生を、夫々の棒状挿通
体３の逆回転により打ち消しながら各放熱フィン８の貫
通孔10にスムーズに挿通されるが、必ずしも、夫々隣合
わせに位置する棒状挿通体３が夫々逆方向に回転する必
要もなく、全ての棒状挿通体３が一斉に同方向に回転し
てもよく、更に、所定の棒状挿通体３がランダムに正転
と逆転を行う構成であってもよい。

【００３６】尚、上記実施形態に於いて、往復作動体２
及びヘアピン管移送体11は、シリンダ、モーター等の周
知の駆動手段を用いればよく、要は進退自在であればよ
い。また、その他の構成も適宜変更可能であり、往復作
動体２、熱交換器保持体６及びヘアピン管移送体11等の
具体的な機構、形状、数量等も決して上記実施形態に限
定されるものではない。

【００３７】

【発明の効果】叙上の様に、本発明は、先鋭な先端を有
する棒状挿通体を回転させながら前進させることで各放
熱フィンの貫通孔に回転する棒状挿通体の先鋭な先端を
スムーズに抵抗なく挿通しつつ各放熱フィンの貫通孔を
挿通される棒状挿通体により順次一直線に揃えながら整
列させることが出来るだけでなく、他端側の放熱フィン
の貫通孔より突出した棒状挿通体の先端を、夫々の開口
端部を前記他端側の放熱フィンの貫通孔に対向して位置
決めされたヘアピン管の開口端部の開口部内に挿入しつ
つ該開口端部の開口周縁に前記棒状挿通体の先鋭な先端
の周面部を密着した状態で当接することが出来る。

【００３８】従って、その後先鋭な先端をヘアピン管の
前記開口端部の開口部内に挿入しつ つ、該開口端部の開
口周縁にも先鋭な先端の周面部を密着した棒状挿通体を
具備した往復作動体が熱交換器本体から離間する際、ヘ
アピン管移送体が、該往復作動体と共に後退する棒状挿
通体の先鋭な先端に前記ヘアピン管の開口端部を当接さ
せた状態を維持すべく該ヘアピン管を前記往復作動体の
動きに同調させて熱交換器本体の他端側の放熱フィンの
貫通孔から押動挿通させるべく移動することでヘアピン
管の開口端部を夫々の放熱フィンの非貫通孔部に当接さ
せることなく、該ヘアピン管を作業者等の人手を全く介
することなく熱交換器本体に挿通する作業を完全自動化
することが出来るという格別な効果を奏する。

【００３９】更に、棒状挿通体の夫々が隣合わせに位置
する棒状挿通体と逆方向に回転するので、重合された放
熱フィンの夫々に生じる棒状挿通体の回転による歪みの
発生を、夫々の棒状挿通体の逆回転により打ち消して防
止することが出来るだけでなく、前記棒状挿通体を各放
熱フィンの貫通孔にスムーズに挿通させることが出来
る。

【００４０】従って、熱交換器を形成する複数の放熱フ
ィンの夫々の貫通孔に対して容易に、且つ瞬時に所定の
間隔を有して折り曲げられたヘアピン管を確実に挿通す
ることが出来る非常に作業性の優れた、しかも熱交換器
の生産効率の極めて高い熱交換器のヘアピン管挿通方法
及びその装置を提供することが出来るという効果を有す
るに至った。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の熱交換器のヘアピン管挿通方法を実施
するための熱交換器のヘアピン管挿通装置の斜視図。

【図２】本発明の熱交換器のヘアピン管挿通装置の作動
時の状態を示し、同図（イ），（ロ），（ハ）は要部拡
大一部切り欠き図。

【図３】他の実施形態に於ける熱交換器のヘアピン管挿
通装置の斜視図。

【図４】図３の要部拡大断面図。

【図５】他の実施形態に於ける熱交換器のヘアピン管挿
通装置の作動時の状態を示し、同図（イ），（ロ）は斜
視図。

【図６】他の実施形態に於ける棒状挿通体の案内ガイド
体を示す一部切欠斜視図。

【図７】従来のヘアピン管の挿通作業時の一部切り欠き
正面図。

【符号の説明】

１…熱交換器のヘアピン管挿通装置 1a…ヘアピン管挿通装置本体 ２…往復作動体 ３…棒状挿通体 ４…挿通体回転装置 ６…ヘアピン管保持体 ７…熱交換器本体 ８…放熱フィン ９…ヘアピン管 10…貫通孔 15…案内ガイド体

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平４−200830（ＪＰ，Ａ) 特開 平４−354631（ＪＰ，Ａ) 特開 昭63−104738（ＪＰ，Ａ) 特開 昭60−27431（ＪＰ，Ａ) 特開 昭56−19943（ＪＰ，Ａ) 実開 昭57−56533（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭57−63622（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭54−145877（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) B21D 53/08 B23P 15/26,19/00,21/00 F28F 1/32

Claims (2)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 熱交換器本体(7) の一端側の放熱フィン
   (8a)の貫通孔(10)から往復作動体(2) に具備され、且つ
   先鋭な先端(3a)を有する棒状挿通体(3) を、夫々が隣合
   わせに位置する棒状挿通体(3) と逆方向に回転させなが
   ら前記往復作動体(2) の前進を介して放熱フィン(8a)の
   貫通孔(10)に挿通することで各放熱フィン(8a)の貫通孔
   (10)を順次一直線に揃えながら整列し、その後前記熱交
   換器本体(7) の他端側の放熱フィン(8b)の貫通孔(10)か
   ら突出した棒状挿通体(3) の先鋭な先端(3a)の周面部
   を、予め他端側の放熱フィン(8b)の貫通孔(10)に対向し
   て位置決めされたヘアピン管(9) の開口端部(9a)に当接
   し、その後熱交換器本体(7)より離間する往復作動体(2)
   と共に後退する棒状挿通体(3) の先鋭な先端(3a)の周
   面部に前記ヘアピン管(9) の開口端部(9a)を当接させた
   状態を維持すべく該ヘアピン管(9) を前記往復作動体
   (2) の動きに同調させて熱交換器本体(7) の他端側の放
   熱フィン(8b)の貫通孔(10)からヘアピン管移送体(11)の
   移動を介して挿通することを特徴とする熱交換器のヘア
   ピン管挿通方法。
2. 【請求項２】ヘアピン管(9) を挿通するための貫通孔(1
   0)が穿設された複数の放熱フィン(8) から形成された熱
   交換器本体(7) と、該熱交換器本体(7) の一端側の放熱
   フィン(8a)の貫通孔(10)から他端側に位置する放熱フィ
   ン(8b)側へと挿通可能な先鋭な先端(3a)を有した棒状挿
   通体(3) を回転させる挿通体回転装置(4) を有すると共
   に回転する棒状挿通体(3) を一端側の放熱フィン(8a)の
   貫通孔(10)から他端側の放熱フィン(8b)の貫通孔(10)側
   へと各放熱フィン(8a)の貫通孔(10)を順次一直線に揃え
   つつ整列させるべく熱交換器本体(7) の一端側の放熱フ
   ィン(8a)に対向して往復自在な往復作動体(2) と、他端
   側の放熱フィン(8b)の貫通孔(10)から突出した棒状挿通
   体(3) の先鋭な先端(3a)の周面部が、夫々の開口端部(9
   a)に当接可能に該開口端部(9a)を前記他端側の放熱フィ
   ン(8b)の貫通孔(10)に対向して位置決めされるヘアピン
   管(9) を前記貫通孔(10)に挿通させるべく移送するヘア
   ピン管移送体(11)とからなり、前記挿通体回転装置(4)
   が、夫々隣合わせに位置する棒状挿通体(3) を、夫々逆
   方向に回転させ、しかも該ヘアピン管移送体(11)が、前
   記熱交換器本体(7) からの往復作動体(2) の離間時に、
   該往復作動体(2) と共に後退する棒状挿通体(3) の先鋭
   な先端(3a)の周面部に前記ヘアピン管(9) の開口端部(9
   a)を当接させた状態を維持すべく該ヘアピン管(9) を前
   記往復作動体(2) の動きに同調して熱交換器本体(7) の
   他端側の放熱フィン(8b)の貫通孔(10)から挿通させるべ
   く移動する構成にしてなることを特徴とする熱交換器の
   ヘアピン管挿通装置。