JP3081300U - 液晶投影機のビーム分割システム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビーム分割システムにおける特定色彩の純度
は他の色彩に混在される可能性を低減し、出力した光線
における各色彩の純度を大幅に向上し、出力した映像の
コントラストを向上する。 【解決手段】 液晶投影機の光源及び投射される予定の
映像信号を受け、投射される予定の映像を出力する液晶
投影機のビーム分割システムであって、特定色彩の光ビ
ームの偏光状態を変換するための複数の偏光フィルタ
と、前記複数の偏光フィルタの光路上に配置され、それ
ぞれ１対のプリズムを有し、入射した各色の偏光ビーム
をスプリットするための複数の偏光ビーム分割器と、そ
れぞれ三原色のいずれの偏光ビームを反射すると共に、
その偏光状態を変更する３組の液晶パネルと、を含む液
晶投影機のビーム分割システムにおいて、前記複数の偏
光ビーム分割器のプリズムにおける光ビームが通らない
周壁部の少なくとも１つは研磨された表面を有し、前記
研磨された表面に入ったストレイ・ライトがほとんどこ
の表面を透過できる、液晶投影機のビーム分割システ
ム。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は液晶投影機のビーム分割システムに係り、特に所定の研磨処理でスト レイ・ライトを低減する液晶投影機のビーム分割システムに関する。

【０００２】

【従来の技術】

目下、反射式液晶投影機は広汎に使用されており、その主要な光学機構はビー ム分割システムを含む。反射式液晶投影機の場合、ビーム分割システムが一般に 偏光ビーム分割器(Polarization Beam Splitter, PBS)と反射式ＴＮ(twisted ne matic) 液晶パネルなどの光学素子から構成される。光路配置の方式は離軸(off- axis)及び同軸(on-axis)があり、同軸の光路配置は設計及び製造に有利ですが、 高いコントラストが得られないとの欠点がある。

【０００３】 図１は従来のビーム分割システム１０の光路を示す横断面図である。このビー ム分割システムは、４組の偏光ビーム分割器と赤青緑の三原色の反射式TN液晶パ ネルから構成され、光路配置は同軸の方式を採用する。図１から分かるように、 前記ビーム分割システム１０は、４組の偏光ビーム分割器１１〜１４と、４組の 偏光フィルタ１５〜１８と、緑色反射式TN液晶パネル２０と、青色反射式TN液晶 パネル２１と、赤色反射式TN液晶パネル２２と、ポラライザ１９と、を含む。そ れぞれの偏光ビーム分割器は２つのプリズムを含み、即ち、偏光ビーム分割器１ １はプリズム１１１、１１２を含み、偏光ビーム分割器１２はプリズム１２１、 １２２を含み、偏光ビーム分割器１３はプリズム１３１、１３２を含み、偏光ビ ーム分割器１４はプリズム１４１、１４２を含む。

【０００４】 ビーム分割システム１０の光源１はＳ態偏光のビーム２を生成することができ 、偏光ビーム２はビーム分割システム１０において三原色の液晶パネル２０、２ １、２２に反射される。なお、前記三原色の液晶パネル２０、２１、２２が既に 投射される予定の映像信号を受けたので、この投射される予定の映像信号は三原 色の液晶パネル２０、２１、２２に反射される光ビームと共にビーム分割システ ム１０を離れてカラー映像を投射する。

【０００５】 偏光フィルタ１５〜１８は位相リターダ(retarder)から構成され、特定色彩の 偏光ビームをろ過することができる。そのうち、偏光フィルタ１５、１８は通過 した赤色と青色光ビームの偏光状態を維持し、通過した緑色光ビームの偏光状態 をＳ態からＰ態に変換することができる。偏光フィルタ１６、１７が通過した青 色光ビームの偏光状態を維持し、通過した赤色光ビームの偏光状態をＳ態からＰ 態に変換することができる。

【０００６】 図１に示すように、偏光ビーム２がプリズム１１１、１１２のインターフェー スに到達する際に、Ｓ態の赤青色光成分２ａが反射されて偏光フィルタ１６へ進 み、一方、Ｐ態の緑色光成分２ｂがプリズム１１２を透過して偏光ビーム分割器 １２に入る。

【０００７】 緑色光成分２ｂがプリズム１２１、１２２のインターフェースを通過してから 、緑色の液晶パネル２０に反射されてＰ態からＳ態の緑色光ビーム３ｂに変わる 。緑色光ビーム３ｂが続いて偏光ビーム分割器１４に入り、プリズム１４１、１ ４２のインターフェースに反射されて偏光フィルタ１８を通過する。従って、通 過した緑色光ビーム３ｂがＳ態からＰ態に変わり、最後にＰ態のポラライザ１９ を通過して投射映像の緑色光成分４ｂとなる。

【０００８】 同じように、偏光フィルタ１６は、通過した赤青色光成分２ａをＳ態に維持す る青色光ビーム２１ａと、Ｓ態からＰ態に変わる赤色光ビーム２１ｂと、に分け る。そのうち、赤色光ビーム２１ｂがプリズム１３１、１３２のインターフェー スを通過して、赤色の液晶パネル２２に反射されてＳ態の赤色光ビーム２２ｂに 変わり、そして偏光フィルタ１７を通過する。従って、通過した赤色光ビーム２ ２ｂがＳ態からＰ態に変わり、そして順に偏光ビーム分割器１４、偏光フィルタ １８及びポラライザ１９を通過して投射映像の赤色光成分２３ｂとなる。

【０００９】 また、青色光ビーム２１ａがプリズム１３１、１３２のインターフェース及び 青色の液晶パネル２０に反射され、偏光ビーム分割器１４に入るＰ態の青色光ビ ーム２２ａに変わり、そして順に偏光フィルタ１７、プリズム１４１と１４２、 偏光フィルタ１８及びポラライザ１９を通過して投射映像の青色光成分２３ａと なる。

【００１０】 上述のように、赤青緑の３つのＰ態の光成分２３ｂ、２３ａ、４ｂを重ねるこ とによってＬＣＤ投影機の投射映像を形成する。

【００１１】

【考案が解決しようとする課題】

前述した従来のビーム分割システム１０の生成した投射映像は好適なコントラ ストが得られなく、その原因は下記に示す。 （イ） 偏光ビーム分割器における２つのプリズムのインターフェース及びその 材料が完全に理想的でないので、一部のＰ態偏光ビームが２つのプリズムのイン ターフェースへ反射される。例えば、一部のＰ態の緑色光成分２ｂはＳ態の赤青 色光成分２ａと一緒に反射される。 （ロ） 偏光フィルタが入射の光成分に対する偏光変換効率が良くないため、Ｐ 態の緑色光成分２ｂにＳ態の緑色光成分が少し混在しており、プリズム１２１、 １２２のインターフェースに反射される。同様に、Ｐ態の赤色光ビーム２１ｂに Ｓ態の赤色光成分が少し混在しているので、投射してなる映像のコントラストに 悪影響をもたらす。 （ハ） ホモトロピック液晶パネル(homotropic LCD panel)の製造が難く、一般 にＴＮ液晶パネルはある波長範囲にのみ素晴らしい偏光効果を有する。液晶パネ ルに入ったそれぞれの色の光成分に他の色の光成分が混在していれば、投射して なる映像のコントラストに悪影響をもたらす。 （ニ） ＴＮ液晶パネルは入射した光ビームに対する偏光変換が不完全なので、 ビーム分割システムのストレイ・ライトが少なからず存在する。

【００１２】 以上、従来のビーム分割システム１０はいろいろな原因によってストレイ・ラ イトが少なからず存在し、このようなストレイ・ライトは大部分がビーム分割シ ステム１０のプリズムの周壁部又はかかるインターフェースに反射されて、最後 にポラライザ１９を通過して投射映像の一部になるので、コントラストに悪影響 を与える。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

本考案は素晴らしいコントラストを有する液晶投影機のビーム分割システムを 提供することを目的とする。前記ビーム分割システムは、液晶投影機の光源及び 投射される予定の映像信号を受け、投射される予定の映像を出力する。前記ビー ム分割システムは、特定色彩の光ビームの偏光状態を変換するための複数の偏光 フィルタ(polarizing filter)と、前記複数の偏光フィルタの光路上に配置され 、それぞれ１対のプリズムを有し、入射した各色の偏光ビームをスプリットする ための複数の偏光ビーム分割器(polarization beam splitter)と、それぞれ三原 色のいずれの偏光ビームを反射すると共に、その偏光状態を変更する３組の液晶 パネルと、を含む。そのうち、前記ビーム分割システムは、各プリズムにおける 光ビームが通らない周壁部の少なくとも１つは研磨された表面を有する。よって 、ビーム分割システムにおける前記研磨された表面に入ったストレイ・ライトが ほとんどこの表面を透過でき、ビーム分割システムのストレイ・ライトを大幅に 低減でき、映像のコントラストを大幅に向上できる。

【００１４】

【考案の実施の形態】

図２は図１のビーム分割システムのストレイ・ライトの生成原因を説明すると 共に、本考案の好適な実施例に係わる液晶投影機のビーム分割システムを示す横 断面図である。

【００１５】 本考案に係わる液晶投影機のビーム分割システム１０は、図２に示すように、 ４組の偏光ビーム分割器１１〜１４と、４組の偏光フィルタ１５〜１８と、緑色 反射式TN液晶パネル２０と、青色反射式TN液晶パネル２１と、赤色反射式TN液晶 パネル２２と、ポラライザ１９と、を含む。そのうち、各偏光ビーム分割器はそ れぞれ２つのプリズムを有し、即ち、偏光ビーム分割器１１はプリズム１１１、 １１２を有し、偏光ビーム分割器１２はプリズム１２１、１２２を有し、偏光ビ ーム分割器１３はプリズム１３１、１３２を有し、偏光ビーム分割器１４はプリ ズム１４１、１４２を有する。光路の設計とシステムの操作原理は図１に類似す る。

【００１６】 図２に示すように、各プリズムにおける光ビームが通らない周壁部、例えば周 壁部５１〜５３が研磨された表面であり、これらの周壁部に入ったストレイ・ラ イトがビーム分割システム１０から射出する。

【００１７】 図２に示すように、ビーム分割システム１０はストレイ・ライトを生成するい ろいろな発生源があり、そのうち、ストレイ光ビーム３１〜３６は偏光ビーム分 割器における２つのプリズムのインターフェースとその材料が完全に理想的でな いので、インターフェースで一部の偏光ビームが反射され、又は透過することに なる。例えば、ストレイ光ビーム３１は、Ｐ態の緑色光ビーム２ｂがインターフ ェース１２３に反射されて偏光ビーム分割器１２の周壁部５２に到達することに よって生じる。ストレイ光ビーム３３は、一部のＳ態の緑色光ビーム３ｂがイン ターフェース１２３を透過してインターフェース１１３に反射されて偏光ビーム 分割器１１の周壁部５１に到達することによって生じる。そのうち、緑色光ビー ムによるストレイ光ビーム３１、３２の光強度が最も強く、ストレイ光ビーム３ ３の光強度がその次、ストレイ光ビーム３４〜３６が最も弱い。従って、緑光を 処理する偏光ビーム分割器１２の周壁は偏光ビーム分割器１１、１４の周壁より 多くのストレイ・ライトを受ける。周壁部５１〜５３は全部研磨された表面であ り、これらの周壁部に入ったストレイ・ライトの透過率が反射率より遥かに大き い。従って、ストレイ・ライトをビーム分割システム１０より逸脱させる目的は 十分に達成できる。なお、周壁部５２を含む偏光ビーム分割器１２の各周壁に対 して研磨を施すのは、ストレイ・ライトの除去に最も顕著な効果を有する。

【００１８】 ストレイ・ライト３１〜３６以外、偏光ビーム分割器の材料のディスパージョ ン効果と液晶パネルの材料欠陥により、図２に示すようなストレイ・ライト４１ 、４２を生じる可能性があり、周壁部５１〜５３は全部研磨された表面であり、 このようなストレイ・ライトが容易にビーム分割システム１０から射出される。

【００１９】 以上、本考案に係わるビーム分割システムは、各プリズムにおける光ビームが 通らない周壁部は研磨された表面を有する。従って、ストレイ・ライトがほとん ど何回かの反射を経てから、前記周壁部よりビーム分割システムを透過できる。 よって、ビーム分割システムのストレイ・ライトを大幅に低減でき、映像のコン トラストを大幅に向上できる。

【００２０】 なお、周壁部５１〜５３の表面に反射膜（図示せず）を塗布することが考えら れる。こうすると、周壁部５１〜５３を透過したストレイ・ライトがビーム分割 システム１０以外の物に反射されて、再びビーム分割システム１０に入ることが 無くされる。且つビーム分割システム１０以外の物からのストレイ・ライトも周 壁部５１〜５３を透過してビーム分割システムに入ることが無くされる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来のビーム分割システムの光路を示す横断面
図である。

【図２】図１のビーム分割システムのストレイ・ライト
の生成原因を説明すると共に、本考案に係わる液晶投影
機のビーム分割システムを示す横断面図である。

【符号の説明】

１ 光源 ２ 偏光ビーム ２ａ 赤青色光成分 ２ｂ 緑色光成分 ３ｂ 緑色光ビーム ４ｂ 緑色光成分 １０ ビーム分割システム １１〜１４ 偏光ビーム分割器 １５〜１８ 偏光フィルタ １９ ポラライザ ２０〜２２ 液晶パネル ２１ａ 青色光ビーム ２１ｂ 赤色光ビーム ２２ａ 青色光ビーム ２２ｂ 赤色光ビーム ２３ａ 青色光成分 ２３ｂ 赤色光成分 ３１〜３６ ストレイ光ビーム ４１、４２ ストレイ光ビーム ５１〜５３ プリズムの周壁部 １１１、１１２ プリズム １１３ インターフェース １２１、１２２ プリズム １２３ インターフェース １３１、１３２ プリズム １４１、１４２ プリズム

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 液晶投影機の光源及び投射される予定の
   映像信号を受け、投射される予定の映像を出力する液晶
   投影機のビーム分割システムであって、 特定色彩の光ビームの偏光状態を変換するための複数の
   偏光フィルタ(polarizing filter)と、前記複数の偏光
   フィルタの光路上に配置され、それぞれ１対のプリズム
   を有し、入射した各色の偏光ビームをスプリットするた
   めの複数の偏光ビーム分割器(polarization beam split
   ter)と、それぞれ三原色のいずれの偏光ビームを反射す
   ると共に、その偏光状態を変更する３組の液晶パネル
   と、を含む液晶投影機のビーム分割システムにおいて、
   前記複数の偏光ビーム分割器のプリズムにおける光ビー
   ムが通らない周壁部の少なくとも１つは研磨された表面
   を有し、前記研磨された表面に入ったストレイ・ライト
   がほとんどこの表面を透過できる、液晶投影機のビーム
   分割システム。
2. 【請求項２】 前記研磨された周壁部を透過したストレ
   イ・ライトは前記ビーム分割システム以外の物に反射さ
   れて再び前記ビーム分割システムに入ることを無くすよ
   うに、前記研磨された周壁部の表面に反射膜が塗布され
   る、請求項１に記載の液晶投影機のビーム分割システ
   ム。
3. 【請求項３】 前記各偏光フィルタは位相リターダ(ret
   arder)である、請求項１に記載の液晶投影機のビーム分
   割システム。
4. 【請求項４】 前記液晶パネルは反射式TN液晶パネルで
   ある、請求項１に記載の液晶投影機のビーム分割システ
   ム。