JP3081209B2 - 複合構造磁石体のツイータ - Google Patents

複合構造磁石体のツイータ

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JP3081209B2
JP3081209B2 JP01029940A JP2994089A JP3081209B2 JP 3081209 B2 JP3081209 B2 JP 3081209B2 JP 01029940 A JP01029940 A JP 01029940A JP 2994089 A JP2994089 A JP 2994089A JP 3081209 B2 JP3081209 B2 JP 3081209B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、複合構造磁石体のツイータ(高音用スピ
ーカ)に関し、特に、中音域での使用も可能な複合構造
磁石体のツイータに関するものである。
[従来の技術] 従来のツイータは、所定の単一磁石材で構成され、そ
の素材、形状およびその製造方法についてのみ検討され
て来た。例えば、安価な磁石材としてフェライト焼結磁
石の利用が行われているが、このフェライト焼結磁石は
その製造に難点があり、ツイータへ利用する際には、そ
の難点を克服する必要があった。すなわち、この磁石を
製造する工程には焼結工程が介在し、この焼結工程にお
ける体積の収縮が不規則で、所要の後加工を避けること
ができなかった。そして、このような後加工、例えば、
研磨やスライサ・カットには、多大のコストを必要とし
たものである。
また、希土類磁石についても考慮されたが、材料が高
価であり、また、その製造方法が微粉末異方性焼結法で
あるために、この磁石の場合にも、後加工が必要とされ
る。さらに、アルニコ磁石についても検討されている
が、この磁石は鋳造によって製造されることから、この
場合にも後加工の必要性がある。
[発明が解決しようとする課題] このように、従来の磁石をツイータに利用するために
は、その仕上がり精度を困難な後加工に依存せざるを得
ないという問題点があった。
この発明は、このような問題点を解決するためになさ
れたもので、磁束密度の大きい、中音域での使用も可能
なツイータを安価に提供することをその目的としてい
る。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するために、この発明は、磁石体から
なるツイータにおいて、通常の磁力を有する平板状の基
本磁石材とこの基本磁石材に嵌合された高磁力の複合用
磁石材からなる、多数の音孔を有する第1複合構造磁石
体と、この第1複合構造磁石体と同様の構造を有する第
2複合構造磁石体と、第1および第2複合構造磁石体の
間に挟持される、端子を有するダイアフラムとから構成
したものである。
[実施例] 第1図は、この発明の実施例である平面型ツイータ
(高音用スピーカ)を示す一部断面とした斜視図であ
る。第1図において、平板状の第1フェライト・マグネ
ット5の適所には、複数の音孔7が形成されている。ま
た、平板状の第2フェライト・マグネット6が対向配置
されており、両者間には、ダイアフラム9が挟持されて
いる。そして、このダイアフラム9の外周適所には、ダ
イアフラム端子8が設けられている。
第2図は、前記実施例の平面型ツイータに関する説明
図である。図Aは、第1複合構造磁石体5の平面図、図
Bは、第1複合構造磁石体5の側断面図であり、図C
は、第2複合構造磁石体6の平面図、図Dは、第2複合
構造磁石体6の側断面図である。そして、図Aにおい
て、51はダイアフラムの端子取り付け孔、52は本体取り
付け孔、53はダイアフラム固定孔、54は組み立てネジ孔
である。また、1は通常の磁力を有する安価なフェライ
ト系極異方性樹脂磁石材からなる平板状の基本磁石材で
あり、2はNdFeB系高磁力樹脂磁石材からなる複合用磁
石材、そして、7は音孔である。
このような平面型ツイータに用いる複合構造磁石体を
得るために、基本磁石材1としては、この平面型ツイー
タのハウジング機能および振動板の押さえ機能をも有す
るものとして、通常の磁力の得られる安価なフェライト
系極異方性樹脂磁石材を用い、これを適当に射出成型す
ることで所望のものを作成する。また、複合用磁石材2
としては、NdFeB系高磁力樹脂磁石材を用い、これは所
要のように圧縮成型することで所望のものを作成する。
そして、この両者を互いに嵌め込み結合させることによ
り、目的とする複合構造磁石体を得ることができる。次
いで、上記のようにして得られた複合構造磁石体につい
て、所要の着磁が施されることとなる。
このようにして得られた複合構造磁石体について、そ
の表面磁束密度を計測したところ、その最大値は1700G
であった。しかるに、この複合構造磁石体と同一の形状
を有する、フェライト系極異方性樹脂磁石材からなる従
来の単一磁石体の表面磁束密度の最大値は1200Gである
ことから、従来のものに比べて約1.5倍ものトータル・
フラックス量が得られることになる。
第3図におけるグラフには、上記のような複合構造磁
石体を用いて構成した平面型ツイータの周波数特性が、
従来品のそれと比較する態様で示されている。この第3
図において、実線による特性曲線71は、上記複合構造磁
石体を用いて構成された平面型ツイータの周波数特性を
表すものであり、また、点線による特性曲線72は従来品
のそれを表すものである。
この第3図に示されるように、この発明の実施例であ
る平面型ツイータにおいては、その磁束密度の増大にと
もなって中音域での使用も可能であることが認められ
る。
[発明の効果] この発明によれば、ツイータに複合構造磁石体を利用
するので、磁束密度の増大にともなって中音域での使用
も可能となったばかりでなく、簡単かつ安価に製造する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の実施例である平面型ツイータ(高
音用スピーカ)を示す一部断面とした斜視図、第2図A
〜Dは、この発明の実施例の平面型ツイータに関する説
明図であり、図Aは、第1複合構造磁石体5の平面図、
図Bは、第1複合構造磁石体5の側断面図であり、図C
は、第2複合構造磁石体6の平面図、図Dは、第2複合
構造磁石体6の側断面図、第3図はこの発明の実施例で
ある平面型ツイータト従来のものとの周波数と音の強さ
の関係を示すグラフである。 1は樹脂磁石材、2は複合用磁石材、5は第1複合構造
磁石体、6は第2複合構造磁石体、7は音孔、8はダイ
アフラム端子、9はダイアフラムである。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】通常の磁力を有する平板状の基本磁石材と
    この基本磁石材に嵌合された高磁力の複合用磁石材から
    なる、多数の音孔を有する第1複合構造磁石体と、この
    第1複合構造磁石体と同様の構造を有する第2複合構造
    磁石体と、第1および第2複合構造磁石体の間に挟持さ
    れる、端子を有するダイアフラムとからなる複合構造磁
    石体のツイータ。
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