JP3081198U - 庇パネル型太陽電池 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 窓の上に設けられる庇を、太陽電池そのもの
で構成するようにして、庇パネル型太陽電池を実現す
る。 【解決手段】 発電モジュール１を長方形状に並べ枠体
２に組み付けてなる発電アレイを、所定の設置角度で保
持され、かつ長方形状の上辺で窓上部分の構造体５に接
するように取付金物３を介して構造体５に取り付け、上
辺を支点として設置角度を変更可能とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、建物の窓に庇として取り付けた庇パネル型太陽電池に関する。

【０００２】

【従来の技術】

クリーンなエネルギー源として太陽電池による発電システムが一般住宅を始め とする各種建物に採用されているが、これらはいずれも本来の屋根構造の上に別 途設置する形式であり、屋根の上に置かれた太陽電池自体は、発電以外の機能を 兼ねるものではない。また建物の外壁面に太陽電池を貼りつける例もあるが、こ れも太陽電池そのものを壁にしてあるわけではない。

【０００３】 なお、特開平７−８６６２８号公報には、強風時における小石の衝突や、風圧 による変形、大雪時の雪の重量による変形を回避するためこれらを察知して集光 パネルを壁面に収納したり、季節による日射量の変化等に対応するため仰角を変 更することを目的とする巻き上げ装置や仰角制御装置を備えた太陽光集光パネル 据え付け装置が記載されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

建物の窓の上部に日よけのために設けられる庇を、太陽電池そのもので構成す るようにして、庇パネル型太陽電池を実現することを目的とする。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、発電モジュールを長方形状に並べ枠体に組み付けてなる発電アレイ を、前記発電モジュールが水平面に対して所定の設置角度で保持され、かつ前記 長方形状の上辺で建物の窓上部分の構造体に接するように取付金物を介して前記 構造体に取り付けたことを特徴とする庇パネル型太陽電池であり、望ましくは前 記長方形状の上辺を支点として構造体に対して設置角度が変更可能に取り付けら れていることを特徴とする前記の庇パネル型太陽電池である。

【０００６】

【考案の実施の形態】

本考案の実施例を図面により説明する。図１は庇パネル型太陽電池を取り付け た建物の外壁部の断面図、図２は庇パネル型太陽電池の正面図で、１は発電モジ ュール、２は発電モジュール１を組み付けたアルミニウム等の金属の枠体、３は 枠体を建物の外壁等の構造体５に取り付ける取付金物、４は建物の外面に取り付 けた断熱ボード、６はパンチングメタル（孔開き鋼板）、Ｓは太陽光、Ｖは気流 である。

【０００７】 太陽電池は、セルと呼ばれる最小単位の発電ユニットを複数個組み合わせた発 電モジュール１をさらに複数枚並べて枠体２に組み付け、各発電モジュール１を 電気的に直列、あるいは並列に接続して発電アレイと呼ばれる形に構成されるの が普通である。発電アレイの一端には発生した電力を外部へ取り出すためのリー ド線（図示せず）が取り付けられる。

【０００８】 枠体２に組みつけられた発電モジュール１は取付金物３を介して建物の外壁に 取り付けられるが、太陽電池の周囲は熱がこもりやすいので、室内への熱影響を 考慮して取り付け部分には断熱ボード４を挿入することが好ましい。また取付金 物３の下部の開口をパンチングメタル６でふさぐことによって、気流Ｖで示すよ うに換気を図りつつ美観を向上させるようにすることが望ましい。

【０００９】 太陽電池は、地域（緯度) にもよるが、設置する角度や方角により発電量に差 があることが知られている。図３にその一例を示す。この図は、横軸に設置角度 （水平面となす角＝仰角）をとり、縦軸に最大発電量を100 としたときの発電量 の比を示したもので、設置条件によっては最大値のおよそ50％の発電量しか得ら れないことがわかる。

【００１０】 本考案の太陽電池は、下方の窓に対する庇の機能を持っているので、あまり角 度が急では庇の役をなさない。一方角度をゆるくすると庇の張り出し長が長くな って支障が出る場合もある。したがって設置場所の地理的条件を勘案した上で下 部、つまり窓の内側の室内部分に充分な日陰が得られるように角度αを決定する ことが好ましい。ただし図３からもわかるように、設置角度が0 〜50度の範囲で あれば角度による変化はさほど大きなものでもないから、頻繁にこの角度を調整 することは現実的にあまり意味をもたない。したがって、取付金物３としては固 定構造よりも角度αが変更可能な構造の方が望ましいが、といって前記の特開平 ７−８６６２８号公報に記載されたような常時この角度を変更するための制御・ 駆動機構などは必要ではない。

【００１１】 そこで本考案では、取付金物３として建物の外壁、すなわち構造体５に取り付 けられる第１の部材31と、発電モジュール１を組み付けた枠体２に取り付けられ る第２の部材32と、上端、すなわち長方形の上辺の位置でこれら第１の部材、第 ２の部材を回転自在に連結するヒンジ33と、第２の部材32を構造体５に対して所 定の角度αで保持するアーム34とで構成し、このヒンジ33を支点として設置角度 を調整し、一旦好ましい角度αが得られたらその状態で固定して好ましい角度α を維持できるようにした。アーム34と第１の部材31、あるいはアーム34と第２の 部材32との連結部分のボルト孔を長孔とすることにより、角度の調整が可能とな っている。必要に応じてこの角度を変更することも、もちろん容易である。

【００１２】 ちなみに、1271ｍｍ×827 ｍｍサイズの発電モジュールでは、１枚当たり最大 126Ｗ程度の出力があるから、10〜12枚並べることによって1.0 〜1.4 ｋＷの電 力が得られる。本考案の庇パネル型太陽電池は、例えばスパンドレルの部分に取 り付ければ日よけと発電の２つの効果が得られるから、横連窓ビルなどには最適 である。

【００１３】

【考案の効果】

本考案によれば、建物の窓の上部に日よけのために設けられる庇を太陽電池そ のもので構成するようにして、日よけによって夏季の冷房負荷を軽減させるとと もに太陽エネルギーを有効利用して省エネルギーが推進されるという、すぐれた 効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す庇パネル型太陽電池を取
り付けた建物の外壁部の断面図である。

【図２】本考案の実施例を示す庇パネル型太陽電池の正
面図である。

【図３】本考案に係わる太陽電池の設置角度による発電
量の変化を示すグラフである。

【符号の説明】

１ 発電モジュール ２ 枠体 ３ 取付金物 ４ 断熱ボード ５ 構造体 ６ パンチングメタル 31 第１の部材 32 第２の部材 33 ヒンジ 34 アーム Ｓ 太陽光 Ｖ 気流

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 発電モジュール（１）を長方形状に並べ
   枠体（２）に組み付けてなる発電アレイを、前記発電モ
   ジュール（１）が水平面に対して所定の設置角度で保持
   され、かつ前記長方形状の上辺で建物の窓上部分の構造
   体（５）に接するように取付金物（３）を介して前記構
   造体（５）に取り付けたことを特徴とする庇パネル型太
   陽電池。
2. 【請求項２】 前記長方形状の上辺を支点として構造体
   （５）に対して設置角度が変更可能に取り付けられてい
   ることを特徴とする請求項１に記載の庇パネル型太陽電
   池。