JP3080814B2 - シャープペンシルのチャック - Google Patents
シャープペンシルのチャックInfo
- Publication number
- JP3080814B2 JP3080814B2 JP13889293A JP13889293A JP3080814B2 JP 3080814 B2 JP3080814 B2 JP 3080814B2 JP 13889293 A JP13889293 A JP 13889293A JP 13889293 A JP13889293 A JP 13889293A JP 3080814 B2 JP3080814 B2 JP 3080814B2
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- Japan
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- chuck
- resin
- mechanical pencil
- core
- gripping force
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Landscapes
- Injection Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
- Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は、シャープペンシルのチ
ャックの改良に係り、特に、要求される芯把持性能に十
分対応でき、低価格帯のシャープペンシルに用いて好適
なチャックに関するものである。
ャックの改良に係り、特に、要求される芯把持性能に十
分対応でき、低価格帯のシャープペンシルに用いて好適
なチャックに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】従来、シャープペンシルのチャックは金
属或いは樹脂により形成されており、特に低価格帯向け
の商品については、低コスト、大量生産可能等の諸特性
から樹脂が主に採用されている。
属或いは樹脂により形成されており、特に低価格帯向け
の商品については、低コスト、大量生産可能等の諸特性
から樹脂が主に採用されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】芯把持力等の要求品質
を満足するためには金属製のチャックを採用することが
望ましいが、金属製チャックの製造は一般的に切削加工
で行なわれるため、大量生産に不向きでコストが高くな
ることに加え、製造ロットによる品質のバラツキが懸念
される。このため、低価格帯のシャープペンシルには、
金型を製造すれば同一のものが大量且つ早く製造でき、
コストが低く押さえられる樹脂製のチャックが採用され
ている。しかしながら、従来の樹脂材質では、特に芯把
持性能に対して、低価格帯の商品であるが故に金属製に
比べ低いレベルで妥協し満足のいくものではなかった。
即ち、例えばポリアセタール樹脂は耐摩耗性に優れるも
のの表面硬度が低いために芯把持力が低く筆記に支障が
生じたり、ＡＳ樹脂は表面硬度が高いため初期の芯把持
力は高くなるものの、耐摩耗性が劣るため繰り返しの使
用により筆記に支障が生じたり、メラミン樹脂は表面硬
度が極めて高いため芯把持力は高くなるものの、弾性を
全く期待できないためチャック構造の変更を必要とされ
るという具合である。尚、ポリアセタール樹脂やＡＳ樹
脂にガラスファイバーなどの強化材を添加することで一
応上記の要求品質には対応し得るものになるが、金属製
に比べると未だ不十分である。そこで本発明は、樹脂材
質により形成し且つ芯把持性能に優れたシャープペンシ
ルのチャックを提供することを目的とする。
を満足するためには金属製のチャックを採用することが
望ましいが、金属製チャックの製造は一般的に切削加工
で行なわれるため、大量生産に不向きでコストが高くな
ることに加え、製造ロットによる品質のバラツキが懸念
される。このため、低価格帯のシャープペンシルには、
金型を製造すれば同一のものが大量且つ早く製造でき、
コストが低く押さえられる樹脂製のチャックが採用され
ている。しかしながら、従来の樹脂材質では、特に芯把
持性能に対して、低価格帯の商品であるが故に金属製に
比べ低いレベルで妥協し満足のいくものではなかった。
即ち、例えばポリアセタール樹脂は耐摩耗性に優れるも
のの表面硬度が低いために芯把持力が低く筆記に支障が
生じたり、ＡＳ樹脂は表面硬度が高いため初期の芯把持
力は高くなるものの、耐摩耗性が劣るため繰り返しの使
用により筆記に支障が生じたり、メラミン樹脂は表面硬
度が極めて高いため芯把持力は高くなるものの、弾性を
全く期待できないためチャック構造の変更を必要とされ
るという具合である。尚、ポリアセタール樹脂やＡＳ樹
脂にガラスファイバーなどの強化材を添加することで一
応上記の要求品質には対応し得るものになるが、金属製
に比べると未だ不十分である。そこで本発明は、樹脂材
質により形成し且つ芯把持性能に優れたシャープペンシ
ルのチャックを提供することを目的とする。
【０００４】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するための素材について鋭意検討を行なった結
果、チャックを液晶性芳香族ポリエステル系樹脂により
形成することにより解決し得ることを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成した。即ち、本発明は液晶性芳
香族ポリエステル系樹脂により形成したシャープペンシ
ルのチャックである。
を解決するための素材について鋭意検討を行なった結
果、チャックを液晶性芳香族ポリエステル系樹脂により
形成することにより解決し得ることを見出し、この知見
に基づいて本発明を完成した。即ち、本発明は液晶性芳
香族ポリエステル系樹脂により形成したシャープペンシ
ルのチャックである。
【０００５】本発明においてシャープペンシルのチャッ
ク材質として採用した液晶性芳香族ポリエステル系樹脂
は、一般的にサーモトロピック液晶ポリマー或いは単に
液晶ポリマー（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌｌｉｎｅ
Ｐｏｌｙｍｅｒ：ＬＣＰ）と呼称される樹脂の一種で
あり、分子鎖が剛直な構造を有するため従来の樹脂には
見られない特異な性質を示す。このため、液晶性芳香族
ポリエステル系樹脂の持つ諸々の特性をチャックとして
のメリットに十分反映させることができる。即ち、例え
ば、表面硬度が高く、耐摩耗性に優れ、機械的強度が高
く特に薄肉成型品になるほど機械的強度を増す等の他、
高弾性率を有し、耐熱性及び耐薬品性に優れ、成形収縮
率が小さく寸法安定性に優れ、優れた振動吸収特性を有
し、流動性が良い上バリが出にくい等成形性に優れてい
るため従来の熱可塑性樹脂の射出成形設備で成形が可能
であるなどがあげられる。尚、液晶ポリマー及び液晶性
芳香族ポリエステル系樹脂の技術内容について開示した
資料として、日本プラスチック工業連盟誌 プラスチッ
クス １９９３年３月号（１９９３年３月１日、株式会
社工業調査会発行）を記す。
ク材質として採用した液晶性芳香族ポリエステル系樹脂
は、一般的にサーモトロピック液晶ポリマー或いは単に
液晶ポリマー（Ｌｉｑｕｉｄ Ｃｒｙｓｔａｌｌｉｎｅ
Ｐｏｌｙｍｅｒ：ＬＣＰ）と呼称される樹脂の一種で
あり、分子鎖が剛直な構造を有するため従来の樹脂には
見られない特異な性質を示す。このため、液晶性芳香族
ポリエステル系樹脂の持つ諸々の特性をチャックとして
のメリットに十分反映させることができる。即ち、例え
ば、表面硬度が高く、耐摩耗性に優れ、機械的強度が高
く特に薄肉成型品になるほど機械的強度を増す等の他、
高弾性率を有し、耐熱性及び耐薬品性に優れ、成形収縮
率が小さく寸法安定性に優れ、優れた振動吸収特性を有
し、流動性が良い上バリが出にくい等成形性に優れてい
るため従来の熱可塑性樹脂の射出成形設備で成形が可能
であるなどがあげられる。尚、液晶ポリマー及び液晶性
芳香族ポリエステル系樹脂の技術内容について開示した
資料として、日本プラスチック工業連盟誌 プラスチッ
クス １９９３年３月号（１９９３年３月１日、株式会
社工業調査会発行）を記す。
【０００６】
【作用】チャック材質に液晶性芳香族ポリエステル樹脂
を採用したことにより、その機械的強度の高さ、表面硬
度の高さ及び優れた耐摩耗性から初期における芯の把持
力が高くなることに加え繰り返しの使用による芯把持力
の低下も小さく押さえられる。又、成形性に優れている
ため従来の熱可塑性樹脂の射出成形設備で成形が可能で
あることから製造面での投資等が不要である。
を採用したことにより、その機械的強度の高さ、表面硬
度の高さ及び優れた耐摩耗性から初期における芯の把持
力が高くなることに加え繰り返しの使用による芯把持力
の低下も小さく押さえられる。又、成形性に優れている
ため従来の熱可塑性樹脂の射出成形設備で成形が可能で
あることから製造面での投資等が不要である。
【０００７】
【実施例】以下に実施例により、本発明を更に具体的に
説明するが、本発明は、この実施例に限定されるもので
はない。 （実施例１） ＶＥＣＴＲＡ Ａ４１０ （ヘキストセラニーズ社製、登録商標名）上記材質で射
出成形を行ないチャックを得た。 （実施例２） ＶＥＣＴＲＡ Ｂ１３０ （ヘキストセラニーズ社製、登録商標名）上記材質で実
施例１と同様に射出成形を行ないチャックを得た。 （比較例１） ガラスファイバー強化ＡＳ 上記材質で実施例１と同様に射出成形を行ないチャック
を得た。 （比較例２） ガラスファイバー強化ポリアセタール 上記材質で実施例１と同様に射出成形を行ないチャック
を得た。上記各実施例１〜２と各比較例１〜２のチャッ
クをシャープペンシルに組込み、芯把持力の測定を行な
った。芯把持力の測定は、先端から適当な長さ芯を突出
させたシャープペンシルを、その先端から台秤に押し付
け、芯がシャープペンシル内部に潜り込んだ時の荷重を
測定し、その後芯を先の測定でチャックにより把持され
ていない部分まで繰出すとともに芯の不用な部分即ち先
の測定でチャックに接触した部分は取り除いて再び把持
力を測定した。この測定を５００回繰り返した。結果は
表１の通りである。
説明するが、本発明は、この実施例に限定されるもので
はない。 （実施例１） ＶＥＣＴＲＡ Ａ４１０ （ヘキストセラニーズ社製、登録商標名）上記材質で射
出成形を行ないチャックを得た。 （実施例２） ＶＥＣＴＲＡ Ｂ１３０ （ヘキストセラニーズ社製、登録商標名）上記材質で実
施例１と同様に射出成形を行ないチャックを得た。 （比較例１） ガラスファイバー強化ＡＳ 上記材質で実施例１と同様に射出成形を行ないチャック
を得た。 （比較例２） ガラスファイバー強化ポリアセタール 上記材質で実施例１と同様に射出成形を行ないチャック
を得た。上記各実施例１〜２と各比較例１〜２のチャッ
クをシャープペンシルに組込み、芯把持力の測定を行な
った。芯把持力の測定は、先端から適当な長さ芯を突出
させたシャープペンシルを、その先端から台秤に押し付
け、芯がシャープペンシル内部に潜り込んだ時の荷重を
測定し、その後芯を先の測定でチャックにより把持され
ていない部分まで繰出すとともに芯の不用な部分即ち先
の測定でチャックに接触した部分は取り除いて再び把持
力を測定した。この測定を５００回繰り返した。結果は
表１の通りである。
【０００７】
【表１】
【０００８】表１から各実施例チャックは比較例チャッ
クに比べて初期の芯把持力が高く又繰り返しの使用によ
る芯把持力の低下も少ないことが明らかである。
クに比べて初期の芯把持力が高く又繰り返しの使用によ
る芯把持力の低下も少ないことが明らかである。
【０００９】
【発明の効果】本発明の液晶性芳香族ポリエステル樹脂
により形成したシャープペンシルのチャックは、初期に
おける芯の把持力を高く且つ繰り返しの使用による芯把
持力の低下を小さく押さえることができ、要求される芯
把持性能を十分満足することが可能となった。又、従来
の熱可塑性樹脂の射出成形と何等変ることなく成形が可
能であるため製造面でのコストの増加を防ぐことができ
安価に提供することが可能となった。更に、液晶性芳香
族ポリエステル樹脂の特徴から、機械的強度が高く特に
薄肉成型品になるほど機械的強度を増すため従来の金属
製のチャックと変らない設計が可能であり、寸法安定性
に優れているため経時による寸法の変化が少なく、成形
性に優れているため薄肉部分の欠陥が無く芯把持部に微
小な凹凸を配置した場合においても忠実に再現可能であ
り、バリが出にくいため二次加工によるバリの除去作業
が不要であり、弾性率が高いにもかかわらず優れた振動
吸収特性を有するため筆記時の不快な振動が人の手に伝
わるのを和らげる等の効果も期待できる。
により形成したシャープペンシルのチャックは、初期に
おける芯の把持力を高く且つ繰り返しの使用による芯把
持力の低下を小さく押さえることができ、要求される芯
把持性能を十分満足することが可能となった。又、従来
の熱可塑性樹脂の射出成形と何等変ることなく成形が可
能であるため製造面でのコストの増加を防ぐことができ
安価に提供することが可能となった。更に、液晶性芳香
族ポリエステル樹脂の特徴から、機械的強度が高く特に
薄肉成型品になるほど機械的強度を増すため従来の金属
製のチャックと変らない設計が可能であり、寸法安定性
に優れているため経時による寸法の変化が少なく、成形
性に優れているため薄肉部分の欠陥が無く芯把持部に微
小な凹凸を配置した場合においても忠実に再現可能であ
り、バリが出にくいため二次加工によるバリの除去作業
が不要であり、弾性率が高いにもかかわらず優れた振動
吸収特性を有するため筆記時の不快な振動が人の手に伝
わるのを和らげる等の効果も期待できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7，ＤＢ名) B43K 21/22 B29C 45/00
Claims (1)
- 【請求項１】 液晶性芳香族ポリエステル系樹脂により
形成したことを特徴とするシャープペンシルのチャック
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13889293A JP3080814B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | シャープペンシルのチャック |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP13889293A JP3080814B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | シャープペンシルのチャック |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06328894A JPH06328894A (ja) | 1994-11-29 |
| JP3080814B2 true JP3080814B2 (ja) | 2000-08-28 |
Family
ID=15232564
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP13889293A Expired - Fee Related JP3080814B2 (ja) | 1993-05-18 | 1993-05-18 | シャープペンシルのチャック |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3080814B2 (ja) |
-
1993
- 1993-05-18 JP JP13889293A patent/JP3080814B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06328894A (ja) | 1994-11-29 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20000531 |
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