JP3080380B2 - 水車及び機器とその製造方法 - Google Patents

水車及び機器とその製造方法

Info

Publication number
JP3080380B2
JP3080380B2 JP01288933A JP28893389A JP3080380B2 JP 3080380 B2 JP3080380 B2 JP 3080380B2 JP 01288933 A JP01288933 A JP 01288933A JP 28893389 A JP28893389 A JP 28893389A JP 3080380 B2 JP3080380 B2 JP 3080380B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
build
layer
powder
base material
stainless steel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP01288933A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH02230968A (ja
Inventor
賢一 宇佐美
博 高安
晃二 佐藤
寛 福井
公彦 赤堀
讓之良 佐藤
啓造 菊地
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP01288933A priority Critical patent/JP3080380B2/ja
Publication of JPH02230968A publication Critical patent/JPH02230968A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3080380B2 publication Critical patent/JP3080380B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/20Hydro energy
    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02PCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES IN THE PRODUCTION OR PROCESSING OF GOODS
    • Y02P70/00Climate change mitigation technologies in the production process for final industrial or consumer products
    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Landscapes

  • Hydraulic Turbines (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、水車及び機器とその製造方法に係り、特に
土砂含有の多い流水で使用される回転機器部材等の表面
はキヤビテーシヨン,土砂摩耗、及びこれらの複合損傷
を受けるため、これを防止するのに好適な耐水中土砂摩
耗性肉盛溶接層を形成した水車及び機器とその製造方法
に関する。
〔従来の技術〕
水力発電機器用水車ランナ,ガイドベーン及びステー
ベン等の流水接触部材は、その部材の形状及び流速との
関係によりキヤビテイの崩壊,衝撃によるキヤビテーシ
ヨン,エロージヨンの損傷を受けることがある。このキ
ヤビテーシヨンによる部材の損傷は、高速流水中で発生
したキヤビテイが部材表面に衝突し、崩壊する際に高い
衝撃応力が部材に加わり、その部分が侵食される現象で
ある。そのとき衝撃圧力は流速35〜120m/secにおいて51
4〜1745atmという高いものである。
このため、流水接触部の母材表面に耐キヤビテーシヨ
ン・エロージヨン性の優れたステンレス鋼系材料を肉盛
し、損傷を抑制しようとする金属肉盛溶接材料が開発さ
れてきた。これらの溶接材料の組成は、特開昭57−1524
47号公報,特開昭57−156894号公報,特開昭57−199593
号公報に開示され、ステンレス鋼系材料が用いられてき
た。そのキヤビテーシヨンによる損傷を抑制する金属材
料としては、高強度かつ高硬度のものか、衝撃圧力を利
用して流水表面層の加工硬化が期待される肉盛溶接材料
である。
一方、ポンプ等の構成部材である鋳鉄は、耐摩耗性が
十分でないことから、耐摩耗性ゴム,ポリウレタン、ま
たはエポキシ樹脂等にセラミツクス粒子を分散させた耐
摩耗性材料が開発されてきた。このような材料の組成
は、特開昭59−45363号公報〜特開昭59−45366号公報,
特開昭59−68349号公報,特開昭62−72922号公報〜特開
昭62−72923号公報等に多く開示されている。
しかしながら、土砂を多量含む河川水を用いる水力発
電用水車は、水車の構成部材が土砂の成分の硬質のSiO2
やAl2O3による切削作用等により侵食される。金属材料
のキヤビテーシヨン損傷には硬度の高い金属ほど耐える
とされているが、土砂を含有した環境では必ずしも良い
とは限らない。一般的には土砂の成分部室より硬度が高
い材料であれば切削作用等による侵食が防止できるもの
と考えられている。しかし大型構造部品等へ硬度の大き
い材料を所定形状で設けることは一般的に非常に困難で
ある。
また、水力発電機用水車は高土砂含有地点で使用され
た実績が今まで比較的少ないため、水中土砂による摩耗
の抑制を直接対象として開発された材料は見当らない。
そこで、水車ランナ等の部位には、その強度特性を満足
するように焼入れ、焼戻し処理を施した含Ni13Cr鋳鋼が
用いられ、その表面にステンレス鋼のJISD308,JISD309M
o,HST25等による被覆アーク溶接肉盛施工が採用されて
いるのが現状である。しかしこの方法は耐水中土砂摩耗
性を考慮して実施されたものでないので、高土砂含有地
点の水力発電機用水車等を対象とする場合には耐水中土
砂摩耗性が不十分で摩耗が著しい。
また被覆アーク溶接肉盛用の材料として、Co基超耐熱
合金粉末とセラミツクス粉末とが混合した混合粉末を使
用して母材表面に肉盛層を設ける技術が特開昭62−1341
93号明細書に示されているが、この技術は高温部材表面
に耐熱及び耐圧縮変形等を付与するための技術であり、
本発明の対象とする水車の場合に適用される技術ではな
い。
〔発明が解決しようとする課題〕
従来の金属溶接材料による水車部材への肉盛溶接は、
耐食性は言うまでもないが、水車ランナ等のキヤビテー
シヨン・エロージヨンによる侵食を防止することを主目
的として実施されているものであり、耐水中土砂摩耗性
は必ずしも高くない。これはキヤビテーシヨン・エロー
ジヨンと土砂摩耗とはその損傷機構が異なることによ
る。即ち、前者は高速水中で発生したキヤビテイが材料
表面で衝突,崩壊するときの衝撃圧により侵食するもの
であり、後者は主として土砂による切削作用により侵食
する現象である。また、高土砂含有の流水中で、キヤビ
テーシヨンと土砂摩耗とが相乗する場合では、それぞれ
の単独の要因よりも材料の損傷が加速される。そのため
上述の従来技術のステンレス鋼のJISD308,JISD309Mo,HS
T25等は高土砂含有地点の水車に適用するには問題があ
つた。
一方、高分子有機材料にセラミツクスを複合した高分
子−セラミツクス複合材料の耐土砂摩耗性材料が開発さ
れている。これは、高分子中に硬度の高いセラミツクス
を分散させて、土砂による切削的作用を緩和しようとし
たものである。しかし、水中で使用される場合は必ずし
も土砂摩耗のみでなく、キヤビテーシヨン・エロージヨ
ンとの複合損傷が大きく、特に高分子−セラミツクス複
合材料の水中の土砂摩耗性が金属材料に比べて優れても
劣らないものであるが、キヤビテーシヨン損傷に対して
は金属材料よりも非常に劣る。従つて高土砂含有流水地
点の水車構造部材に高分子−セラミツクス複合材料を適
用することは信頼性の点で問題がある。
本発明の第1の目的は、水の衝撃を受ける基材上に、
キヤビテーシヨンによる侵食と土砂による摩耗を同時に
抑制し、かつ施工性の容易な肉盛溶接層を有する水車及
び機器部材の製造方法を得ることである。
〔課題を解決するための手段〕
本発明は、流水による衝突を受ける母材表面に、該母
材よりも耐エロージョン性の高い肉盛溶接層を有する水
車機器において、前記肉盛溶接層は重量で、C0.05〜0.1
5%,Si0.2〜1%,Mn7〜13%,Ni2〜7%,Cr17〜23%,Co6
〜10%,Mo1〜3%及びN0.3%以下を含むオーステナイト
ステンレス鋼基地に金属炭化物セラミックス粒子が分散
していることを特徴とする。
更に、本発明は、母材表面に、該母材よりも耐エロー
ジョン性の高い肉盛溶接層を有する機器において、前記
肉盛溶接層は重量で、C0.05〜0.15%,Si0.2〜1%,Mn7
〜13%,Ni2〜7%,Cr17〜23%,Co6〜10%,Mo1〜3%及
びN0.3%以下を含むオーステナイトステンレス鋼基地に
金属炭化物セラミックス粒子が分散していることを特徴
とする。
また、本発明は、流水による衝突を受ける母材表面
に、該母材よりも耐エロージヨン性の高い肉盛溶接層を
形成する水車機器の製造方法において、重量で、C0.05
〜0.15%,Si0.2〜1%,Mn7〜13%,Ni2〜7%,Cr17〜23
%,Co6〜10%,Mo1〜3%及びN0.3%以下を含むオーステ
ナイトステンレス鋼粉末と金属炭化物セラミックス粉末
とを含む混合粉をアークによって溶融することにより前
記肉盛溶接層を有することを特徴とする。
本発明は、母材表面に、該母材よりも耐エロージョン
性の高い肉盛溶接層を形成する機器の製造方法におい
て、重量で、C0.05〜0.15%,Si0.2〜1%,Mn7〜13%,Ni
2〜7%,Cr17〜23%,Co6〜10%,Mo1〜3%及びN0.3%以
下を含むオーステナイトステンレス鋼粉末と金属炭化物
セラミックス粉末とを含む混合粉をアークによって溶融
することにより前記肉盛溶接層を形成することを特徴と
する。
炭化物の含有量は面積率で1〜50%が好ましい。特に
流水による急激な衝撃を受け、キヤビテーシヨンを受け
る部分では肉盛溶接層として靭性が高いものが良く、1
〜10%が好ましい。また、流水による摩耗が支配する部
分では10〜50%が好ましく、硬さとしてHv300〜700が好
ましい。炭化物の添加量と肉盛溶接層中に含有される晶
出物の面積率との関係は添加量5重量%のとき20%,10
重量%のとき40%,15重量%のとき60%となる。
本発明の水車において、水の衝撃を受ける部分に設け
られた肉盛溶接層を構成するオーステナイトステンレス
鋼のマトリックスに分散している炭化物は、(A)前記
肉盛溶接層中に残存する前記金属炭化物系セラミツクス
粒子、及び(B)前記金属炭化物系セラミツクス粒子が
残存せず肉盛溶接後に晶出した金属複合炭化物の両者を
包含するものを得ることができる。
(A)セラミツクス粒子の残存凝固組織構造被覆層
は、高融点の前記金属炭化物系セラミツクス(S)の粉
末粒径が前記オーステナイト系ステンレス鋼(M)の粉
末粒径10〜200μmに対して粒径比S/Mが2以下、好まし
くは1〜2で、金属炭化物系セラミツクス(S)が20〜
80容積%含まれ、かつ前記肉盛溶接層は該層中に金属炭
化物系セラミツクス粒子が残存された凝固組織構造とす
ることができる。
更に本発明は、重量%でC:0.05〜0.15%,Si:0.2.0〜
1%,Mn:7〜13%,Ni:2〜7%,Co:6〜10%,Cr:17〜23%
とする。更にこれにMo1〜3%No0.3%以下を含有し、残
部がFe及び同伴する不可避的不純物からなり、(Mn%+
Co%)/Cr%の値が0.6〜1.3の範囲の組成を有し、加工
硬化性がAISI304あるいは316よりも高い擬似マルテンサ
イト系ステンレス鋼を使用するのがよい。
また、前記金属炭化物系セラミツクスはSiC,VC,NbC,T
iC,WC及びCr3C2の群より選定された少なくとも1種であ
る。
一方、(B)セラミツクス粒子が残存しない凝固組織
構造の肉盛溶接層の形成に使用した複合粉末は、高融点
の前記金属炭化物系セラミツクス(S)の粉末粒径及び
前記オーステナイト系ステンレス鋼(M)の粉末粒径が
10〜200μmの範囲にあり、粒径比S/Mが1以下で、金属
炭化物系セラミツクス(S)が1〜40容積%含まれ、か
つ前記被覆層は被覆層中に金属炭化物系セラミツクス粒
子が残存せず、晶出した金属複合炭化物が分散した凝固
組織構造を有するものを得ることができる。
また、この(B)セラミツクス粒子の非残存凝固組織
肉盛溶接層の場合に用いられるオーステナイト系ステン
レス鋼は、前記(A)セラミツクス粒子の残存凝固組織
肉盛溶接層の場合と同一のステンレス鋼が用いられる。
また、前記金属炭化物系セラミツクスはステンレス鋼
よりも密度が小さく、立方晶系構造を有し、SiC,TiCの
群より選定された少なくとも1種である。
また、(A)及び(B)セラミツクス粒子の残存また
は非残存凝固組織肉盛溶接層において、前記オーステナ
イト系ステンレス鋼及び前記金属炭化物系セラミツクス
の両者の粉末形状は、丸形,角形、丸角形、またはそれ
らの混合形が好ましい。そして前記肉盛溶接層はプラズ
マアーク肉盛溶接層により形成され、その厚さが5mm以
下であることが好ましい。
本発明の水車は、高土砂含有水を利用する水力発電用
水車に適用され、キヤビテーシヨンによる損傷,土砂摩
耗による損傷及びこれらの複合損傷の発生を最小限にす
るものである。
更に本発明の水車について説明する。(A)セラミツ
クス粒子の残存凝固組織肉盛溶接層において、オーステ
ナイト系ステンレス鋼粉末より粒径の大きいSiC,VC,Nb
C,TiC,WC及びCr3C2等の金属炭化物系セラミツクス粉末
をステンレス鋼粉末に20〜80容積%混合して複合粉末に
してプラズマ肉盛溶接することにより、セラミツクス粒
子が残存する凝固組織になる。この場合、セラミツクス
粉末(S)とステンレス鋼粉末(M)の粒径比S/Mを1
〜2とする。これはステンレス鋼とセラミツクスの融点
とを比べるとセラミツクスの方が高く、ステンレス鋼粉
末がプラズマアーク中で溶け、セラミツクス粒子を残存
させるためである。その比が余り大きくなると、大きな
粒子同志が隣接し、偏析傾向を増長し、そのため実機適
用における使用応力によりクラツクが発生され易くな
る。
一方、前記のようなセラミツクスを選んだのは、土砂
構成物質であるSiC2,Al2O3よりも硬度の高いセラミツク
スを分散させることにより、土砂による切削作用の侵食
を抑えるためである。
また、(B)セラミツクス粒子の非残存凝固組織被覆
層において、ステンレス鋼より密度の小さい金属複合炭
化物系セラミツクスのSiC,TiC粉末を選定し、ステンレ
ス鋼粉末と混合して複合粉末とし、これをプラズマ肉盛
溶接により肉盛溶接層を形成し、結果としてセラミツク
ス粒子が肉盛溶接層中に残存せず、金属複合炭化物が晶
出し且つ分散した凝固組織になる。そのためにステンレ
ス鋼粉末とセラミツクス粉末の粒径は10〜200μmが好
適である。これらの粒径を大きくすると、未溶解のステ
ンレスと鋼粉末セラミツクス粉末の粒子が残存する。し
かし、ステンレス鋼とセラミツクス粉末の融点はセラミ
ツクスの方が高いため、これらの複合粉末を溶接するに
はステンレス鋼粉末よりセラミツクス粉末の粒径を小さ
くした方が、プラズマアークによる融解が容易になり、
従つて前記のようにS/Mを1以下にすることが好まし
い。
また、(A)及び(B)セラミツクス粒子の残存また
は非残存凝固組織肉盛溶接層の両者の場合、ステンレス
鋼粉末及びセラミツクス粉末は共に丸形,角形,丸角
形、及びこれらの混合形てあつても良く、通常の粉末冶
金技術によつて製造することができる。また、実際に機
器部材表面に形成される肉盛溶接層は、その肉盛量が多
い程良いが、これらの延性,靭性を考慮し、さらに部材
(母材)との混合層がほとんど形成されないので5mm以
下であれば充分であり、耐摩耗性性能が発現できる。
なお、水の衝撃を受ける部分への肉盛施行は、被覆ア
ーク,TIG,MIG溶接等の通常の溶接方法で行うことができ
る。しかし、本発明のように、セラミツクス粉末とステ
ンレス鋼粉末との複合粉末をこれらの方法で肉盛溶接す
るのは比較的困難であり、従つて粉末同志を混合して溶
接可能なプラズマアーク溶接により、効果的に実施でき
る。
本発明によれば、水車は高土砂含有水に接触する機器
部材表面の少なくとも一部分に20Cr−4Ni−6Co−1.5Mo
−10Mn−0.2Nオーステナイト系ステンレス鋼と、ステン
レス鋼より融点及び硬度が高い金属炭化物系セラミツク
スとの複合粉末をプラズマアーク溶接により肉盛溶接層
を形成する。この肉盛溶接層はオーステナイト系ステン
レス鋼のマトリツクスに炭化物が分散した組織を有し、
この組織により高土砂含有河川水を利用する水車機器部
材の土砂による損傷を最小限に抑えることができ、信頼
性の高いシステムを構成することができる。
また、(A)セラミツクス粒子の残存凝固組織肉盛溶
接層も、(B)セラミツクス粒子の非残存凝固組織肉盛
溶接層のいずれかでも、土砂摩耗による損傷とキヤビテ
ーシヨンによる損傷、及びこれらの複合損傷を抑制でき
るが、前者の(A)は特に耐土砂摩耗性に適し、後者の
(B)は肉盛溶接層の製作性が容易である。
更に、本発明に係る耐エロージヨン性肉盛溶接層は、
オーステナイト系ステンレス鋼、表面に金属被覆層を設
けた金属炭化物系セラミツクス、さらに希土類元素の複
合粉末が機器部材の基板表面上に肉盛溶接された肉盛溶
接層で、キヤビテーシヨンによる侵食,土砂摩耗及びこ
れらの複合損傷が抑制され、かつ靭性を付与した溶接性
が良好な肉盛溶接層である。
次に本発明の主要な構成要件である肉盛溶接層が適用
される水車の断面図を第1A図に示し、第1A図でX方向に
見た時のランナ部の斜視図を第1B図に示す。本水車の動
翼であるランナ本体はクラウン1,シユラウド2との間に
複数の羽根3が設けられ、ランナコーン4,ガイドベーン
5,ステーベン6,ランナライナ7及びシートライナ8で構
成されており、ステーベン6を通つた土砂を含む流水は
ガイドベーン5から羽根3に流れ、ランナ羽根に回転エ
ネルギーを与えて下方に落下する。9はバンドを示す。
第2図は、本発明の水車の羽根3に設けられた肉盛溶
接層の羽根との溶着状態及びオーステナイトステンレス
鋼マトリツクスに晶出炭化物が析出している肉盛溶接層
の顕微鏡組織の例を示した写真である。この羽根3は、
一般に通常の溶解・鋳造によつて得られた含Ni13Cr鋳鋼
9によつて構成されている。しかし、この流水との接触
表面には、キヤビテーシヨンによる損傷を考え、従来は
オーステナイト系ステンレス鋼の肉盛溶接(ステンレス
鋼JISD308,D309Mo等)を施すことによりその防止対策が
図られていた。しかしながら、これらの材料は土砂摩耗
に関しては必らしも良い結果を示さないことが判明し
た。そこで、高硬度を有する肉盛溶接金属材料を検討し
たが、必ずしも満足すべき摩耗特性が得られないととも
に、肉盛部に割れが発生するなど、母材との関連から限
界があることが知られた。そこで、種々検討した結果、
オーステナイト系肉盛溶接材は溶接割れも少なく、施工
性も容易であることに着目し、耐キヤビテーシヨン性が
JISD308及びD309Moより優れている本発明の20Cr−4Ni−
6Co−1.5Mo−10Mn−0.2Nオーステナイト系ステンレス鋼
粉末に金属炭化物系セラミツクス粉末を混合した混合粉
末をプラズマ肉盛溶接して得られる層10を形成した。こ
の層10は、オーステナイト系ステンレス鋼マトリツクス
とこのマトリツクスに分散して存在する炭化物とを備え
た金属組織を有し、耐キヤビテーシヨン性,耐土砂摩耗
性が優れていることが明らかとなった。
その肉盛溶接層の厚さは5mm以下で多層でもよいが1
層形成されるだけで充分効果を発揮でき、好ましくは1
〜3mmである。なお、本発明における粉末は粉末冶金の
技術で通常行われている製造法によつて得られるものが
使用できる。また、プラズマ肉盛溶接に使用される混合
粉末のベース材料に前述のオーステナイト系ステンレス
鋼粉末を用いているが、これは溶接性が良くかつ耐キヤ
ビテーシヨン性が優れており、本発明のベース材として
最適であることによる。
次に夫々の成分限定理由について述べる。
(オーステナイト系ステンレス鋼粉末) なお、組成は重量%を示す。
Cは強力なオーステナイト生成元素であり、オーステ
ナイトの安定化及び基地の強化に寄与している。C量が
少ない場合、δフエライト析出量が増し、延性,靭性及
び耐キヤビテーシヨン性が低下する。しかし、C量を増
加すると溶接に際しては溶接割れ感受性を高めるため、
Cは0.05〜0.15%とする。
Siは溶接部材の脱酸のために加えるもので、0.2%未
満ではこの脱酸効果が不十分であり、1.0%を越えると
凝固粒界に低融点化合物を作つて高温割れ感受性が増す
ため、Siは0.2〜1.0%とする。
Mnは通常鋼材の脱酸脱硫のために更に加工硬化性を高
めるために13%以下加えられるが、N固溶量増加に寄与
すると共にオーステナイト生成元素である。本発明の添
加量は、Ni及びCoとあいまつてオーステナイト組成を安
定化させ、さらにオーステナイト基地を軟化させるが、
加工硬化性を増大させるので耐土砂摩耗性を顕著に高め
る。その結果、Mn添加量を増加すると切削抵抗が増し、
耐土砂摩耗性が付与される。したがつて、この加工硬化
性を得るには、Mn添加量7%以上が好ましい。一方、Mn
を過剰に添加すると湯流れ性を悪くし、また溶接に際し
て溶接ヒユームの増加を招き、溶接作業性が低下するの
で、Mn量の上限を13%とする。従つてMnは加工硬化性を
有する7〜13%とする。
Niはオーステナイト生成元素であり、Mn及びCoとあい
まつてオーステナイトを安定化させ、延性及び靭性向上
のため2%以上の添加が必要である。しかし、添加量が
6%を超えるとオーステナイトの安定化が進む。加工硬
化性を伴う高い耐土砂摩耗性,耐キヤビテーシヨン性を
有するためには、Niは2〜7%とする。Niの上限は22%
が好ましい。
CoはMn及びNiと共にオーステナイトを適度に安定化さ
せ、特に耐土砂摩耗性,耐キヤビテーシヨン,エロージ
ヨン性を向上するので10%以下含有させるのが好まし
い。その量が6%未満ではこれらの効果が十分ではな
く、10%を超えると基地の強化が進み延性及び延性を低
下させる。特にCoは6〜10%の範囲が耐土砂摩耗性に好
適である。
Crは水中における耐食性向上に有効で、また基地の強
化に必要であるが17%未満では耐土砂摩耗性を十分に発
揮できない。一方、23%を超えるとδフエライト生成量
が増す結果、延性及び靭性が低下するので、17〜23%で
ある。
Moは基地を強化する他、耐食性を改善し、耐土砂摩耗
性,耐キヤビテーシヨン・エロージヨン性改善に効果が
ある。しかし、5%を超えるとδフエライト生成量を増
し、靭性を低下する。特にMoは1〜3%とする。
NはCとあいまつてオーステナイトを安定化させ、特
に低C鋼ではオーステナイト生成のために不可欠な元素
である。また、耐土砂摩耗性等の改善にも効果がある
が、過剰に添加すると窒化物を形成して靭性を害するた
め、Nを0.3%以下にすることが好適である。より好ま
しくは0.05〜0.2%である。
Cuはオーステナイト地に固溶し、基地を強化し、土砂
摩耗性,耐キヤビテーシヨン性を向上させる。しかし、
あまり添加量を増すと溶接による割れを増長するためそ
の範囲は0.1〜5%が好ましい。
Nb,Ti,W,Vは結晶粒微細化や炭化物形成元素であり、
この系の炭化物セラミツクスを用いない場合は、分解溶
融したCと反応し、炭化物を形成し延性や靭性を向上さ
せる。しかしあまり添加すると溶接性を低下するため、
0.1〜5%の範囲が好ましい。
残部はFe及び同伴する不純物からなり、不純物として
P,S及びそのためAs,Sbなどがあるが、これらの元素は延
性,靭性を害するとともに溶接性を低下させるため極力
少ない方が望ましい。
(金属炭化物系セラミツクス粉への金属被覆) 金属炭化物系セラミツクスへ粉の金属被覆は、ステン
レス鋼粉末に、特にこれより比重の小さいセラミツクス
を複合する場合に、溶接時のセラミツクスの飛散等を抑
制するとともに、肉盛溶接層中に均一に分散・溶融させ
るための手段である。この金属被覆した炭化物系セラミ
ツクスは、ステンレス鋼粉末の比重に近づくため、粉末
の供給が容易となり、溶接施工性に効果を示す。
この炭化物系セラミツクスへの表面金属被覆は化学メ
ツキ,電気メツキ及びその他の物理的化学的手法によつ
て、Ni,Cr,Cu,Fe,Co及びそれらの合金がある。この場
合、高融点でかつ単金属の被覆が好ましい。しかし、セ
ラミツクス粉末への施工は、化学メツキ法によるNi−P
化合物が容易である。また、その金属被覆量はステンレ
ス鋼及び後記する希土類元素との関連において、粉末混
合及び溶接施工性をそこなわない金属被覆層の厚さと炭
化物系セラミツクス粒径の半径との比が1以下が好まし
い。
(希土類元素) 本発明の希土類元素粉末の混合は、金属炭化物系セラ
ミツクス粒子表面へ、特に低融点の化合物を形成させる
P等を含む被覆層の場合に有効である。これは、これら
希土類元素がP等と化合し、高融点化合物を形成させる
ということに基づくものである。
この希土類元素は周期律表の57番から71番に記載され
ているランタニド元素及びそれらの合金が好ましい。し
かし、一般的に使用されているLa,Ce及びそれらの化合
物である粉末が好ましい、特に、La,Ceの単元素は酸化
しやすく、大気中で取扱う場合に酸化層を形成させ、溶
接性を低めるためこれらの化合物たとえばLaNi6等が最
適である。その混合量は0.1%以下ではその効果が発揮
されず、5%以上になると溶接性を低める効果となるた
め0.1〜5%が好ましい。
ステンレス鋼粉末とセラミツクス粉末との混合粉末に
対し混合される量は1〜5Vol%が好ましい。
一方、これらの肉盛層は、その表面にシヨツトピーニ
ング処理等により圧縮残留応力を付与することにより効
果的に耐エロージヨン性を発揮させることができる。更
に、ピーニング等による表面処理のままでは、処理によ
る金属粉等が肉盛層表面に巻き込等で残存するので表面
層を除去することによりさらに効果的に耐損傷性を発揮
できる。この場合、押付力の大きいエメリー紙等で表面
層を切削除去すると切削面には圧縮残留応力が残り、さ
らに耐損傷性を付与するのに効果的であり、その表面あ
らさは10μm以下とすべきである。
なお、本発明の耐エロージヨン性被覆層は特に水車を
考えた場合、河川水中には定常状態で土砂を1%以下含
有しているが、上記被覆層は重量で10%以下の土砂を含
む流水に対して有用である。
固液混相流動媒体中で使用される機器は、少なくとも
水車のランナ,ライナやノズル,蒸気タービンブレー
ド,船舶プロペラ,サンドポンプのインペラやライナ,
スラリー輸送ポンプや配管及びそれらの媒体を取り扱う
部材表面に対し有効である。
(金属炭化物系セラミツクス) 金属炭化物系セラミツクスに関し、(A)セラミツク
ス粒子が残存された凝固組織を有する被覆層、及び
(B)セラミツクス粒子が残存せず、金属複合炭化物で
ある晶出炭化物が分散した凝固組織を有する肉盛溶接層
のものに対し、(A)及び(B)のいずれの場合でもセ
ラミツクスは高融点,高硬度であれば如何なる金属炭化
物系セラミツクスでも使用できる。しかし(A)又は
(B)の場合には次に示す金属炭化物系セラミツクスを
用いることができる。
(A) セラミツクス粒子が残存された凝固組織構造 本発明は金属炭化物系セラミツクスのSiC,TiC,WC,Cr3
C2,NbC,VCより少なくとも1種を選び、ステンレス鋼と
の混合粉末により肉盛溶接層を形成し、その層中にセラ
ミツクス粒子を残存させることにより、耐水中土砂摩耗
性を有効に向上ならしめるものである。この粒子の残存
は溶接条件にもよるがステンレス鋼に対し20容積%以下
では層中に溶け込み効果は発揮できない。しかし80容積
%以上になるとセラミツクスの粒子と粒子が接触する領
域が増し、その部分が土砂により欠落する頻度が多くな
り、それを基点とする割れを発生しやすくなる。従つて
セラミツクス量はスレテンレス鋼粉末量に対し20〜80容
積%が好ましい。またセラミツクスの中でも好ましくは
SiCが良い。
(B) セラミツクス粒子が残存せず且つ晶出金属複合
炭化物が分散した凝固組織構造 炭化物系セラミツクスのSiC,TiC粉末をステンレス鋼
粉末に混合し、この混合粉末から肉盛溶接層を作ること
により、オーステナイトステンレス鋼マトリツクスに炭
化物が晶出した金属組織が得られ、これにより、キヤビ
テーシヨン,土砂摩耗及びこれらの複合損傷を抑制する
ものである。これらの耐損傷性はステンレス鋼に対し1
容積%を混合しないとその効果は発揮されない。しか
し、40容積%以上添加すると、このステンレス鋼におい
ては、割れ感受性が高くなるため、その混合量はステン
レス鋼粉末量に対し1〜40容積量%が良い。なお、本発
明において、SiC,TiCを選んだのは結晶構造がステンレ
ス鋼と同様に立方晶系であることによる。さらに、回転
部においては、その遠心力による応力を緩和するという
ことを考慮し、ステンレス鋼に比べ密度の低いものに限
定したことによる。この場合は(A)にくらべ施工性が
容易で、セラミックス粉の少ない使用量で高い耐損傷性
が得られる効果がある。
母材としてはC0.2%以下,Si2%以下,Mn2%以下,Cr8〜
14%,Ni6%以下を含有する鍛鋼、鋳鋼が好ましい。更
に、この組成にMo2%以下,W1%以下,Ti,Nb,V1%以下,Z
r,Hf0.5%以下と少なくとも1種を含むことができる。
〔実施例〕
実施例1 第1表は表中に示したステンレス鋼粉末(粒径125μ
m)に金属炭化物系セラミツクス粉末(粒径210μm)
を種々の容積比で混合した配合組成を示す。この混合物
を粉体プラズマ肉盛溶接装置により、アーク電流220〜2
50A,アーク電圧32〜35V,トーチウイビング幅94mmで回数
15〜16cycle/min,Arガス送給量(/min)をプラズマ3,
キヤリア5,シールド15とした溶接条件で3mm一層肉盛を
した。得られた肉盛溶接層は、金属炭化物系セラミツク
スが肉盛溶接層に残存した凝固組織構造を有していた。
第12図は、市販のプラズマ肉盛溶接装置の概要断面図で
ある。作動開始時にプラズマガス(Ar)23を導入してW
電極(−)21と母材(+)22との間に流すことによりパ
イロツトアークを発生させ、次にシールドガス(Ar)24
を流し電極21と被溶接物22との間に電圧を加えプラズマ
アークを発生させた。そして粉体(パウダー)送給装置
から粉体(ステンレス鋼粉末+セラミツク粉末)とキヤ
リアガス(Ar)との混合物25をプラズマアーク26に供給
して、プラズマ熱にて粉体を母材22表面にて溶融して母
材に溶着し肉盛溶接層を作つた。
また、比較のために従来の肉盛溶接層を次のようにし
て施工した。第2表は従来行われている被覆アーク溶接
に使用した溶接棒の化学組成を示す。溶接条件は棒径4m
mφ,電流150A,電圧23V,入熱16KJ/cmの条件で3mm一層肉
盛した。
なお、本発明の肉盛溶接層及び比較材肉盛溶接層の施
工において、両溶接とは母材には含Ni13Cr鋳鋼(成分は
第2表のNo.12と同じ)製で25t×100mm×150mmの寸法の
板を供した。溶接後、水中土砂摩耗試験片5t×20mm×50
mmを採取し、試験表面をエメリー紙#1200で仕上げて試
験に供した。
実験における耐キヤビテーシヨン性の比較は磁歪振動
式キヤビテーシヨン試験機を用い、周波数6.5KHz,振幅1
20μm,試験温度25℃の条件下で水道水中2時間試験後の
減量を密度で除した体積減量(cm3)で評価した。
一方、耐土砂摩耗性は土砂含有水噴流式試験装置によ
り下記条件で試験し評価した。噴流速度40m/s,衝突角度
45deg、土砂は平均粒径8μmのAl2O3でその含有量は30
g/、試験時間は4時間とした。試験後の摩耗量は減量
を密度で除した体積減量(cm3)で表わした。なお、本
装置は水中に土砂含有水が噴射出来る方式を採用したも
のであり、キヤビテーシヨンを発生することが可能なも
のである。そこで、次式で表現できるキヤビテーシヨン
係数K=0.12とK=0.6で試験した。この条件はキヤビ
テーシヨンと土砂摩耗の複合損傷を生じさせうるもので
ある。
但し、 V :平均噴流速度(m/s) g :重力の加速度(m/sz) Pa:大気圧(mAg) Pv:蒸気圧(mAg) Pg:流体圧力(mAg) すなわち、K=0.6は土砂摩耗のみによつて損傷され
る条件下であり、K=0.12は土砂摩耗とキヤビテーシヨ
ンが相乗した条件である。
第3図はキヤビテーシヨン係数K0.6と0.12の条件下
で、SiC含有量と土砂による摩耗量との関係を示し、曲
線AはK=0.6,曲線BはK=0.12の場合を表わす。SiC
の添加量が多くなる程、摩耗量が減少する傾向を示し
た。またそのSiC量が80容積%になると摩耗量が増加す
る傾向を示す。
第4図は第1表に示す本発明肉盛溶接層と第2表に示
す比較材肉盛溶接層とをキヤビテーシヨン係数0.6の条
件下で試験した結果を示し、第1表,第2表のサンプル
No.を横軸にとり土砂による摩耗量を示す。本発明肉盛
溶接層であるNo.2〜11は比較材No.1,12〜16に比べ摩耗
量が著しく小さい.従って本発明肉盛溶接層は高土砂含
有水にさらされる水車の構成機器部材として十分に効果
を果たし得ることが明らかである。
また、第5図及び第6図の模式図に示すような水車の
ガイドベーン5,シートライナ8の5Ni13Cr鋳鋼の機器部
材上に本発明のSiCの容積40%含有の混合粉末を用い、
プラズマ肉盛溶接によつて肉盛溶接層10を設け、これを
550〜650℃焼純し、その後所定厚さ(1〜3mm)に機械
加工して被覆層10を形成した。また水車ランナ,カバー
ライナにも同様に肉盛溶接層を形成した。この肉盛溶接
層を形成することにより、土砂による摩耗,キヤビテー
シヨンによる、侵食及びこれらの複合損傷を防ぐことが
できた。
実施例2 第3表は、表中に示したステンレス鋼粉体(粒径149
μm)に金属炭化物セラミツクス粉末(粒径149μm)
を種々の容積比で混合した配合組成を示す。この混合物
を粉体プラズマ肉盛溶接装置により、アーク電流220〜2
50A,アーク電圧32〜35V,トーチウイビング幅94mmで回数
15〜16cycle/min,Arガス送給量(/min)をプラズマ3,
キヤリア5,シールド15とした溶接条件で3mm肉盛し、容
易に肉盛溶接層を成形した。なお、母材には含Ni13Cr
(成分は第2表のNo.12と同じ)鋳鋼(25t×100mm×150
mm)を用いた。そして金属炭化物系セラミツクスが残存
せず、オーステナイト鋼マトリツクスとこれに分散した
晶出炭化物とから成る凝固組織構造を有する肉盛溶接層
が得られた。第2図はこの肉盛層の顕微鏡組織を示す。
得られた本発明の肉盛溶接層について実施例と同様に
キヤビテーシヨン係数K=0.12でキヤビーシヨンと土砂
摩耗の複合損傷を生じさせ、摩耗試験を行い、その結果
を第7図に示す。曲線CはSiC、曲線DはTiC添加量とキ
ヤビテーシヨン減量を示す。またSiC及びTiCともその添
加量を増すほど硬さを向上し、特にSiC40容量%におい
てビツカース硬さ約700が得られた。なお、これ以上添
加すると硬さを向上するが割れを起しやすくなるため、
本発明は40容量%を限度として示した。
硬さと同様、添加量を増すに従つてキヤビテーシヨン
減量が小さくなる。ベース材料(No.1)と比較するとそ
の耐キヤビテーシヨン性が非常に向上していることが分
る。
第8図は第3表に示す本発明肉盛溶接層と第2表に示
す比較材肉盛溶接層とのキヤビテーシヨンによる減量を
示す。第8図のサンプルNo.は第3表のサンプルNo.と第
2表のサンプルNo.を表し、本発明肉盛溶接層No.17〜26
は比較材No.1,12〜16に比べ、本発明のステンレス鋼−
セラミツクス複合粉末による肉盛溶接層は、比較材の含
Ni13Cr鋳鋼やSUS304、及び従来の肉盛溶接材料等の比較
よりも非常に優れていることが明らかである。
また、第9図はSiC(曲線E)及びTiC(曲線F)の添
加量と土砂による摩耗量を示す。また、第10図は本発明
の肉盛溶接層(第3表のサンプルNo.17〜26と比較材肉
盛溶接層(第2表のサンプルNo.1,12〜16)の土砂によ
る摩耗量を示す。第9図及び第10図から、本発明肉盛溶
接層は耐キヤビテーシヨン性と同様にSiC,TiCの添加量
の増加と共に摩耗量が少なくなり、比較材及びベース材
料(点1)に比べ、本発明肉盛溶接層が耐複合損傷性に
優れることが明らかである。
実施例3 第1A図及び第1B図に示される水車を製作した。第1B図
に示される水車ランナの水と接触する面(作用面P)側
(第11B図)に関し、羽根3の両入口端(A,B)のそれぞ
れを中心として羽根入口長さ(L1)(約165mm)の1/2〜
1/5)を半径とした扇形範囲(10)に肉盛溶接層10を設
けた。第11A図に示される水車ランナの作用面の裏面
(反作用面(R))については、羽根3の両入口端(C,
D)の各々を中心として羽根入口長さ(L1)(約165mm)
の1/2〜1/5を半径とする扇形範囲に肉盛溶接層11を設
け、且つ羽根3の出口外方端(E)(第1A図と第11A図
に示す)から幅(W)50〜150mmで羽根出口長さL2の1/2
〜2/3の範囲の長さ(l)の範囲で肉盛溶接層12を設け
た。これらの肉盛溶接層は、実施例2の条件と同じ溶接
条件を使用し且つ第3表のNo.20の混合粉末を使用して
肉盛溶接した層を作り、次にこの層550℃〜650℃で焼純
し次にこれを厚さ1〜3mmに機械加工することにより作
つた。羽根3の作用面側入口端(A,B)を中心とする扇
形部分(10)は土砂を含む流水による摩耗が大きい部分
であり、羽根3の反作用面側入口端(C,D)を中心する
扇形部分(11)と外方出口端(E)から延在する肉盛溶
接層(12)に対応する部分との両者はキヤビテーシヨン
による損傷を受け易い部分である。
ガイドベーン及びシートライナは、実施例1に示した
ものと同じものを作つた。次にこれらの部品を組立て水
車を製作した。
この水車を土砂を含む流水で実際に運転したところ優
れた耐摩耗性と耐キヤビテーシヨンの両方を示した。
実施例4 第4表は、表中に示したステンレス鋼粉末(平均粒径
149μm)、Ni−P表面被覆金属炭化物系セラミツクス
粉末(表面被覆処理前後の平均粒径105μm→185μm)
と希土類元素化合物LaNi5(平均粒径140μm)を種々の
容積比で混合した配合組成を示す。この混合物を粉体プ
ラズマアーク肉盛溶接装置により、アーク電流220〜250
A,アーク電圧32〜35V,トーチウイビング幅94mmで回数15
〜16cycle/min,Arガス送給量(/min)をプラズマ3,キ
ヤリア5,シールド15とした溶接条件で3mm肉盛し、肉盛
溶接層を形成した。なお、金属炭化物系セラミツクス粒
子表面への表面被覆処理は中性浴の無電解ニツケルメツ
キ液中で行つた。この溶接肉盛施工に使用した母材は含
Ni13Cr鋳鋼(25t×100mm×150mm)である。
また、比較のために、水車ランナ材として使用されて
いる含Ni13Cr鋳鋼,AISI304、従来行われている被覆アー
ク溶接によるステンレス鋼系肉盛溶接棒及び表面金属被
覆層を設けないステンレス鋼とセラミツクスの粉体プラ
ズマ肉盛層を供した。第5表及び第6表はそれらの化学
組成及び配合組成を示す。その被覆アーク溶接条件は棒
状4mmφ,電流150A,電圧23V,入熱16KJ/cmで母材との希
釈を考慮し、8mm肉盛したが、粉体プラズマ溶接は前記
条件と同じとした。なお、衝撃試験片(JISZ2242)は15
mm肉盛し採取した。
なお、本発明の肉盛溶接及び比較材肉盛溶接層の施工
は前述と同様である。
本実施例における土砂による摩耗量はSiC含有量とし
て10〜80Vol%で前述の第3図とほぼ同様の値を示すこ
とが確認された。
第7表は粉体プラズマ肉盛溶接における本発明肉盛溶
接層と比較肉盛溶接層の評価結果を示す。本発明に係わ
る層は比較層に比べ、硬さは同程度であるが、溶接によ
る割れ性,延性及び靭性が改善されている。
一方、No.32〜40の結果から知られるように、表面金
属被覆(Ni−P)SiCを用いた場合、そのSiC10Vol%配
合でも割れを生じている。表面金属被覆しないSiC10Vol
%配合(No.20)では割れていない、しかしNo.35〜40に
おいて希土類元素配合はLaNi5を0.3%以上で割れが改善
されるている。これはLaに換算すると約0.1%となる。
第13図及び第14図は第4表に示す本発明肉盛溶接層と
第5図に示す比較材肉盛溶接層とのキヤビテーシヨン損
傷による減量とK=0.6の条件における土砂摩耗による
減量を示す。本発明肉盛溶接層No.34、37、38、40はNo.
51、55に比べ、その耐エロージヨン性は変わらないもの
の、比較材No.57〜61の含Ni13Cr鋳鋼やSUS304及び従来
の被覆アーク溶接肉盛材等より非常に優れていることが
明らかである。
従つて、本発明肉盛溶接層は水車等、高土砂及び固形
物を含む混相流動場中で使用される構成機器部材として
十分に効果を果し得ることが明らかである。
また、第5図及び第6図の模式図に示すような水車の
ガイドベーン5,シートライナ8の5Ni13Cr鋳鋼の機器部
材上に前述の表面金属被覆SiCの容積40%含有の混合粉
末を用い、プラズマ肉盛溶接によつて肉盛溶接層10を形
成した。また水車ランナ,カバーライナにも同様に肉盛
溶接層を形成した。この肉盛溶接層を形成することによ
り、土砂による摩耗,キヤビテーシヨンによる摩耗,複
合損傷を防ぐことができた。
〔発明の効果〕 本発明の水車及び機器部材の被覆層の製造方法によれ
ば、土砂含量河川水を利用する水力発電用水車等を対象
として、オーステナイト系ステンレス鋼と金属炭化物系
セラミツクスとの複合粉末により、セラミツクス粒子が
残存された凝固組織構造のものにくらべてセラミックス
粉の少ない使用量でセラミツクス粒が残存せず、晶出炭
化物がマトリツクスに分散した凝固組織構造を有する肉
盛層を機器部材表面に形成させるため、キヤビテーシヨ
ン,土砂摩耗、及び複合損傷を抑制でき、従つて機器が
侵食されるのを防止し、運転効率の低下を軽減でき、か
つその寿命の向上に大に効果をあげることができた。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は本発明に関する肉盛溶接層が適用される
水車の主要部を示す断面図、第1図(B)は第1図
(A)でX方向から見た斜視図、第2図は本発明被覆層
のうちオーステナイトステンレス鋼のマトリツクスに晶
出炭化物が分散した肉盛溶接層の断面の金属組織を示す
顕微鏡の写真、第3図はSiC添加量と土砂による摩耗量
との関係を示す図、第4図は本発明肉盛溶接層と比較材
との土砂による摩耗量の比較図、第5図,第6図は本発
明肉盛溶接層を形成した水車構成機器部材の模式図、第
7図はSiC及びTiC添加量とキヤビテーシヨン減量との関
係を示す図、第8図は本発明肉盛溶接層と比較材との耐
キヤビテーシヨン減量を示す図、第9図はSiC及びTiC添
加量と土砂による摩耗侵食量との関係を示す図、第10図
は本発明肉盛溶接層と比較材との土砂による摩耗侵食量
を示す図、第11図(A)及び第11図(B)は本発明の実
施例の水車の羽根において被覆層が設けられた個所を示
す図、第12図は肉盛溶接層を設ける時に使用したプラズ
マアーク溶接装置の概略図、第13図は各試料についての
キヤビテーシヨンによる減量を示したグラフ、第14図は
第13図に示した各試料について土砂による減量を示した
グラフである。 1……クラウン、2……シユラウド、3……羽根、4…
…ランナコーン、5……ガイドベーン、6……ステーベ
ン、7……ランナライナ、8……シートライナ、10……
肉盛溶接層。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐藤 晃二 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 福井 寛 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 赤堀 公彦 茨城県日立市久慈町4026番地 株式会社 日立製作所日立研究所内 (72)発明者 佐藤 讓之良 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (72)発明者 菊地 啓造 茨城県日立市幸町3丁目1番1号 株式 会社日立製作所日立工場内 (56)参考文献 特開 平1−65275(JP,A) 特開 昭62−134193(JP,A) 特開 昭57−156894(JP,A) 特開 昭57−152447(JP,A) 特公 昭55−22549(JP,B2)

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流水による衝突を受ける母材表面に、該母
    材よりも耐エロージョン性の高い肉盛溶接層を有する水
    車機器において、前記肉盛溶接層は重量で、C0.05〜0.1
    5%,Si0.2〜1%,Mn7〜13%,Ni2〜7%,Cr17〜23%,Co6
    〜10%,Mo1〜3%及びN0.3%以下を含むオーステナイト
    ステンレス鋼基地に金属炭化物セラミックス粒子が分散
    していることを特徴とする水車機器。
  2. 【請求項2】流水による衝突を受ける母材表面に、該母
    材よりも耐エロージョン性の高い肉盛溶接層を有する水
    車機器において、前記肉盛溶接層は重量で、C0.05〜0.1
    5%,Si0.2〜1%,Mn7〜13%,Ni2〜7%,Cr17〜23%,Co6
    〜10%,Mo1〜3%及びNo0.3%以下を含み、(Mn%+Co
    %)/Cr%の比が0.6〜1.3であるオーステナイトステン
    レス鋼基地に金属炭化物セラミツクス粒子が分散してい
    ることを特徴とする水車機器。
  3. 【請求項3】母材表面に、該母材よりも耐エロージョン
    性の高い肉盛溶接層を有する機器において、前記肉盛溶
    接層は重量で、C0.05〜0.15%,Si0.2〜1%,Mn7〜13%,
    Ni2〜7%,Cr17〜23%,Co6〜10%,Mo1〜3%及びN0.3%
    以下を含むオーステナイトステンレス鋼基地に金属炭化
    物セラミックス粒子が分散していることを特徴とする機
    器。
  4. 【請求項4】母材表面に、該母材よりも耐エロージョン
    性の高い肉盛溶接層を有する機器において、前記肉盛溶
    接層は重量で、C0.05〜0.15%,Si0.2〜1%,Mn7〜13%,
    Ni2〜7%,Cr17〜23%,Co6〜10%,Mo1〜3%及びN0.3%
    以下を含み、(Mn%+Co%)/Cr%の比が0.6〜1.3であ
    るオーステナイトステンレス鋼基地に金属炭化物セラミ
    ックス粒子が分散していることを特徴とする機器。
  5. 【請求項5】流水による衝突を受ける母材表面に、該母
    材よりも耐エロージョン性の高い肉盛溶接層を形成する
    水車機器の製造方法において、重量で、C0.05〜0.15%,
    Si0.2〜1%,Mn7〜13%,Ni2〜7%,Cr17〜23%,Co6〜10
    %,Mo1〜3%及びN0.3%以下を含むオーステナイトステ
    ンレス鋼粉末と金属炭化物セラミックス粉末とを含む混
    合粉をアークによって溶融することにより前記肉盛溶接
    層を有することを特徴とする水車機器の製造方法。
  6. 【請求項6】流水による衝突を受ける母材表面に、該母
    材よりも耐エロージョン性の高い肉盛溶接層を有する水
    車機器の製造方法において、重量で、C0.05〜0.15%,Si
    0.2〜1%,Mn7〜13%,Ni2〜7%,Cr17〜23%,Co6〜10
    %,Mo1〜3%及びN0.3%以下を含み、(Mn%+Co%)/C
    r%の比が0.6〜1.3であるオーステナイトステンレス鋼
    粉末と金属炭化物セラミックス粉末とを含む混合物をア
    ークによって溶融することにより前記肉盛溶接層を有す
    ることを特徴とする水車機器の製造方法。
  7. 【請求項7】流水による衝突を受ける母材表面に、該母
    材よりも耐エロージョン性の高い肉盛溶接層を形成する
    水車機器の製造方法において、重量で、C0.05〜0.15%,
    Si0.2〜1%,Mn7〜13%,Ni2〜7%,Cr17〜23%,Co6〜10
    %,Mo1〜3%及びN0.3%以下を含む粒径10〜150μmの
    オーステナイトステンレス鋼粉末と金属炭化物セラミッ
    クス粉末とを含む混合物をアークによって溶融すること
    により前記肉盛溶接層を形成することを特徴とする水車
    機器の製造方法。
  8. 【請求項8】母材表面に、該母材よりも耐エロージョン
    性の高い肉盛溶接層を形成する機器の製造方法におい
    て、重量で、C0.05〜0.15%,Si0.2〜1%,Mn7〜13%,Ni
    2〜7%,Cr17〜23%,Co6〜10%,Mo1〜3%及びN0.3%以
    下を含むオーステナイトステンレス鋼粉末と金属炭化物
    セラミックス粉末とを含む混合粉をアークによって溶融
    することにより前記肉盛溶接層を形成することを特徴と
    する機器の製造方法。
  9. 【請求項9】母材表面に、該母材よりも耐エロージョン
    性の高い肉盛溶接層を形成する機器の製造方法におい
    て、重量で、C0.05〜0.15%,Si0.2〜1%,Mn7〜13%,Ni
    2〜7%,Cr17〜23%,Co6〜10%,Mo1〜3%及びN0.3%以
    下を含み、(Mn%+Co%)/Cr%の比が0.6〜1.3である
    オーステナイトステンレス鋼粉末と金属炭化物セラミッ
    クス粉末とを含む混合物をアークによって溶融すること
    により前記肉盛溶接層を形成することを特徴とする機器
    の製造方法。
  10. 【請求項10】母材表面に、該母材よりも耐エロージョ
    ン性の高い肉盛溶接層を形成する機器の製造方法におい
    て、重量で、C0.05〜0.15%,Si0.2〜1%,Mn7〜13%,Ni
    2〜7%,Cr17〜23%,Co6〜10%,Mo1〜3%及びN0.3%以
    下を含む粒径10〜150μmのオーステナイトステンレス
    鋼粉末と金属炭化物セラミックス粉末とを含む混合粉を
    アークによって溶融することにより前記肉盛溶接層を形
    成することを特徴とする機器の製造方法。
JP01288933A 1988-11-09 1989-11-08 水車及び機器とその製造方法 Expired - Fee Related JP3080380B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01288933A JP3080380B2 (ja) 1988-11-09 1989-11-08 水車及び機器とその製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28342588 1988-11-09
JP63-283425 1988-11-09
JP01288933A JP3080380B2 (ja) 1988-11-09 1989-11-08 水車及び機器とその製造方法

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8097976A Division JPH08254173A (ja) 1996-04-19 1996-04-19 水車及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH02230968A JPH02230968A (ja) 1990-09-13
JP3080380B2 true JP3080380B2 (ja) 2000-08-28

Family

ID=26555039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01288933A Expired - Fee Related JP3080380B2 (ja) 1988-11-09 1989-11-08 水車及び機器とその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3080380B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3744109B2 (ja) * 1996-03-13 2006-02-08 株式会社日立製作所 水力機械用ランナ及びその製造方法
CN105414783B (zh) * 2015-12-03 2017-10-10 哈尔滨电机厂有限责任公司 一种带有连通管结构的弹性油箱装配焊接工艺方法
CN107971607A (zh) * 2017-12-28 2018-05-01 大连威尔博合金科技有限公司 一种金属粉末与陶瓷粉末混合堆焊装置
JP7453524B2 (ja) * 2020-03-19 2024-03-21 日本製鉄株式会社 鋼部材

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5522549A (en) * 1978-08-02 1980-02-18 Kubota Ltd Car for construction work
JPH0637689B2 (ja) * 1987-09-03 1994-05-18 富士電機株式会社 耐キャビテーション・耐土砂摩耗用複合材料

Also Published As

Publication number Publication date
JPH02230968A (ja) 1990-09-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5879132A (en) Stainless steel type 13Cr5Ni having high toughness, and usage of the same
US4472619A (en) Method of welding for hard surfacing
CN108350528B (zh) 无铬和低铬耐磨合金
JP2018537291A (ja) 酸化抑制ツインワイヤーアークスプレー材料
CA2711822A1 (en) Steel based composite material, filler material and method for making such
Teker et al. Microstructure and wear properties of AISI 1020 steel surface modified by HARDOX 450 and FeB powder mixture
CA2454883C (en) Wear-resistant, corrosion-resistant ni-cr-mo thermal spray method and component coated thereby
Chen et al. Microstructure and abrasive wear properties of Fe-Cr-C hardfacing alloy cladding manufactured by Gas Tungsten Arc Welding (GTAW)
JPH06170584A (ja) 高C高Si含有溶接金属粉体及びその被覆層を持つ機器部材
CN102069318A (zh) 一种耐汽蚀不锈钢焊丝及其焊接方法
JP3080380B2 (ja) 水車及び機器とその製造方法
CN100500877C (zh) 水泵部件金属表面激光强化工艺方法
US5030064A (en) Water turbine and moving blade of water turbine
Raj et al. Comparative study of mechanical, corrosion and erosion—corrosion properties of cast hyper-duplex and super-duplex stainless steels
JPH08254173A (ja) 水車及びその製造方法
Hart et al. A review of cavitation-erosion resistant weld surfacing alloys for hydroturbines
JP3099104B2 (ja) ニードルバルブ
Zhang et al. Preparation and properties of the Ni-Al/Fe-Al intermetallics composite coating produced by plasma cladding
JPH0494890A (ja) 耐エロージョン性被覆材とその形成方法
Vasilescu et al. Hardfacing corrosion and wear resistant alloys
JP3220329B2 (ja) 流体機器
JPH03107577A (ja) 水車及び水車動翼
JPH0512420B2 (ja)
CN1017271B (zh) 水轮机
JP2571432B2 (ja) 耐キャビテーション・耐土砂摩耗用複合材料

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080623

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080623

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090623

Year of fee payment: 9

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees