JP3079884B2 - サスペンション制御装置 - Google Patents

サスペンション制御装置

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JP3079884B2 JP2733994A JP2733994A JP3079884B2 JP 3079884 B2 JP3079884 B2 JP 3079884B2 JP 2733994 A JP2733994 A JP 2733994A JP 2733994 A JP2733994 A JP 2733994A JP 3079884 B2 JP3079884 B2 JP 3079884B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車等の車輌のサス
ペンションに係り、更に詳細にはサスペンション制御装
置に係る。
【0002】
【従来の技術】各輪に対応してエアスプリングが設けら
れたエアサスペンションの制御装置の一つとして、例え
ば特開昭62−83210号公報に記載されている如
く、車輌の直進走行時には左右のエアスプリングの空気
室を相互に連通接続し、車輌の旋回時には左右のエアス
プリングの空気室の連通を遮断すると共に、旋回外輪側
のエアスプリングの空気室に圧縮空気を供給し旋回内輪
側のエアスプリングの空気室より圧縮空気を排出するよ
う構成されたサスペンション制御装置が従来より知られ
ている。
【0003】かかるサスペンション制御装置によれば、
車輌の直進走行時には各エアスプリングのばね定数が低
い値に維持されることにより車輌の良好な乗り心地性が
確保され、また車輌の旋回時には各エアスプリングのば
ね定数が高い値に切換えられると共に旋回外輪側の車高
が増大され旋回内輪側の車高が低減されることによって
車体のロールが抑制され、これにより車輌の旋回時に於
ける車輌の操縦安定性が向上される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし上述の如き従来
のサスペンション制御装置に於ては、旋回外輪側及び旋
回内輪側のエアスプリングの空気室に対し圧縮空気が給
排されない場合に比して、車輌の旋回時に於ける車体の
ロールを抑制することができるが、旋回時に於ける車体
の重心高は実質的に一定に制御されるため、車輌の旋回
性能を向上させるためには車体の重心高に関し更に改善
される必要がある。
【0005】本発明は、従来のサスペンション制御装置
に於ける上述の如き課題を解決すべくなされたものであ
り、サスペンションスプリングのばね定数を適宜に制御
することによって車輌の旋回時に於ける車体の重心高を
低減し、これにより車輌の旋回性能を向上させることが
できるよう改善されたサスペンション制御装置を提供す
ることを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上述の如き目的は、本発
明によれば、ばね定数可変のサスペンションスプリング
を有するサスペンションが各輪に設けられた車輌のサス
ペンション制御装置にして、前記車輌の旋回状態及び旋
回方向を検出する旋回検出手段と、前記サスペンション
スプリングのばね定数を制御するばね定数制御手段とを
有し、前記ばね定数制御手段は前記車輌が旋回状態にあ
るときには旋回内輪側の前記サスペンションスプリング
のばね定数を旋回外輪側の前記サスペンションスプリン
グのばね定数よりも高く設定することにより、旋回内輪
側のサスペンションの伸び量を旋回外輪側のサスペンシ
ョンの縮み量よりも小さくするよう構成されていること
を特徴とするサスペンション制御装置(請求項1の構
成)、又は主空気室及び副空気室とこれら二つの室の間
の連通を制御する第一の制御弁とを備えたばね定数可変
のエアスプリングを有するサスペンションが各輪に設け
られた車輌のサスペンション制御装置にして、左右の車
輪の前記副空気室を相互に接続する通路手段と、前記通
路手段の連通を制御する第二の制御弁と、前記車輌の旋
回状態を検出する旋回状態検出手段と、車速を検出する
車速検出手段と、前記第一及び第二の制御弁を制御する
制御手段とを有し、前記制御手段は前記車輌が非旋回状
態且非高車速状態にあるときには前記第一及び第二の制
御弁を開弁状態に維持し、前記車輌が非旋回状態且高車
速状態にあるときには前記第一の制御弁を開弁状態に維
持すると共に前記第二の制御弁を閉弁状態に維持し、前
記車輌が旋回状態にあるときには旋回内輪側の前記第一
の制御弁を閉弁状態に維持し且旋回外輪側の前記第一の
制御弁を開弁状態に維持すると共に前記第二の制御弁を
閉弁状態に維持するよう構成されていることを特徴とす
るサスペンション制御装置(請求項3の構成)によって
達成される。
【0007】また本発明によれば、上述の如き目的を効
果的に達成すべく、請求項1の構成に於て、各輪の前記
サスペンションは減衰力可変のショックアブソーバを有
し、前記サスペンション制御装置は前記ショックアブソ
ーバの減衰力を制御する減衰力制御手段を有し、前記減
衰力制御手段は前記車輌が過渡旋回状態にあるときには
旋回内輪側の前記ショックアブソーバの減衰力を旋回外
輪側の前記ショックアブソーバの減衰力よりも高く設定
することにより、旋回内輪側のサスペンションの伸び量
を旋回外輪側のサスペンションの縮み量よりも小さくす
よう構成される(請求項2の構成)。
【0008】
【作用】上述の請求項1の構成によれば、車輌が旋回状
態にあるときには旋回内輪側のサスペンションスプリン
グのばね定数が旋回外輪側のサスペンションスプリング
のばね定数よりも高く設定されることにより、旋回内輪
側のサスペンションの伸び量(車体の上方への変位量)
が旋回外輪側のサスペンションの縮み量(車体の下方へ
の変位量)よりも小さくされるので、結果的に旋回時に
於ける車体の重心高が低くなり、これにより車輌の旋回
性能が向上される。
【0009】特に請求項2の構成によれば、車輌が過渡
旋回状態にあるときには旋回内輪側のショックアブソー
バの減衰力が旋回外輪側のショックアブソーバの減衰力
よりも高く設定されることにより、過渡旋回時に於ける
旋回内輪側のサスペンションの伸び量が旋回外輪側のサ
スペンションの縮み量よりも小さくされるので、旋回時
の車体の重心高が更に一層低減される。
【0010】また上述の請求項3の構成によれば、車輌
が非旋回状態且非高車速状態にあるときには左右の車輪
の副空気室が相互に連通接続されると共に各輪の主空気
室と副空気室とが連通接続されるので、各エアスプリン
グのばね定数が十分に低い値に維持されて車輌の良好な
乗り心地性が確保され、車輌が非旋回状態且高車速状態
にあるときには左右の車輪の副空気室の間の連通が遮断
されると共に各輪の主空気室と副空気室との連通状態が
維持されるので、各エアスプリングのばね定数が中程度
の値に維持され、これにより高車速走行時に於ける車輌
の良好な操縦安定性が確保され、車輌が旋回状態にある
ときには左右の副空気室の間の連通が遮断されると共
に、旋回内輪側の主空気室と副空気室との間の連通が遮
断され且旋回外輪側の主空気室と副空気室との連通状態
が維持されるので、旋回内輪側のエアスプリングのばね
定数は高い値に制御され旋回外輪側のエアスプリングの
ばね定数は中程度の値に制御され、従って請求項1の構
成の場合と同様車輌の旋回時に於ける旋回内輪側のショ
ックアブソーバの伸び量が旋回外輪側のショックアブソ
ーバの縮み量よりも小さくされ、これにより車体の重心
高が低下されることによって車輌の旋回性能が向上され
る。
【0011】
【実施例】以下に添付の図を参照しつつ、本発明を実施
例について詳細に説明する。
【0012】図1は減衰力可変式のショックアブソーバ
を備えたエアサスペンションに適用された本発明による
サスペンション制御装置の一つの実施例を示す概略構成
図である。
【0013】図1に於て、10FR、10FL、10RR、1
0RLはそれぞれ右前輪12FR、左前輪12FL、右後輪1
2RR、左後輪12RLに対応して減衰力可変式のショック
アブソーバ14FR、14FL、14RR、14RLと一体に設
けられたエアスプリングを示している。エアスプリング
10FR、10FL、10RR、10RLはそれぞれ対応するシ
ョックアブソーバと共働して容積可変の主空気室16F
R、16FL、16RR、16RLを郭定し、また容積一定の
副空気室18FR、18FL、18RR、18RLを郭定してい
る。
【0014】各エアスプリングの主空気室と副空気室と
の間の隔壁にはそれぞれ対応する主空気室と副空気室と
の間の連通を制御する第一の制御弁としての各輪制御弁
20FR、20FL、20RR、20RLが設けられている。ま
た左右前輪及び左右後輪の副空気室はそれぞれ導管22
F 及び22R により互いに接続されており、導管22F
及び22R の途中にはそれぞれ対応する導管の連通を制
御する第二の制御弁としての共通制御弁24F 及び24
R が設けられている。
【0015】図示の実施例に於ては、各輪制御弁20F
R、20FL、20RR、20RLは常開型の開閉弁である
が、共通制御弁24F 及び24R は常閉型の開閉弁であ
る。これらの制御弁が開閉されると、主空気室と副空気
室との間の連通状態及び左右輪の副空気室の間の連通状
態が制御され、これにより各エアスプリングの空気室の
実効容積が増減されるので、左右前輪について下記の表
1に示されている如く、各輪のエアスプリングのばね定
数が「スーパーソフト」、「ノーマル」、「ハード」の
3段階、5種類の組合せに制御される。
【0016】尚表1に於て、「=」は対応する空気室が
相互に連通接続された状態にあることを示している。ま
た後輪側の各制御弁の開閉と空気室の連通及びエアスプ
リングのばね定数との関係も下記の表1と同様である。
【0017】
【表1】 制 御 弁 20FR 20FL 24F 空気室の連通 ばね定数 ケース1 開 開 開 16FR=18FR=16FL=18FL スーパーソフト ケース2 開 開 閉 16FR=18FR,16FL=18FL ノーマル ケース3 閉 閉 − −−−−− ハード ケース4 閉 開 閉 16FL=18FL 右ハード、左ノーマル ケース5 開 閉 閉 16FR=18FR 右ノーマル、左ハード
【0018】特にケース1の場合には、各エアスプリン
グの主空気室と副空気室とが連通接続されると共に左右
輪の副空気室が相互に連通接続されるので、各エアスプ
リングのばね定数はノーマルの場合の約1/2になり、
その結果図に示されている如く、ばね上共振点Fbos
はノーマルの場合の共振点Fbon の約70%の周波数に
なると共に、0〜5Hz 程度の周波数領域に於けるばね
上の振動ゲインが大幅に低下し、これにより車輌の乗り
心地性が大幅に向上する。
【0019】図1には詳細に示されていないが、ショッ
クアブソーバ14FR、14FL、14RR、14RLはピスト
ンの本体部に減衰力制御弁を有し、減衰力制御弁がピス
トンロッドの上端に設けられたアクチュエータ26FR、
26FL、26RR、26RLによって制御されることによ
り、図に示されている如く、減衰力が「高」、
「中」、「低」の3段階に増減されるようになってい
る。尚減衰力制御弁及びアクチュエータは従来より周知
の任意の構造のものであってよい。
【0020】各輪制御弁20FR〜20RL、共通制御弁2
4F 及び24R 、アクチュエータ26FR〜26RLは、車
速センサ28により検出される車速V、右旋回方向を正
として操舵角センサ30により検出される操舵角θ、各
輪に対応して車体に設けられた上下加速度センサ32F
R、32FL、32RR、32RLにより検出される車体の上
下加速度Gi ( i=FR、FL、RR、RL)に基づき電子制御
装置34によって後述の如く制御されるようになってい
る。
【0021】図2に示されている如く、電子制御装置3
4はマイクロコンピュータ35を有している。マイクロ
コンピュータ30は図2に示されている如き一般的な構
成のものであってよく、CPU36と、ROM38と、
RAM40と、入力ポート装置42と、出力ポート装置
44とを有し、これらは双方向性のコモンバス46によ
り互いに接続されている。入力ポート装置42には車速
センサ28、操舵角センサ30、上下加速度センサ32
FR〜32RLよりそれぞれ車速Vを示す信号、操舵角θを
示す信号、車体の上下加速度Gi を示す信号が入力され
るようになっている。
【0022】入力ポート装置42はそれに入力された信
号を適宜に処理し、ROM38に記憶されているプログ
ラムに基くCPU36の指示に従い、CPU36及びR
AM40へ処理された信号を出力するようになってい
る。ROM38は図3に示された制御プログラムを記憶
している。CPU36は図3に示された制御プログラム
に基き後述の如く種々の演算及び信号の処理を行うよう
になっている。出力ポート装置44はCPU36の指示
に従い、それぞれ駆動回路48FR〜48RLを経て各輪制
御弁20FR〜20RLへ制御信号を出力し、駆動回路50
F 及び50R を経て共通制御弁24F 及び24R へ制御
信号を出力し、駆動回路52FR〜52RLを経てアクチュ
エータ26FR〜26RLへ制御信号を出力するようになっ
ている。
【0023】次に図3に示されたフローチャートを参照
して図示の実施例に於けるエアスプリングのばね定数及
びショックアブソーバの減衰力の制御について説明す
る。尚図3に示されたフローチャートによる制御は図に
は示されていないイグニッションスイッチの閉成により
開始される。
【0024】まずステップ10に於ては各センサにより
検出された検出結果の読込みが行われ、ステップ20に
於ては車速Vが基準値Vc (正の定数)を越えているか
否かの判別、即ち車輌が高車速状態にあるか否かの判別
が行われ、否定判別が行われたときにはステップ70へ
進み、肯定判別が行われたときにはステップ30に於て
各制御弁が表1のケース2の通り制御され、これにより
各輪のエアスプリングのばね定数がノーマルに制御され
る。
【0025】ステップ40に於ては車体の上下加速度G
i が積分されることにより各輪に対応する部位の車体の
上下速度Vi が演算されると共に、上下速度Vi の絶対
値が基準値Ve (正の定数)未満であるか否かの判別が
行われ、肯定判別が行われたときにはステップ50に於
て対応するショックアブソーバの減衰力が低減衰力に制
御され、否定判別が行われたときにはステップ60に於
て対応するショックアブソーバの減衰力が中減衰力に制
御される。尚ステップ40〜60は各輪毎に個別に実行
される。
【0026】ステップ70に於ては操舵角θの絶対値が
基準値θc (正の定数)を越えているか否か、即ち車輌
が旋回状態にあるか否かの判別が行われ、車輌が旋回状
態にある旨の判別が行われたときにはステップ150へ
進み、車輌が実質的に直進走行状態にある旨の判別が行
われたときにはステップ80に於て各制御弁が表1のケ
ース1の通り制御され、これにより各輪のエアスプリン
グのばね定数がスーパーソフトに制御される。
【0027】ステップ90に於ては前輪側の車体の上下
加速度GFR及びGFLが積分されることにより前輪側の車
体の上下速度VFR及びVFLが演算され、これらのうち絶
対値の大きい方の値が前輪側の車体の上下速度Vfhとし
て設定され、上下速度Vfhの絶対値が基準値Vfc(正の
定数)未満であるか否かの判別が行われる。ステップ9
0に於て肯定判別が行われたときにはステップ100に
於て左右前輪のショックアブソーバの減衰力が低減衰力
に制御され、否定判別が行われたときにはステップ11
0に於て左右前輪のショックアブソーバの減衰力が中減
衰力に制御される。
【0028】ステップ120に於ては後輪側の車体の上
下加速度GRR及びGRLが積分されることにより後輪側の
車体の上下速度VRR及びVRLが演算され、これらのうち
絶対値の大きい方の値が後輪側の車体の上下速度Vrhと
して設定され、上下速度Vrhの絶対値が基準値Vrc(正
の定数)未満であるか否かの判別が行われる。ステップ
120に於て肯定判別が行われたときにはステップ13
0に於て左右後輪のショックアブソーバの減衰力が低減
衰力に制御され、否定判別が行われたときにはステップ
140に於て左右後輪のショックアブソーバの減衰力が
中減衰力に制御される。
【0029】ステップ150に於ては操舵角速度θd が
例えば操舵角θの時間微分値として演算されると共に、
操舵角速度θd の絶対値が基準値θdc(正の定数)を越
えているか否か、即ち車輌が非常に急激な旋回状態にあ
るか否かの判別が行われ、車輌が非常に急激ではない旋
回状態にある旨の判別が行われたときにはステップ18
0へ進み、車輌が非常に急激な旋回状態にある旨の判別
が行われたときにはステップ160に於て各制御弁が表
1のケース3の通り制御されることにより各輪のエアス
プリングのばね定数がハードに制御され、更にステップ
170に於て各輪のショックアブソーバの減衰力が高減
衰力に制御される。
【0030】ステップ180に於ては操舵角θが正であ
るか否か、即ち車輌が右旋回状態にあるか否かの判別が
行われ、車輌が右旋回状態にある旨の判別が行われたと
きにはステップ240へ進み、車輌が左旋回状態にある
旨の判別が行われたときにはステップ190に於て各制
御弁が表1のケースの通り制御されることにより前後
輪のエアスプリングのばね定数がハードに制御される
と共に、前後輪のエアスプリングのばね定数がノーマ
ルに制御される。
【0031】ステップ200に於ては前後左輪のショッ
クアブソーバの減衰力が高減衰力に制御される状態で数
秒間待機され、ステップ210に於ては前後左輪の車体
の上下加速度Gi (i =FL、RL)が積分されることによ
り前後左輪の車体の上下速度Vi が演算され、上下速度
Vi の絶対値が基準値Ve (正の定数)未満であるか否
かの判別が行われる。ステップ210に於て肯定判別が
行われたときにはステップ220に於て対応する左前輪
若しくは左後輪のショックアブソーバの減衰力が低減衰
力に制御され、否定判別が行われたときにはステップ2
30に於て対応する左前輪若しくは左後輪のショックア
ブソーバの減衰力が中減衰力に制御される。
【0032】ステップ240に於ては各制御弁が表1の
ケースの通り制御されることにより前後輪のエアス
プリングのばね定数がハードに制御されると共に、前後
輪のエアスプリングのばね定数がノーマルに制御され
る。ステップ250に於ては前後右輪のショックアブソ
ーバの減衰力が高減衰力に制御される状態で数秒間待機
される。尚ステップ200及び250に於ける待機時間
は少くとも車輌の通常の旋回に於ける過渡旋回時間に等
しい値に設定される。
【0033】ステップ260に於ては前後右輪の車体の
上下加速度Gi (i =FR、RR)が積分されることにより
前後右輪の車体の上下速度Vi が演算され、上下速度V
i の絶対値が基準値Ve 未満であるか否かの判別が行わ
れる。ステップ260に於て肯定判別が行われたときに
はステップ270に於て対応する右前輪若しくは右後輪
のショックアブソーバの減衰力が低減衰力に制御され、
否定判別が行われたときにはステップ280に於て対応
する右前輪若しくは右後輪のショックアブソーバの減衰
力が中減衰力に制御される。尚ステップ210〜230
及びステップ260〜280はそれぞれ前後輪及び前
輪について個別に実行される。
【0034】かくして図示の実施例によれば、車輌が低
中速にて実質的に直進走行する場合には、ステップ20
及び70に於てノーの判別が行われ、ステップ80に於
て各エアスプリング10FR〜10RLのばね定数がスーパ
ーソフトに制御され、ステップ90〜140に於て前輪
側及び後輪側のショックアブソーバの減衰力がそれぞれ
前輪側及び後輪側の車体の上下速度に応じて低減衰力又
は中減衰力に制御され、これにより車輌の良好な乗り心
地性が確保されると共に、車輪が路面の凹凸を乗越す場
合等に於ける車体の振動が効果的に減衰される。
【0035】また車輌が高速走行する場合には、ステッ
プ20に於てイエスの判別が行われ、ステップ30に於
て各エアスプリングのばね定数がノーマルに制御され、
またステップ40〜0に於て各ショックアブソーバの
減衰力が対応する車体の上下速度に応じて低減衰力又は
中減衰力に制御され、これにより車輌の良好な乗り心地
性及び操縦安定性が確保される。
【0036】また車輌が非常に急激な旋回状態にあると
きには、ステップ150に於てイエスの判別が行われ、
ステップ160に於て各エアスプリングのばね定数がハ
ードに制御され、またステップ170に於て各ショック
アブソーバの減衰力が高減衰力に制御され、これにより
車輌の非常に急激な旋回時に於ける車輌の操縦安定性が
確保される。
【0037】更に車輌が非常に急激ではない旋回状態に
あるときには、ステップ190又は240に於て旋回内
輪側のエアスプリングのばね定数がハードに制御される
と共に旋回外輪側のエアスプリングのばね定数がノーマ
ルに制御される。図6[A]に示されている如く、車輌
の旋回時にも左右のエアスプリング100L 及び100
R のばね定数K1 が増減されない場合には、車体102
に作用する遠心力Fに起因して生じる左右のサスペンシ
ョンのストローク量−x及び+xの大きさは実質的に同
一であり、これにより車体にロールが発生し、その場合
の車体の重心高Hg は車輌が直進走行状態にある場合と
実質的に同一である。
【0038】これに対し図示の実施例によれば、図6
[B]に示されている如く、旋回内輪側のエアスプリン
グ100R のばね定数が例えばK1 よりK2 に増大さ
れ、旋回内輪側のサスペンションのストローク量+aが
旋回外輪側のサスペンションのストローク量−bの大き
さよりも小さくなるので、車体の重心高Hgsを車輌の直
進状態に於ける車体の重心高Hg よりも小さくし、これ
により車体に作用するロールモーメントを小さくして車
体のロール量を低減し、車輌の旋回性能を向上させるこ
とができる。
【0039】また前述の従来のサスペンション制御装置
に於ては、旋回性能を向上させるべく車輌の旋回時には
左右のエアスプリングの空気室に対し圧縮空気が給排さ
れるので、多大なエネルギが消費されてしまう。これに
対し図示の実施例によれば、車輌の旋回時にも圧縮空気
の給排を行う必要がないので、従来のサスペンション制
御装置の場合に比してエネルギ消費量を大幅に低減する
ことができる。
【0040】また図示の実施例によれば、ステップ20
0又は250に於て旋回内輪側のショックアブソーバの
減衰力が少なくとも過渡旋回状態の間高減衰力に制御さ
れ、従って車輌が過渡旋回状態にある場合に於ける旋回
内輪側のサスペンションの伸びストローク量が旋回外輪
側のサスペンションの縮みストローク量よりも更に小さ
くされ、このことによっても車輌の旋回時に於ける車体
の重心高が低減されて車輌の旋回性能が向上される。
【0041】また左旋回及び右旋回の何れの場合にも、
過渡旋回後の定常旋回中にはステップ210〜230又
はステップ260〜280が実行されることにより、各
ショックアブソーバの減衰力は車体の上下速度に応じて
低減衰力又は中減衰力に制御される。
【0042】尚上述の実施例に於ては、各ショックアブ
ソーバの減衰力は三段階に制御されるようになっている
が、ショックアブソーバの減衰力は車輌の走行状態に応
じて四段階以上の多段階に制御されてもよく、また本発
明が適用されるサスペンションのショックアブソーバは
減衰力(減衰係数)一定のショックアブソーバであって
もよい。
【0043】また上述の実施例に於ては、各輪制御弁2
0FR〜20RLは常開型の開閉弁であり、共通制御弁24
F 及び24R は常閉型の開閉弁であるが、各輪制御弁は
常閉型の開閉弁であり、共通制御弁は常開型の制御弁で
あってもよい。
【0044】更に上述の実施例に於ては、エアサスペン
ションはパッシブエアサスペンションであるが、本発明
のサスペンション制御装置により制御されるエアサスペ
ンションはアクティブエアサスペンションであってもよ
く、その場合には車輌の旋回時に旋回外輪側のエアスプ
リングの空気室に対し圧縮空気が供給され旋回内輪側の
エアスプリングの空気室より圧縮空気が排出され、これ
により車輌の旋回時に於ける車輌の操縦安定性が更に一
層向上されるよう構成されてもよい。
【0045】以上に於ては本発明を特定の実施例につい
て詳細に説明したが、本発明はかかる実施例に限定され
るものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施例
が可能であることは当業者にとって明らかであろう。
【0046】
【発明の効果】以上の説明より明らかである如く、本発
明の請求項1の構成によれば、車輌が旋回状態にあると
きには旋回内輪側のサスペンションスプリングのばね定
数が旋回外輪側のサスペンションスプリングのばね定数
よりも高く設定されることにより、旋回内輪側のサスペ
ンションの伸び量(車体の上方への変位量)旋回外輪
側のサスペンションの縮み量(車体の下方への変位量)
よりも小さくされるので、旋回時に於ける車体の重心高
を低くして車輌の旋回性能を向上させることができ、特
に請求項2の構成によれば、車輌が過渡旋回状態にある
ときには旋回内輪側のショックアブソーバの減衰力が
回外輪側のショックアブソーバの減衰力よりも高く設定
されることにより、過渡旋回時に於ける旋回内輪側のサ
スペンションの伸び量が旋回外輪側のサスペンションの
縮み量よりも小さくされるので、旋回時の車体の重心高
を更に一層低減して車輌の旋回性能を更に一層向上させ
ることができる。
【0047】また本発明の請求項3の構成によれば、車
輌が非旋回状態且非高車速状態にあるときには左右の車
輪の副空気室が相互に連通接続されると共に各輪の主空
気室と副空気室とが連通接続されるので、各エアスプリ
ングのばね定数を十分に低い値に維持して車輌の良好な
乗り心地性を確保することができ、車輌が非旋回状態且
高車速状態にあるときには左右の車輪の副空気室の間の
連通が遮断されると共に各輪の主空気室と副空気室との
連通状態が維持されるので、各エアスプリングのばね定
数を中程度の値に維持し、これにより高車速走行時に於
ける車輌の良好な操縦安定性を確保することができ、車
輌が旋回状態にあるときには左右の副空気室の間の連通
が遮断されると共に、旋回内輪側の主空気室と副空気室
との間の連通が遮断され且旋回外輪側の主空気室と副空
気室との連通状態が維持されるので、旋回内輪側のエア
スプリングのばね定数を高い値に制御し旋回外輪側のエ
アスプリングのばね定数を中程度の値に制御し、従って
請求項1の構成の場合と同様車輌の旋回時に於ける旋回
内輪側のショックアブソーバの伸び量が旋回外輪側のシ
ョックアブソーバの縮み量よりも小さくされ、これによ
車体の重心高を低下することによって車輌の旋回性能
を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】減衰力可変式ショックアブソーバを備えたエア
サスペンションに適用された本発明によるサスペンショ
ン制御装置の一つの実施例を示す概略構成図である。
【図2】図1に示された電子制御装置の一つの実施例を
示すブロック線図である。
【図3】エアスプリングのばね定数及びショックアブソ
ーバの減衰力の制御ルーチンを示すフローチャートであ
る。
【図4】左右のエアスプリングの副空気室が連通してい
ない場合(破線)及び連通している場合(実線)につい
てばね上の振動ゲインを示すグラフである。
【図5】ショックアブソーバの減衰力特性を示すグラフ
である。
【図6】車輌の旋回時にエアスプリングのばね定数が変
化されない場合(A)及び旋回内輪のエアスプリングの
ばね定数が高くされる場合(B)について、車体の重心
高の変化を示す説明図である。
【符号の説明】
10FR〜10RL…エアスプリング 14FR〜14RL…ショックアブソーバ 16FR〜16RL…主空気室 18FR〜18RL…副空気室 20FR〜20RL…各輪制御弁 24F 、24R …共通制御弁 26FR〜26RL…アクチュエータ 28…車速センサ 30…操舵角センサ 32FR〜32RL…上下加速度センサ 34…電子制御装置

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ばね定数可変のサスペンションスプリング
    を有するサスペンションが各輪に設けられた車輌のサス
    ペンション制御装置にして、前記車輌の旋回状態及び旋
    回方向を検出する旋回検出手段と、前記サスペンション
    スプリングのばね定数を制御するばね定数制御手段とを
    有し、前記ばね定数制御手段は前記車輌が旋回状態にあ
    るときには旋回内輪側の前記サスペンションスプリング
    のばね定数を旋回外輪側の前記サスペンションスプリン
    グのばね定数よりも高く設定することにより、旋回内輪
    側のサスペンションの伸び量を旋回外輪側のサスペンシ
    ョンの縮み量よりも小さくするよう構成されていること
    を特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1のサスペンション制御装置に於
    て、各輪の前記サスペンションは減衰力可変のショック
    アブソーバを有し、前記サスペンション制御装置は前記
    ショックアブソーバの減衰力を制御する減衰力制御手段
    を有し、前記減衰力制御手段は前記車輌が過渡旋回状態
    にあるときには旋回内輪側の前記ショックアブソーバの
    減衰力を旋回外輪側の前記ショックアブソーバの減衰力
    よりも高く設定することにより、旋回内輪側のサスペン
    ションの伸び量を旋回外輪側のサスペンションの縮み量
    よりも小さくするよう構成されていることを特徴とする
    サスペンション制御装置。
  3. 【請求項3】主空気室及び副空気室とこれら二つの室の
    間の連通を制御する第一の制御弁とを備えたばね定数可
    変のエアスプリングを有するサスペンションが各輪に設
    けられた車輌のサスペンション制御装置にして、左右の
    車輪の前記副空気室を相互に接続する通路手段と、前記
    通路手段の連通を制御する第二の制御弁と、前記車輌の
    旋回状態を検出する旋回状態検出手段と、車速を検出す
    る車速検出手段と、前記第一及び第二の制御弁を制御す
    る制御手段とを有し、前記制御手段は前記車輌が非旋回
    状態且非高車速状態にあるときには前記第一及び第二の
    制御弁を開弁状態に維持し、前記車輌が非旋回状態且高
    車速状態にあるときには前記第一の制御弁を開弁状態に
    維持すると共に前記第二の制御弁を閉弁状態に維持し、
    前記車輌が旋回状態にあるときには旋回内輪側の前記第
    一の制御弁を閉弁状態に維持し且旋回外輪側の前記第一
    の制御弁を開弁状態に維持すると共に前記第二の制御弁
    を閉弁状態に維持するよう構成されていることを特徴と
    するサスペンション制御装置。
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