JP3079458U - 装飾印材 - Google Patents
装飾印材Info
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- JP3079458U JP3079458U JP2001000491U JP2001000491U JP3079458U JP 3079458 U JP3079458 U JP 3079458U JP 2001000491 U JP2001000491 U JP 2001000491U JP 2001000491 U JP2001000491 U JP 2001000491U JP 3079458 U JP3079458 U JP 3079458U
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 伝統工芸を利用した天然的、自然的な装飾感
に富んだ新たな装飾印材を提供し、装飾印材の選択性の
幅を広げることを目的とする。 【解決手段】 印材10の周面11に形成されている、押印
の際に字頭の目印となる指型面13に、貝殻を用いた螺鈿
14や蒔絵15の装飾部を形成する。印材10は高級感や自然
的な装飾感に富んだ個性を備えた装飾印材1となり、利
用者の選択性の幅が広がる。また、他の印材間での識別
が容易である。さらに、指型面13の装飾部が押印すると
きの明確な目印となるので、印面12の字頭方向を確認し
易い。また、指型面13は平坦面なので、弾力性に乏しい
貝殻を接着し易い。また、指型面13はもともと印材10の
構成要素であるので、装飾部形成のための平坦面を周面
11に新たに設ける必要がなく、装飾印材1の製造の手間
を省くことができる。
に富んだ新たな装飾印材を提供し、装飾印材の選択性の
幅を広げることを目的とする。 【解決手段】 印材10の周面11に形成されている、押印
の際に字頭の目印となる指型面13に、貝殻を用いた螺鈿
14や蒔絵15の装飾部を形成する。印材10は高級感や自然
的な装飾感に富んだ個性を備えた装飾印材1となり、利
用者の選択性の幅が広がる。また、他の印材間での識別
が容易である。さらに、指型面13の装飾部が押印すると
きの明確な目印となるので、印面12の字頭方向を確認し
易い。また、指型面13は平坦面なので、弾力性に乏しい
貝殻を接着し易い。また、指型面13はもともと印材10の
構成要素であるので、装飾部形成のための平坦面を周面
11に新たに設ける必要がなく、装飾印材1の製造の手間
を省くことができる。
Description
【0001】
本考案は、装飾印材に関し、特に、例えば伝統工芸の螺鈿や伏せ彩色を利用し た貝片装飾を形成して高級感や個性を付加し、またこの装飾部分が、押印すると きの字頭の目印となるようにした装飾印材に関する。
【0002】
図3は、従来の装飾印材を示す説明図であり、20は装飾印材、21は印材、22は 印材21の周面、23は名字等を刻印する印面、24は周面22に施された蒔絵をそれぞ れ示している。
【0003】 図3に示すように、装飾印材20は、印材21の周面22に蒔絵24の模様を施したも のである。蒔絵24の模様は、印材21の周面22に漆やエポキシ系の接着剤を用いて 模様を描き、それが乾燥する前に金、銀等の蒔絵粉を蒔いて仕上げている。
【0004】
このように、従来の装飾印材は、伝統工芸の蒔絵の手法を用いたものであって 装飾性に富むものであるが、あくまで作成者が模様を描くといったいわば人為的 な作業を前提とした上で、当該描画部分を蒔絵粉により目立たせている。そのた め、天然的・自然的な装飾感の点で不満が残りやすいという問題点があった。
【0005】 そこで、本考案では、貝殻自体の模様を用いる螺鈿や伏せ彩色などの伝統工芸 を利用した新たな装飾印材を提供し、自然な装飾感に富んだ印材の選択性の幅を 広げることを目的とする。
【0006】 また、螺鈿などの伝統工芸を身近な印材に応用することによって、馴染みが薄 くなりつつある伝統工芸の利用分野を拡大してその維持・発展を図ることを目的 とする。
【0007】
本考案は、この課題を次のようにして解決する。 (1)文字や記号、図柄などの押印内容を刻印するための印面(例えば後述の印 面12)、および当該印面以外の表面部分(例えば後述の周面11)を有する柱状の 印材(例えば後述の印材10)の当該表面部分に、貝片を用いた装飾部(例えば後 述の螺鈿14)を形成する。 (2)上記(1)において、前記貝片の裏面部分に彩色または箔貼りを施す。 (3)上記(1)において、前記装飾部を、前記表面部分の平坦面(例えば後述 の指型面13)に形成する。 (4)上記(2)において、前記装飾部を、前記表面部分の平坦面(例えば後述 の指型面13)に形成する。 (5)上記(3)または(4)において、前記平坦面として、押印するときの目 印となる指型面(例えば後述の指型面13)を用いる。 (6)上記(1)乃至(5)において、前記装飾部に蒔絵(例えば後述の蒔絵15 )を施す。
【0008】 本考案によれば、上記(1)および上記(2)のように、貝片を用いた装飾部 を例えば螺鈿や青貝,伏せ彩色,箔貼りなどの伝統工芸技法を利用して設けた自 然感あふれる新たな印材を提供し、装飾印材の選択性の幅を広げている。他の印 材との識別も容易になる。
【0009】 さらに、例えば螺鈿や青貝,伏せ彩色,箔貼りといった伝統的な技法を身近な 印材に応用することによって、伝統工芸の利用分野を広げるとともに、伝統工芸 自体の普及にも貢献できる。
【0010】 また、上記(3)および上記(4)のように、装飾部は、印材の表面部分の平 坦面に形成するようにしたので、弾力性に乏しい貝片を例えば接着して装飾を形 成することができる。
【0011】 さらに、貝片をこの平坦部分に埋めるかたちにすれば、装飾部と印材の表面部 分とが略同一面となり、使用中や保管中にこの装飾部が引っ掛かるといったこと がなく、貝片が剥がれにくい。
【0012】 また、上記(5)のように、貝片を用いた装飾部を指型面に形成したので、印 材の表面部分を新たに加工して平坦面を形成する必要がなく、製造の手間を省く ことができる。
【0013】 さらに、装飾部が押印の目印となるため、印面の字頭の方向を確認し易い。
【0014】 さらに、上記(6)のように、印材の表面部分には貝片を用いた装飾部に加え て蒔絵を施したので、より装飾感あふれる個性的な印材とすることができる。
【0015】
本考案の実施の形態を図1および図2を参照して説明する。 図1は螺鈿などで模様を形成した装飾印材を示す説明図であり、図2はその製 造手順を示す説明図である。
【0016】 図1において、1は装飾印材、10は円柱形の印材、11は印材10の周面、12は名 字等を刻印する印面、13は印面12の名字等を押印するときの目印となる指型面、 14は指型面13に形成された螺鈿、15は螺鈿14の周囲に形成された蒔絵、をそれぞ れ示している。
【0017】 図1に示すように、装飾印材1は、印材10の周面11に形成されている指型面13 を螺鈿14,伏せ彩色,金箔貼りや蒔絵15などの各種手法により装飾したものであ る。
【0018】 ここで、螺鈿14とは、貝殻の光沢ある部分を板状に薄く摺りおろし、種々の形 に切ってこれを器等に接着して装飾としたもの、あるいはその技法である。古来 より伝わる伝統工芸の一つであり、美麗で天然の貝殻を用いているため個性的で 、また高級感がある。
【0019】 また、伏せ彩色は、薄く摺りおろした貝片の裏面に膠や漆で色付けしてその色 粉(胡粉、朱粉など)を貝片表面側に透かして見せる技法である。貝片の裏面に 金箔を貼っても同様に透けて見える。もっともこの色粉や金箔の透けて見える程 度は貝片表面をみるときの角度によって違ってくる。
【0020】 図示の螺鈿14は、指型面13の3ヶ所に貝片を接着してこの個々の貝片自体の美 しさを利用した装飾部である。
【0021】 一方、周面11の任意の部分に複数(多数)の貝片を接着させて、この貝片全体 で所定の装飾模様を形成するようにしてもよい。
【0022】 このような螺鈿14や伏せ彩色の装飾部を設けた装飾印材1は、高級感や天然的 ・自然的な装飾感に富んだ個性を備えたものであり、他の印材と識別し易い。
【0023】 指型面13は、もともと印材10の周面11の一部を削った平坦面であり、印面12の 刻印文字の字頭方向を示している。これにより、印材10を持ったときに指型面13 によって字頭方向が判り、印面12の文字を正順で押印することができる。
【0024】 装飾印材1では、さらに指型面13のその螺鈿14や蒔絵15の装飾部が押印の目印 となるため、字頭の方向が一目瞭然で判る。
【0025】 図2は、印材10の指型面13に螺鈿14や伏せ彩色,蒔絵15を施して装飾印材1を 製造するときの手順を示しており、その内容は次のようになっている。 (1) 鮑貝,メキシコ貝,夜光貝,白蝶貝,黒蝶貝などの貝殻の内面を砥石で約0. 1mm 〜1mmの厚さに削り、貝片を作成する。 (2) この貝片の裏面に膠または漆で色付けする。 (3) この色付け貝片を指型面13の装飾対象部分の大きさに合わせて切断する。 (4) 指型面13に刷毛で漆を塗布する。 (5) 漆塗布面に(2) の切断後の貝片を接着する。 (6) この接着貝片およびその周辺(指型面13の部分)に刷毛で漆を塗布する。 (7) 漆が乾燥した後、この塗布部分を木炭で磨いて接着貝片を研ぎ出す。 (8) 接着貝片およびその周辺(指型面13の部分)に綿で漆(特に粒子が細かい生 漆)を塗布する。 (9) 漆が乾燥した後、この塗布部分をさらに研磨剤で磨いて接着貝片のこまかい 傷を目立たなくする。 (10)この磨き加工後の接着貝片の輪郭部分に筆で漆を付ける。 (11)漆が乾く前に、この漆付け部分に金粉を蒔く。 (12)この金粉と接着貝片の上に綿で漆を数回塗布する。 (13)漆が乾燥した後、この塗布部分を研磨剤で磨いて光沢をだす。
【0026】 指型面13は前述のように平坦面なので、弾力性に乏しい貝片が割れることなく 接着し、螺鈿14を作成し易い。また、この螺鈿14が窪地状の指型面13を埋めるよ うなかたちとなるので、この部分とそれ以外の周面11との間の引っ掛かりが少な く、装飾印材1を使用中や保管中に螺鈿14が剥がれにくい。
【0027】 また、上述の製造手順(7) において、粒子の細かい生漆を接着貝片の表面に塗 布することにより、この粒子が貝片の表面の細かい傷に入り込む。
【0028】 なお、上述の貝の他、鸚鵡貝,青貝等種々の貝殻を用いてもよく、青貝,貝摺 などの方法で模様を作成してもよい。
【0029】 また、印材10には、一般的に用いられる黒水牛,白水牛などの角、象などの牙 、柘植などの木材の他、石,水晶,金属などを用いてもよい。さらに、印材10の 形状は円柱形に限らず楕円柱状や四角柱状,また三角柱状であってもよい。
【0030】 また、印材10の指型面13以外の周面11に螺鈿や伏せ彩色,蒔絵の装飾を設けて もよく、その場合には、周面11の装飾を施す部分を削って平坦面を作成し、そこ に前述の方法で貝片を接着する。
【0031】 さらに、貝片をエポキシ系の接着剤や市販の瞬間接着剤を用いて接着してもよ い。
【0032】 また、蒔絵に使用する蒔絵粉には、銀粉,白金粉,青金粉などの金属粉や色粉 などを用いることができる。また、金箔,銀箔などの箔を接着してもよい。
【0033】 さらに、螺鈿を作成した上に重ねて蒔絵を施してもよい。
【0034】
本考案は、このように、例えば螺鈿や青貝,伏せ彩色,箔貼りなどの伝統工芸 技法を利用して、印材の表面部分に貝片を用いた装飾部を設けたので、自然感あ ふれる新たな印材を提供することができ、装飾印材の選択性を幅を広げることが できる。また、複数の印材間での識別を容易にすることができる。
【0035】 さらに、例えば螺鈿などの伝統工芸を身近な印材に応用したので、伝統工芸の 利用分野をより拡大してその維持・発展を図ることができる。
【0036】 また、印材の平坦面に貝片を用いた装飾部を形成しているので、弾力性に乏し い貝片を例えば接着するなどして装飾部を形成することができる。また、平坦面 に装飾部を形成することによって、この部分と印材の表面部分とは略同一面とな るので、貝片を剥がれにくいものとすることができる。
【0037】 さらに、通常の印材に形成される指型面に装飾を施しているので、印材表面部 分に装飾用の平坦面を新たに作成する必要がなく、装飾印材の製造の手間を省く ことができる。また、装飾部(指型面)が押印の目印となるので、字頭の方向を 即座に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の、装飾印材を示す説明図である。
【図2】本考案の、装飾印材の製造方法を示す説明図で
ある。
ある。
【図3】従来の、装飾印材を示す説明図である。
1:装飾印材 10:印材 11:周面 12:印面 13:指型面 14:螺鈿 15:蒔絵 20:装飾印材 21:印材 22:周面 23:印面 24:蒔絵
Claims (6)
- 【請求項1】 文字や記号、図柄などの押印内容を刻印
するための印面、および当該印面以外の表面部分を有す
る柱状の印材において、 前記表面部分に、貝片からなる装飾部を形成したことを
特徴とする装飾印材。 - 【請求項2】 前記貝片の裏面部分に、彩色または箔貼
りを施したことを特徴とする請求項1記載の装飾印材。 - 【請求項3】 前記装飾部を、前記表面部分の平坦面に
形成したことを特徴とする請求項1記載の装飾印材。 - 【請求項4】 前記装飾部を、前記表面部分の平坦面に
形成したことを特徴とする請求項2記載の装飾印材。 - 【請求項5】 前記平坦面として、押印するときの目印
となる指型面を用いたことを特徴とする請求項3または
4記載の装飾印材。 - 【請求項6】 前記装飾部に蒔絵を施したことを特徴と
する請求項1乃至5記載の装飾印材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001000491U JP3079458U (ja) | 2001-02-06 | 2001-02-06 | 装飾印材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001000491U JP3079458U (ja) | 2001-02-06 | 2001-02-06 | 装飾印材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP3079458U true JP3079458U (ja) | 2001-08-17 |
Family
ID=43212333
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001000491U Expired - Lifetime JP3079458U (ja) | 2001-02-06 | 2001-02-06 | 装飾印材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3079458U (ja) |
-
2001
- 2001-02-06 JP JP2001000491U patent/JP3079458U/ja not_active Expired - Lifetime
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Legal Events
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