JP3078095B2 - ピアノアクション部における軸受構造 - Google Patents
ピアノアクション部における軸受構造Info
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- G—PHYSICS
- G10—MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
- G10C—PIANOS, HARPSICHORDS, SPINETS OR SIMILAR STRINGED MUSICAL INSTRUMENTS WITH ONE OR MORE KEYBOARDS
- G10C3/00—Details or accessories
- G10C3/16—Actions
Description
に関し、特にハンマ部材を枢支する軸受構造に関する。
胴の中の弦との間に在って、鍵の動きをハンマ部材に伝
え、このハンマ部材が回動してそのハンマヘッドが弦を
打つようになっている。ハンマ部材は、通常フレンジと
称される支持部材により支えられる。従来の軸受構造の
一例を図3及び4に示す。従来は、支持部材、すなわち
バットフレンジ21が木材からなっていた。そしてこの
バットフレンジ21はピン軸、すなわちセンタピン22
が挿通する貫通孔23を備える。センタピン22はニッ
ケルメッキが施され、図1に示すようにハンマ部材のハ
ンマバッド3に固定される。貫通孔23とセンタピン2
2との間には図4に示すようにクロス(布地)24がす
きまなく装填されている。このクロス24は貫通孔23
側に固着される。ハンマ部材の回動に伴いセンタピン2
2は貫通孔23内で回転する。
木理方向とこれに直交する方向とでは変化率が異なる。
すなわち、木材が吸湿すると木製のバットフレンジ21
に穿設した貫通孔23の孔径が変化し、その場合木理方
向で2.5%縮小し、木理方向と直交する方向で0.6
%拡大する。すなわち貫通孔は楕円形状に変形する。一
方、貫通孔23に固着されるクロス24は吸湿により均
一に膨出する。その結果、センタピン22は木理方向に
孔径の縮小及びクロス膨出に伴う押圧力を受け回転トル
クは上昇する。
問題点を解消する新規な軸受構造を提供することを目的
とする。
ン部における軸受構造は、ピアノ鍵盤の鍵の動きをハン
マ部材に伝えハンマ部材が回動して弦を打つようにした
ピアノアクション部において、前記ハンマ部材を枢支す
る軸受構造が、ハンマ部材に固定されるピン軸と、該ピ
ン軸が挿通する貫通孔を備える支持部材と、前記貫通孔
とこれに挿通する前記ピン軸との間に装填されるクロス
部材とからなり、前記支持部材が、シラノール基数が1
00平方オングストローム当り3.0以下であり、BE
T比表面積が100〜210m2/gのシリカを含有す
るセルロース誘導体樹脂より構成されることを特徴とす
る。
ン軸と、このピン軸が挿通する貫通孔を備える支持部材
と、貫通孔とピン軸との間に装填されるクロス部材とか
らなり、支持部材が特定のシリカを含有するセルロース
誘導体樹脂より構成される。
して支持部材に支持されピン軸を中心に回動する。ハン
マ部材の回動に伴いピン軸はクロス部材に対し摺接し貫
通孔内で回転する。このようにしてハンマ部材はこの軸
受構造により枢支される。
の樹脂により構成された支持部材の孔径は吸湿時には方
向にかかわりなく均一に拡大する。また、この樹脂は強
靱で加工性にも優れる。更にこの樹脂は、他の熱可塑性
樹脂に比べ、3000HZ以上の音を顕著に吸収する。
この樹脂に無機充填剤として特定のシリカを添加するこ
とにより硬度がより改善され高くなる。
スアセテート樹脂が望ましいが、この他にもセルロース
アセテートプロピオネート樹脂、セルロースアセテート
ブチレート樹脂が挙げられる。
数が100平方オングストローム当り3.0以下であ
り、BET比表面積が100〜210m2/gの条件を
満足するシリカを使用する必要がある。ここで、シラノ
ール基数は、水蒸気吸着による比表面積より、次式から
算出できる。
トローム)=水蒸気吸着による比表面積(m2/g)×
100÷10.6[水分子の断面積(平方オングストロ
ーム)]×BET比表面積(m2/g) (但し、シラノール基1個に水分子1個が吸着するもの
とする。)シラノール基数が3.0を越えると、シリカ
表面に吸着する水分が多いため、セルロース誘導体樹脂
に配合し、加熱溶融、混練する工程で発泡したり、セル
ロース誘導体樹脂の加水分解を促進するなど多くの問題
を生じる。
窒素ガス吸着量から求められるものであり、その測定法
はASTM D−3037に規定されている。このBE
T比表面積値はシリカの基本粒子径の代用値とされ、1
00m2/g未満では粒径が粗くなり、これを配合し、
成形した場合、平滑な表面並びに十分な硬度が得られな
い。また、210m2/gを越えるとシリカ同志の凝集
力が高くなりすぎ、シリカのセルロース誘導体樹脂中へ
の分散性が著しく悪くなる。
機充填剤を用いるよりも少ない添加量で要求される硬度
が得られ、そのために流動性の低下が小さく、よって射
出成形性が良く、また当該シリカは表面にシラノール基
が残存しており、吸湿性を有するためセルロース誘導体
樹脂に配合した場合に、セルロース誘導体樹脂の吸湿性
を損うことがなく相乗効果を奏することができる。
均一に膨出する。一方、本発明による支持部材は吸湿性
を有しかつ吸湿によりその孔径が一様に拡大する。これ
により双方の変化が相殺され、従ってピン軸が通る孔径
の変化は小さく、その結果ピン軸の回転トルクが変化す
ることが回避される。
する。
ョン部の斜視図である。ハンマ部材1は、略長方形板状
のハンマバッド3と、このハンマバッド3の一端側に固
定される棒状のハンマシャンク4と、このハンマシャン
ク4の先端に固定されるハンマヘッド2とを有する。ハ
ンマバッド3の両側面にはセンタピン5が固定されてい
る。このセンタピン5は支持部材、すなわちバットフレ
ンジ6に穿設された貫通孔7に挿通している。バットフ
レンジ6は一端側端面が曲面に形成された長方形の部材
で、この曲面の中央に切欠8が縦方向に形成されてい
る。この切欠8により切欠8を挟んで互に対向する軸支
部9が形成されている。図2に示すように、この軸支部
9に貫通孔7が穿設され、この貫通孔7はセンタピン5
の直径よりも大きな直径を有する。この貫通孔7にクロ
ス10が固着されている。このクロス10はリング形の
布地部材で、その中央孔11にセンタピン5が嵌合して
いる。ハンマ部材1は、このようにセンタピン5並びに
クロス10を介してバットフレンジ6に支持され、セン
タピン5を中心に回動するようになっている。ハンマ部
材の回動に伴いセンタピン5はクロス10に対し摺接し
て貫通孔7内で回転する。鍵12を押したときに、鍵1
2とハンマバッド3との間に介在する部材により、図1
に示すようにハンマバッド3が下から突き上げられ、こ
れによりハンマ部材1が回動してハンマヘッド2が弦1
3を打つようになっている。
するセルロース誘導体樹脂より構成されている。すなわ
ちこのシリカは、シラノール基数が100平方オングス
トローム当り3.0以下であり、BET比表面積が10
0〜210m2/gの条件を満足するものである。この
バットフレンジ6は吸湿性を有し、かつ吸湿時にはその
貫通孔7が方向にかかわりなく均一に拡大する。
の作用を説明する。図2において、クロス10が吸湿す
ると、このクロス10は一様に膨出しそのためその中央
孔11の孔径は小さくなる。一方、バットフレンジ6が
吸湿すると、中央孔11が縮小するのとは逆に、その孔
径は拡大する。すなわち、貫通孔7は方向にかかわりな
く一様に拡大する。これにより双方の変化が相殺され、
従ってセンタピン5が通る中央孔11の孔径の変化は小
さく、その結果センタピン5の回転トルクが変化するこ
とが回避される。
レンジを作成し、各バットフレンジを加湿してその変化
の様子を測定し、これらを比較した結果を以下の表に示
す。
レンジの膨張が著しい。これに対して本発明によるバッ
トフレンジは、木製バットフレンジの1/4の変化率で
ある。また、孔径の場合、木材は方向により変化が異な
る。これに対して本バットフレンジは方向に関係なく一
様に大きくなる。
受構造は、以上述べたように構成されているので、ハン
マ部材を支えるピン軸の回転トルクが常に一定の範囲内
に維持され、その結果常に変らぬ感触でピアノ演奏が行
なえるものである。
て効率良く容易にかつ安価に製造できる。
の斜視図である。
Claims (1)
- 【請求項1】ピアノ鍵盤の鍵の動きをハンマ部材に伝え
ハンマ部材が回動して弦を打つようにしたピアノアクシ
ョン部において、前記ハンマ部材を枢支する軸受構造
が、ハンマ部材に固定されるピン軸と、該ピン軸が挿通
する貫通孔を備える支持部材と、前記貫通孔とこれに挿
通する前記ピン軸との間に装填されるクロス部材とから
なり、前記支持部材が、シラノール基数が100平方オ
ングストローム当り3.0以下であり、BET比表面積
が100〜210m2/gのシリカを含有するセルロー
ス誘導体樹脂より構成されることを特徴とするピアノア
クション部における軸受構造。
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