JP3077904U - 簡易地震計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】安価で構造も簡単で電子回路を用いることなが
なく、どこでも簡単に設置できる簡易な地震計を提供す
る。 【解決手段】三本以上の紐により揺動自在に吊り下げら
れた感震揺動板に所定の点を中心として揺動自在な中空
軸を固着し、該中空軸の垂直軸線とは離れた位置を回転
中心とする回転記録板を設け、該回転記録板は時間経過
とともに回転する回転手段を設け、前記中空軸の中空部
には上下方向に摺動可能な記録具を装着し記録具の重さ
によって前記回転記録板上の記録紙に感震揺動板の振動
方向および振動度合いを記録する簡易地震計である。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、地震の揺れの時刻と方向と揺れの度合いを記録する簡易で安価な簡 易地震計の技術分野に属する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、地震計は、正確に揺れを検出する必要から加速度を検出する精密機器や 揺れ信号を正確に検出する電子回路を用いており、例えば、特開平6-289045号公 報や特開平6-313797号公報に示されたものが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、工事現場でおおよその地盤の地力を知りたいような場合に地震計を 使用しなければならないが、前記従来の地震計は加速度を検出する精密機器や揺 れ信号を正確に検出する電子回路を用いていることから高価であり、作動させる ために外部電源が必要であり、簡易に設置するにはやっかいであるという問題点 があった。 本考案は、上記の問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、安価で構造も 簡単で電子回路を用いることながなく、どこでも簡単に設置でき、振動方向や振 動度合いを測る簡易な地震計を提供することにある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の課題を解決するために、本考案は、簡易地震計として、三本以上の吊り 紐により揺動自在に吊り下げられた感震揺動板に所定の点を中心として揺動自在 な中空軸を固着し、該中空軸の垂直軸線とは離れた位置を回転中心とする回転記 録板を設け、該回転記録板は時間経過とともに回転する回転手段を設け、前記中 空軸の中空部には上下方向に摺動可能な記録具を装着し、記録具の重さによって 前記回転記録板に感震揺動板の振動方向および振動度合いを記録する構成により 、上記課題を解決したものである。

【０００５】

【考案の実施の形態】

ここで、本考案の簡易地震計の好適な実施例を図面に沿って説明する。 図１は本実施例の全体の概略を示すもので、感震揺動板１はほぼ正方形であっ て、感震揺動板１の４隅11,12,13,14にはそれぞれ４本の吊り紐２(21,22,23,24) で枠体３の天井31からほぼ水平に揺動自在に吊り下げられている。 感震揺動板１の中央部15に中空軸４を上下動しないように取り付け、天井31の 中央部15の垂直上部は支持孔32を設けて、支持孔32の中心として中空軸４を回動 自在に軸支している。そして、感震揺動板１の揺れ(振動)の慣性力を強めるため に、感震揺動板１には中空軸４に外周41に適宜の重さのドーナツ状の重り16を適 宜の枚数装着する。 一方、枠体１の底面33には中空軸４の垂直軸線とは離れた位置を回転中心51と する回転記録板５および回転記録板５上に円形の記録紙52とを設け、回転記録板 ５は12時間、24時間、1週間等の適宜の周期で１回転するように駆動モータ53で 回転するようにしてある。この駆動モータ53は回転記録板５をゆっくり回転させ ればよく、時計の単三電池で長時間駆動する駆動モータを使用すればよい。

【０００６】 図２に示すように、中空軸４の中空部42には鉛筆やインクを用いたペン等の記 録具６を上下方向に摺動可能に挿入し、記録具６の頭部61には記録具６の筆記状 態を加減するために、重り62を載置してあり、記録具６の筆記部先端63を記録紙 52を押し当てて先端の状態を記録紙52に記録する。

【０００７】 記録紙52と記録具６との関係は、図３に示すように、記録紙52は回転記録板５ とともに一定速度で回転するから、地震等による揺れがなければ、符号54で示さ れるように記録軌跡は円を描くが、揺れがあれば符号55に示されるように振動記 録軌跡はジグザグの乱れが生ずる。 この際、回転中心51と記録具６の先端63とを結ぶ線を南北(図３のＮ,Ｓ)の経 度と一致させ、記録具６の筆記部先端63側を北側に設置しておけば、符号55のジ グザグの乱れの大凡の時期や方向は判別でき、振幅の幅もジグザグの乱れの振幅 から判別できる。

【０００８】 以上のような構成であるから、本実施例は、紐の長さを調整する事によって感 度を調整でき、紐の本数は４本としたが感震揺動板１が水平を保てれば３本以上 であればよいが、あまり多くなると感度が劣る。 また、ドーナツ状の重り16の重さによって慣性力を調整し記録具６を内包した 中空軸４の動きを調整でき、記録具６の頭部61に載置した重り62によって筆圧を 調整できる。勿論、筆圧調整は記録具の自重を利用してもよい。 このように、精密な地震の測定には向かないが、極めて簡単な構成であって、 また、極めて安価に制作でき、かつ、振動の時期や振動の方向および振動振幅の 程度が判別でき、また、記録紙を回転させる電池さえ用意すればどこでも簡単に 設置でき、円形の記録紙を用いたから地震等の揺れがなければ何回も使用できる 。

【０００９】 なお、本考案の特徴を損なうものでなければ、上記の各実施例に限定されるも のでないことは勿論である。例えば、記録板自体５を駆動モーターごと時間経過 とともに南北方向に少しずつずらせば、ヘリカルな連続円が描けて長時間記録紙 52を取り替えることなく使用できる。また、吊り紐は４本としたが感震揺動板を 揺動自在とし水平を保てれば３本以上であればよい。

【００１０】

【考案の効果】

以上説明したように、本考案よれば、簡易地震計として、三本以上の吊り紐に より揺動自在に吊り下げられた感震揺動板に所定の点を中心として揺動自在な中 空軸を固着し、該中空軸の垂直軸線とは離れた位置を回転中心とする回転記録板 を設け、該回転記録板は時間経過とともに回転する回転手段を設け、前記中空軸 の中空部には上下方向に摺動可能な記録具を装着し記録具の重さによって前記回 転記録板に感震揺動板の振動方向および振動度合いを記録する構成であるから、 簡単な構成であって極めて安価に制作できるにもかかわらず、振動の時期や振動 の方向および振幅の程度が判別でき、また、記録紙を回転させる電池さえ用意す ればどこでも簡単に設置できるという効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の好適な１実施例の簡易地震計の全体を
示す斜視図

【図２】本考案の実施例の中空軸の断面図

【図３】本考案の実施例の記録紙と筆記手段の関係を示
す上面図である。

【符号の説明】

１…感震揺動板 11,12,13,14…感震揺動板の隅 15…中央部 16…ドーナツ状の重り ２(21,22,23,24)…吊り紐 ３…枠体 31…天井 32…支持孔 33…底面 ４…中空軸 41…外周 ５…回転記録板 51…回転中心 52…記録紙 53…駆動モータ 54…記録軌跡 55…振動記録軌跡 ６…記録具 61…頭部 62…重り 63…筆記部先端

フロントページの続き (72)考案者 浅野 秀利 江戸川区西瑞江３−37−10 (72)考案者 長島 正弥 千葉県木更津市高柳３丁目４番６号

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】三本以上の吊り紐により揺動自在に吊り下
   げられた感震揺動板に所定の点を中心として揺動自在な
   中空軸を固着し、該中空軸の垂直軸線とは離れた位置を
   回転中心とする回転記録板を設け、該回転記録板は時間
   経過とともに回転する回転手段を設け、前記中空軸の中
   空部には上下方向に摺動可能な記録具を装着し記録具の
   重さによって前記回転記録板上の記録紙に感震揺動板の
   振動方向および振動度合いを記録することを特徴とする
   簡易地震計。