JP3077786B2 - ポリウレタン用難燃剤 - Google Patents
ポリウレタン用難燃剤Info
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Description
レタン用難燃剤に関する。さらに詳しくは、この発明は
粉体の難燃性有機リン化合物をポリオールにかつ均一に
分散することにより、安定で作業性の良好なポリウレタ
ン用難燃剤とその製造法に関するものである。
剤は、ほとんどが液体系の難燃剤であり、その多くはハ
ロゲン含有リン酸エステルである。近年、環境保護の問
題によりハロゲンの規制が厳しくなったため、ノンハロ
ゲン系のリン酸エステルの開発が進められているが、そ
のほとんどは液体または固体の化合物である。
する場合、難燃剤および助剤等の種類および配合量は、
形成されるウレタンフォーム等の物性、性能の差により
調整される。このため難燃剤等の量をバッチごとに調製
し、定量的にポリオール等に配合する必要がある。ポリ
ウレタンを形成するための原料は、ポンプ等で重合装置
に送り込まれるため、通常、液体の原料が使用される。
そこで、粉体系の難燃剤を使用する場合は、難燃剤を液
体原料であるポリオールまたはイソシアネートに予め分
散させてから、重合を行う方法が採られているのが現状
である。
ールとイソシアネートとを反応させてポリウレタンを形
成した場合、粉体系の難燃剤が配合品中または反応中に
おいて沈降および/または分離し、得られたポリウレタ
ンの難燃特性が安定しないという問題があった。さら
に、取り扱い面等においても粉体系等の難燃剤の使用
は、作業場に粉塵がまい環境衛生上もよくない等の欠点
がある。特に、粉体のリン酸エステルのポリオールへの
分散系での使用例はこれまでに報告されていない。
体の難燃性有機リン系化合物を難燃剤としてポリウレタ
ンの原料であるポリオール中に均一に分散させた状態で
取り扱いし得、且つ難燃剤がポリオール中で沈降および
/または分離せず、低粘度で作業性が良く、環境衛生上
も優れた、難燃剤を簡単に提供することである。
有機リン系化合物のポリオールへの分散性について鋭意
検討した結果、特定の分散剤の添加により、低粘度で作
業性がよく、かつ沈降することもない安定な難燃剤が得
られることを見出した。この発明によれば、希釈剤とし
てポリウレタン合成の原料であるポリオール(a)の9
9〜30重量%と、難燃成分として粉体の難燃性有機リ
ン系化合物(b)の1〜70重量%と、(a)+(b)
100重量%に対して非イオン性界面活性剤である分散
剤(c)の0.1〜5重量%とからなる分散液であるこ
とを特徴とするポリウレタン用難燃剤が提供される。
リン系化合物は、粉体または結晶体の化合物であって、
粉体にあっては2μ〜50μの粒径のものが好ましい。
具体的には、
直鎖もしくは分枝状のアルキル基または置換されていて
もよい炭素数6〜12のアリール基、Aは結合手、低級
アルキレン基または−(OCH2CH2)n−基(nは1〜
5の整数)を示す。)で表されるリン酸エステル;
直鎖または分枝状のアルキル基);Rは水素原子または
炭素数1〜17の直鎖もしくは分枝状のアルキル基を示
す)で表されるリン酸エステル;および
8の直鎖または分枝状のアルキル基、R5およびR6は同
一または異なって水素原子または1〜8の直鎖または分
枝状のアルキル基、Yは結合手、−CH2−、−C(C
H3)2−、S、SO2、O、COもしくは−N=N−
基、kは0または1、およびmは0〜4の整数を表す)
で示される芳香族ジホスフェートが挙げられるが、これ
らに限定されるものではない。
子)で表される化合物に、式5:
6:
触媒中で反応させることにより得ることができる。
性樹脂用難燃剤として公知の化合物であり、特開平5−1
079および米国特許第3,293,327号に記載の方法で製造さ
れ得る。これらの粉体の難燃性有機リン系化合物のう
ち、好ましくは下記の化合物A〜Cが用いられる:
にポリウレタン形成の原料として使用されるものであれ
ば特に限定されないが、一分子当たり約2−8個の水酸
基を含有し、約200−5000の分子量を有するポリ
エステルポリオールおよびポリエーテルポリオール等の
ポリオールが好適に用いられる。分子量が200より小
さい場合は活性が強くウレタンフォーム形成に適さず、
分子量が5000より大きい場合は粘度が高くなり作業
性が悪くなる。
は、例えば、ジオール;トリオール;およびソルビトー
ル、スクロース、またはエチレンジアミン等のアミン類
等を開始剤としてエチレンオキシドおよび/またはプロ
ピレンオキシドを重合させたポリオール等が挙げられ
る。具体的には、ポリオキシエチレングリコール、ポリ
オキシプロピレングリコール等のジオール;ポリオキシ
エチレングリセロール、ポリオキシプロピレングリセロ
ール、ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピレ
ン)グリセロール、ポリオキシエチレンネオヘキサント
リオ−ル、ポリオキシプロピレンペンタネオヘキサント
リオ−ル、ポリ(オキシエチレン)ポリ(オキシプロピ
レン)ネオヘキサントリオ−ル、ポリ(オキシプロピレ
ン)1,2,6−ヘキサントリオール、およびポリオキ
シプロピレンアルカノールアミン等のトリオール;ポリ
(オキシプロピレン)ポリ(オキシエチレン)エチレン
ジアミン;ポリオキシエチレンソルビトール、ポリオキ
シプロピレンソルビトール等のヘキソール;ポリオキシ
エチレンスクロース、ポリオキシプロピレンスクロース
等のオクトール;およびこれらの混合物等があげられ
る。さらに、特殊グレードとして市販されているメラミ
ンまたはポリリン酸アンモニウムが分散された、ポリオ
ール、および含リンポリオール等も使用され得る。
テル型、エーテルエステル型、エステル型などの非イオ
ン性界面活性剤が使用される。具体例としては、アルキ
ル(メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘプ
チル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、トリデシ
ル)およびアリール(フェニル、トリル、キシリル、ビ
フェニル、ナフチル)ポリオキシエチレンエーテル、ア
ルキルアリールホルムアルデヒド縮合ポリオキシエチレ
ンエーテル、グリセリンエステルのポリオキシエチレン
エーテル、ポリエチレングルコール脂肪酸エステル、プ
ロピレングリコールエステル、ポリグリセリンエステ
ル、ソルビタンエステル、脂肪酸モノグリセリド、およ
びこれらの混合物等が挙げられる。
り、起泡剤、セルサイズ調整剤、協力剤(例えば酸化ア
ンチモン)、増量剤、顔料、乳化剤、水変色老化抑制剤
およびその他の添加剤等が混入され得る。
ルへの分散濃度は、ポリオール溶液を使用して形成され
るポリウレタンの種類および難燃性などによって選択さ
れる。好ましくは、ポリオール99〜30重量%に対し
て粉体の難燃性有機リン系化合物1〜70重量%、さら
に好ましくはポリオール90〜60重量%に対して粉体
の難燃性有機リン系化合物10〜40重量%の濃度で使
用される。難燃性有機リン系化合物の分散濃度が1重量
%より低いと充分な難燃性が得られず、70重量%より
高いとポリウレタン合成に適さない。
ルおよび粉体の難燃性有機リン系化合物の合計重量10
0%に対して、0.1〜5重量%の濃度で使用される。
0.1重量%より低い場合は、粉体の難燃性有機リン系
化合物の分散が安定して得られず、5重量%より高い場
合は、添加しても効果に差が見られない。
剤の、ポリオールへの分散は、粉体の難燃性有機リン系
化合物と分散剤とを高速撹拌しながら、ポリオールに混
和して行われ得るが、特にこの方法に限定されない。撹
拌方法としては、高速ミキサーによって撹拌され得、デ
ィスパー、ボールミルやサンドミルを使用してもよい。
一般に、難燃性有機リン系化合物は、ポリウレタン形成
に用いられる有機重合材料全体に対して2.5〜15重
量%、好ましくは5〜10重量%の割合で含有される
(特開昭55−110175参照)。
ポリウレタンの形成に必要なポリオールと同一種類のポ
リオールを使用することにより、無駄なく希釈剤が利用
できる。また、難燃剤中の難燃成分の濃度を、ポリウレ
タンの難燃有効量(上記参照)に合致するように調整し
たものとすれば、用時にポリオールの計量追加を省略す
ることができ作業上簡便となる。一方難燃剤中の難燃成
分の濃度が低い場合には、用時に所望量のポリオールを
追加すればよく、追加しても分散系の破壊が生ずること
はない。
説明する。
ーテルポリオール(三井東圧化学 MN−3050ON
E)、粉体の難燃性有機リン系化合物として化合物
[A]の粉体系リン酸エステル化合物(粒子径約15μ
m)、および分散剤としてKF−750(川研ファイン
ケミカル)を使用した。粉体系リン酸エステル化合物で
ある化合物[A](20g)と、分散剤KF−750
(0.5g)とを約20分間連続高速撹拌(5000r
pm)しながら、ポリエーテルポリオール MN−30
50ONE(80g)の入った混合容器に混和し、混和
物(1)を調製した。この混和物(1)の粘度は100
0cps(25℃)であった。これを常温(25℃)で
3ケ月放置したが、沈殿は見られなかった。
体系リン酸エステル化合物の種類および量を変えて表1
の組成の混和物(2)〜(4)を調製した。得られた混
和物(2)〜(4)を表1に示す。これらの混和物を常
温(25℃)で3ケ月放置したが、沈殿は見られなかっ
た。
ーテルポリオール(三井東圧化学 MN−3050ON
E)、粉体の難燃性有機リン系化合物として化合物
[B]の粉体系リン酸エステル化合物(粒子径約40μ
m)、および分散剤としてポリエチレングリコールオク
チルエーテルを使用した。粉体系リン酸エステル化合物
である化合物[B](30g)と、分散剤ポリエチレン
グリコールオクチルエーテル(0.5g)とを約20分
間連続高速撹拌(5000rpm)しながら、ポリエー
テルポリオール MN−3050ONE(70g)の入
った混合容器に混和し、混和物(5)を調製した。この
混和物(5)の粘度は1200cps(25℃)であっ
た。これを常温25℃で3ケ月放置したが沈殿はみられ
なかった。
体系リン酸エステル化合物の種類および量を変えて表1
の組成の混和物(6)〜(8)を調製した。得られた混
和物(6)〜(8)を表1に示す。これらの混和物を常
温(25℃)で3ケ月放置したが、沈殿は見られなかっ
た。
で含有させる以外は、実施例1と同様にして、処方物
(9)を調製した。得られた処方物(9)を表1に示
す。これを常温25℃で3ケ月放置すると沈殿がみられ
た。
処方物(10)を調製した。得られた処方物(10)を表1
に示す。これを常温25℃で3ケ月放置すると沈殿がみ
られた。
0の代わりに陰イオン性界面活性剤であるドデシルビフ
ェニルスルホン酸塩(0.5g)を用いること以外は、
実施例1と同様にして、処方物(11)を調製した。得ら
れた処方物(11)を表1に示す。これを常温25℃で3
ケ月放置すると沈殿がみられた。
よび分散剤をポリオールへ分散する際、比較例Aのよう
にポリオールへの分散濃度が高すぎると急激に粘度が上
昇することがわかった。粘度の急激な上昇は、ポリオー
ルの流動性を損ない得、作業性に問題が生じる。さら
に、表1から、分散剤の有無や種類がポリオールの安定
性に大きく影響することがわかった。
ン系化合物を難燃成分として液体に分散させた状態で取
り扱いできる。このため、この発明の難燃剤は、取り扱
い易く環境衛生上も優れている。さらに、この発明の難
燃剤は低粘度で作業性が良好であり、フォーム内に均一
に粉体系難燃剤を分散し得るため、安定した難燃性能を
有するポリウレタンフォームが供給され得る。さらにこ
の発明の難燃剤に使用により、混和物の輸送、貯蔵にお
いても粉体系難燃剤が沈殿することなく、難燃性ポリウ
レタンを作業性よく、安全に、かつ安価に製造供給でき
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 希釈剤としてポリウレタン合成の原料で
あるポリオール(a)の99〜30重量%と、難燃成分
として粉体の難燃性有機リン系化合物(b)の1〜70
重量%と、(a)+(b)100重量%に対して、アル
キルまたはアルキルアリールポリオキシエチレンエーテ
ル、アルキルアリールホルムアルデヒド縮合ポリオキシ
エチレンエーテル、グリセリンエステルのポリオキシエ
チレンエーテル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステ
ル、プロピレングリコールエステル、ポリグリセリンエ
ステル、ソルビタンエステル、および脂肪酸モノグリセ
リドから選択される非イオン性界面活性剤である分散剤
(c)の0.1〜5重量%とからなる分散液であること
を特徴とするポリウレタン用難燃剤。 - 【請求項2】 ポリオールが、一分子当たり2〜8個の
水酸基を有しかつ200〜5000の分子量を有する請
求項1に記載の難燃剤。
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- 1993-12-03 JP JP05304401A patent/JP3077786B2/ja not_active Expired - Fee Related
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