JP3077703B2 - ヘテロダイン検波受光系を用いた位相像の検出装置 - Google Patents

ヘテロダイン検波受光系を用いた位相像の検出装置

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は散乱成分であるインコヒーレント光から分離
して位相像を検出する装置に関し、特に、そのためにヘ
テロダイン検波受光系を用いる装置に関する。
〔従来の技術〕
X線の発見以来、生体(人体)内部を外部より損傷を
与えずに観察する技術(非観血的、あるいは無侵襲的計
測法)は、生物学、特に医学の分野で強く求められ発達
してきた。この技術は電磁波として見ると最も波長の短
いガンマ線やX線と、最も波長の長いラジオ波が使用さ
れている。前者はX線CTとして、後者はNMR−CT(Magne
tic Resonance Imaging、MRI)として実用化されてい
る。
一方、物理や化学の分野で広く用いられている紫外−
可視−近赤外−赤外の領域の分光学を“丸ごと”生体
(in vivo)へ応用する試みは比較的少ない。これは光
を用いた生体計測、特に吸収や発光の過程を利用するも
のにおいて、もっとも基本的な“定量性”に関し多くの
問題が解決されずに残されているからである。現在、固
体素子を用いた反射スペクトルの測定装置や高感度TVカ
メラ等による計測が試みられているが、再現性や得られ
た絶対値に対し信頼性が少ないのはこの理由による。
生体組織のような散乱体に光を照射した際、180゜向
かい合わせで受光すればある程度直進光を取り出すこと
ができるが、今のところ、その空間分解能はあまり良い
とはいえない。
X線と光とでの空間分離能の差は今のところ埋めるこ
とはできない。しかしながら光、特に近赤外光を用いる
と、血液中のヘモグロビンから組織酸素濃度のイメージ
ングができるはずである。これらは他のNMR−CTやX線C
Tと異なった情報を与えてくれるであろう。
3〜5cmの厚さの組織ならば、われわれは透過してき
た光を検出することができる。このことは“光−レント
ゲンン写真”を診断に使えることを意味する。女性の乳
房は組織が比較的均一であり光が透過しやすく、またそ
の形状から透過光の検出(厚さ:〜3cm程度)が容易で
あり、古くから乳ガンの診断に、Diaphanography(Ligh
tscanning)という名で用いられてきた。
このような状況の下で、本発明者は、特願昭63−3046
91号、特願平1−250036号において、試料を透過してそ
の吸収情報を含み散乱光が混入しているコヒーレント光
成分を分離して検出するのに、このコヒーレント光成分
と周波数の異なるコヒーレント光を合成して、合成光の
ビート成分を検出する光ヘテロダイン検波受光系を用い
ることを提案した。しかしながら、上記の提案によるも
のは試料の吸収像又は振幅像を検出するものであり、試
料の屈折率、厚さの分布に基づく位相像を検出すること
ができるものではない。
このような位相像を観察する方法としては、従来、シ
ュリーレン法、位相差法等が知られているが、これらの
方法は、位相像の位相差が小さい場合の適用されるもの
で、比較的広い範囲の位相分布を有するものには適さな
いものであった。この点をもう少し説明すると、シュリ
ーレン法も位相差法も再回折法における空間フィルタリ
ングの手法として説明できる。再回折法は、第13図に示
すように、焦点距離fの2枚の凸レンズL1、L2を共焦点
に配置し(両レンズの焦点距離は等しい必要はな
い。)、第1のレンズL1の前側焦点面P1に入力画像を配
置してコヒーレント光で照明した場合、第1のレンズL1
の後側焦点面(第2のレンズL2の前側焦点面)P2(スペ
クトル面)に入力画像の複素振幅像が2次元フーリエ変
換されてその空間周波数分布が得られるので、この面P2
に空間フィルターを配置してフィルタリングし、その情
報を再度第2のレンズL2によって2次元フーリエ変換
し、第2レンズL2の後側焦点面P3に空間フィルタリング
処理した像を再現する方法である。シュリーレン法は、
第13図のスペクトル面P2に空間周波数の0次成分をカッ
トするフィルターを配置して試料の位相の2乗に比例し
た明るさの像を得ようとする方法であり、位相差法は、
スペクトル面P2に空間周波数の0次成分の位相をπ/2進
めたり遅らせるフィルターを配置して試料の位相に比例
した明るさの像を得ようとする方法である。しかしなが
ら、上記従来の何れの方法も、試料の位相差が小さく、
そのスペクトル分布が低次の成分に偏っているとの前提
に立った方法であるので、位相差が大きくスペクトル分
布が高次にわたる場合には高いコントラストが得られ
ず、余り有効な方法とは必ずしも言えない。すなわち、
所定の空間周波数の位相回折格子を例にとった場合、第
14図に示すように、格子の位相差が大きくなると、スペ
クトルの大部分は高次成分に分布しており、低次成分に
処理を施して、処理されたスペクトルを逆フーリエ変換
しても、元の画像と余り違わないコントラストの低い画
像しか再現されないことが理解されよう。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明はこのような状況に鑑みてなされたものであ
り、その目的は、上記のような従来の位相像の検出方法
の問題点を解決して、光ヘテロダイン検波受光系を用い
て散乱成分であるインコヒーレント光から分離して広い
範囲の位相差を有する位相像を検出する全く新規な装置
を提供することである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成する本発明の第1のヘテロダイン検波
受光系を用いた位相像の検出装置は、コヒーレント光を
試料の周囲の少なくとも一部に透過散乱体が存在するそ
の試料に照射し、試料を透過しかつ前記透過散乱体で散
乱されなかった透過光と該コヒーレント光と周波数の異
なる参照コヒーレント光とを合成して、光ヘテロダイン
検波により試料の位相像を検出する装置において、 試料の周囲の少なくとも一部に透過散乱体が存在する
その試料を照射する光束の断面を小領域に分割し、各分
割領域に集光レンズを配置してその集光点に試料が位置
するように試料を配置し、試料を透過した各発散光束を
平行光束に変換するレンズを各集光レンズに対応させて
配置し、変換された平行光束と参照コヒーレント光とを
合成して、合成光束断面の1次元又は2次元方向のビー
ト成分の位相分布を検出することにより、試料の周囲の
少なくとも一部に透過散乱体が存在するその試料の位相
像を求めるように構成したことを特徴とするものであ
る。
この場合に、合成光束断面内でビート成分のみを検出
するヘテロダイン受信器を走査することにより、周囲の
少なくとも一部に透過散乱体が存在する試料の位相像を
求めるように構成することもできる。
本発明の第2のヘテロダイン検波受光系を用いた位相
像の検出装置は、平行コヒーレント光を試料の周囲の少
なくとも一部に透過散乱体が存在するその試料に照射
し、試料を透過しかつ前記透過散乱体で散乱されなかっ
た透過光と該コヒーレント光と周波数の異なる参照コヒ
ーレント光とを合成して、光ヘテロダイン検波により試
料の位相像を検出する装置において、 試料全面に均一な平行コヒーレント光を照射するよう
に構成し、試料の透過光の位相分布をフーリエ変換する
第1のフーリエ変換光学系と、そのスペクトル面におけ
る分布をさらにフーリエ変換する第2のフーリエ変換光
学系とを配置し、第2のフーリエ変換光学系の変換面に
おいて参照コヒーレント光と再変換光とを合成して、第
2のフーリエ変換光学系の変換面における1次元又は2
次元方向のビート成分の位相分布を検出することによ
り、試料の周囲の少なくとも一部に透過散乱体が存在す
るその試料の位相像を求めるように構成したことを特徴
とするものである。
この場合に、スペクトル面に空間フィルターを配置
し、該空間フィルターを通過した光と参照コヒーレント
光との1次元又は2次元方向のビート成分の位相分布を
検出することにより、試料の周囲の少なくとも一部に透
過散乱体が存在するその試料の位相像を求めるように構
成することもできる。
〔作用〕
本発明の何れの位相像の検出装置においても、試料の
周囲の少なくとも一部に透過散乱体が存在するその試料
を透過して試料の位相情報を有する光と、その透過光と
周波数の異なる参照光とを合成して、合成光のビート成
分の試料に沿う1次元又は2次元方向の位相分布を検出
することにより、試料の周囲の少なくとも一部に透過散
乱体が存在するその試料の位相像を求めるようにしてい
るので、散乱成分であるインコヒーレント光から分離し
て広い範囲の位相差を有し周囲の少なくとも一部に透過
散乱体が存在する物体の位相像を確実にかつ正確に検出
することができる。
〔実施例〕
ヘテロダイン検波受光系の基本的な形は、第2図に示
すように、周波数ωの測定光Iと周波数が僅かに異な
るωの光(これを局発光と言う。)I′とをハーフミ
ラーHMにより合成して、その合成光を検出器Dにより光
電変換し、その信号中の周波数の差ω−ωの成分の
みを通すバンドパスフィルターFを通して交流成分のみ
を取り出すものである。以後の説明の簡単化のために、
検出器DとバンドパスフィルターFの組み合せをヘテロ
ダイン受信器HDと呼ぶことにする。測定光IをV1、局発
光I′をV2とし、それぞれの光を次のように表現する。
V1=A1exp[−i(ω1t+φ)]、 V2=A2exp[−i(ω2t+φ)] これらの2つの光波V1、V2を重ね合わせて検出器Dに
より検出すると、その検出信号Sは次のようになる。
S=|V1+V2|2 =V1・V1 +V2・V2 +V1・V2 +V1 ・V2 ところで、 V1・V1 =A1 2、V2・V2 =A2 2 であり、 V1・V2 =A1A2exp[−i(ω−ω)t −i(φ−φ)]、 V1 ・V2=A1A2exp[+i(ω−ω)t +i(φ−φ)] V1・V2 +V1 ・V2 =2A1A2cos[(ω−ω)t+(φ−φ)] であるので、 S=A1 2+A2 2 +2A1A2cos[(ω−ω)t(φ−φ)] となる。ところで、ω=ω−Δω(Δωをビート周
波数と言う。)と書けるので、A1、A2を一定とすると、
フィルターFからは、周波数Δωで位相がφ−φ
一定の大きさの信号が得られる。φは測定光Iの位相
であり、その光路中に挿入する物体Obの屈折率、厚さに
よって変化し、物体の位相を表しているものである。こ
れに対して、局発光I′の位相φは一定の基準の値を
有しているので、ヘテロダイン受信器HDからは、物体Ob
の位相に応じた位相を有するビート周波数の交流信号が
得られることになる。したがって、ヘテロダイン受信器
HDから得られる交流信号の位相を測定することにより、
物体Obの位相を検出することができる。
ところで、上記のようなヘテロダイン検波受光系にお
いて、検出器Dの受光面の径(集光させてその集光点で
ビートをとるときは、集光光学系の開口径)をd、検出
しようとする光の波長をλとすると、その角度分解能は
略d/λである。したがって、検出器Dの受光面の径dを
検出しようとする光の波長λに比較して十分に大きくす
れば、ヘテロダイン検波受光系は高指向性の受光系であ
ると言うことができる。
さて、以上のようなヘテロダイン検波受光系を並列し
て配置することにより、位相物体の位相像を検出するこ
とができる。その基本的構成を第1図に示す。位相試料
Sにコヒーレントな透過証明光Aを当て、試料Sによっ
て空間的に位相変調を受けた1次元又は2次元的な測定
光IをハーフミラーHMに入射させる。一方、例えば照明
光Aの一部を分割した光を超音波変調器等からなる周波
数シフターAOに入射させ、照明光Aの周波数から多少周
波数をシフトさせて局発光I′とし、ハーフミラーHMに
入射させ、ここで測定光Iと合成する。合成光は、ノイ
ズを除去しS/N比を上げるために挿入した偏光器Pを介
して、2次元的にマトリックス状に配置したヘテロダイ
ン受信器HD11・・・HD1n・・HMmn等に入射するようにな
っている。このマトリックス状に配置したヘテロダイン
受信器HD11・・・HD1n・・HMmnは、以後の説明の便のた
め、2次元ヘテロダイン受信器2HDと呼ぶことにする。
各ヘテロダイン受信器HMmnからは、上記したように、そ
れが対応する位置の試料Sの位相に応じた位相を有する
ビート信号が出力される。各ヘテロダイン受信器HMmnに
はロックインアンプRAmnが接続されており、各ロックイ
ンアンプRAmnには制御装置COから基準ビート周波数信号
が与えられている。したがって、各ヘテロダイン受信器
HMmnから出力されるビート信号の位相の値は、ロックイ
ンアンプRAmnによって強度信号に変換される。このマト
リックス状のRA11・・・RA1n・・RAmnは、以下の説明の
便のため、並列位相差処理装置PRと呼ぶことにする。並
列位相差処理装置PRからの信号を、例えば表示装置DYの
対応する2次表示面に表示することにより、位相分布像
が得られる。以上のようにして、位相試料Sの位相分布
がヘテロダイン受信器HDmnの配置間隔で2次元的にサン
プリングされて検出される。これに対して、試料S及び
その周辺で散乱された光は、局発光I′と合成されても
ビート成分を生じないので、このようなヘテロダイン検
波受光系を用いることによって除去され、試料Sの位相
像のみが精度よく検出される。以上の構成において、制
御装置COから基準ビート周波数信号を各ロックインアン
プに与えて2次元ヘテロダイン受信器2HDの各チャンネ
ル(各ヘテロダイン受信器)からの信号の位相を検出し
ているが、この代わりに、何れか1つのチャンネルのビ
ート信号を基準信号にして、それ以外のチャンネルから
の信号の位相を検出するようにしてもよい。なお、第1
図の配置において、2次元ヘテロダイン受信器2HDと試
料Sの間の距離が離れる程、各ヘテロダイン受信器によ
る検出像の最少空間サンプリング面積は大きくなる。ま
た、各ヘテロダイン受信器の大きさを小さくして密度を
高めると、サンプリング面積が大きくなるだけでなく、
サンプリング面積がオーバラップするため、オーバラッ
プ分を考慮した像再現をする必要がある。オーバラップ
分を差し引くことにより、最少空間分解面積は小さくな
り、高分解になる。
ところで、第1図のものにおいて、試料Sに照射され
る光を集光光にし、サンプリング間隙は変わらないが、
測定点での分解能を上げるようにすることもできる。そ
のためには、第3図に示すように、ヘテロダイン受信器
HMmnのマトリックスに対応する配列の集光レンズからな
るマイクロレンズアレイML1、ML2を用意し、各レンズが
測定試料S上で試料を挟むようにして共焦点になるよう
にこの2枚にマイクロレンズアレイML1、ML2を配置し、
一方のマイクロレンズアレイML1側から平行照明光Aを
当てるようにする。こうすると、照明光は試料Sの微小
な測定点に集光するので、第1図の場合のように、サン
プリング領域の平均位相を求めるものに対し、位相の厳
密なズレを測定することができる。必要なら、試料Sを
走査することにより、細かいサンプリング間隙も可能で
ある。
第1図、第3図に示したものは、複数の単位ヘテロダ
イン受信器及びそれぞれに付属した複数のロックインア
ンプを用いるものであったが、その代わりに1個のヘテ
ロダイン受信器及びそれ付属した1個のロックインアン
プにより、試料Sの位相分布を検出するようにすること
も可能である。その例を第4図から第6図に示す。第4
図に示すものは、第1図のものにおける2次元ヘテロダ
イン受信器2HDと並列位相差処理装置PRの代わりに、1
個のヘテロダイン受信器HD及びそれ付属した1個のロッ
クインアンプRAを用い、ヘテロダイン受信器HDを測定光
Iを横切るX−Y方向に走査のために移動可能にしたも
のである。このようにしても、照明光Aと局発光I′の
2次元方向の位相差が変化しない限り、試料Sの位相分
布を測定することができる。第5図のものは、ヘテロダ
イン受信器HDを固定し、その代わりに測定試料Sを測定
光Iを横切るX−Y方向に走査のために移動させるよう
にしたものである。この場合は、照明光Aも局発光I′
もビーム径を細くでき、分解能の点からも、ビームを拡
大する光学系を必要としない点からもメリットが大き
い。第6図のものは、走査のためいX−Y方向に移動さ
れる試料SにレンズL1によって集光された集光光を当
て、分解能をさらに高めるようにしたものである。試料
の測定点からの光は別のレンズL2によって平行光Iに変
換され、局発光I′と合成される。ところで、第6図に
おいて、照明光及び局発光として同じレーザー1からの
光を用いている。すなわち、レーザー1からのコヒーレ
ント光はビームスプリッターBSにより2分され、一方は
試料Sを照明するのに用いられ、他方のビームはミラー
M1を経て超音波変調器等の周波数シフターAOに入射し、
周波数が多少シフトされて、ミラーM2を経て局発光とし
て用いられる。なお、第6図にはロックインアンプRA、
表示装置DYは図示していない。
次に、以上第1図、第3図から第6図に示したような
原理の位相像検出装置を用いて、試料の位相像を検出す
るための具体的な装置の構成の例を説明する。以下にお
いて、位相分布をヘテロダイン検波受光系により検出す
る配置として、第1図に示した構成のものを採用するも
のとしているが、その代わりに第3図から第6図に示し
たような構成のものを用いてもよいことは明らかであろ
う。
第7図は単純に第1図の基本構成のものを具体化した
ものである。すなわち、レーザー1から発振された所定
周波数のコヒーレント平行光はビートスプリッターBSに
より2分され、一方のビームは試料Sを背後から照明す
る照明光Aに使用され、他方のビームは、ミラーM1を経
て超音波変調器等の周波数シフターAOに入射して周波数
が多少シフトされ、ミラーM2を経て局発光I′になる。
なお、レーザー1からの光束の径を拡大するために、ビ
ームスプリッターBSの前にビーム拡大器を挿入してもよ
い。照明光Aは、測定試料Sとその周囲に位置する散乱
体Nを照明する。試料Sと散乱体Nを透過し、散乱体N
による散乱成分を含み試料Sの位相分布情報を含んだ測
定光Iは、ハーフミラーHMにより照明光Iとは多少周波
数の異なる一定強度のコヒーレント局発光I′と合成さ
れ、偏光器Pによりノイズ成分が低減され、2次元ヘテ
ロダイン受光器2HDに入射して、各サンプリング位置に
応じた位相を有する2次元ビート信号が得られる。これ
らのビート信号は、試料Sを透過してそのサンプリング
位置の厚さ、屈折率のよって決まる位相に等しい位相を
有しているので、各チャンネルのビート信号の位相は、
並列位相差処理装置PRにおいて制御装置COからの基準信
号と位相を比較することにより、強度信号に変換され、
それを表示器DY等に出力することにより、位相分布が可
視化される。散乱体Nによって散乱された成分は、局発
光I′と混合しても2次元ヘテロダイン受信器2HD上で
はビート成分を生ぜず、単に直流成分になるので、2次
元ヘテロダイン受信器2HDからの信号には何ら影響も与
えず、試料Sによって位相変位が与えられた直進光成分
の光のみの位相分布を指向性高く取り出して検出するこ
とができる。
第8図のものは、第7図の装置において、試料Sを透
過した光の光路中及び局発光の光路中に同様なビーム拡
大器BE1、BE2を挿入して、2次元ヘテロダイン受信器2H
Dに入射する光束の径を拡大し、得られる位相像を拡大
するようにしたものであり、微小な試料Sに適した配置
である。第9図のものは、逆に、両光路にビーム縮小器
BC1、BC2を挿入し、得られる位相像を縮小するようにし
たものである。
ところで、試料Sの測定点において、その位相は方向
依存性を有するのが通常である。このような試料Sの特
定の測定点の位相の方向依存性を測定するには、第10図
に示すように、レーザー1からの光を凸レンズL1によっ
て試料Sの測定点に絞り、その点からの発散光を凸レン
ズL2によって平行光に変換し、以下同様に局発光I′と
合成し、2次元ヘテロダイン受信器2HDによりそのビー
ト成分の位相分布を可視化すればよい。また、試料Sか
らの直進方向以外の方向に散乱される成分が入射光と可
干渉性を有することもある。このような可干渉性を有す
る直進光以外の成分の位相分布を検出できるように装置
を変形することができる。その例を第11図に示す。第7
図の装置との唯一の違いは、2次元ヘテロダイン受信器
2HDの配置位置を直進光以外の検出したい方向の散乱成
分を取り込む位置にし、この位置に局発光も入射するよ
うにハーフミラーHMを配置した点である。。
さて、以上は試料を透過した光の直後の物体面又はそ
の近傍で2つの光のビート成分を検出して位相像を検出
するものであったが、試料を一旦凸レンズL1でフーリエ
変換し、別の凸レンズL2で再度フーリエ変換して、像面
に位相試料Sの像S′を結像させ、この像面で位相分布
を検出するようにすることもできる。その例を第12図に
示す。この場合、レンズL1の焦点距離f1とレンズL2の焦
点距離f2とは等しい必要はなく、異なる大きさにするこ
とにより、再生像を試料に対して拡大したり縮小するこ
とができる。f1>f2の場合、縮小像になり、f1<f2の場
合、拡大像になる。また、レンズL1のスペクトル面P2
種々の空間フィルターを配置し、画像処理を施すことも
できる。
以上、本発明のヘテロダイン検波受光系を用いた位相
像の検出装置のいくつかの実施例について説明してきた
が、本発明はこれらに実施例に限定されず、各種の変形
が可能である。例えば、周波数シフターとしては、超音
波変調器等の超音波光回折を用いたものばかりでなく、
波長板の組合せ及び回転格子のほか、結晶の電気光学効
果を利用することもできる。また、反射鏡を一定速度で
移動させるか又は鋸歯状波で振動させてもよい。
〔発明の効果〕
本発明のヘテロダイン検波受光系を用いた何れの位相
像の検出装置においても、試料の周囲の少なくとも一部
に透過散乱体が存在するその試料を透過して試料の位相
情報を有する光と、その透過光と周波数の異なる参照光
と合成して、合成光のビート成分の試料に沿う1次元又
は2次元方向の位相分布を検出することにより、試料の
周囲の少なくとも一部に透過散乱体が存在するその試料
の位相像を求めるようにしているので、散乱成分である
インコヒーレント光から分離して広い範囲の位相差を有
し周囲の少なくとも一部に透過散乱体が存在する物体の
位相像を確実にかつ正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はヘテロダイン検波受光系を並列に配置して位相
像を検出するための基本的構成を示す図、第2図はヘテ
ロダイン検波受光系の基本的な構成と作用を説明するた
めの図、第3図は第1図の変形例の構成を示す図、第4
図、第5図は第1図のものを走査型に変形したものの構
成を示す図、第6図は第3図のものを走査型に変形した
ものの構成を示す図、第7図は試料の位相像を検出する
ための具体的な装置の構成の1例を示す図、第8図は第
7図のものを拡大像が得られるように変形したものの構
成を示す図、第9図は第7図のものを縮小像が得られる
ように変形したものの構成を示す図、第10図は測定点の
位相の方向依存性を測定するための装置の構成を示す
図、第11図は直進光以外の成分の位相分布を検出できる
ように変形した装置の構成を示す図、第12図は試料の像
面で位相分布を検出できるようにした装置の構成を示す
図、第13図は従来の再回折法による位相像検出方法を説
明するための図、第14図は位相回折格子の位相差とスペ
クトル成分の分布の関係を示す図である。 1……レーザー、I……測定光、I′……局発光、HM…
…ハーフミラー、D……検出器、F……バンドパスフィ
ルター、HD……ヘテロダイン受信器、Ob……物体、S…
…試料、A……照明光、AO……周波数シフター、P……
偏光器、2HD……2次元ヘテロダイン受信器、RA……ロ
ックインアンプ、CO……制御装置、PR……並列位相差処
理装置、DY……表示装置、ML1、ML2……マイクロレンズ
アレイ、L1、L2……レンズ、BS……ビームスプリッタ
ー、M1、M2……ミラー、N……散乱体、P……偏光器、
BE1、BE2……ビーム拡大器、BC1、BC2……ビーム縮小
器、P2……スペクトル面
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 稲場 文男 宮城県仙台市太白区八木山南1―13―1 (56)参考文献 特開 昭58−140338(JP,A) 特開 昭62−263427(JP,A) 特開 平2−110346(JP,A)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】コヒーレント光を試料の周囲の少なくとも
    一部に透過散乱体が存在するその試料に照射し、試料を
    透過しかつ前記透過散乱体で散乱されなかった透過光と
    該コヒーレント光と周波数の異なる参照コヒーレント光
    とを合成して、光ヘテロダイン検波により試料の位相像
    を検出する装置において、 試料の周囲の少なくとも一部に透過散乱体が存在するそ
    の試料を照射する光束の断面を小領域に分割し、各分割
    領域に集光レンズを配置してその集光点に試料が位置す
    るように試料を配置し、試料を透過した各発散光束を平
    行光束に変換するレンズを各集光レンズに対応させて配
    置し、変換された平行光束と参照コヒーレント光とを合
    成して、合成光束断面の1次元又は2次元方向のビート
    成分の位相分布を検出することにより、試料の周囲の少
    なくとも一部に透過散乱体が存在するその試料の位相像
    を求めるように構成したことを特徴とするヘテロダイン
    検波受光系を用いた位相像の検出装置。
  2. 【請求項2】合成光束断面内でビート成分のみを検出す
    るヘテロダイン受信器を走査することにより、試料の周
    囲の少なくとも一部に透過散乱体が存在するその試料の
    位相像を求めるように構成したことを特徴とする請求項
    1記載のヘテロダイン検波受光系を用いた位相像の検出
    装置。
  3. 【請求項3】平行コヒーレント光を試料の周囲の少なく
    とも一部に透過散乱体が存在するその試料に照射し、試
    料を透過しかつ前記透過散乱体で散乱されなかった透過
    光と該コヒーレント光と周波数の異なる参照コヒーレン
    ト光とを合成して、光ヘテロダイン検波により試料の位
    相像を検出する装置において、 試料全面に均一な平行コヒーレント光を照射するように
    構成し、試料の透過光の位相分布をフーリエ変換する第
    1のフーリエ変換光学系と、そのスペクトル面における
    分布をさらにフーリエ変換する第2のフーリエ変換光学
    系とを配置し、第2のフーリエ変換光学系の変換面にお
    いて参照コヒーレント光と再変換光とを合成して、第2
    のフーリエ変換光学系の変換面における1次元又は2次
    元方向のビート成分の位相分布を検出することにより、
    試料の周囲の少なくとも一部に透過散乱体が存在するそ
    の試料の位相像を求めるように構成したことを特徴とす
    るヘテロダイン検波受光系を用いた位相像の検出装置。
  4. 【請求項4】スペクトル面に空間フィルターを配置し、
    該空間フィルターを通過した光と参照コヒーレント光と
    の1次元又は2次元方向のビート成分の位相分布を検出
    することにより、試料の周囲の少なくとも一部に透過散
    乱体が存在するその試料の位相像を求めるように構成し
    たことを特徴とする請求項3記載のヘテロダイン検波受
    光系を用いた位相像の検出装置。
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