JP3077570B2 - 超音波式流体振動流量計 - Google Patents

超音波式流体振動流量計

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JP3077570B2
JP3077570B2 JP07246105A JP24610595A JP3077570B2 JP 3077570 B2 JP3077570 B2 JP 3077570B2 JP 07246105 A JP07246105 A JP 07246105A JP 24610595 A JP24610595 A JP 24610595A JP 3077570 B2 JP3077570 B2 JP 3077570B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、流体振動を起こし
ている測定流体に超音波を放射しこの流体振動により超
音波が変調された信号を受信して測定流体の流量を計測
する超音波式流体振動流量計に係り、特に、検出感度を
向上させて安定な動作ができるように改良した超音波式
流体振動流量計に関する。
【0002】
【従来の技術】流体振動流量計としては、測定流体が渦
発生体に当たって発生する一種の流体振動である渦に超
音波を放射して渦の数を計数しその周波数から測定流体
の流量を測定する渦流量計、或いは測定流体をノズルを
介して噴出させて発生する噴流をターゲットに当てるこ
とにより流体振動を起こさせその振動周波数を測定管路
の内壁に固定された圧電形のセンサを用いて噴流の両側
面に生じる圧力差から測定流体の流量を測定するフルイ
デック(Fluidic)流量計などがある。
【0003】ここでは、これらの従来の流体振動流量計
のうち、渦流量計をベースとして従来の技術を説明す
る。先ず、実公昭48−17010号「考案の名称:流
速測定装置」に開示されている渦流量計を取り上げ、以
下、この概要について図5〜図7を用いて説明する。
【0004】図5はこの従来の渦流量計の構成を示す構
成図である。1は流れの中に挿入したカルマン渦を生成
するための渦発生体で、ここでは円柱状の物体が例示さ
れている。2は渦発生体1で生成された渦、3は測定流
体が流れる測定管路を示している。
【0005】4は超音波信号発信器、5は超音波信号受
信器である。これらの超音波信号発信器4および超音波
信号受信器5は、渦発生体1の下流側に測定流体の流れ
方向とほぼ直角になるように互に対向して測定管路3に
取り付けられており、カルマン渦の生成数(単位時間に
流れていく渦の数)を検出するための検出装置を構成し
ている。
【0006】いま、図5の点線で示す超音波信号の伝播
経路に渦が存在していない場合は、超音波信号発信器4
と超音波信号受信器5との距離をD、媒体中の音速をC
Aとすれば、その伝播時間τ0は τ0=D/CA (1) で示される。
【0007】次に、この点線の位置にカルマン渦が存在
し超音波の送出方向と渦の速度成分V1の方向とが同じ
ときの伝播時間τ1は、渦の直径をdVとすれば、 τ1=[dV/(CA+V1)]+[(D−dV)/CA] (2) で示される。
【0008】また、この点線の位置にカルマン渦が存在
し超音波の送出方向と渦の速度成分V2の方向とが逆方
向のときの伝播時間τ2は、渦の直径をdVとすれば、 τ2=[dV/(CA−V2)]+[(D−dV)/CA] (3) で示される。
【0009】以上の点を、超音波信号の伝播時間τの時
間tに対する変化として図示すると図6に示すようにな
る。そして、単位時間に信号の伝播時間が変化する回数
は、伝播経路を渦が通過する数、つまりカルマン渦の生
成数に等しいので、この変化を適当な装置により計数す
ることにより流体の流量を知ることができる。
【0010】図7は、この変化を計数する装置の例を示
す。この装置は、パルス発生器及び増幅器などを含む電
子回路6、FM信号復調器7、計数器8などで構成され
ている。
【0011】電子回路6はパルス信号を超音波発信器4
に加え、超音波発信器4はここから超音波信号を渦に向
かって発信させる。一方、超音波受信器5はこの渦で変
調された受信信号によって生じた新たなパルス信号を電
子回路6を介して再び超音波発信器4に印加する。
【0012】このような方式を採用する結果、これらの
ループには超音波発信器4の遅れ時間、流体中の伝播時
間、超音波受信器5の遅れ時間などの和に対応する総遅
れ時間に逆比例した周波数のパルス信号P0が得られ
る。
【0013】流体中の伝播時間はカルマン渦が通過する
毎に変化するので、パルス信号P0は渦で周波数変調さ
れた信号となる。このパルス信号P0は復調器7で復調
された後、計数器8に印加され、この計数器8の計数結
果から流量を知ることができる。
【0014】しかしながら、以上のような渦流量計は、
原理的には成立するが、実際に製品として完成させるた
めには、次に説明するような問題がある。この問題点を
図8に示す渦流量計の縦断面図を用いて説明する。
【0015】ステンレス製の測定管路3の直径方向には
渦発生体1が、この渦発生体1の下流側の測定管路3の
外壁には、超音波発信器4と超音波受信器5とが対向し
て測定流体に対して非接触状態で固定されている。
【0016】この結果、超音波発信器4から送出された
超音波は渦をよぎる伝播経路により超音波受信器5で受
信される太線で示す超音波Aの他に、超音波発信器4か
ら測定管路3の内部を経由して超音波受信器5で受信さ
れる点線で示す超音波B、超音波発信器4から送出され
測定管路3の内壁で反射を繰り返して超音波受信器5で
受信される細線で示す定在波としての超音波Cが存在す
る。
【0017】これらの超音波B、Cはノイズであるが、
図7に示す構成の場合は、連続波として超音波発信器4
から超音波を送信するので、超音波受信器5はこれらの
ノイズをも含んで検出されることとなり、安定にかつ正
確に渦を検出することができない。
【0018】このように、測定管路の中を伝播するノイ
ズ、或いは測定管路に形成される定在波などによるノイ
ズの存在のために、製品レベルでは具体的に実現できな
いという問題があった。
【0019】また、先に説明したフルイデック(Fluidi
c)流量計の場合は、測定管路の内壁に圧電形のセンサ
を設けた接液形のセンサで噴流の両側の圧力の変化を検
出する構成であるので、測定流体が腐食性の流体、或い
は汚染流体などに用いることが出来ないという問題があ
る。
【0020】そこで、以上の問題を解決するために、図
9に示す構成が提案されている。測定管路10は例えば
ステンレス製であり測定流体を流す。渦発生体11はこ
の測定管路10の直径方向に固定され梯形状の横断面を
有している。超音波送波器12は渦発生体11の下流側
でこの測定管路10の外壁に測定流体に非接触状態で固
定されている。さらに、超音波受波器13がこの超音波
送波器12に対向して配置されている。
【0021】発振器14は、例えば1〜2MHz程度の
発振周波数fosで連続して発振する発振電圧Vosをスイ
ッチ15に送出する。スイッチ15は、ゲート幅W1
持つ基準信号S1によりオン/オフ制御され、発振電圧
osをゲート幅W1に対応するバースト波SBとして超音
波送波器12に印加する。
【0022】ダンピング回路16は、この基準信号S1
でオフ/オンされ、超音波送波器12で生じるゆっくり
変動する残留振動を伴う振動電圧VRを抵抗で終端して
速やかにゼロレベルに減衰させる。
【0023】基準タイミング回路17は、基準信号S1
を発生させ信号サンプリングの時間基準を与える。この
基準信号S1のハイレベルでスイッチ15をオンとし、
ローレベルでダンピング回路16の抵抗をオンとする。
同時に、基準タイミング回路17はサンプリング信号発
生回路18にも基準信号S1を出力する。
【0024】サンプリング信号発生回路18は、基準信
号S1を受信し、これをサンプリング信号S2とリセット
信号S3として、基準信号S1に対して測定管路10の内
径Lと測定流体の音速CAとの関数(L/CA)で決まる
時間Tだけ遅らして出力する。
【0025】このうち、サンプリング信号S2はゲート
幅W1に対応する所定のゲート幅W2を有し、リセット信
号S3はゲート幅W2に対して極めて短い時間幅でリセッ
トする信号として出力される。
【0026】一方、超音波受波器13で受信された振幅
変調信号SAは、プリアンプ19で増幅されてサンプリ
ング回路20に出力される。サンプリング回路20で
は、サンプリング信号S2のゲート幅W2に入る振幅変調
信号SAのみをサンプリングして同調アンプ21に出力
する。
【0027】同調アンプ21は、サンプリングされた振
幅変調信号SAを選択増幅し同調信号Ssとして次段のピ
ーク検出/半波回路22に出力する。この同調アンプ2
1は、通常のものに比べてQ値を低く、例えばQ=10
〜20程度に設定し、ダンピングをかける。
【0028】このQ値が大きいと、バースト波を打たな
くてもゲート幅W1の中に含まれる発振周波数fosの所
定の波数を越えて継続して波が出力され、次の信号処理
に影響を与える不都合があるからである。
【0029】ピーク検出/半波回路22にはリセット信
号S3が印加されており、同調信号Ssのピーク値をホー
ルドすると共にホールド直前に短時間のあいだリセット
することを繰り返してして同調信号Ssの包絡線に対応
するヒストグラムを形成し、この後、半波整流して半波
整流電圧SHとして出力する。
【0030】この半波整流電圧SHは、高いカットオフ
周波数を有するローパスフイルタ23に出力され、ここ
でピーク検出/半波回路22で発生するノイズなどを除
去して、アクテイブローパスフイルタ24に出力され
る。
【0031】アクテイブローパスフイルタ24は、低い
カットオフ周波数に設定されており、渦信号の中に含ま
れるノイズ或いは流体ノイズなどの低い周波数のノイズ
を除去して、シュミットトリガ25に出力する。シュミ
ットトリガ25では、アクテイブローパスフイルタ24
の出力に含まれる渦信号を対応するパルス信号SVに変
換する。
【0032】次に、以上のように構成された実施例の動
作について、図10、図11に示す波形図を用いて説明
する。発振器14から出力された発振電圧Vos(図10
(A))は、基準信号S1(図10(B))のオン/オ
フのハイレベルで発振電圧Vosをオンとし、ローレベル
で発振電圧Vosをオフとする。このようにして、超音波
送波器12に図10(C)に示すバースト波SBを出力
する。
【0033】急峻な変化を示すバースト波SBが超音波
送波器12に印加されても、超音波送波器12を構成す
る振動子には残留振動が存在するので、図10(D)に
示すようなゆっくり変動する振動電圧VRとなる。
【0034】この振動電圧VRの期間が長くなると、次
のバースト波SBの送出時点まで継続することとなる。
これを避けるために、ダンピング回路16で基準信号S
1(図10(B))のオン/オフのローレベルの期間に
抵抗で超音波送波器12を終端して残留振動を速く収束
させる。
【0035】超音波送波器12へのバースト波SBの印
加により、超音波送波器12から超音波が渦に向かって
送出される。超音波は渦で振幅変調を受けて超音波受波
器13で振幅変調信号SA(図10(E))として受信
される。
【0036】この振幅変調信号SAには、渦で振幅変調
を受けた渦信号成分Xの他に、図2で説明したように測
定管路10を経由して伝播する管路伝播波N1、測定管
路10の内壁の相互を伝播して形成される定在波N2
どによるノイズ(図10(E))が混入されている。
【0037】このような振幅変調信号SAは、プリアン
プ19で所定倍に増幅されてサンプリング回路20に出
力される。サンプリング回路20には、サンプリング信
号発生回路18から図10(F)に示すサンプリング信
号S2が印加され、このサンプリング信号S2により振幅
変調信号SAがサンプリングされる。
【0038】基準信号S1の送出から時間経過Tの後に
は、渦信号成分Xが存在するので、この時点でサンプリ
ング信号S2により渦信号成分Xをサンプリングする。
サンプリングされた渦信号成分Xを含む振幅変調信号S
Aは同調アンプ21により増幅されてその出力端に図1
0(G)に示す同調信号Ssとして出力される。
【0039】図10(B)に示す基準信号S1は、所定
時間の間隔で順次送出されるので、これ等を時系列的に
並べると図11に示すような同調信号の波形となる。こ
の波形には、例えば渦信号成分Xに対応する部分が含ま
れる。この場合のαの部分は超音波とカルマン渦の方向
が逆方向の場合を示している。βの部分は超音波とカル
マン渦の方向が同方向の部分である。つまり、ピーク値
と渦とが1対1で対応していることになる。
【0040】このようにして得られた同調信号Ssはピ
ーク検出/半波回路22に出力される。このピーク検出
/半波回路22にはリセット信号S3が印加され、同調
信号Ssのヒストグラムが形成され、さらに半波整流さ
れてその出力端に半波整流電圧SHを出力する。
【0041】この半波整流電圧SHは、ローパスフイル
タ23とアクテイブローパスフイルタ24でノイズが除
去されてシュミットトリガ25の出力端に渦の数に対応
するパルス信号SVとして出力される。
【0042】次に、図9に示す超音波受波器13が振幅
変調信号SAを大きくかつ安定に受信するための条件に
ついて以下に説明する。渦がないときの伝播時間τ
0は、式(1)で示され、渦があるときの伝播時間τ
3は、渦の流体振動をVAsinωVtとすれば、式
(2)と式(3)を考慮して、 τ3=[dV/(CA±VAsinωVt)]+[(D−dV)/CA] (4) となる。ただし、VAは渦の循環流の速さである。
【0043】したがって、渦が通過するときに生じる超
音波の位相変化は、発振器14の発振電圧VOSの有する
発振角周波数をωOS(=2πfOS)とすれば、 dΦ=(τ0−τ3)ωOS (5) となる。
【0044】ここで、最大位相偏移をΔΦとすれば、C
A 2≫VA 2なる関係から、 ΔΦ=±VAVωOS/CA 2 (6) となる。このときの最大周波数偏移をΔfMAXとする
と、ΔfMAXは ΔfMAX=(ΔΦ)´=2VAVωOSωV/CA 2 (7) として得られる。
【0045】一方、超音波受波器13は圧電形の振動子
で構成されているが、その振動子の共振周波数faと反
共振周波数frの近傍における等価回路26は、図12
において点線で囲んで示したように、インダクタンスL
1とコンデンサC1と抵抗R1との直列回路に、コンデン
サC2が並列に接続された並列回路として示すことがで
きる。
【0046】そして、この並列回路に広帯域化のための
インダクタンスL2が直列に接続されて端子T1、T2
引き出されている。この場合の端子T1、T2からみたイ
ンピーダンスZは、図13に示すように共振周波数fa
で最小になり、反共振周波数frで最大となる。
【0047】これらの周波数領域では、他の周波数領域
での変化より大きなインピーダンスZの変化を示す。し
たがって、発振周波数fOSの値を共振周波数faと反共
振周波数frとの間に設定すると、大きなインピーダン
ス変化ΔZが得られる。
【0048】この結果、超音波受波器13の出力端に
は、渦で変調された大きな振幅の振幅変調信号を得るこ
とができる。これは、バースト波としたときに得られる
図10(E)に示す振幅変調信号SAにおいても同様で
ある。
【0049】なお、図12ではインダクタンスL2が超
音波受波器13の振動子に直列に挿入される構成として
示されているが、この構成では共振周波数faを下げる
形で帯域を広げる例として示してある。このような構成
により、温度変化により生じるfaとfrの変化に対して
発振周波数fOSの動作範囲(fa〜fr)に余裕を持たせ
ることができる。
【0050】また、発振周波数fOSを送信側の超音波送
波器12の共振周波数として選定すれば、発振器14か
ら最大の効率で超音波を測定流体に放射させることがで
きる。各超音波送波器及び超音波受波器に対してその共
振周波数を考慮して発振周波数の値を選定することは安
定な動作を確保する上で有効である。
【0051】図14は図9に示す超音波送波器及び超音
波受波器の取付け構造の例を示す部分縦断面図である。
この場合の超音波送波器12、超音波受波器13の測定
管路10への取付部の肉厚Mは、超音波の透過が最大と
なるようにM≒λ/2(λは測定管路10の内部での超
音波の波長)に選定されている。
【0052】図15は図14に示す超音波送波器12、
超音波受波器13の内部の具体的な構成を示す縦断面図
である。ここでは超音波受波器13を例として説明す
る。超音波受波器13のケース13Aは、縁付きの円筒
状に形成され、例えばステンレス鋼などで作られてい
る。
【0053】ケース13Aの底部にはエポキシ樹脂を用
いて圧電振動子13Cを接着して安定度を向上させ負荷
との結合を密にしているが、そのインピーダンス特性は
図16に示すように全体として平坦な特性となり、Q特
性を劣化させることとなる。
【0054】そこで、本出願人は特願平7−38036
号「超音波式流体振動流量計」においてこの点を改良し
た提案をしているので、以下に図17、図18を用いて
その概要を説明する。
【0055】超音波送波器12から測定流体を介して送
出された各バースト波は、対向する超音波受波器13が
設置された測定管路10の内面に音圧(振幅)A1
2、…Anとして受波される。
【0056】しかし、測定管路10の材質は、例えばス
テンレス鋼であり、一般的に測定流体や超音波受波器1
3を固定する接合材31に比べて音響インピーダンスが
大きいので、測定管路10に入射した各バースト波は測
定管路10の内面と接合材31との間で反射を繰り返
す。
【0057】この場合の各バースト波の音圧の合計が超
音波受波器13に到達する音圧となるが、これを図示し
たのが図18に示す特性図である。図18は測定管路1
0の肉厚Wを波長λの1/2近傍で変化させたときの超
音波受波器13で得られる音圧(振幅)の最大値Pm
示している。
【0058】図18に示すように、測定管路10の厚さ
によって最大音圧(最大振幅)が変化しており、λ/2
より少し小さい値の肉厚Wmで最大の音圧(振幅)変化
を示している。したがって、測定管路10の厚さを所定
の値に選定することにより検出感度を向上させることが
できる。
【0059】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、測定管
路の管壁の厚さを最適値に保持するように管理すること
は製造上困難である。さらに管路内壁が有する曲率のた
め超音波エネルギーが管内に長時間滞留しバースト周期
の中では十分に減衰しない場合が生じる。この点につい
て、図19、図20を用いて更に詳細に説明する。
【0060】図19はバースト波の送出の様子を説明す
る説明図であり、図19(a)は測定管路10の長手方
向の断面を、図19(b)は測定管路10の管路断面を
図19(a)に対して拡大した管路断面を、それぞれ示
している。図20は図19に示す構成の場合のバースト
波SB、サンプリング信号S2、受信波である振幅変調信
号SAの関係を示したものである。
【0061】測定管路10の厚さWは、最大の振幅変化
が得られるように図18で説明した肉厚Wmになるよう
に選定する。しかし、この測定管路10はコストの関係
で一般に鋳物で作られるので寸法の精度が悪く、特に中
心のズレが大きく、加工の途中に検査工程を入れても、
口径が大きくなると1mm以内の精度でWを確保するこ
とは容易ではない。
【0062】また、超音波送波器12から送出されたバ
ースト波は渦により変調されて振幅変調波として超音波
受波器13で受信されるが、超音波送波器12からのバ
ースト波の送出に際しては図19(b)に示すように測
定管路10の曲率により放射される超音波エネルギーが
測定管路の中央に集まり、管内壁での反射が発生して、
減衰するまでの時間が長くなる。
【0063】このため、曲率が小さくかつバースト波S
B(図20(a))のバースト周期が短いことが要求さ
れる小口径では、次発の渦信号X2に大きなノイズN
r(図20(c))が重畳される。これを避けるために
は、バースト周期の間隔を長くする必要があるが、長く
すると渦周波数が高くなる高流速での復調波形のS/N
が劣化するという問題が生じる。
【0064】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の課題を
解決するための主要な構成として、流体振動を起こして
いる測定流体に超音波を放射しこの流体振動により先の
超音波が変調された信号を受信して先の測定流体の流量
を計測する超音波式流体振動流量計において、先の超音
波の送出及び受信をする一対の超音波送波器又は超音波
受波器が搭載され先の超音波の受信振幅の最大値の変化
率がほぼ最大となる厚さを有しかつ接液面の形状を円錐
形として先の測定管路に固定される一対のアダプタと、
発振周波数を含むバースト波で先の超音波送波器を間欠
的に駆動する駆動手段と、先のバースト波の送出のタイ
ミングを制御する基準信号を送出する基準タイミング手
段と、この基準信号に同期し先の測定管路の径と先の測
定流体の音速との関数でサンプリング時点が変化するサ
ンプリング信号を発生するサンプリング信号発生手段
と、先の超音波受波器で先の流体振動による変調に起因
する振幅変調された振幅変調信号を先のサンプリング信
号によりサンプリングするサンプリング手段と、このサ
ンプリング手段によりサンプリングされた先の振幅変調
信号の包絡線を求めるフイルタ手段とを具備し、この包
絡線から先の流体振動の振動周波数を検出するようにし
たものである。
【0065】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図を用いて説明する。図1は本発明の要部の1実施形
態の構成を示すブロック図である。なお、図1に示す超
音波送波器と超音波受波器の近傍の構成を除く構成につ
いては、図9に示す構成と同一であり、その動作につい
ても図1に示す構成に基づく動作を除き同様な動作をす
るので、適宜にその説明を省略する。
【0066】図1(a)は測定管路の長手方向の断面
を、図19(b)は測定管路の管路断面を図1(a)に
対して拡大した管路断面を、それぞれ示している。測定
管路10に対応する測定管路30には、渦発生体11が
測定管路30を横断するように固定されている。
【0067】さらに、超音波送波器12に対応する超音
波送波器31がアダプタ32に搭載されて測定管路30
の管璧に固定されている。同様に、超音波受波器13に
対応する超音波送波器33がアダプタ34に搭載されて
測定管路30の管璧に固定されている。
【0068】アダプタ32(34)は、円柱部32A
(34A)と円錐部32B(34B)とからなり、円柱
部32A(34A)の一端は平面で他端は角度θを持つ
円錐部32B(34B)に連続して形成されている。
【0069】そして、この円錐部32B(34B)が測
定流体に接液し、円柱部32A(34A)の一端には超
音波送波器31(33)がそれぞれ搭載され、この円柱
部32A(34A)が測定管路30に開けられた開口に
挿入固定されている。
【0070】アダプタ32(34)の円柱部32A(3
4A)の一端と円錐部32B(34B)の頂点の長さ
は、図19(b)に示す厚さWと同一の厚さWになるよ
うに予め正確に設定され、超音波の受信振幅の最大値の
変化率がほぼ最大となるようになっている。アダプタ3
2(34)は機械加工により製作することができるの
で、寸法、精度の確保は容易である。
【0071】図2は図19に示す構成の場合のバースト
波SB、サンプリング信号S2、受信波である振幅変調信
号SA´の関係を示したものであるが、図20に示す従
来の振幅変調信号SAと比較すると、渦信号X1と次発の
渦信号X2との間に図20(c)では生じていたノイズ
rが消滅していることがわかる。
【0072】これは、アダプタ32(34)の放射面が
円錐形状を有していることから、図1(b)に示すよう
にアダプタから放射した超音波エネルギーが管中心から
発散して放射され短時間のうちに減衰するためである。
【0073】以上のようにして、アダプタ32(34)
は、常に、超音波の受信振幅の最大値の変化率がほぼ最
大となる厚さを維持することができ、しかも放射した超
音波を短時間のうちに減衰させることができる。
【0074】図3はアダプタの他の実施形態を示した部
分断面図である。この場合は、測定管路30への取り付
け構造をネジ締結形としたものである。測定管路30の
アダプタ35の取付部にはネジが切られており、これに
対応するアダプタ35の側面にネジ部35Nが設けら
れ、これを介してアダプタ35を測定管路30に固定す
る。
【0075】図4はアダプタの更に他の実施形態を示し
た部分断面図である。この場合は、測定管路30への取
り付け構造を溶接構造としたものである。アダプタ36
の測定管路30への固定部分において溶接36Wにより
固定している。
【0076】なお、図3、図4のいずれの場合にも、ア
ダプタ35、36の軸方向の寸法は図1(b)に示す場
合と同様に超音波の受信振幅の最大値の変化率がほぼ最
大となるように寸法Wが設定されている。
【0077】さらに、アダプタ32、34、35、36
は、それぞれ測定管路30に固定されており、その背後
に超音波送波器或いは超音波受波器を固定する構造であ
るので、これらの超音波送波器、超音波受波器はともに
オンラインでの交換が確保されている。
【0078】
【発明の効果】以上、実施の形態と共に具体的に説明し
たように本発明によれば、アダプタを用いる構成によ
り、超音波の受信振幅の最大値の変化率がほぼ最大とな
る厚さを口径に依存することなく常に設定できるので、
安定な渦検出感度を確保することができる。
【0079】さらに、本発明によれば、アダプタの接液
面の形状を円錐形とする構成にしたので、放射した超音
波を短時間のうちに減衰させることができ、特に渦周波
数が高くなる高流速での復調波形のS/Nを向上させる
上で効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の要部の1実施形態の構成を示す
ブロック図である。
【図2】図1に示す実施形態の動作を説明する波形図で
ある。
【図3】図1に示す実施形態の他の実施形態の構成を示
す部分断面図である。
【図4】図1に示す実施形態の更に他の実施形態の構成
を示す部分断面図である。
【図5】従来の渦流量計の検出部の構成を示す構成図で
ある。
【図6】図5に示す渦流量計の動作を説明する波形図で
ある。
【図7】図5に示す渦流量計の検出部を含む全体の構成
を示す構成図である。
【図8】図5に示す渦流量計の問題点を説明する説明図
である。
【図9】図8で説明する問題点を解決した従来の渦流量
計の構成図である。
【図10】図9に示す渦流量計の動作を説明する波形図
である。
【図11】図9に示す渦流量計の動作を説明する他の波
形図である。
【図12】図9に示す超音波送波器及び超音波受波器の
等価回路図である。
【図13】図9に示す超音波送波器及び超音波受波器の
インピーダンス特性を示す特性図である。
【図14】図9に示す渦流量計の構成の一部を改良した
部分縦断面図である。
【図15】図14に示す超音波受波器の内部の具体的な
構成を示す縦断面図である。
【図16】圧電振動子の固定にともなうインピーダンス
特性の変化を説明する特性図である。
【図17】図9に示す渦流量計の問題点を説明する説明
図である。
【図18】図17のバースト波における受信振幅の最大
値と測定管路の肉厚との関係を示す説明図である。
【図19】バースト波の送出の様子を説明する説明図で
ある。
【図20】図19に示す構成の場合の動作を説明する波
形図である。
【符号の説明】
1、11 渦発生体 2 渦 3、10、30 測定管路 4 超音波信号発信器 5 超音波信号受信器 12、31 超音波送波器 13、34 超音波受波器 14 発振器 15 スイッチ 16 ダンピング回路 17 基準タイミング回路 18 サンプリング信号発生回路 20 サンプリング回路 22 ピーク検出/半波整流回路 25 シュミットトリガ 32、34、35、36 アダプタ
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01F 1/20 G01F 1/32

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流体振動を起こしている測定流体に超音波
    を放射しこの流体振動により前記超音波が変調された信
    号を受信して前記測定流体の流量を計測する超音波式流
    体振動流量計において、 前記超音波の送出及び受信をする一対の超音波送波器又
    は超音波受波器が搭載され前記超音波の受信振幅の最大
    値の変化率がほぼ最大となる厚さを有しかつ接液面の形
    状を円錐形として前記測定管路に固定される一対のアダ
    プタと、発振周波数を含むバースト波で前記超音波送波
    器を間欠的に駆動する駆動手段と、前記バースト波の送
    出のタイミングを制御する基準信号を送出する基準タイ
    ミング手段と、この基準信号に同期し前記測定管路の径
    と前記測定流体の音速との関数でサンプリング時点が変
    化するサンプリング信号を発生するサンプリング信号発
    生手段と、前記超音波受波器で前記流体振動による変調
    に起因する振幅変調された振幅変調信号を前記サンプリ
    ング信号によりサンプリングするサンプリング手段と、
    このサンプリング手段によりサンプリングされた前記振
    幅変調信号の包絡線を求めるフイルタ手段とを具備し、
    この包絡線から前記流体振動の振動周波数を検出するこ
    とを特徴とする超音波式流体振動流量計。
  2. 【請求項2】前記アダプタは前記測定管路に溶接により
    一体として固定されたことを特徴とする請求項1記載の
    超音波式流体振動流量計。
  3. 【請求項3】前記アダプタは前記測定管路にネジ構造で
    一体として固定されたことを特徴とする請求項1記載の
    超音波式流体振動流量計。
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