JP3076554U - ベッド昇降装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】在来の固定式のベッドに昇降機能を追加する。 【解決手段】ベッド支持材（２）の両端に上端を回動自
在に枢支し下端をベッドの斜め下方かつ内側に伸ばした
上リンク（４）４個を設け、床部材（３）に下端を回動
自在に枢支し斜め上方内側に伸ばした上端を上リンクの
下端に回動自在に枢支する同じ下リンク（５）２個を設
け、床部材に下端を回動自在に枢支し斜め上方かつ内側
に伸ばした中間部を上リンクの下端に回動自在に枢支し
更に伸ばした上端がベッド支持材と常に接触し且つ滑動
自在なるようにした下リンクをベッド前後に１個づつ設
け、ベッドの前後で左右に対向する下リンクと上リンク
同士を連結固定する左右水平な連結片をベッドの前後に
設け、ベッドの前後の連結片に平鋼状の駆動小片の一端
を鉛直かつ対称に固着し、駆動小片の他端に回動自在に
枢支した動力接続片を前後に設け、これら動力接続片の
間に動力アクチュエーター（１４）を挟んで互いに連結
する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は病人用ベッドに拘わるものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の病人用のベッドは、患者自身の治療と日常生活に役立つ事を目的として 考案され、各種の姿勢変換及び昇降機能を備えたものが市場にでているが、これ らは構造が複雑で高価格であり、一般に普及しているのは、ギャッチベッド等と 称する手動で病人の姿勢変換はするが多くは昇降機能を欠いている。病人は概し てベッドが低い方が望ましいが、介護作業にはベッドが高い方が良いので、介護 者の事も考えて、楽に合理的に介護できる事が望ましい。然も老人の要介護者が 急増しているから、介護作業を容易にし職業病とも言はれる腰痛などの障害を防 ぐことは緊急課題であり、其れには動力で容易に昇降できるベッドを大量に安価 に提供する必要がある。所が在来の固定式ベッドに昇降装置を取り付けようとし ても、適当なものがなく、実現出来ない。

【０００３】 従来のベッドは、ベッド本体に一体化して昇降装置が組み込まれ、他の複数の リンクとモーターの組合わせで多機能ベッドとして構成され、低価格化はあまり 期待出来ない。

【０００４】 図３は従来のベッド昇降装置を示し、上リンク１５ａ、下リンク１５ｂ、前リ ンク１５ｃ、後リンク１５ｄの４リンクが各枢支軸で枢支されて平行４辺形をつ くりベッド本体は上リンクの上に載せられ、前リンクと後リンクの中間部間に介 挿した動力アクチュエーター１５ｅを伸縮させて、前後リンクが回転して上リン クが昇降するものである。

【０００５】 また図４は、実用新案登録第３０６７８６７号公報の昇降装置を示し、この従 来例ではベッド１６ａ載せるベッド支持材１６ｂと上リンク１６ｃとを、床面に 置く床部材１６ｄと下リンク１６ｅとを夫れ夫れ中間部で、回動自在に枢支して Ｘ形とし、其の先端部がしゅう動装置１６ｆ、１６ｆを介して夫れ夫れ床部材１ ６ｄとベッド支持材１６ｂと接触しながらスライドする。Ｘ形のリンクのいずれ か例えば下リンク１６ｃと床部材１６ｄの間に介挿した動力アクチュエーター１ ６ｇを伸縮させてベッドを昇降させる。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】

従来の昇降装置は図３に示す如く、昇降に応じてベッドが前後に移動する欠点 があり、また、単一リンクの回転により上昇距離を得るにはリンクの長さを大き くするか回転角度を大にする必要があり好もしくなかった。

【０００７】 また、図４に示す従来の昇降装置では、床部材１６ｄと上リンク１６ｃとが、 またベッド支持材１６ｂと下リンク１６ｃとが摺動装置１６ｆ等を介して接触し ながら前後動する複雑構造のでものであり、又、ベッドの上昇と共にベッドを支 持する上リンク１６ｃの上端と下のリンク１６ｅの上端間の距離及び上リンク１ ６ｃの下端と下リンク１６ｃの下端間の距離が小さくなりベッドの安定性を損ね るという欠点があった。また、単一リンクの回転により上昇距離を得るにはリン クの長さを大きくするか回転角度を大にする必要があり好もしくなかった。

【０００８】 更にまた、これら従来の昇降装置は、昇降機能を含んだ様々な多機能ベッドと して開発されたもので、多機能ベッドに初めから組み込んであるものであり、従 って従来の昇降機能のないベッドに応用して取り付けるのは、目的外であり、在 来の昇降装置のない旧型のベッドに適用するのは困難である。

【０００９】 本考案は上記のような欠点を除くようにしたものである。

【００１０】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、本考案のベッド昇降装置は、ベッドの前後脚の間 において、ベッド下面の左右両端に固定した一対のベッド支持材と、前記ベッド 支持材の両端に上端を回動自在に枢支し下端を上記ベッドの斜め下方内側に伸ば した４個の上リンクと、ベッド床面に設けた床部材に下端を回動自在に枢支し上 端を斜め上方内側に伸ばして上記上リンクの下端に回動自在に枢支するようにし 上記上リンクと同じ２個の下リンクと、上記床部材に下端を回動自在に枢支し上 端を斜め上方内側に伸ばし中間部を上記上リンクの下端に回動自在に枢支して更 に上端が上記ベッド支持材と常に接触し且つ滑動自在なるようにし上記上リンク の約２倍長の２個の下リンクと、上記ベッドの前後で左右に対向する下リンクと 上リンク同士を固着するようにベッドの前後に設けた左右水平な連結片と、ベッ ドの前後の上記連結片の間に動力アクチュエターを挟み夫夫を互いに連結し、前 記動力アクチュエーターを伸縮させて上記連結片の間隔を変化させ、上記各リン クが起伏しベッドを昇降させる事を特徴とする。

【考案の実施の形態】

以下図面によって本考案の実施例を説明する。

【００１１】 本考案のベッド昇降装置は図１及び図２に示すように、ベッド１の下面の左右 両端に夫れ夫れ前後方向に延びる上記ベッドの長さに近い長さの平鋼状で前後対 称形をなすベッド支持材２を左右対称に１組を固定し、上記ベッド支持材２の鉛 直真下にベッド支持材２と同じ床部材３、３を左右対称に１組を配置し、また前 記ベッド支持材２と床部材３、３の前端と後端には夫れ夫れ同じ下向接続部６、 ６と上向接続部７、７を設ける。

【００１２】 ベッドの前後左右の４カ所で、平鋼状の上リンク４、４の上端を前記下向接続 部６、６に前後鉛直面内で回動自在に枢支し下端はベッドの下方斜め内側に延ば し、前記上リンク４、４の約２倍長さの平鋼状の下リンク５、５の下端を前記上 向接続部７、７に回動自在に枢支し上端を床面の上方斜め内側に延ばし中間部で 上リンク４、４の下端と回動自在に枢支し、更に延ばした其の先端部に回動自在 に枢支したローラー８、８が常にベッド支持材２の下面に接触するようにする。

【００１３】 また、前記ベッドの前後位置で、左右に対向する下リンク５、５の上部と基部 をパイプ状の水平かつ平行な上連結片９、９と下連結片１０、１０で横方向に連 結固定することにより、前記下リンクと上連結材と下連結材でＩＩの字形を前後 １個づつ構成する。

【００１４】 また、平鋼状の駆動小片１１、１１の一端を、前記上連結片９、９の中央部に 鉛直方向に対称に固着し他端を前後の動力接続片１２、１２の鉛直面の一端にピ ン１３、１３により回動自在に枢支し、前後の上記動力接続片１２、１２の他端 の間に夫れ夫れ動力アクチュエーター１４を介装する。

【００１５】 上記動力アクチュエーターとしては、電動シリンダー、空気圧シリンダー、油 圧シリンダー、電動機駆動のネジ軸の単体または組み合わせ等が使用可能であり 、例えば空気圧シリンダーのピストンロッドの先端を前方の動力接続片にシリン ダー本体の後端を後方の動力接続片に夫れ夫れ嵌合固定する。

【００１６】 本考案のベッド昇降装置は上記のような構成であるから、上記動力アクチュエ ーターを伸縮させれば、下リンクと上リンクは連動して起伏してベッドを昇降さ せる。

【００１７】 また、前記駆動小片と上連結片を固着する位置を中央から左右にずらして、ベ ッドに対する動力アクチュエーターの左右位置を変えても良い。

【００１８】 また、前記下リンクと上連結片との固着位置を上下にずらして、ベッドに対す る動力アクチュエーターの高低位置を変へても良い。

【００１９】 また、前記駆動小片と動力接続片の形と大きさと長さを夫れ夫れ変えて、ベッ ド対する動力アクチュエーターの前後位置を変へても良い。

【００２０】 また、本実施例では対向する下リンクを上連結片と下連結片で連結してＩＩの 字形を作ったが、これを上リンクで実施しても良い。

【００２１】 また、本実施例では駆動小片を前後の上連結片に固着したが、下連結片同士に 固着しても良く、また上連結片と下連結片の間に固着しても良く、そうしてベッ ドに対する動力アクチュエーターの前後の傾斜角度を変更しても良い。

【００２２】 また、駆動小片の一端を上連結片または下連結片に回動自在に枢支し前記駆動 小片の他端を動力接続片に固定してもよい。

【００２３】 また、上連結片と下連結片を上リンクと下リンクの枢支軸の位置に設け、前記 連結片で上リンクと下リンクの枢支軸としてもよい。

【００２４】 また、ベッドの最大上昇時には動力アクチュエーターを最大に伸ばし上リンク と下リンクが共に鉛直になるが、必要に応じて前記リンクが鉛直になる前のｙ字 形の状態で最大上昇になるよう限定しても良い。

【００２５】 また、ベッドの最大下降時にベッド固有の支持脚が床に着いてから更に動力ア クチュエーターを短縮させ床部材が床から離れるようにしても良い。

【００２６】 また、先端にローラを枢支した下リンクは、ベッドの前後にそれぞれ１個づつ あればよいので、其の場合ローラーを設けない下リンクについては上リンクと同 じ長さまで短くしてもよい。

【００２７】 本実施例とは逆に、下リンクを短く上リンク長くし先端のローラーが、ベッ ド前後方向に設けた床部材に常に接触するように構成してもよい。

【００２８】 また、下リンク先端に枢支したローラーの上端と接触するベッド支持材の下面 を⊂字形にして前記ローラーを挟み前記ローラーの上下端を拘束する如くすれば 、この下リンクだけで、前後１組の下リンクの一方を省く事ができるし、またロ ーラーを廃して前記ベッド支持材の下面の前記⊂の字形の中空部に挟まれる摺動 部材を下リンクの先端に設けても同じ効果がある。

【００２９】 また、床部材をベッド支持材と同じとしたが、前記上向接続部と上向接続部の 位置が同じなら異なっても良く、また前記床部材をベッド左右位置で前後縦方向 に設けたが、これをベッドの前後位置で左右横方向に併置して此れを縦方向の繋 ぎ部材で連結固定しても良く、更にまた前記床部材は床面上でＸ形に交差して互 いに固定して設けてもよい。

【００３０】 また、ベッド支持材と床支持材と上リンクと下リンクと駆動小片は平鋼状とし 更に同じ上連結片と下連結片をパイプ状としたが、経済性と強度の許す範囲で様 々な材質、形状を用いてもよいし、上連結片と下連結片が異なってもよく、また 連結片を１個にして上リンクと下リンクでＩの字形を構成してもよい。

【００３１】 また、互いに接して枢支する部位に、摩擦を減らす材料を使用したり、座金等 を適宜使用する事は勿論である。

【考案の効果】

本考案は上述の通り構成されているので、次に記載する効果がある。

【００３２】 リンクの支持点がベッドの前後左右に広く大きくできて、在来の前後支持足の ベッドと同等の安定性を保つことが出来る。

【００３３】 前後左右に対称に配置したリンク組み合わせによる昇降運動であるからベッド 本体は鉛直に昇降して前後左右には不動であり余分な場所をとらない。

【００３４】 常に４本のリンク組み合わせでベッドを支えるので使用者に安定感を与え、ベ ッド作業もやり易い。

【００３５】 ベッドの最大下降時に床部材が床から少し浮き上がるように設定すると、例え ば上記ベッドにキャスターのような移動器具が設けられていれば、容易にベッド を移動できる。

【００３６】 また、上リンクと下リンクの２つのリンクの組み合わせを用いたので、従来の 単リンク機構に比べて無理なく適当な昇降距離を得ることができる。

【００３７】 単純なリンクの組み合わせ構成で部品の種類が少なく、製作は容易である。

【００３８】 本装置はリンクなどの部品はベッド下の左右両端また前後両端に装置され、中 央部にある動力アクチュエーターも、其の傾斜を変えたり、また前後、左右、高 低と自由に位置変更できるので、在来のベッドの下面に機構部品を備えたベッド にでも取り付け可能となるので、在来ベッドの保有機能を損じないで、新に昇降 機能を付加できる大きな利点がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】ベッドの昇降装置の側視立面図である。

【図２】ベッドの昇降装置の平面図である。

【図３】従来のベッド昇降装置の側面図である。

【図４】従来のベッド昇降装置の他の実施例の側面図で
ある。

【図５】図１に示すベッド昇降装置の最大上昇時の正面
図である。

【符号の説明】

１ ベッド ２ ベッド支持材 ３ 床部材 ４ 上リンク ５ 下リンク ６ 下向接続部 ７ 上向接続部 ８ ローラー ９ 上連結片 １０ 下連結片 １１ 駆動小片 １２ 動力接続片 １３ ピン １４ 動力アクチュエーター １５ 床 １５ａ 上リンク １５ｂ 下リンク １５ｃ 前リンク １５ｄ 後リンク １５ｅ 動力アクチュエーター １６ａ ベッド １６ｂ ベッド支持材 １６ｃ 上リンク １６ｄ 床部材 １６ｅ 下リンク １６ｆ 摺動装置 １６ｇ 動力アクチュエーター

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ベッド（１）の前後脚の間において、ベ
   ッド下面の左右両端に固定した一対のベッド支持材
   （２、２）と、前記ベッド支持材の両端に上端を回動自
   在に枢支し下端を上記ベッドの斜め下方内側に伸ばした
   ４個の上リンク（４、４）と、ベッド床面に設けた床部
   材（３、３）に下端を回動自在に枢支し上端を斜め上方
   内側に伸ばして上記上リンクの下端に回動自在に枢支す
   るようにし上記上リンクと同じ２個の下リンクと、上記
   床部材に下端を回動自在に枢支し上端を斜め上方内側に
   伸ばし中間部を上記上リンクの下端に回動自在に枢支し
   て更に上端が上記ベッド支持材と常に接触し且つ滑動自
   在なるようにし上記上リンクの約２倍長の２個の下リン
   ク（５、５）と、上記ベッドの前後で左右に対向する下
   リンクと上リンク同士を固着するようにベッドの前後に
   設けた左右水平な連結片（９、９、１０、１０）と、ベ
   ッドの前後の上記連結片の間に動力アクチュエター（１
   ４）を挟み夫夫を互いに連結し、前記動力アクチュエー
   ターを伸縮させて上記連結片の間隔を変化させ、上記各
   リンクが起伏しベッドを昇降させる事を特徴とするベッ
   ド昇降装置。