JP3075759U - 扉用締付けロック装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業者一人のワンタッチ操作によって扉をボ
ックス本体に引き寄せ、全周にわたってパッキングを的
確に締付けることができる扉用締付けロック装置を提供
する。 【解決手段】 扉の左右の垂直辺と上下の水平辺に沿っ
て配置した垂直ロッドと水平ロッドを変向伝動ユニット
を介して連鎖状に接続し、垂直ロッドと水平ロッドにフ
ック金具を装着し、扉に装着した引出し回転型ロックハ
ンドル機構の回転軸にピニオンを固着し、一方の垂直ロ
ッドにピニオンと噛み合うラック部を設け、引き出した
ハンドルの回転によってフック金具を移動させて、ボッ
クス本体の開口部のフランジの受金に係合させ、扉をボ
ックス本体に引き付け、パッキングを圧縮する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案が属する技術分野】 本考案は電気機器や通信機器などを収容設置す るボックスなどに使用される扉用締付けロック装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】 ボックス本体の内部空間を外部空間から密閉度高く遮断し するために扉とボックス本体の開口部のフランジ間にパッキングを配置すること は従来から行なわれているが、パッキングを全周にわたって過不足なく均等に圧 縮変形させることは実際には容易ではない。

【０００３】 締付け金具をパッキングに沿って複数個用意することも提案されているが、そ の場合には複数個の締付け金具は同時に締付けを実行されなければならない。一 部の締付け金具が先に操作されると、未操作の締付け金具の箇所にあるパッキン グが既操作箇所の圧縮変形の逃げとして膨らんでしまうため、扉がボックス本体 から斜めに浮き出てしまい、締付け金具の掛金がボックス本体側の受金に係合不 可能な程度に離れてしまうからである。

【０００４】 複数個の締付け金具を複数の作業者によって同時に操作すれば、上記の問題は 解決されるが、実際上は複数の作業者が息を合わせて同時に操作することは非常 に困難である。多少の操作遅れであっても、パッキングの局部的な膨らみ減少は 確実に発生する。また、扉の閉鎖の都度複数の作業者を用意することも問題であ る。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】 したがって本考案の目的は、作業者一人 のワンタッチ操作によって扉をボックス本体に平行に引き寄せ、全周にわたって パッキングを的確に締付けることができる扉用締付けロック装置を提供すること である。

【０００６】

【課題を解決するための手段】 以下、添付図面中の参照符号を用いて説明 すると、本考案の扉用締付けロック装置は、扉３の左右の垂直辺と上下の水平辺 に沿って配置した垂直ロッド１０，１５と水平ロッド１３，１３を、扉３のコー ナー部に装着した変向伝動ユニット１１の入力棒１１と出力棒１２を介して連鎖 状に接続し、各垂直ロッド１０，１５と水平ロッド１３，１３に引寄せ用カム斜 面１６ａのあるフック金具１６を固着し、扉３に固着した引出し回転型ロックハ ンドル機構７の回転軸２６にピニオン８を固着し、一方の垂直ロッド１０にピニ オン８と噛み合うラック部９を設け、ヒンジ２によって扉３をボックス本体１に 装着し、引き出したハンドル２５の回転操作によってフック金具１６を移動させ て、ボックス本体１の開口部４のフランジ５に固着した受金１７に係合させ、扉 ３をボックス本体１側に引き付けて、パッキング６を圧縮するようにしたもので ある。

【０００７】 そして、本発明は前記ヒンジ２を、扉３の垂直辺部に固着される第一ヒンジ部 材３１と、ボックス本体１の前後方向に配置してフランジ５に固着された固定ガ イド２９と、固定ガイド２９に沿って移動可能にして固定ガイド２９に嵌められ た第二ヒンジ部材３２と、第一ヒンジ部材３１と第二ヒンジ部材３２を互いに連 結する枢軸３０と、第二ヒンジ部材３２をボックス本体１の前方に突き出し付勢 する圧縮コイルバネ２４とによって構成する。

【０００８】 この扉用締付けロック装置では、ボックス本体１の開口部４を塞ぐために扉３ を閉鎖回転した直後の状態では、図３に示したように垂直１０，１５と水平ロッ ド１３，１３の各フック金具１６はいずれも受金１７と係合しておらず、受金１ ７のローラ１８はフック金具１６のカム斜面１６ａに近接して対面した位置にあ る。

【０００９】 引出し回転形ロックハンドル機構７のハンドル２５を横断軸２７を中心に図８ に示したように引き起こして回転させると、ハンドル２５に連動した回転軸２６ の回転運動は、ピニオン８とラック部９の働きによって垂直ロッド１０の上下方 向の直線運動に変換される。この垂直ロッド１０の直線運動は、変向伝動ユニッ ト１１を介して垂直ロッド１５と水平ロッド１３，１３に伝えられ、各垂直ロッ ドと水平ロッドのフック金具１６は受金１７に向かって移動する。

【００１０】 受金１７のローラ１８は、フック金具１６のカム斜面１６ａに誘導されてフッ ク金具１６の凹部に深く係合し、扉３はカム斜面１６ａのカムリフト分だけボッ クス本体１の側に引き付けられ、開口部４のフランジ５と扉３との間にパッキン グ６を全周にわたって圧縮する。フック金具１６と受金１７の係合が同時になさ れるようにフック金具１６と受金１７の取付け位置が調整されている。これによ って、ボックス本体１の内部空間は外部空間から遮断され、内部に設置した電気 機器や通信機器などにとって気密性と水密性に優れた環境が確保される。

【００１１】 本考案の扉用締付けロック装置では、ハンドル２５の回転操作によってフック 金具１６と受金１７を前記のように引寄せ係合させたとき、ヒンジ２の枢軸３０ の位置はボックス本体１側に移動し、扉３がボックス本体１に対して平行状態で 接近することになり、ヒンジ２側の扉３の垂直辺部が浮き上がってパッキング６ の圧縮量が不足することがない。

【００１２】

【発明の実施の形態】 図示の実施例では、 左右の垂直ロッド１０，１５ と上下の水平ロッド１３，１３は扉３の内面側に配置され、引出し回転形ロック ハンドル機構７は扉３の正面側に埋め込み固着されている。ハンドル２５は横断 枢軸２７によって回転軸２６の前端部に連結され、ピニオン８は回転軸２６の後 端部に固着されている。垂直ロッド１０のラック部９はピニオン８の歯のピッチ に合わせて開口した横長のスロットの連続によって構成されている。

【００１３】 変向伝動ユニット１１は、Ｌ字状のガイド溝１９を有する固定ホルダー２０と 、ガイド溝１９の直線部２１，２１内に移動自在に挿入された入力棒１２および 出力棒１４と、該入力棒１２と出力棒１４間を連絡する金属製鎖やベルトなどの 堅牢な伝動部材２２，２３とで構成されており、固定ホルダー２０は扉３のコー ナー部内面に固着されている。

【００１４】 垂直ロッド１０，１５と水平ロッド１３，１３と入力棒１２と出力棒１４およ び伝動部材２２，２３は弛みのないように緊張して一連に接続されている。水平 ロッド１３に比べて長い垂直ロッド１０，１５は、扉３の内面に固着されたガイ ド金具３３に挿通され、前後左右にぶれないように動きを規制されている。

【００１５】 ボックス本体１の前面壁１ａの開口部４を取り巻くフランジ５は、前面壁１ａ より凹陥して形成されている。扉３はボックス本体１の前面凹陥部の内郭線と略 同形同大の主縁壁３ａと、主縁壁３ａの各辺部に連続して折り曲げられた周縁壁 ３ｂとによって内面側が開口する平箱状に形成されている。扉３はボックス本体 １の右縁面に沿って配置した上下３個のヒンジ２で支持されている。フランジ５ の端部にはゴム製のパッキング６を貼り付け固定してある。パッキング６は扉３ の側に設けることもできる。ボックス本体１と扉３はそれぞれ鋼板で作製されて いる。

【００１６】 ヒンジ２はボックス本体１の前後方向に移動可能に構成され、引寄せ操作前の 状態では、圧縮コイルバネ２４の作用によって前方に一部突き出されている。ハ ンドル２５の回転操作によってフック金具１６と受金１７を前記のように引寄せ 係合させたとき、ヒンジ２の枢軸３０の位置はボックス本体１側に移動し、扉３ がボックス本体１に対して平行に引寄せられるようになっている。 なお、フック金具１６、受金１７、引出し回転型ロックハンドル機構７などの 形状構造は図示のものに限定されず、多様に変更することができる。

【００１７】

【考案の効果】 以上のように本考案では、扉３の左右の垂直辺と上下の水 平辺に沿って配置した複数個のフック金具１６を、ボックス本体１の開口部４の フランジ５に設けた複数個の受金１７に引寄せ係合させるので、フランジ５と扉 ３間に位置するパッキング６を全周にわたってほぼ均等に圧縮変形させることが でき、ボックス本体１の内部空間を気密性と水密性に優れた空間とすることがで きる。

【００１８】 フック金具１６は変向伝動ユニット１１を介して連鎖状に接続した垂直ロッド １０，１５と水平ロッド１３，１３に固着してあり、引き出し回転型ロックハン ドル機構７の回転軸２６を回すことによって、ピニオン８とラック部９を介して これら垂直ロッドと水平ロッドが同時に駆動されるため、複数個のフック金具１ ６と受金１７の係脱は同時に成立することになり、扉３の施錠密閉と解除は作業 者一人のワンタッチ操作で簡単になされる。

【００１９】 ボックス本体１の開口部４のフランジ５に受金１７を配置し、扉３の内面周縁 部に垂直ロッド１０，１５と水平ロッド１３，１３と変向伝動ユニット１１とフ ック金具１６を配置したときには、パッキング６で囲まれるボックス本体の内部 空間の全てを機器類の配置空間として有効利用することができる。

【００２０】 特に本発明の扉用ロック装置では、前記ヒンジ２が、扉３の垂直辺部に固着さ れる第一ヒンジ部材３１と、ボックス本体１の前後方向に配置してフランジ５に 固着された固定ガイド２９と、固定ガイド２９に沿って移動可能にして固定ガイ ド２９に嵌められた第二ヒンジ部材３２と、第一ヒンジ部材３１と第二ヒンジ部 材３２を互いに連結する枢軸３０と、第二ヒンジ部材３２をボックス本体１の前 方に突き出し付勢する圧縮コイルバネ２４とによって構成されており、ハンドル ２５の回転操作によって扉３をボックス本体１側に引き付ける時、ヒンジ２の枢 軸３０がボックス本体１に向かって移動するため、扉３はヒンジ側の垂直辺部分 が浮き上がることなく、ボックス本体１に対して平行に引き付けられ、優れた密 閉状態を保つことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明の一実施例に係る扉用締付けロック装
置を適用したボックスの正面図である。

【図２】 図１のＡ−Ａ線断面図であり施錠状態を示し
ている。

【図３】 図１のＡ−Ａ線断面図であり解錠状態を示し
ている。

【図４】 図２のＢ−Ｂ線断面図である。

【図５】 図４の左上部の円Ｃで囲まれた部分の拡大断
面図である。

【図６】 前記扉用締付けロック装置の引出し回転型ロ
ックハンドル機構部分の正面図である。

【図７】 該引出し回転型ロックハンドル機構部分の左
側面図である。

【図８】 該引出し回転型ロックハンドル機構部分のハ
ンドル引き起こし状態の左側面図である。

【符号の説明】

１ ボックス本体 ２ ヒンジ ３ 扉 ４ 開口部 ５ フランジ ６ パッキング ７ 引き出し回転型ロックハンドル機構 ８ ピニオン ９ ラック部 １０ 垂直ロッド １１ 変向伝動ユニット １２ 入力棒 １３ 水平ロッド １４ 出力棒 １５ 垂直ロッド １６ フック金具 １７ 受金 １８ ローラ １９ ガイド溝 ２０ 固定ホルダー ２１ 直線溝 ２２ 伝動部材 ２３ 伝動部材 ２４ ヒンジ支持バネ ２５ ハンドル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 扉３の左右の垂直辺と上下
   の水平辺に沿って配置した垂直ロッド１０，１５と水平
   ロッド１３，１３を、扉３のコーナー部に装着した変向
   伝動ユニット１１の入力棒１１と出力棒１２を介して連
   鎖状に接続し、各垂直ロッド１０，１５と水平ロッド１
   ３，１３に引寄せ用カム斜面１６ａのあるフック金具１
   ６を固着し、扉３に固着した引出し回転型ロックハンド
   ル機構７の回転軸２６にピニオン８を固着し、一方の垂
   直ロッド１０にピニオン８と噛み合うラック部９を設
   け、ヒンジ２によって扉３をボックス本体１に装着し、
   引き出したハンドル２５の回転操作によってフック金具
   １６を移動させて、ボックス本体１の開口部４のフラン
   ジ５に固着した受金１７に係合させ、扉３をボックス本
   体１側に引き付けて、パッキング６を圧縮するようにし
   た扉用締付けロック装置において、前記ヒンジ２を、扉
   ３の垂直辺部に固着される第一ヒンジ部材３１と、ボッ
   クス本体１の前後方向に配置してフランジ５に固着され
   た固定ガイド２９と、固定ガイド２９に沿って移動可能
   にして固定ガイド２９に嵌められた第二ヒンジ部材３２
   と、第一ヒンジ部材３１と第二ヒンジ部材３２を互いに
   連結する枢軸３０と、第二ヒンジ部材３２をボックス本
   体１の前方に突き出し付勢する圧縮コイルバネ２４とに
   よって構成したことを特徴とする扉用締付けロック装
   置。