JP3075407U - 天井板 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のベニヤ板を台板とする天井板におい
て、品質の不安定なベニヤ板に代えて、台板に表面の平
滑性に優れ、厚みも均一で長尺な一枚板として提供され
るＭＤＦ（中質繊維板）を使用し、該ＭＤＦの短所であ
る腰の弱さを改善するとともに、水分吸収を遮断して品
質の安定した天井板を提供すること。 【解決手段】 左右外側には目地溝４を縦設した梯子状
の裏桟１と、裏桟１を裏面に貼着し表面に単板を貼着し
た台板と、裏桟１における両縦桟２の目地溝４から台板
側への外側に化粧単板を貼着した天井板において、台板
が前記のＭＤＦ５から成り、該ＭＤＦ５の両面及び両木
口面にそれぞれ水性ポリウレタン樹脂の塗膜層６、７を
形成する。このほか、ＭＤＦ５の両面に水性ビニールウ
レタン接着剤の下地塗膜層１２を形成し、下地塗膜層１
２の上面及び両木口面に水性ポリウレタン樹脂の塗膜層
１３を形成した天井板も提供される。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、一般住宅の和室用として使用される目透かし張り天井板に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来から提供されている目透かし張り天井板で台板にベニヤ板を使用したもの は、ベニヤ板原料である良質のラワン材の枯渇により近来品質が低下し、加えて 、品確法（品質確保の促進等に関する法律）の施行（平成１２年４月１日）によ り、品質の安定した天井板の製造が強く要望されている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は上記に鑑み、品質の不安定なベニヤ板に代えて、表面の平滑性に優れ 、厚みも均一で長尺な一枚板として提供されるＭＤＦ（Ｍｅｄｉｕｍ Ｄｅｎｓ ｉｔｙ Ｆｉｂｒｅ Ｂｏａｒｄ 中質繊維板）を、該ＭＤＦの短所である腰の 弱さと、水分吸収による膨脹係数の斑に起因する寸法精度の狂いを改善したもの を台板に使用した目透かし張り天井板を提供するものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

第１考案の天井板は、所要間隔に縦配列し、各外側に目地溝を横向きに縦設す る一対の縦桟と、両縦桟間をつなぐ複数本の横桟とから成る裏桟と、該裏桟を裏 面に貼着し単板を表面に貼着した台板と、両縦桟の目地溝から台板側への外側に 貼着する化粧単板とから成る天井板において、 台板がＭＤＦ（Ｍｅｄｉｕｍ Ｄｅｎｓｉｔｙ Ｆｉｂｒｅ Ｂｏａｒｄ 中 質繊維板）から成り、該ＭＤＦの両面及び両木口面に水性ポリウレタン樹脂の塗 膜層を形成して成る。 第２考案の天井板は、所要間隔に縦配列し、各外側に目地溝を横向きに縦設す る一対の縦桟と、両縦桟間をつなぐ複数本の横桟とから成る裏桟と、該裏桟を裏 面に貼着し単板を表面に貼着した台板と、両縦桟の目地溝から台板側への外側に 貼着する化粧単板とから成る天井板において、 台板がＭＤＦ（Ｍｅｄｉｕｍ Ｄｅｎｓｉｔｙ Ｆｉｂｒｅ Ｂｏａｒｄ 中 質繊維板）から成り、該ＭＤＦの両面に水性ビニールウレタン接着剤の下地塗膜 層を形成し、該下地塗膜層の上面及び両木口面に水性ポリウレタン樹脂の塗膜層 を形成して成る。

【０００５】

【考案の実施の形態】

台板の表面に貼着する単板は天然木質の薄葉単板から突き板を包含し、両縦桟 の外側に貼着する化粧単板は天然木質の薄葉単板や木目や柾目を印刷したテープ を含む。台板にＭＤＦの使用によりＭＤＦと裏桟との双方の含水率は５〜９％が 適正であることから、この際の裏桟は人工乾燥材の使用がよい。

【０００６】

【実施例】

本考案を実施例により説明すると、図１に示すように、幅寸法４４０ｍｍ、長 さ寸法３６００ｍｍの裏桟１は、幅方向に縦配列される一対の縦桟２と、両縦桟 ２、２間をつなぐ複数の横桟３とから成り、両縦桟２の外側面に横向きの目地溝 ４を全長に凹設している。裏桟１の輪郭寸法と同一寸法であって裏桟１が接着さ れる台板は、ＭＤＦ（Ｍｅｄｉｕｍ Ｄｅｎｓｉｔｙ Ｆｉｂｒｅ Ｂｏａｒｄ 中質繊維板）５を主体としてそのＭＤＦ５の両面には図２に示すように、水性 ポリウレタン樹脂の塗膜層６が形成され、両木口面にも図３に示すように、水性 ポリウレタン樹脂の塗膜層７が形成されて成っている。そのようにして成るＭＤ Ｆ５の表面側の塗膜層６の上面には天然木質の突き板８が貼着されて表面が目出 し仕上げされ、また、両縦桟２の目地溝４から突き板８側に向けての両外側には 柾目を印刷したテープ９が貼着されて成る。

【０００７】 このようにして成る目透かし張り天井板（以下、単に本天井板とする。）ａは 、目地溝４に挿入する継ぎ目板で接続されるが,台板がＭＤＦ５であるため、表 面の平滑性に優れ、厚みも均一で長尺の一枚板として安定した品質が保持される 。ＭＤＦ５はまた、木材繊維を接着剤と混合し方向性を生じないように分散して 熱圧、成板したものであるから、影桟（裏桟１の跡）が出現せず、加えてその両 面と両木口面に水性ポリウレタン樹脂の厚い塗膜層６、７を形成したから、長手 方向における腰の強さが改善されてその強度が増強され、手で持ち上げたときの ダオダオ感が解消する。さらに、繊維の膨張係数の斑が解消し、変色やシミ、パ ンクなどが防止される。またさらに、ＭＤＦ５が接合される裏桟１とＭＤＦ５と の双方の含水率は５〜９％が適正であることから、裏桟１とＭＤＦ５との含水率 の整合性を図ることによって、本天井板ａは捩れや歪みの生じないものとなる。 さらに、本天井板ａが倉庫に縦置きで在庫される場合に木口面からの湿気の吸収 を遮断することで、かびの発生や膨潤劣化が防止される。このほか、ＭＤＦの表 面が平滑であるため、作業中の手垢や汚れが付着しにくいものとなる。

【０００８】 次に、第２考案の本天井板ｂを説明すると、図４に示すように、裏桟１と、裏 桟１を裏面に貼着し表面に単板１１を貼着した台板１０とから成る目透かし張り 天井板において、台板１０がＭＤＦ５から成り、ＭＤＦ５の両面に水性ビニール ウレタン接着剤の下地塗膜層１２を形成し、下地塗膜層１２の上面及び両木口面 に水性ポリウレタン樹脂の塗膜層１３を形成して成る。 このようにして成る本天井板ｂは、本天井板ａに比して腰の強さの点でより優 れたものであるが、他は天井板ａとその特性が同一である。

【０００９】

【考案の効果】

本考案によれば、ＭＤＦの両面に水性ポリウレタン樹脂（或いは水性ビニール ウレタン接着剤と水性ポリウレタン樹脂の重ね塗り）の塗膜層を形成することに より、ＭＤＦ本来の長所である平滑性と寸法精度の安定性を保持し、欠点である 腰の弱さを改善し、通気性や吸湿性を遮断して影桟の出現を防止するとともに、 変色やシミ、パンクなどを解消し、さらには、縦置きで在庫する場合の木口面か らの湿気吸収を遮断し、かびの発生や膨潤劣化などを防止できる効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案天井板ａの斜視図。

【図２】本天井板ａの幅方向中間部を省略した拡大横断
面図。

【図３】本天井板ａの長手方向中間部を省略し、一部を
破断した拡大側面図。

【図４】本考案天井板ｂの幅方向中間部を省略し、一部
を破断した拡大平面図。

【符号の説明】

１ 裏桟 ２ 縦桟 ３ 横桟 ４ 目地溝 ５ ＭＤＦ ６ 塗膜層 ７ 塗膜層 ８ 突き板 ９ テープ １０ 台板 １１ 単板 １２ 下地塗膜層 １３ 塗膜層 ａ 目透かし張り天井板 ｂ 目透かし張り天井板

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 左右に縦配列され各外側に目地溝を設け
   た一対の縦桟と、両縦桟間をつないだ横桟とから成る裏
   桟と、該裏桟を裏面に貼着し表面に単板を貼着した台板
   と、両縦桟の目地溝から台板側への外側に化粧板を貼着
   して成る天井板において、 台板がＭＤＦから成り、該ＭＤＦの両面及び両木口面に
   水性ポリウレタン樹脂の塗膜層を形成して成る天井板。
2. 【請求項２】 左右に縦配列され各外側に目地溝を設け
   た一対の縦桟と、両縦桟間をつないだ横桟とから成る裏
   桟と、該裏桟を裏面に貼着し表面に単板を貼着した台板
   と、両縦桟の目地溝から台板側への外側に化粧板を貼着
   して成る天井板において、 台板がＭＤＦから成り、該ＭＤＦの両面に水性ビニール
   ウレタン接着剤の下地塗膜層を形成し、該下地塗膜層の
   上面及び両木口面に水性ポリウレタン樹脂の塗膜層を形
   成して成る天井板。