JP3074717U - 組立棚 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 組み立てる際に棚板に生じる叩きキズ等を隠
すことができ、また、外観上、パンチングメタルや金属
板で構成した棚板を用いたように見せることのできる組
立棚を提供する。 【解決手段】 外周面に適当な間隔をおいて複数の係合
溝が形成されたパイプ状の支柱（１）と、内面に前記支
柱の係合溝に係合可能な凸状部が形成され、外形が略円
錐状に形成された支持用スリーブ（３）と、該支持用ス
リーブに嵌合可能な筒状のソケット部（２）を少なくと
も４隅に有する１以上の棚板とから構成される組立棚で
あって、前記棚板は、前記ソケット部を有する支持部材
（Ｔ１）と、該支持部材の上面に載置されるプレート状
部材（Ｔ２）とから構成されるようにした。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、パイプ状の支柱の適当な位置に取り付けられる支持用スリーブに棚 板の筒状のソケット部を嵌合させることで所望の段数の棚を簡単に組み立てるこ とのできる組立棚に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、図８に示すように、４隅に設けられるパイプ状の支柱１の適当な位 置に略円錐形の外形を有する支持用スリーブ（図８では現れない）を介して棚板 Ｔの筒状のソケット部２，２…を嵌合させるようにして任意の枚数の棚板Ｔを取 り付けるようにした組立棚がある。棚板Ｔとしては、例えばスチールワイヤ等の 線材を方形の網状に組んで接点を溶接した所謂ワイヤシェルフなどが用いられる 。支持用スリーブは、図６に示すように分割可能であり、上細テーパー状の略円 錐形をなし、内面には支柱１の外周の係合溝に係合可能な凸状部を有し、それら を係合させることで支柱１に係止され、ソケット部２は支持用スリーブのテーパ ーによって支持固定されるようになっている。

【０００３】 この種の組立棚は、パイプ状の支柱１，支持用スリーブ，棚板Ｔ等の部材が組 み立てセット等として提供され、使用者が手作業で組み立てるようになっている 。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、上記のようなワイヤシェルフなどの棚板Ｔのソケット部２を、パイ プ状の支柱１の適当な位置に取り付けた支持用スリーブにしっかりと嵌合させる ために、図９に示すように木槌やプラスチックハンマーＨ等を用いてソケット部 ２の近傍の縁部を叩いて打ち込む作業が必要となる。そして、この打ち込み作業 において余り強く叩きすぎると棚板Ｔの縁部にへこみや歪みを生じたり、叩きキ ズがついてしまうという問題があり、美観上も好ましくなかった。

【０００５】 一方、使用者の好みによっては、棚板Ｔとしてワイヤシェルフに代えて、多孔 プレート（所謂パンチングメタル）や金属板で構成した棚板を用いたいという要 求がある。しかしながら、棚板がある程度長尺となった場合に、パンチングメタ ルや金属板で構成した棚板は曲げ方向の荷重に弱く湾曲し易いためワイヤシェル フよりも耐荷重性において劣るという短所があり、重量が嵩む物を棚板上の中央 部に置くと撓みを生じやすいという不都合があった。

【０００６】 本考案は、上記問題点を解決すべく案出されたものであり、組み立てる際に棚 板に生じる叩きキズ等を隠すことができ、また、耐荷重性に優れ、かつ外観上パ ンチングメタルや金属板で構成した棚板を用いたように見せることのできる組立 棚を提供することを主な目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

上記目的を達成するために、この考案に係る組立棚は、外周面に適当な間隔を おいて複数の係合溝が形成されたパイプ状の支柱（１）と、内面に前記支柱の係 合溝に係合可能な凸状部が形成され、外形が略円錐状に形成された支持用スリー ブ（３）と、該支持用スリーブに嵌合可能な筒状のソケット部（２）を少なくと も４隅に有する１以上の棚板とから構成される組立棚であって、前記棚板は、前 記ソケット部を有する支持部材（Ｔ１）と、該支持部材の上面に載置されるプレ ート状部材（Ｔ２）とから構成されるようにした。

【０００８】 これにより、支持部材のソケット部をパイプ状の支柱の適当な位置に取り付け た支持用スリーブに嵌合させるために、木槌等でソケット部の近傍の縁部を叩い た際に叩きキズ等が生じた場合であっても、この支持部材の上面を覆うプレート 状部材を取り付けるので、その叩きキズ等がプレート状部材の折曲部によって隠 されるので美観を損なうことが防止される。

【０００９】 また、複数の金属線材を網状に組んで接点を溶接してなるワイヤシェルフから なり、前記プレート状部材は、端部がコの字状に折り曲げ加工され、該各折曲部 が前記支持部材の辺部を覆うように形成することもできる。

【００１０】 これによれば、ワイヤシェルフを支持部材として十分な強度を確保することが でき、しかも板材を折り曲げ加工して形成したプレート状部材で支持部材の上面 および辺部を覆うことにより、恰も板材で形成した棚板を用いた棚ような外観を 呈することができ、複数種類のプレート状部材を用意しておくことで使用者の多 様な趣向に対応させることができる。

【００１１】 また、前記プレート状部材は、その四隅に、前記支持部材のソケット部との干 渉を避けるための切欠部を形成するとよい。これにより、支持部材上へのプレー ト状部材の載置が容易となり、且つ、切欠部がソケット部と係合することにより プレート状部材の位置決めがなされ、ガタつきを防止することができる。

【００１２】 また、前記プレート状部材は、多数のパンチ孔を有する多孔板材で構成される ようにしてもよい。これによれば、多孔板材として例えばパンチングメタルの棚 板を用いた棚と同様の外観を呈することができる。また、多孔板材でプレート状 部材を構成することにより、棚の軽量化を図ることができる。

【００１３】 なお、前記プレート状部材を合成樹脂またはガラス等の板材で構成することも できる。これにより、ワイヤシェルフのみで構成される棚にはない趣を醸し出す ことができる。

【００１４】

【考案の実施の形態】

以下、本考案の実施形態について図面を用いて説明する。

【００１５】 図１は本実施形態に係る組立棚の完成状態の一例を示す斜視図、図２は支持部 材の平面図，正面図および側面図、図３はその斜視図、図４はプレート状部材の 平面図，正面図および側面図、図５はその斜視図である。

【００１６】 図２と図３に示すように、支持部材Ｔ１は、スチールワイヤ等の線材を方形の 網状に組み合わせて溶接し、４隅にそれぞれソケット部２を設けたワイヤシェル フとして構成されている。この支持部材Ｔ１としてのワイヤシェルフの形態は多 種多様であり、図２と図３にはその一例が示されている。

【００１７】 具体的に説明すると、支持部材Ｔ１は、図２の（ａ）において横方向に延設さ れる４本のワイヤ部材Ｗ１と、図２の（ａ）において縦方向に側部として延設さ れる２本のワイヤ部材Ｗ２と、４つの筒状のソケット部２とから構成されている 。

【００１８】 ワイヤ部材Ｗ１は、それぞれ上下一対のフレームｆ１，ｆ２を波形の補強ワイ ヤｈの頂部を介して溶接して形成され、ワイヤ部材Ｗ１の２本はフレームｆ１， ｆ２の端部をソケット部２に溶接してある。ワイヤ部材Ｗ２も略同様の構成であ り、それぞれ上下一対のフレームｆ３，ｆ４を波形の補強ワイヤｈの頂部を介し て溶接して形成され、且つ、フレームｆ３，ｆ４の端部をソケット部２にそれぞ れ溶接してある。また、ワイヤ部材Ｗ１の残りの２本は、ワイヤ部材Ｗ２の間に 等間隔で溶接されて固定されている。また、ソケット部２の内面は、後述する支 持用スリーブ３（３ａ，３ｂ）の外周面のテーパー部と嵌合可能な形状に成形さ れている。

【００１９】 なお、前記ワイヤ部材Ｗ１は、要求される耐荷重に応じて配設する本数を増減 したり、線材の太さを変えたりすることができる。

【００２０】 次に、図４と図５を参照してプレート状部材Ｔ２について説明する。

【００２１】 このプレート状部材Ｔ２も多種多様の材質や形態が考えられるが、本実施形態 では打ち抜き金網（パンチングメタル）Ｐを構成材とする場合について述べる。

【００２２】 本実施形態では、厚さ２ｍｍ程の丸孔千鳥抜４５度の方形のパンチングメタル Ｐを用い、４辺をコの字状に折り曲げ加工して、図４（ｂ），（ｃ）に示すよう な下がり部Ｐ２，Ｐ３を形成する。この下がり部Ｐ２，Ｐ３は、プレート状部材 Ｔ２を支持部材Ｔ１に載置した際に、支持部材Ｔ１の四方の側部を覆うように隠 す役目を果たす。なお、支持部材Ｔ１の表面および側部に位置する打ち抜き孔Ｕ は、プレート状部材Ｔ２を支持部材Ｔ１に載置した際に支持部材Ｔ１のワイヤシ ェルフの各部材Ｗ１，Ｗ２により塞がれない位置にくるように設計することが美 観上は好ましい。

【００２３】 また、プレート状部材Ｔ２の４隅には、前記支持部材Ｔ１のソケット部２との 干渉を避けるための切欠部Ｐ１が形成されている。これにより、支持部材Ｔ１上 へのプレート状部材Ｔ２の載置が容易となり、且つ、各切欠部Ｐ１が各ソケット 部２と係合することによりプレート状部材Ｔ２の位置決めがなされ、ガタつきを 防止するようになっている。なお、プレート状部材Ｔ２は、支持部材Ｔ１上に載 置して覆うという目的を達成できるように、縦横等の寸法（内寸）は、支持部材 Ｔ１の寸法（外寸）より若干（例えば１〜２ｍｍ程）大きくなるように設計され ている。

【００２４】 以上が本実施形態に係る組立棚の主要部を構成する支持部材Ｔ１とプレート状 部材Ｔ２の概要であり、次に図６と図７を参照して、所要枚数（本実施形態では 各３枚）の支持部材Ｔ１とプレート状部材Ｔ２を用いた組立棚の構成および組立 方法を説明する。

【００２５】 図６は支持用スリーブの支柱への取り付け状態を示す説明図であり、図７は支 持部材Ｔ１とプレート状部材Ｔ２の組み付け状態を示す説明図である。

【００２６】 まず、４本のパイプ状の支柱１のそれぞれに支持用スリーブ３を取り付ける。

【００２７】 支柱１は丸パイプで構成され、その外周上にリング状の溝１ａ，１ａ…が支柱 １の長手方向に沿って等間隔（例えばピッチ２５ｍｍ程）で複数形成されている 。なお、支柱１は所望の高さに合わせて複数本を長手方向に継ぐことができるよ うになっている。

【００２８】 支持用スリーブ３は、図６（ａ）に示すように、樹脂製の半円筒状のスリーブ 半体３ａ，３ｂから構成されており、対向する端部には互いに嵌め合う係合部３ ０，３１が形成され支柱１を挟むようにして装着されることにより支持用スリー ブ３を構成するようになっている。スリーブ半体３ａ，３ｂの内面には支柱１の リング状の溝１ａと係合する凸状部３２が形成されており、この凸状部３２を支 柱１の所望の位置のリング状の溝１ａに係合させることにより、所望の高さで棚 板を設置することができる。

【００２９】 スリーブ半体３ａ，３ｂを係合させて構成される支持用スリーブ３は、外周面 に上細となるテーパーが形成されており、支持部材Ｔ１のソケット部２の内周部 にもこの支持用スリーブ３の外周面に合わせたテーパーが施されている。したが って、図６（ｂ）に示すように、支柱１に取り付けた支持用スリーブ３に支持部 材Ｔ１のソケット部２を嵌合させることにより、支持用スリーブ３の外周面と支 持部材Ｔ１のソケット部２の内周面とが密着され、上細のテーパーの作用により 棚板部材Ｔ１の下方への移動が阻止されて固定されるようになっている。

【００３０】 そして、４本の支柱１にそれぞれ同じ高さ（通常は、棚を安定させるために支 柱１の下端近くに位置させる）で支持用スリーブ３を取り付けたところで、１枚 目の支持部材Ｔ１の４つのソケット部２に各支柱１を下側から挿通した後、各支 柱１の下端を床上に載置して仮組立を行う。

【００３１】 次いで、図７（ａ）に示すように木槌Ｈ等を用いて支持部材Ｔ１の各ソケット 部２の近傍の縁部を叩いてソケット部２が支柱１の支持用スリーブ３にしっかり と嵌合されるように打ち込む。次に、１枚目のプレート状部材Ｔ２の切欠部Ｐ１ を支柱１に挿通させるようにして、支持部材Ｔ１の上方から被せるようにして載 置する。これにより、図７（ｂ）に示すように、最下段の棚板の取り付けが完了 する。

【００３２】 続いて、各支柱１の所望の高さに支持用スリーブ３を取り付け、２枚目の支持 部材Ｔ１の４つのソケット部２に各支柱１を挿通し、１段目と同様にしてソケッ ト部２を支柱１の支持用スリーブ３に打ち込む。そして、２枚目のプレート状部 材Ｔ２の切欠部Ｐ１を支柱１に挿通させるようにして、支持部材Ｔ１の上方から 被せるようにして載置する。これにより、２段目の棚板の取り付けが完了する。

【００３３】 さらに、同様の作業を繰り返すことにより所望段数（本実施形態では３段）の 棚板を取り付けることができ、最終的に図１に示すような組立棚が完成する。

【００３４】 このように、ソケット部２を支柱１の支持用スリーブ３に打ち込む際に叩きキ ズ等が支持部材Ｔ１に生じたような場合であっても、この支持部材Ｔ１の上面を 覆うプレート状部材Ｔ２を取り付けているので、その叩きキズ等をプレート状部 材によって隠すことができ、美観を損なうことを防止できる。

【００３５】 また、図１を見れば判るように、本実施形態に係る組立棚は、パンチングメタ ルで構成した棚板を用いた棚と同様の外観を呈することができる。一方で、上記 説明の通り、パンチングメタルで構成したプレート状部材Ｔ２の下には、強度に 優れたワイヤシェルフからなる支持部材Ｔ１が設けられているので、パンチング メタルでのみ棚板を構成した場合に比して耐荷重性を大幅に向上させることがで きる。

【００３６】 さらに、本実施形態に係る組立棚によれば、ワイヤシェルフの上に載せる棚板 としてパンチングメタルやガラスプレートなど多種多様の棚板を用意しておくこ とで、使用者の趣向に合わせた外観の棚を提供することができる。

【００３７】 なお、本実施形態では、図１に示すように全ての棚板を支持部材Ｔ１にプレー ト状部材Ｔ２を被せる構成とする場合について述べたが、これに限られるもので はなく、棚上に載置する備品との関係等に応じて所望の棚板についてはワイヤシ ェルフからなる支持部材Ｔ１のみとすることもでき、その場合には棚板の外観に アクセントを与えて異なる印象の棚を構成することもできる。

【００３８】 また、本実施形態では、プレート状部材Ｔ２を打ち抜き金網（パンチングメタ ル）を用いて構成する場合について述べたが、これに限定されるものではなく、 透明または不透明の合成樹脂材やガラス材を用いてプレート状部材Ｔ２を形成す るようにしてもよい。この場合にも、違う印象の外観を提供することができるの は勿論のこと、ワイヤシェルフからなる支持部材Ｔ１により十分な耐荷重性を有 する棚を構成することができる。

【００３９】

【考案の効果】

以上説明したように本考案は、外周面に適当な間隔をおいて複数の係合溝が形 成されたパイプ状の支柱と、内面に前記支柱の係合溝に係合可能な凸状部が形成 され、外形が略円錐状に形成された支持用スリーブと、該支持用スリーブに嵌合 可能な筒状のソケット部を少なくとも４隅に有する１以上の棚板とから構成され る組立棚であって、前記棚板は、前記ソケット部を有する支持部材と、該支持部 材の上面に載置されるプレート状部材とから構成されるようにしたため、支持部 材のソケット部をパイプ状の支柱の適当な位置に取り付けた支持用スリーブに嵌 合させるのに木槌等でソケット部の近傍の縁部を叩いた際に叩きキズ等が生じた 場合であっても、この支持部材の上面を覆うプレート状部材を取り付けるので、 その叩きキズ等がプレート状部材によって隠されるので美観を損なうことを防止 でき、また外観を変更することなく、支持部材の設計変更により耐荷重を自由に 設定することができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る組立棚の外観を示す斜視図であ
る。

【図２】本考案に係る組立棚の支持部材を示す平面図、
正面図および側面図である。

【図３】本考案に係る組立棚の支持部材を示す斜視図で
ある。

【図４】本考案に係る組立棚のプレート状部材を示す平
面図、正面図および側面図である。

【図５】本考案に係る組立棚のプレート状部材を示す斜
視図である。

【図６】本考案に係る組立棚における支柱への支持用ス
リーブの取り付け状態を示す説明図である。

【図７】本考案に係る組立棚の組立状態を示す説明図で
ある。

【図８】従来の組立棚を示す斜視図である。

【図９】従来の組立棚の組立状態を示す説明図である。

【符号の説明】

１ 支柱 ２ 筒状のソケット部 １ａ リング状の溝 ３ 支持用スリーブ ３ａ，３ｂ スリーブ半体 ３０，３１ 係合部 ３２ 凸状部 Ｔ１ 支持部材 Ｔ２ プレート状部材 Ｗ１，Ｗ２ ワイヤ部材 ｈ 波形の補強ワイヤ ｆ１，ｆ２ フレーム Ｐ パンチングメタル Ｐ１ 切欠部 Ｐ２，Ｐ３ 下がり部 Ｕ 打ち抜き孔 Ｈ 木槌，プラスチックハンマー

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 外周面に適当な間隔をおいて複数の係合
   溝が形成されたパイプ状の支柱と、内面に前記支柱の係
   合溝に係合可能な凸状部が形成され、外形が略円錐状に
   形成された支持用スリーブと、該支持用スリーブに嵌合
   可能な筒状のソケット部を少なくとも４隅に有する１以
   上の棚板とから構成される組立棚であって、 前記棚板は、前記ソケット部を有する支持部材と、該支
   持部材の上面に載置されるプレート状部材とから構成さ
   れることを特徴とする組立棚。
2. 【請求項２】 前記支持部材は、複数の金属線材を網状
   に組んで接点を溶接してなるワイヤシェルフからなり、 前記プレート状部材は、端部がコの字状に折り曲げ加工
   され、該各折曲部が前記支持部材の辺部を覆うように形
   成されていることを特徴とする請求項１に記載の組立
   棚。
3. 【請求項３】 前記プレート状部材は、その四隅に、前
   記支持部材のソケット部との干渉を避けるための切欠部
   が形成されていることを特徴とする請求項２に記載の組
   立棚。
4. 【請求項４】 前記プレート状部材は、多数のパンチ孔
   を有する多孔板材で構成されることを特徴とする請求項
   １から請求項３の何れかに記載の組立棚。
5. 【請求項５】 前記プレート状部材は、合成樹脂または
   ガラス等の板材で構成されることを特徴とする請求項１
   から請求項４の何れかに記載の組立棚。