JP3074237U - 食品スライサ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 切断される食肉を薄く切断するとともにきち
んと整列するために，肉載置部を上下駆動可能にし，切
断刃及び切断肉片の整列移送及び折畳を可能にした上下
往復動型の肉載置部を有する食品スライサを提供するこ
とである。 【解決手段】 スライサ機体のモータ及び減速機からな
る駆動装置と，前記駆動装置に連動する伝動手段と，前
記伝動手段により機体のガイドに遊動可能に設けられた
往復動テーブルと，前記テーブルに固定され，上下往復
動する肉載置部とを含み，前記テーブルを均衡錐に連結
し，前記機体の上部に切断刃を設け，前記切断刃は外側
に斜めに設け，厚さ調節板の裏面に移送ロールを設け，
この移送ロールに一方向チェーンギヤを設けて，切断さ
れる切断肉片を移送させ，前記移送ロールの後方に位置
する切断肉片移送コンベヤを上下運動及び正逆駆動させ
て，切断肉片を等分で折畳する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は食肉を切断する食品スライサ（食肉切断機）に関するもので，特に， 切断される食肉を薄く切断するとともにきちんと整列するために，肉載置部を上 下駆動可能にし，切断刃及び切断肉片の整列移送及び折畳を可能にした上下往復 動型の肉載置部を有する食品スライサに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

周知のように，現代の飲食文化には肉類を用いる飲食文化が繁栄しており，こ のような肉類を加工する機械装置，例として，冷蔵，冷凍及びスライサ（切断機 又は肉切機など，以下スライサという）と，骨切機，脂肪除去及び分離機などの 肉類加工機器が開発されている。

【０００３】 このような食肉切断装置は，切断すべき食肉塊を切断する切断刃装置と，載せ られた食肉塊を往復動又は移送させて切断刃に供給して，切断刃により切断でき るようにする肉載せ往復動部と，切断刃から離隔されて，食肉塊の切断厚さを調 節する厚さ調節板と，切断された肉片と切断すべき食肉塊を移送する移送コンベ ヤとからなる。

【０００４】 このような従来のスライサは，図１２及び図１３の従来のスライサの斜視図と 図１４の従来のスライサの左右往復動を説明する平面図に示すように，載せられ た食肉塊６を上部の移送ロールと下部の移送コンベヤの移送で，高速回転する切 断刃３０に移送しながら往復動装置により左右に往復させて，切断刃３０と支持 板材の厚さ調節板３１の離隔間隔の厚さに応じて食肉塊６を切断しており，その 装置の一部付属装置を変更して冷凍肉又は生肉用に使用している。

【０００５】 このようなスライサは，食肉塊が載せられた左右往復動装置の左右移動距離が 大きいため，機体が大型化するとともに作業者の往復区域内での安全事故が多く 発生する問題があり，円形切断刃の側面から高さ方向に上下に切断作業が行われ ，切断刃の回転力と切断肉片の重量により切断肉片の上部がまず切断落下するた め，切断片の折曲，つまり広がった状態にならずにしわやよれが発生して，切断 肉片が固まることになる。このような皺は，視覚的効果と商品的価値を低下させ る問題を引き起こし，切断肉片がきちんと整列できない要因となっている。

【０００６】 このため，落下位置で作業者が切断肉片を一つ一つ受け取って皿又は移送コン ベヤに整列しているが，このような作業は，薄くて柔軟な切断肉片を作業者が取 り難くて作業速度が遅いので，熟練度が要求され，また，熟練者であっても整列 速度に限界を有するため，作業中に機体を停止させてから整列を完了した後，再 稼動することを繰り返すので，切断作業が迅速にできない欠点がある。よって， 多数台のスライサを備え，多数の作業者を要求するので，非経済的な欠点を有す るものである。

【０００７】 このような作業において，生肉は薄片に切断されるため，作業者にとっては薄 い肉片は扱いにくいので，作業時には大きな加圧力で広い部位に接触せざるをえ ず，これにより，人体の体温が切断肉片に伝わり，切断肉片の温度差により肉質 が変質され，作業者の手から伝達される各種病菌などによる衛生面での問題があ るものである。

【０００８】 その上，高速回転する切断刃は恐ろしく，また非常に危険なものであるので， 作業者が相当な不安を感じて作業能率を低下させる要因となっている。

【０００９】 一方，左右往復動型スライサは，食肉塊が載せられた状態で高速で左右に往復 動するとき，往復動により食肉塊が偏重して離脱されるおそれがあり，よって， 食肉塊を固定するための手段を持っているが，柔軟な食肉塊を確実に固定するこ とができないため，偏重力により離脱される危険性及びこれによる人事事故を誘 発するおそれがあり，偏重力による衝撃で往復動装置が頻繁に故障する問題点を 持っている。

【００１０】 このような問題点を改善するために，本願の出願人などにより多くの考案が出 願され登録されたが，左右往復動手段及び切断肉片の安定した案内移送に対する 改善が根本的に解決されていない状態である。

【００１１】 また，前記のような左右往復動を除去するため，日本国特公平４-４２１５２ 号では，肉載置部を固定し，回転切断刃を高速で回転させ，切断刃装置部の全体 を気体で３６０°回転させて，肉載置部に載せられた食肉塊を切断しようとした が，この構成は，その機械構造上製作が難しく，大きい回転半径で回転する回転 刃による危険性と故障があるため，実際に製作又は使用されていない。

【００１２】

【考案が解決しようとする課題】

本考案は前記従来の問題点を改善するためになされたもので，食肉塊が載せら れた肉載置部を上下に往復動させる構成で，機体で発生する振動と衝撃を防止し ，故障及び危険性がなく，迅速な切断作業及び自動整列が可能であり，左右往復 動により引き起こされる問題点を改善するための上下往復動型肉載置部を有する 食品スライサを提供することをその目的とする。

【００１３】 また，本考案は，肉載置部上の食肉塊を広い面積で切断することにより，切断 位置差及び時間差を減らして，落下する切断片を皺なく広がった状態で移送コン ベヤに自動に整列して移送させることをほかの目的とする。

【００１４】 また，本考案は移送される切断肉片を再び２等分で折曲することを更にほかの 目的とする。

【００１５】

【課題を解決するための手段】

前記目的を達成するため，本考案は，スライサ機体のモータ及び減速機からな る駆動装置と，前記駆動装置に連動する伝動手段と，前記伝動手段により機体の ガイドに遊動可能に設けられた往復動テーブルと，前記テーブルに固定され，上 下往復動する肉載置部とを含む。

【００１６】 前記テーブルはチェーン及び機体に軸設されたスプロケットを介して均衡錐に 連結されることにより，上下往復動時の重量の均衡を保つようにすることができ る。

【００１７】 前記機体の上部に駆動モータにより高速回転する切断刃を設け，前記切断刃は 機体の垂直面に対して外側に傾くことにより，食肉塊との摩擦面を最少化して肉 質の破損を減らすことができる。

【００１８】 厚さ調節板の裏面に移送ロールを設け，この移送ロールには，テーブルに連結 されたチェーンを介して連動する一方向チェーンギヤを設けることにより，テー ブルが上昇移動するとき，切断される切断肉片を移送することができる。

【００１９】 前記移送ロールの後方に位置する切断肉片移送コンベヤを上下運動及び正逆駆 動させることにより，切断肉片を等分で折畳することができる。

【００２０】

【考案の実施の形態】

以下，本考案の実施の一形態を添付図面に基づいてより具体的に説明する。

【００２１】 図１は本実施の形態の全体構造を示す斜視図であり，図２は図１の右側面図で あり，図３は本実施の形態の内部を示す右側面図であり，図４は本実施の形態の 動作状態を示す右側面図であり，図５は図３の上下往復動装置の要部を示す概略 図であり，図６は本実施の形態の要部を示す正面図であり，図７は本実施の形態 の要部を示す正面図であり，図８は本実施の形態の要部を示す左側面図である。

【００２２】 これら図に示すように，スライサ機体１０に設けられるモータと減速機からな る駆動装置１１に伝動クランク１２が連結され，機体１０のガイド１３に遊設さ れたテーブル１４が固定された往復動体１４−１に肉載置部２０が設けられ，食 肉塊６が載せられた肉載置部２０は前記駆動装置に連結された伝動クランク１２ により往復動され，上下往復動テーブル１４はチェーン１５及びスプロケット１ ６を介して均衡錐１７に連結されることにより上下往復動時の重量の均衡が保た れ，前記気体１０の上部に駆動モータにより高速回転する切断丸刃３０は機体１ ０の垂直面に対して外側に傾いて取り付けられることにより，切断食肉との摩擦 面が最少化されるので，肉質の破損が最少化される。

【００２３】 図９及び図１０は本考案の実施例による切断肉片の移送状態を示す側面図であ り，図１１は図９の移送ロールを示す構成図である。これら図に示すように，厚 さ調節板３１の裏面に移送ロール３５が軸設され，これは，テーブル１４に設け られたチェーンに連結されるチェーンギヤ３３を有するので，テーブル１４が上 向移動するときの一方向回転により切断される切断肉片５０を移送する。

【００２４】 前記移送ロール３５とともに切断肉片移送コンベヤ４０が構成されることによ り，切断肉片が移送され，前記移送コンベヤ４０は上下に移動可能であり，前記 移送コンベヤ４０はセンサーとコントローラーにより正逆駆動されることにより ，切断肉片５０が等分で折畳でき，前記切断丸刃３０は斜めに取り付けられるこ とにより，切断丸刃３０と食肉塊６との接触面が減少される。

【００２５】 また，本実施の形態においては，前記斜めに取り付けられた切断丸刃３０のほ かに，上下往復動する肉載置部２０も斜めに取り付けることにより，その上に載 せられた食肉塊６の供給を円滑に誘導し得ることはもちろんである。

【００２６】 ここで，未説明符号５は供給コンベヤ，６は切断すべき食肉塊，６１は厚さ調 節板調節装置，６２は移送コンベヤ調節装置，６３は切断刃研磨装置，６４は食 肉塊加圧移送装置，６５は切断丸刃駆動装置，６６は肉載置部の移送位置センサ ー，６７は移送コンベヤ伝動装置，７０は切断肉片離脱及び案内板装置を示す。

【００２７】 以上のように構成された本実施の形態の作用効果を詳細に説明するとつぎのよ うである。

【００２８】 図１に示すように，本実施の形態にかかる食品スライサ機体１０に設けられた 肉載置部２０の供給コンベヤ５に切断すべき食肉塊６を載せ，公知のように電源 を“オン”させると，スライサはコントローラーにより作動する。

【００２９】 すなわち，肉載置部２０の先端側に設けられたセンサー（図示せず）で切断す べき食肉がないことを感知し，その信号をコントローラーに送信すると，前記コ ンベヤ５が作動して載せられた食肉塊６を移送する。

【００３０】 これにより，食肉塊が切断丸刃３０側に移送されるとともに，コントローラー の信号に応じて，機体１０のモータと減速機からなる駆動装置１１が作動して切 断丸刃３０が作動し，前記駆動装置１１は伝動クランク１２を動作させて，機体 １０のガイド１３に遊設されたテーブル１４をガイド１３上で上下往復動させる 。

【００３１】 したがって，テーブル１４に設けられた肉載置部２０上の食肉塊６は，前記テ ーブル１４に固定された肉載置部２０が上方に移動するとき，供給コンベヤ５に より肉載置部２０の先端に移動させて，食肉塊６を先端部の厚さ調節板３１に密 着させるとともに上方に移動して，厚さ調節板３１と切断丸刃３０との離隔距離 の厚さに切断丸刃３０により切断させ，切断後，再び下方に移動させる。このよ うな上下往復運動を繰り返すことにより，続いて切断肉片５０を切断することに なる。

【００３２】 この際に，前記テーブル１４はチェーン１５と，機体１０に軸設されたスプロ ケット１６を介して均衡錐１７に連結されているので，肉載置部２０，切断すべ き食肉塊６及びテーブル１４の荷重と均衡を保ってテーブル１４の上下移動性を 向上させ，無理な力の加重を防止し，衝撃による偏心を防止して，安定した往復 動を可能にする。

【００３３】 また，前記機体１０の上部側では，駆動モータにより高速回転する切断丸刃３ ０が上向移動する食肉塊６を切断することになる。

【００３４】 ここで，前記切断丸刃３０は，図４に示すように，垂直状態の機体１０に対し て斜めに構成して，切断すべき食肉塊６との摩擦面を最少化することで，肉質の 破損を減らすことができ，図３に示すように，垂直状態に構成することもできる 。

【００３５】 前記斜めに取り付けられた切断丸刃３０とともに，肉載置部２０も斜めに取り 付けることで，食肉塊の供給を円滑にし得ることはもちろんである。

【００３６】 図９，図１０及び図１１に示すように，厚さ調節板３１の裏面側には移送ロー ル３５を設け，この移送ロール３５はテーブル１４に連結されたチェーンに連動 する一方向チェーンギヤに連結されるので，テーブル１４が上向移動するとき， テーブルの上向移動速度と同一円周速度で一方向に回転して切断肉片５０を切断 速度と同一速度で外部に移送させるようにし，その外周面に突起を設けて，切断 肉片５０を滑りなく移送させることにより，切断肉片５０の皺又は移送不良を防 止するようにする。

【００３７】 一方，テーブル１４が下向移動するときは，前記移送ロール３５の逆回転を防 止するように構成して，切断肉片５０が逆進行することを防止する。

【００３８】 また，前記移送ロール３５の後方には切断肉片５０用移送コンベヤ４０を設け ，この移動コンベヤ４０は，高低を調整し得るように，上下移動可能にするとと もに，正逆回転可能に構成することにより，図１０に示すように，移送コンベヤ ４０が下方に移動して，移送される切断肉片５０を等分で折り畳むとともに，前 記移送コンベヤ４０を逆転させてその等分で折り畳むことができるようにする。

【００３９】 すなわち，移送ロール３５により移送される切断肉片５０が移送と同時に下向 移動し，この際に，切断肉片５０の先端部が移送コンベヤ４０にかかり，続く移 動で切断肉片５０が等分で折り畳まれ，再び移送コンベヤ４０が正回転すること により，切断肉片が折り畳まれるものである。

【００４０】 ここで，前記折畳効果を増大するため，移送コンベヤ４０を一定回転速度で逆 転させると，折畳過程がより迅速に行えるものである。

【００４１】 このように，本実施の形態によれば，切断すべき食肉塊６が載せられた肉載置 部２０を上下往復動可能に構成することにより，機体の小型化，危険性の減少， 安定的な運転，製作の容易性による製作費の節減など効果があり，切断肉片をき ちんと整列して連続作業を行えるので，作業能率の向上，及び操作の容易性によ る人件費節減の効果が期待でき，小さい作業空間でもスライス作業が可能な特徴 を有するものである。

【００４２】

【考案の効果】

以上説明したように，本考案は，食肉塊が載せられた肉載置部を上下に往復動 させることにより，スライサ製作の容易性，危険の防止，人件費の節減，作業空 間の最小化による作業能率の向上の効果が得られ，食肉の破損及び屑を最少化し て食肉を安全に切断することにより，切断効果の増大で商品の質を向上させると ともに，切断肉片を等分で折り畳んで作業性及び商品性を大きく増大させ得る有 用性と，切断肉片をきれいに切断して美観的効果を増大させ得る有用な考案であ る。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本考案の全体構造を示す斜視図である。

【図２】 図１の右側面図である。

【図３】 本考案の内部を示す右側面図である。

【図４】 本考案の動作状態を示す右側面図である。

【図５】 図３の上下往復動装置の要部を示す概略図で
ある。

【図６】 本考案の要部を示す正面図である。

【図７】 本考案の要部を示す正面図である。

【図８】 本考案の要部を示す左側面図である。

【図９】 本考案の実施例による切断肉片の移送状態を
示す側面図である。

【図１０】 本考案により切断肉片を移送及び折畳させ
る状態を示す側面図である。

【図１１】 図９，図１０の移送ロールを示す構成図で
ある。

【図１２】 従来のスライサの直立状態を示す斜視図で
ある。

【図１３】 従来のスライサの傾斜状態を示す斜視図で
ある。

【図１４】 従来のスライサの左右往復動を説明する平
面図である。

【符号の説明】

１０ 機体 １１ 駆動装置 １２ 伝動クランク １３ ガイド １４ テーブル １５ チェーン １６ スプロケット １７ 均衡錐 ２０ 肉載置部 ３０ 切断丸刃 ３１ 厚さ調節板 ３３ 一方向チェーンギヤ ３５ 移送ロール ４０ 切断肉片移送コンベヤ ５０ 切断肉片

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 食品を所望の厚みにスライスする食品ス
   ライサであって，モータ及び減速機からなる駆動装置
   と，前記駆動装置に連動する伝動手段と，前記伝動手段
   により機体のガイドに遊動可能に設けられた往復動テー
   ブルと，前記テーブルに固定されて上下往復動する肉載
   置部と，肉塊を前記肉載置部に供給する供給コンベヤ
   と，食品搬送径路の上部に配される回転切断刃と，前記
   回転切断刃に隣接して設けられた厚さ調整板を含んでな
   ることを特徴とする，上下往復動型肉載置部を有する食
   品スライサ。
2. 【請求項２】 前記テーブル（１４）はチェーン（１
   ５）及び機体に軸設されたスプロケット（１６）を介し
   て均衡錐（１７）に連結されることにより，上下往復動
   時の重量の均衡を保つようにすることを特徴とする請求
   項１記載の食品スライサ。
3. 【請求項３】 前記切断刃（３０）を機体（１０）の垂
   直面に対して外側に傾斜させることにより，食品との摩
   擦面を最少化することを特徴とする請求項１または２に
   記載の食品スライサ。
4. 【請求項４】 前記厚さ調節板（３１）の裏面に移送ロ
   ール（３５）を設け，この移送ロールには，テーブル
   （１４）に連結されたチェーンを介して連動する一方向
   チェーンギヤ（３３）を設けることにより，テーブル
   （１４）が上昇移動するとき，切断される切断肉片（５
   ０）を移送することを特徴とする請求項１，２または３
   のいずれかに記載の食品スライサ。
5. 【請求項５】 前記移送ロール（３５）の後方に位置す
   る切断肉片移送コンベヤ（４０）を上下運動及び正逆駆
   動させることにより，切断肉片（５０）を折り畳むこと
   を特徴とする請求項１記載の食品スライサ。