JP3074163U - 衣類乾燥袋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】迅速乾燥機能を有する通気性シート製の衣類乾
燥袋を提供すること。 【解決手段】耐熱性及び通気性をもち，柔軟性を有する
シートから成る乾燥袋１の上部に，長方形の第１開口部
１ａを有し，これを被覆する長方形の該シートから成る
蓋部材２の長手方向の背後側を，該乾燥袋の上部後方に
固着し，該蓋部材の正面長手方向と該乾燥袋との正面上
部合わせ面間に，蓋係止部材２ａを用いて脱着自在に係
止し，該第１開口部の正面中央部を分割して正面下側に
延びる第２開口部１ｂを設け，該第２開口部の合わせ部
を，ファスナ１ｃを用いて開閉自在に係止し，正面所定
の位置に透明樹脂製シートから成る，のぞき窓１ｄを形
成し，そして該乾燥袋の下側に可撓性を有する筒形状の
給気口１ｆを設ける事を特徴とする衣類乾燥袋を確保す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は，複数のハンガに吊るした被乾燥物としての洗濯水切り処理直後の衣 類を吊り掛け可能な構造とし，迅速乾燥機能を有する，通気性のシートから成る 衣類乾燥袋に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来技術による衣類乾燥袋は各種あり，例えば，特開平８─１９６７９５「衣 類乾燥袋」によれば，耐熱性及び非通気性を有する柔軟性シートにより，被乾燥 物を吊るしたハンガに上記被乾燥物を覆った状態で吊り掛け可能な袋状に形成さ れ，温風を吹き込むための給気口と，吹き込まれた温風を排出するための排気口 とを備えた衣類乾燥袋があった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

従来技術の衣類乾燥袋は，主に耐熱性及び非通気性を有する柔軟性シートから 構成し，給気口と排気口との間に位置する被乾燥物自体が複雑な迷路を形成し， 流路抵抗が上がるので，乾燥袋の内部に蒸発した水分の滞留時間が長くなり，該 乾燥袋の内部の蒸気圧が上昇し，衣類からの水分の蒸発速度が遅延し，乾燥速度 が遅くなる問題点があった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

上記の問題点を解決するために，本考案の衣類乾燥袋は，耐熱性及び通気性を もち，柔軟性を有するシートから成る乾燥袋とし，衣類から蒸発した水分が排気 口としての機能を有する，通気性の該シートから成る該乾燥袋の全表面から外に ，導入した温風と共に，一様に排気される事を特徴とする。

【０００５】

【考案の実施の形態】

本考案の衣類乾燥袋は，耐熱性及び通気性をもち，柔軟性を有する樹脂製等の シートから成る乾燥袋の上部に，長方形の第１開口部を有し，該第１開口部を被 覆する長方形の該シートから成る蓋部材の長手方向の背後側を，該乾燥袋の上部 後方に固着し，該蓋部材の正面長手方向と該乾燥袋との正面上部合わせ面間に， 面ファスナ等から成る蓋係止部材を用いて，脱着開閉自在に係止し，該第１開口 部の正面中央部を分割して正面下側に延びる第２開口部を設け，該第２開口部の 合わせ部を，ファスナを用いて，開閉自在に係止し，正面所定の位置に透明樹脂 製シートから成る，のぞき窓を形成し，そして複数のハンガに吊るした被乾燥物 としての洗濯水切り処理直後の衣類を該乾燥袋内部に吊り掛け可能な構造とし， 該乾燥袋の下側所定の位置に温風を吹き込むための可撓性を有する筒形状の給気 口を設け，そして該衣類から蒸発した水分が排気口としての機能を有する，通気 性の該シートから成る該乾燥袋の全表面から外に，導入した温風と共に，一様に 排気される事を特徴とする。

【０００６】 本考案の衣類乾燥袋の使用方法は，上部にフックを有し，下部に水平に位置す る棒部材の両端を該フック下部に釣支した吊り部材を用い，被乾燥物としての洗 濯水切り処理直後の衣類をハンガに保持し，複数の該ハンガを該棒部材に係止し ，該フックをハンガラック等の支持棒に吊り下げ，そして第１開口部と第２開口 部とを開口した状態の乾燥袋で，複数の該ハンガを被覆し，該第１開口部と蓋部 材との間に該棒部材を挟持して，蓋係止部材を用いて，該蓋部材を乾燥袋の正面 上部に係止し，該第２開口部をファスナを用いて閉鎖係止し，そして給気口の端 部を，ふとん等の乾燥機の送風口に面ファスナ等を用いて締着・封止し，該乾燥 機から温風を該乾燥袋内部に送風し，該衣類を乾燥する事も出来る。

【０００７】 本考案の衣類乾燥袋において，乾燥袋の材質としての，耐熱性及び通気性をも ち，柔軟性を有するシートは，表裏が多孔で連通する，ポリプロピレン製不織布 を用いる事も出来る。

【０００８】 本考案の衣類乾燥袋の使用方法において，上部にフックを有し，下部に水平に 位置する棒部材の両端を該フック下部に釣支した吊り部材として，複数のハンガ を該棒部材に係止できる，市販の該吊り部材を用いる事も出来る。

【０００９】 本考案の衣類乾燥袋の使用方法において，乾燥機として，市販のふとん乾燥機 を併用する事も出来る。

【００１０】 本考案の衣類乾燥袋において，第２開口部の正面上部の開口両面に跨がり，脱 着開閉自在に係止できる面ファスナ等から成る係止補強部材を設け，該第２開口 部の係止を補強する事も出来る。

【００１１】 本考案の衣類乾燥袋において，衣類から蒸発した水分が排気口としての機能を 有する，通気性のシートから成る乾燥袋の全表面から外へと，導入した温風と共 に，一様に排気されるので，流路抵抗が下がり，該乾燥袋の内部に滞留する該水 分の滞留時間が短縮され，該乾燥袋の内部の蒸気圧が一様に下降し，該衣類から の水分の蒸発速度が増加し，乾燥速度が速くなる作用を有し，この作用は，実施 例に記載する様に，同一乾燥条件下で，通気性のシートから成る乾燥袋を用いた 乾燥時間と，非通気性のシートから成る乾燥袋を用いた乾燥時間との比較により ，通気性のシートから成る該乾燥袋を用いると，非通気性のシートから成る該乾 燥袋を用いた乾燥時間に比べて，数１０％速く乾燥する事により実証された。

【００１２】 本考案の衣類乾燥袋において，正面所定の位置に透明樹脂製シートから成る， のぞき窓の作用は，衣類乾燥時に，乾燥作業状態を停止せずに，乾燥状態を外か ら判断したり，乾燥後においても，収納用の保護カバーとして用いながら，整理 ・取り出しの目安に用いることができる作用を有する。

【００１３】 本考案の衣類乾燥袋において，耐熱性及び通気性をもち，柔軟性を有する樹脂 製等のシートから成る乾燥袋なので，使用後において，小さく折り畳んで，収納 する事が出来る。

【００１４】

【実施例】 この考案の実施例の図面において，図１は本考案の実施例を示す，衣類乾燥袋 の使用状態の一部欠載斜視図である。

【００１５】 この考案の実施例を以下説明すると，衣類乾燥袋は，図１に示すように，耐熱 性及び通気性をもち，柔軟性を有するシートから成る乾燥袋（１）の上部に，長 方形の第１開口部（１ａ）を有し，該第１開口部を被覆する長方形の該シートか ら成る蓋部材（２）の長手方向の背後側を，該乾燥袋の上部後方に固着し，該蓋 部材の正面長手方向と該乾燥袋との正面上部合わせ面間に，面ファスナ等から成 る蓋係止部材（２ａ）を用いて，脱着開閉自在に係止し，該第１開口部の正面中 央部を分割して正面下側に延びる第２開口部（１ｂ）を設け，該第２開口部の合 わせ部を，ファスナ（１ｃ）を用いて，開閉自在に係止し，正面所定の位置に透 明樹脂製シートから成る，のぞき窓（１ｄ）を形成し，そして該第２開口部の正 面上部の開口両面に跨がり，脱着開閉自在に係止できる面ファスナ等から成る係 止補強部材（１ｅ）を設け，複数のハンガ（４）に吊るした被乾燥物としての洗 濯水切り処理直後の衣類（５）を該乾燥袋内部に吊り掛け可能な構造とし，該乾 燥袋の下側所定の位置に温風を吹き込むための可撓性を有する筒形状の給気口（ １ｆ）を設け，そして該衣類から蒸発した水分が排気口としての機能を有する， 通気性の該シートから成る該乾燥袋の全表面から外に，導入した温風と共に，一 様に排気される事を特徴とする。

【００１６】 本考案の実施例の衣類乾燥袋の使用方法は，上部にフックを有し，下部に水平 に位置する棒部材（３ａ）の両端を該フック下部に釣支した吊り部材（３）を用 い，被乾燥物としての洗濯水切り処理直後の衣類（５）をハンガ（４）に保持し ，複数の該ハンガを該棒部材に係止し，該フックをハンガラック等の支持棒（７ ）に吊り下げ，そして第１開口部（１ａ）と第２開口部（１ｂ）とを開口した状 態の乾燥袋（１）で，複数の該ハンガを被覆し，該第１開口部と蓋部材（２）と の間に該棒部材を挟持して，蓋係止部材（２ａ）を用いて，該蓋部材を乾燥袋（ １）の正面上部に係止し，該第２開口部をファスナ（１ｃ）を用いて閉鎖係止し ，更に係止補強部材（１ｅ）を係止し，そして給気口（１ｆ）の端部を，ふとん 等の乾燥機（６）の送風口に面ファスナ等を用いて締着・封止し，該乾燥機から 温風を該乾燥袋内部に送風し，該衣類を乾燥する事も出来る。

【００１７】 本考案の実施例の衣類乾燥袋において，乾燥袋（１）の材質としての，耐熱性 及び通気性をもち，柔軟性を有するシートは，表裏が多孔で連通する，ポリプロ ピレン製不織布を用いた。

【００１８】 本考案の実施例の衣類乾燥袋において，乾燥袋（１）の袋本体の寸法は，正面 横幅：５０ｃｍ，奥行き：５５ｃｍ，高さ：１００ｃｍを用い，第１開口部（１ ａ）の寸法は，幅：３ｃｍ，長さ：３５ｃｍを採用した。

【００１９】 本考案の実施例の衣類乾燥袋の使用方法において，上部にフックを有し，下部 に水平に位置する棒部材（３ａ）の両端を該フック下部に釣支した吊り部材（３ ）として，複数のハンガ（４）を該棒部材に係止できる，市販の該吊り部材を用 いた。

【００２０】 本考案の実施例の衣類乾燥袋の使用方法において，乾燥機（６）として，市販 のふとん乾燥機を併用した。

【００２１】 本考案の実施例の衣類乾燥袋において，被乾燥物としての洗濯水切り処理直後 の衣類（５）から蒸発した水分が通気性のシートから成る乾燥袋（１）の全表面 から外に排気される排気機能の作用を確認するために，同一寸法の非通気性のシ ートから成る乾燥袋を用い，同一条件の被乾燥物からの乾燥時間の測定比較を行 った。６枚のタオル（長さ：６０ｃｍ，幅：３０ｃｍ）を水に濡らし，手で搾り ，該被乾燥物として用い，通気性のシートから成る乾燥袋，及び非通気性のシー トから成る乾燥袋内に，それぞれ吊るし，同一条件の温風を，それぞれの給気口 （１ｆ）から送風した。通気性のシートから成る該乾燥袋を用いた乾燥時間は１ ．５時間を要し，一方，非通気性のシートから成る該乾燥袋を用いた乾燥時間は ２時間を要した。これらの比較により，通気性のシートから成る該乾燥袋を用い ると，非通気性のシートから成る該乾燥袋を用いた乾燥時間に比べて，約２５％ 速く乾燥する作用を持つ事が実証された。

【００２２】

【考案の効果】

本考案は，以上説明した様な形態で実施され，以下に記載される様な効果を有 する。

【００２３】 本考案の衣類乾燥袋は，通気性のシートから成る乾燥袋なので，衣類から蒸発 した水分が該乾燥袋の全表面から外へと，導入した温風と共に，一様に排気され るので，該乾燥袋の内部に滞留する該水分の滞留時間が短縮され，該乾燥袋の内 部の蒸気圧が一様に下降し，該衣類からの水分の蒸発速度が増加し，乾燥速度が 速くなる効果を有する。

【００２４】 本考案の衣類乾燥袋は，乾燥使用後においても，収納用の保護カバーとして用 いる効果を有する。

【００２５】 本考案の衣類乾燥袋は，乾燥使用後において，小さく折り畳んで，収納できる 効果を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す，衣類乾燥袋の使用状態
の一部欠載斜視図。

【符号の説明】

１ 乾燥袋 １ａ 第１開口部 １ｂ 第２開口部 １ｃ ファスナ １ｄ のぞき窓 １ｅ 係止補強部材 １ｆ 給気口 ２ 蓋部材 ２ａ 蓋係止部材 ３ 吊り部材 ３ａ 棒部材 ４ ハンガ ５ 衣類 ６ 乾燥機 ７ 支持棒

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】耐熱性及び通気性をもち，柔軟性を有する
   シートから成る乾燥袋（１）の上部に，長方形の第１開
   口部（１ａ）を有し，該第１開口部を被覆する長方形の
   該シートから成る蓋部材（２）の長手方向の背後側を，
   該乾燥袋の上部後方に固着し，該蓋部材の正面長手方向
   と該乾燥袋との正面上部合わせ面間に，蓋係止部材（２
   ａ）を用いて，脱着開閉自在に係止し，該第１開口部の
   正面中央部を分割して正面下側に延びる第２開口部（１
   ｂ）を設け，該第２開口部の合わせ部を，ファスナ（１
   ｃ）を用いて，開閉自在に係止し，正面所定の位置に透
   明樹脂製シートから成る，のぞき窓（１ｄ）を形成し，
   そして複数のハンガ（４）に吊るした被乾燥物としての
   洗濯水切り処理直後の衣類（５）を該乾燥袋内部に吊り
   掛け可能な構造とし，該乾燥袋の下側所定の位置に温風
   を吹き込むための可撓性を有する筒形状の給気口（１
   ｆ）を設ける事を特徴とする衣類乾燥袋。