JP3074078U - 天然石敷石 - Google Patents

天然石敷石

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JP3074078U JP2000004120U JP2000004120U JP3074078U JP 3074078 U JP3074078 U JP 3074078U JP 2000004120 U JP2000004120 U JP 2000004120U JP 2000004120 U JP2000004120 U JP 2000004120U JP 3074078 U JP3074078 U JP 3074078U
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英人 飯塚
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 歩道や車道、橋梁や建造物の床等の敷石とし
て用いる場合に、接着材や目地材との接着性、コンクリ
ートや砂層との定着性を改善し、耐久性を安定確保でき
る天然石敷石を提供する。 【解決手段】 天然石板の側面に、幅3〜7mm、深さ
0.5〜5mmの縦溝を直接形成し、裏面に定着溝を直
接形成した天然石敷石で、上面に凹凸を直接形成するこ
とも考慮した薄型の天然石敷石、天然石板の上端部周縁
を切り欠いて段差面を形成し、この段差面から裏面に至
る側面に複数条の縦溝を直接形成すると共に、目地キー
プまたは目地キープ機能と裏面の定着機能を兼ねたL形
目地キープを固着した厚型の天然石敷石。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、歩道や車道、公園、橋梁や建造物の床等を構築する場合において、 湿式工法によってコンクリート、モルタル、アスファルト、砕石路盤等の上に接 着材を介して敷設するか、または乾式工法により砕石路盤上等の上に形成した砂 層上に敷設する天然石敷石に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば歩道や車道、公園、橋梁や建造物の床等を構築する場合において は、主にコンクリートブロックやタイルなどが敷石として用いられていたが、近 年、耐久力に優れ重厚感がある天然石板が敷石として使用されるようになってき た。 この天然石板を敷石として用いる場合には、上表面に小たたき仕上げ(ハンマ ーで叩いて加工)やバーナー処理等により、滑り止めや意匠性付与のために比較 的浅い凹凸加工が施されることがあるが、湿式工法で敷設される厚さが約20〜 30mmの比較的薄い天然石板の場合、側面および裏面は平滑なダイヤカット (ダイヤモンドカッターで切断面を平坦化)面になっていることもある。
【0003】 この天然石敷石は、例えば比較的小さい荷重を受ける歩道や公園に敷設する場 合には、厚さ約20〜30mmのものが用いられ、敷設工法としては、例えば図 11(a)、(b)に示すように、整地した砕石または路盤1上にコンクリート 2を打設し、このコンクリート2上にモルタルなどの接着材層3を形成し、この 接着材層3の上に多数の天然石敷石4を6〜10mmの間隔をおいて配置して裏 面を定着させ、接着材層3を介してコンクリート2と結合し、隣接する天然石敷 石4間に形成した目地間隙aに充填した、目地材5を介して結合し一体化する湿 式工法が採用されることが多い。
【0004】 また、比較的大きい荷重を受ける、例えば歩道兼車道、車道などに敷設する場 合には、厚さ約60〜80mmの天然敷石が用いられ、敷設工法としては、例え ば図12(a)、(b)に示すように、整地した砕石または路盤1上に砂層6を 形成し、この砂層6の上に多数の天然石敷石4aを5〜10mmの間隔をおいて 配置して裏面を定着させ、隣接する天然石敷石4b間に形成した目地間隙bに充 填した目地材5を介して結合し一体化する乾式工法が採用されることが多い。 上記の天然石敷石4、4aの張り方(貼り方)としては、イモ目地(4つ目、 十字目地)張り、ウマ目地(馬踏み目地、十字目地)張り、方形乱張りなどがあ る。
【0005】 天然石敷石4、4aの裏面と側面が平滑面になっている場合、例えば湿式工法 で敷設の場合では、天然石敷石4の接着面となる裏面および目地材5との接着面 となる側面は平滑面であるため、接着材層3、目地材5との結合力が十分ではな く、人や車による繰り返し荷重を受け、天然石敷石4と接着材層3や目地材5と の間で剥離現象を生じやすいという問題があった。
【0006】 この天然石敷石4の場合で、小たたき仕上げやバーナー処理などにより、裏面 および側面にも凹凸(粗面)を形成して、接着材層3や目地材5との結合力を強 化し接着強度を高めることが可能ではあるが、このような方法で天然石敷石の上 下両面に凹凸を形成する際、特に厚さが約20〜30mmと比較的薄い場合では 、微細な石面の結晶を破壊し天然石敷石の破損を誘発しやすくなるという懸念が あるため、側面および裏面に面すべりを抑制できるような明確な凹凸を直接形成 することは行われていなかった。
【0007】 また天然石敷石4aを、例えば乾式工法により敷設する場合には、裏面が平滑 面であるため砂層6との定着力が小さく、また側面と目地材5との結合力が十分 ではない。そのため、特に車道の場合では大きな繰り返し荷重を受け、面滑りを 生じやすく定着が十分でないこともあって、天然石敷石4aと目地材5間で剥離 現象を生じ、天然敷石としての機能を安定確保できないという問題があった。ま たこの際、隣接する天然石敷石4aの上部周縁同士が車輪で押し込まれて傾斜し 衝突して破損するいう問題もあった。
【0008】 上記のような天然石敷石を用いた場合の問題を解消するために、天然石敷石の 側面、裏面、上面(表面)に段差部を形成するプレートや凹凸を形成したプレー トを植設または接着することも提案されているが、植設、接着作業負担増に加え て、プレートコスト負担、加工コスト負担も大きいなどの問題があった。 一般には、タイルやコンクリートブロックを用いる場合にも、側面および裏面 が平滑面である場合には同様の問題を生じるため、この問題を解消するために、 接着面積を大きくすると共に面滑りを抑制する裏足付きのコンクリートブロック やタイルが用いられているが、天然石敷石の場合では、このような裏足を採用す ることは加工コスト増の問題があるため、普及されていない。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】
本考案は、タイルやコンクリートブロックより耐久力に優れ、重厚感のある天 然石板を、歩道や車道、公園、橋梁や建造物の床等の敷石として用いる場合の、 上記問題を有利に解決できる天然石敷石を提供する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本考案の要旨は、以下の(1)〜(7)の構成からなる。 (1).天然石板の側面(敷設状態では、正面および両側面および背面のすべて または一部を意味する、以下「側面」という。)に複数条の縦溝(敷設状態では 垂直溝である、以下「縦溝」という。)を直接形成し、裏面に定着溝を直接形成 したことを特徴とする天然石敷石。 (2).天然石板の上端部周縁を切り欠いて段差面を形成し、この段差面から裏 面に至る側面に複数条の縦溝を直接形成したことを特徴とする天然石敷石。 (3).前記(1)または(2)において、側面に複数の樹脂製の目地キープを 固着したことを特徴とする天然石敷石。
【0011】 (4).前記(3)において、固着された目地キープがL形材であり、側面と裏 面に跨がってL形突出部を形成するものであることを特徴とする天然石敷石。 (5).前記(2)〜(4)のいずれか1項において、裏面に定着溝が直接形成 されていることを特徴とする天然石敷石。 (6).前記(1)〜(5)のいずれか1項において、側面の縦溝または裏面の 定着溝が、幅3〜7mm、深さ0.5〜5mmのものであることを特徴とする天 然石敷石。 (7).前記(1)〜(6)のいずれか1項において、上面に凹凸を直接形成し たことを特徴とする天然石敷石。
【0012】
【考案の実施の形態】
本考案の天然石敷石は、歩道や車道、公園、橋梁や建造物の床等の敷石として 用いる厚さが20〜80mm程度のものであり、基本的には、天然石板の側面に 直接に縦溝を形成して、目地材(接着材)の充填性を阻害することなく、目地材 との接触面積を大きくして目地材との結合力強化を可能にするものである。 また、裏面に直接に定着溝を形成し、湿式工法ではコンクリートとの間に充填 される接着材との接触面積を大きくして接着材との結合力を強化し、乾式工法で は砂層と裏面との接触面積を大きくして面滑りを抑制して定着力の安定確保を可 能にするものである。
【0013】 特に、大きな偏荷重を受ける車道に敷設する厚みが約60〜80mmの天然石 敷石の場合には、敷設した天然石敷石間で傾きを生じて上端部の周縁が衝突・破 損することがあるため、上端部の周縁を切り欠いて段差面を形成(割りエッジ加 工)して、使用状態で大きな偏荷重を受けた際に天然石敷石間での傾きの発生を 抑制し、上端部の周縁の衝突による破損を防止するものである。 また、厚みが約60〜80mmの天然石敷石の場合には、所定の目地間隙を形 成して配置する作業負担が大きいので、側面に目地間隙相当の厚さの樹脂製の目 地キープを固着させて、所定の目地間隙を容易に確保できるようにして、この作 業負担の軽減を可能にするものである。
【0014】 この目地キープは、目地材と一体化して目地材の一部を形成することができる 。この場合、目地キープをL形材にして、裏面側に跨がらせて固着させてL形突 出部を形成し、目地キープ機能に加え、裏面の定着力の強化機能を持たせること も可能である。この目地キープは、天然石敷石間での傾き発生の抑制にも寄与す る。 なお、上面(表面)には、滑り止めや意匠性(美観)付与のために凹凸を直接 形成してもよい。
【0015】 本考案で、天然石敷石の側面に形成する溝を縦溝にするのは、目地材や接着材 などを充填する場合に充填性を阻害しないためで、この縦溝は、基本的にはV形 溝、U形溝、波形溝(溝部と山部を同じ波形で形成)などで、溝幅(最大幅)が 3〜7mm、溝深さが0.5〜5mmのものであることが好ましい。 なお、この縦溝のピッチ(間隔)は、要求される接着(結合)強度に合わせて 調整するが、通常の場合は3〜7mmの範囲であれば十分効果がある。 この縦溝は、基本的には均一で安定な結合力を確保するため、また目地材(接 着材)の充填性を安定確保するためには、規則的に形成することが望ましいとい えるが、敷設下地材と敷設状況によっては溝形成条件を変えることもできる。
【0016】 本考案で、天然石敷石の裏面に形成する定着溝は、湿式工法で敷設する場合と 乾式工法で敷設する場合では、若干形成条件を変えることが望ましい。例えば湿 式工法で敷設する場合には、基本的にはV形溝、U形溝などで、縦溝または横溝 、あるいは縦溝と横溝の組み合わせ溝などであり、溝幅(最大幅)が3〜7mm 、溝深さが0.5〜5mmであることが好ましい。これらの溝は、基本的には均 一で安定な結合力を確保するため、規則的に形成することが望ましいといえるが 、敷設下地材と敷設状況によっては溝形成条件を変えることもきる。
【0017】 乾式工法で敷設する場合には、天然石敷石の裏面を砂層上に定着することにな るので、定着溝による作用が、湿式工法で敷設する場合よりも若干顕著になる条 件で定着溝を形成することが有効である。 乾式工法で敷設する天然石敷石は、厚さが約60〜80mmと比較的厚いので 、定着溝を深めに形成しても、溝形成時に破損を誘発する懸念は小さいので、定 着溝形成条件として、上記の溝幅範囲、溝深さ範囲の上限領域を選択することが でき、砂層との定着力を十分に確保することができる。
【0018】 乾式工法で敷設する場合の天然石敷石の側面の縦溝は、湿式工法で敷設する場 合と同様のものでよい。 上記の天然敷石側面の縦溝、及び裏面の定着溝は、プレス、金属ノミ、グライ ンダー状の切削器具等によってグルーピング切削(加工)することで、厚さ20 〜30mmレベルの天然石敷石の場合でも破損を誘発させることなく、所定の形 状に形成することができる。
【0019】 本考案で、天然石敷石の上端部の周縁の破損を防止するために、上端部の周縁 を切り欠いて形成する段差面(割りエッジ)は、幅および上面からの段差が厚み の1/5〜1/10程度の条件で形成されていれば、天然石敷石間で傾きの発生 を抑制し、上端周縁の破損を防止することができる。この段差面はを平坦(水平 )面ではなく傾斜面にすることは、目地材の充填性をさらに安全確保する上で有 効である。 なお、この段差面は、すべての側面に形成することは不可欠ではなく、敷設場 所、天然石敷石の配置、敷設工法、施工条件などに応じて選択的に形成するもの である。
【0020】 側面に固着する目地キープは、相応の強度を有し軽量で製造も容易で接着性が 良好な例えば樹脂板を用い、固着された状態で厚みが目地間隙5〜10mmを確 保できるように形成すればよく、隣接する天然石敷石間で干渉しないように、か つ目地間隙を2点以上で安定確保できるように、例えば1〜複数個配置するもの である。また、この目地キープをL形材にして、裏面側に跨がらせて固着させて L形突出部を形成する場合には、裏面側では、定着力の強化機能を持たせるため に必要な幅、厚みを選択する。幅、厚みが側面側と同じであってもよい。
【0021】 目地キープは、それぞれの天然石敷石に同じ条件で配置することは不可欠では ない。この目地キープの固着手段としては、石と樹脂の接着を可能とする、例え ば市販の接着剤を用いた接着が容易であるが、L形材にして裏面側で定着力強化 に寄与させる場合には、裏面側の固着力を高めるために嵌合と接着を併用しても よい。裏面の定着溝、L形突出部は、荷重が小さく面滑りの懸念の少ない場合に は、省略してもよい。 上記の天然敷石側面の縦溝、及び裏面の定着溝、割りエッジ(段差面)の加工 は、プレス、金属ノミ、グラインダー状の切削器具等によってグルーピング切削 (加工)することで、厚さ20〜30mmレベルの天然石敷石の場合でも破損を 誘発させることなく、所定の形状に形成することができる。
【0022】 なお、上面(表面)には、滑り止めや美観のため凹凸を直接に形成してもよい 。この凹凸は、基本的には従来と同様のものであり、従来と同様の方法、例えば 小たたき仕上げ(ハンマーで叩いて加工)やバーナー処理によって形成すること ができるし、上記縦溝、定着溝の形成手段と同様の機械を用いて形成することも できる。 上記の天然石敷石の側面の縦溝、裏面の定着溝、割りエッジ加工、上面の凹凸 の形成を機械で行うようにすれば、加工負担を小さくでき量産可能である。
【0023】
【実施例】
(実施例1) 以下に、本考案の天然石敷石の実施例1を図1〜図6に基づいて説明する。 この実施例1は、湿式工法で敷設する歩道用の天然石敷石の例である。 図1〜図4において、4bは厚みが25mm程度、幅が100mm程度、長さ が200mm程度のブロック状の天然石敷石であり、正面、両側面、背面には幅 が約3mm、深さが約1mmのU字形の縦溝7が、間隔(ピッチ)3〜7mmで 多数形成され、裏面には、幅が約4mm、深さが約1.5mmのU字形の定着溝 である横溝8が、間隔(ピッチ)3〜7mmで多数、直接形成されたものであり 、表面(上面)に滑り止めおよび意匠性のある不定形状の凹凸9を直接形成した ものである。
【0024】 この天然石敷石4bを、湿式工法で歩道に敷設する場合には、図5、図6に示 すように路盤1上に打設したコンクリート2上にモルタルからなる接着材層3を 打設し、この接着材層3の上に多数の天然石敷石4bを6〜10mmの間隔で並 べて配置し、縦溝7を含む目地間隙cに、上方から充填装置10で目地材5を充 填して固化させ、多数の天然石敷石4bを接着材3を介してコンクリート2と結 合すると共に、隣接する天然石敷石4bを目地材5を介して結合させ、天然石敷 石4c同士、および天然石敷石4bとコンクリート2を一体化するものである。
【0025】 このようにして多数の天然石敷石4bを湿式工法で敷設した歩道においては、 天然石敷石4bの裏面に形成した横溝8効果で、天然石敷石4bの裏面と接着材 層3との接触面積を大きくして接着材層3を横溝8に密に食い込ませた状態で安 定的に定着させることができる。したがって、接着材層3を固化させることによ り、天然石敷石4bとコンクリート2を接着材層3を介して強固に一体化するこ とができる。また、隣接する天然石敷石4b間では縦溝7効果で、天然石敷石4 bの側面と目地材5との接触面積を大きくして目地材5を縦溝7に密に食い込ま せることができ、目地材5を固化させることにより、隣接する天然石敷石4bを 目地材5を介して強固に一体化することができる。
【0026】 なお、天然石敷石4bの側面の縦溝7は、目地間隙cに目地材5を充填する場 合の支障になることはなく、目地間隙bに目地材5を円滑に充填することができ る。 このようにして得られた、本考案の実施例1の天然石敷石4bを敷設した歩道 では、天然石敷石4bとコンクリート2が接着材層3を介して強固に結合され、 また天然石敷石4b同士が目地材5を介して強固に結合されるので、歩道の耐久 力を向上させることができる。
【0027】 (実施例2) 以下に、本考案の天然石敷石の実施例2を図7、図8に基づいて説明する。 この実施例2は、乾式工法で敷設する歩道兼車道用の天然石敷石の例である。 図7(a)〜(d)において、4cは厚みが60mm程度の天然石敷石で、上 部周縁に幅xが5mmの段差面dfを上面から5mm下位に形成(割りエッジ加 工)したものであり、側面には幅が約5mm、深さが約1.5mmのU字形の縦 溝7が、間隔(ピッチ)3mmで多数形成され、裏面には、幅が約5mm、深さ が約1.5mmのU字形の溝横からなる定着溝8が、間隔(ピッチ)3〜7mm で多数、直接形成されたものであり、表面(上面)に滑り止めおよび意匠性のあ る不定形状の凹凸9が形成されたものである。 また側面には、幅10mm、厚み5mmの樹脂製の目地キープ11が固着され ている。
【0028】 この天然石敷石4cを、乾式工法で歩道兼車道に敷設する場合には、図8(a )、(b)に示すように路盤1上に厚みが20mmの砂層6を形成し、この砂層 6の上に多数の天然石敷石4cを、目地キープ11の利用により約5mmの間隔 で並べて配置し、側面の縦溝7を含む目地間隙dに、上方から充填装置10で目 地材5を充填して固化させ、多数の天然石敷石4cを目地材5を介して結合させ て一体化する。 このようにして多数の天然石敷石4cを乾式工法で敷設した歩道兼車道におい ては、天然石敷石4cの裏面に形成した定着溝8効果で、天然石敷石4cの裏面 と砂層6との接触面積を大きくして砂層6を定着溝8に密に食い込ませた状態で 安定的に定着させることができる。
【0029】 また、隣接する天然石敷石4c間では側面の縦溝7効果で、天然石敷石4cの 側面と目地材5との接触面積を大きくして目地材5を縦溝7に密に食い込ませる ことができ、目地材5を固化させることにより、隣接する天然石敷石4cを目地 材5を介して強固に一体化することができる。 なお、天然石敷石4cの側面の縦溝7は、目地間隙dに目地材5を充填する場 合の支障になることはなく、目地間隙cに目地材5を円滑に充填することができ る。
【0030】 このようにして得られた、本考案の天然石敷石4dによる歩道兼車道では、目 地キープ11効果で所定の目地間隙を容易にかつ安定的に確保することができ、 施工性を向上させることができる。また、天然石敷石4cの裏面が定着溝8効果 で砂層6上に安定的に定着しており、各天然石敷石4cが目地材5を介して強固 に結合されているので、耐久力を向上させることができる。また、段差面の効果 で、天然石敷石間において上部周縁の車輪による傾斜を抑制して上部周縁の衝突 による破損を防止することができる。 なお、段差面df形成による目地材5の上部間隙には、砂12を充填するよう にしている。
【0031】 (実施例3) 以下に、本考案の天然石敷石の実施例3を図9に基づいて説明する。 この実施例3は、乾式工法で敷設する歩道兼車道用の天然石敷石の例であり、 裏面側の定着力を高める構造を付加したものである。 図9(a)〜(c)において、4dは厚みが80mm程度の天然石敷石で、上 部周縁に幅xが7mmの段差面dfを上面から7mm下位に形成(割りエッジ加 工)したものであり、側面には幅が約5mm、深さが約2mmのU字形の縦溝7 aが、間隔(ピッチ)3〜7mmで多数直接形成されたものであり、表面(上面 )に滑り止めおよび意匠性のある不定形状の凹凸9が形成されている。
【0032】 また、図9(a)に示すように、裏面には実施例1、2のような定着溝(8) を省略して、側面に図9(b)に示すような幅10mm、厚み5mmのL形の目 地キープ13を固着して、図9(a)、(c)に示すように、裏面と側面に跨が るL形突出部13aが形成されている。 この天然石敷石4dは、乾式工法で車道に敷設する場合には、基本的には図8 (a)、(b)と同様、路盤1上に20mmの砂層6を形成し、この砂層6の上 に多数の天然石敷石4dを、5〜10mmの間隔で並べて配置し、側面の縦溝7 aを含む目地間隙dに、上方から充填装置10で目地材5を充填して固化させ、 多数の天然石敷石4dを目地材5を介して結合させて一体化するものであるが、 裏面では定着溝を省略してL形の目地キープ13によるL形突出部13aを形成 して定着力を強化し、側面側では5〜10mmの間隔に相当する目地間隙を容易 かつ安定的に形成することができ、施工性を高めることができる。
【0033】 このようにして多数の天然石敷石4dを乾式工法で敷設した歩道兼車道におい ては、天然石敷石4dの裏面に形成したL形突出部を砂層6に確実に食い込ませ 、天然石敷石4dの裏面を安定的に定着させることができる。また、隣接する天 然石敷石4d間では側面の縦溝7、L形突出部効果で、天然石敷石4eの側面と 目地材5との接触面積を大きくして目地材5を縦溝7、L形突出部13aに密に 食い込ませることができ、目地材5を固化させることにより、隣接する天然石敷 石4dを目地材5を介して強固に一体化することができる。 なお、天然石敷石4dの側面の縦溝7、L形突出部は、目地間隙に目地材5を 充填する場合の支障になることはなく、目地間隙に目地材5を円滑に充填するこ とができる。
【0034】 このようにして得られた、本考案の天然石敷石4dによる歩道兼車道では、実 施例2と同様の効果に加え、天然石敷石4dの裏面がL形突出部12a効果で砂 層6上により確実に定着させることができ、耐久力を確実に強化することができ る。 上記実施例2、3において、天然石敷石4c、4dの上端の周縁部に形成の段 差面は、図10に示すように、傾斜面にして目地材の充填性をより安定させるこ とも有効である。 なお、上記の実施例1〜3における接着材または目地材は、充填作業性の良好 なものであって、充填後には固化して強度と結合性を有する、ウレタンなどの樹 脂、セメントペースト、ブタジエン、セメントモルタルなどやセメントアスファ ルト乳剤混合物等から選択されるものである。
【0035】 本考案の天然石敷石は、上記の実施例1〜3の天然石敷石に限定されるもので はなく、また敷設場所、敷設工法に適用が限定されるものではない。例えば本考 案の天然石敷石を湿式工法で敷設する場合に、基盤となるものはコンクリート面 に限定されるものではなく、アスファルト面、アスファルト安定処理路盤面など であってもよい。 また、乾式工法で敷設する場合に基盤となるものは、砕石路盤に限定されるも のではなく、建築物の土間やコンクリートなどによる床面(含む橋梁)であって もよい。また、本考案の天然石敷石の側面に形成する縦溝、裏面に形成する定着 溝、目地キープ、L形目地キープ、段差面などの形成条件(含む配置)、表面に 形成する凹凸形状等については、上記の例に限定されるものではなく、敷設場所 、基盤条件、要求される耐久力条件などに応じて、上記請求項を満足する範囲内 で条件を選択するものである。
【0036】
【考案の効果】
本考案の天然石敷石は、側面、裏面に直接に溝を形成して面滑りを抑制すると 共に、接着材や目地材との接触面積を大きくすることによって、湿式工法では接 着材への接着性を安定確保し、乾式工法では砂層への定着性を安定確保すると共 に、湿式工法、乾式工法のいずれにおいても目地材との結合性を強化することが でき、この天然石敷石を敷設した、例えば歩道や歩道兼車道の耐久力を、また橋 梁においては全体の重量を軽減するためにも石の厚みを薄くし、接着力を高め安 定確保することができる。 また、L形スペーサーによるL形突出部を形成した場合には、裏面の定着力を より安定的に確保でき、所定の目地間隔の形成が容易になり、施工性を向上させ ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の天然石敷石の実施例1を示す正面説明
図。
【図2】図1の天然石敷石の側面説明図。
【図3】図1の天然石敷石の裏面説明図。
【図4】図1の天然石敷石の平面説明図。
【図5】本考案の天然石敷石の敷設例を示す側断面説明
図。
【図6】図5の平面説明図。
【図7】(a)図は、本考案の天然石敷石の実施例2を
示す側面説明図、(b)図は、(a)図の天然石敷石の
側面説明図、(c)図は、(a)図の天然石敷石の裏面
説明図、(d)図は、(a)図の天然石敷石の平面説明
図。
【図8】(a)本考案の天然石敷石の敷設例を示す側断
面説明図、(b)図は、(a)図の平面説明図。
【図9】(a)図は、本考案の天然石敷石の実施例3の
裏面を上にした立体説明図、(b)図は、(a)図のL
形目地キープの形状例を示す立体説明図、(c)図は、
(a)図の天然石敷石の上面を上にした立体説明図。
【図10】実施例2、実施例3の天然石敷石での段差面
の他の例を示す側面部分説明図。
【図11】(a)図は、従来の天然石敷石の湿式工法に
よる敷設例を示す側断面説明図、(b)図は、(a)図
の平面説明図。
【図12】(a)図は、従来の天然石敷石の乾式工法に
よる敷設例を示す側断面説明図、(b)図は、(a)図
の平面説明図。
【符号の説明】
1 :砕石路盤 2 :コンクリート 3 :接着材層 4a〜4d :天然石敷石 5 :目地材 6 :砂層 7 :縦溝 8 :定着溝(横溝) 9 :凹凸 10:充填装置 11 :目地キープ 12:段差面(傾斜面) 13 :L形目地キープ 13a:L形突出部

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 天然石板の側面に、複数条の縦溝を直接
    形成し、裏面に定着溝を直接形成したことを特徴とする
    天然石敷石。
  2. 【請求項2】 天然石板の上端部周縁を切り欠いて段差
    面を形成し、この段差面から裏面に至る側面に複数条の
    縦溝を直接形成したことを特徴とする天然石敷石。
  3. 【請求項3】 側面に複数の樹脂製の目地キープを固着
    したことを特徴とする請求項1または2に記載の天然石
    敷石。
  4. 【請求項4】 固着された目地キープがL形材であり、
    側面と裏面に跨がってL形突出部を形成するものである
    ことを特徴とする請求項3に記載の天然石敷石。
  5. 【請求項5】 裏面に定着溝が直接形成されていること
    を特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の天然
    石敷石。
  6. 【請求項6】 側面の縦溝または裏面の定着溝が、幅3
    〜7mm、深さ0.5〜5mmのものであることを特徴
    とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の天然石敷
    石。
  7. 【請求項7】 上面に凹凸を直接形成したことを特徴と
    する請求項1〜6のいずれか1項に記載の天然石敷石。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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