JP3074051U - 炭焼き兼用陶芸窯 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】炉壁の耐熱性・耐クラック性を向上させること
で炭焼き、陶芸用の窯として兼用可能となした。 【解決手段】炉壁の内張りに耐火レンガを使用し、その
外側にセラミックファイバー層と耐火キャスター層を設
けた炭焼き兼用陶芸窯

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、陶芸製作に使用する窯炉に係り、特に炭焼きと陶芸品の製作に兼用で きる炭焼き兼用陶芸窯に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

最近の陶芸ブームにのって、趣味で作陶する人が増え陶芸用の小規模の窯が作ら れている。又最近間伐材の有効利用や脱臭効果、遠赤外線放出効果、水又は土の 活性化等の効果があることから、木炭が見直され木炭を自分たちで作ろうと言う 機運が出ており炭焼き窯築炉の要望もある。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】

ところで、陶芸用の窯にしろ、炭焼き窯にしろ焼成温度は異なるものの同じよう に高温で焼成されるものであるが、陶芸用窯、炭焼き窯のそれぞれが別々に作ら れ使用に供されており、かかる状態は設置場所、設備管理の面から効率的でない 。しかも陶芸窯にしろ炭焼窯にしろ年中連続して焼くものでなく一つの窯を兼用 することが好ましい。

【０００４】 本考案者らは陶芸用窯や炭焼用窯の窯を研究する内に以下のような構造とするこ とにより陶芸用と炭焼用とが兼用可能であることを見いだし本考案をなすに至っ た。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

すなはち、炉壁の内張りに耐火レンガを使用すると共に、その外側にセラミック ファイバー層及び耐火キャスター層を設けたことである。

【０００６】 本考案における実施の形態を説明する前に、上記構成の技術的作用について以下 に説明する。 炭焼き作業は、一般に先ず、生木や風倒木等の原木を窯に詰め、原木に着火し所 定の温度まで燃やした後、窯の焚き口を徐々に閉じ、蒸し焼きしその後火止めを 行い煙道を閉じ、蒸し焼きして木炭を作る。このうち蒸し焼き工程での空気の進 入はあってはならず、炉壁やダンパーのシールは特に大切である。

【０００７】 一方陶芸の場合は付着水分の脱水、有機物の酸化、結晶水の脱水、酸化炎昇温（ 還元炎昇温、中性炎昇温）急冷、徐冷の順で製作されその昇温温度は１３００℃ にも達し炉内の壁は高温にさらされ、炉壁は所定の耐火度が必要であり又焼成の 後冷却され耐火物には冷却によるひび割れ、クラックが発生することは避けられ ない。

【０００８】 本考案は炭焼きで必要な炉壁のシール性と陶芸で必要な高温耐火性を満足するた め、高温耐火性を有する耐火レンガで内張りをし、その外側にクッション性のあ るセラミックファイバーを設け耐火レンガの高熱による膨張収縮を緩和し、更に 耐火キャスターを設けた窯の耐火キャスターのクラックを防止し結局窯のシール 性を確実にした構造とした

【０００９】 本考案の一例を図面に基づき詳述する。第一図は本考案の炭焼き兼用陶芸窯（以 下単に窯（１）という）の縦断面図である。 窯（１）は耐火レンガ他よりなる側壁（２）、天井（３）などの炉壁より形成さ れており、この炉壁はＳＫ−３６（熔倒温度１７９０℃）で２３０×１１４×６ ５ｍｍの耐火レンガ（１０）、１００ｍｍ厚さのセラミックファイバー（１１） 、耐火キャスター（１２）を１００ｍｍ厚さに施工することにより構成され、炭 焼き及び陶芸の焼成が兼用可能である。なお、セラミックファイバー（１１）は 圧縮し５０ｍｍ厚さで使用する。

【００１０】 なお、窯（１）には、バーナーを取り付けた焚口（４）焼成室（５）窯床（６） が形成され、窯床（６）上の焼成室（５）に炭焼き用の原木あるいは陶芸用の素 焼き素材を積み上げ木炭や陶磁器を作る。また、焚口（４）と焼成室（５）との 間には直接炭や陶磁器に炎が当たらないように火盾（７）が設けられており、焼 成室（５）からの排気はダンパー（８）（８‘）が設けられ煙突（９）に通じて いる。なお本実施例での焼成室（５）の容積は約０．６〜３．０ｍ^３であった。

【００１１】 次に本考案の窯（１）による焼成を炭焼き、陶芸のそれぞれについて述べる。炭 焼きについては、窯床（６）に原木を縦にして並べ焚口（４）のバーナーに点火 、焼成室（５）で原木の頂部より点火が始まる。約１０時間後４５０℃に焚口（ ４）及びダンパー（８）（８‘）を少しづつ閉め蒸し焼きした後冷却して、その ４０時間の後に窯から木炭を取り出すわけである。

【００１２】 次に陶芸の場合は、窯床（６）に耐火性の支柱を立て棚板を敷き並べ、この棚板 上に陶磁器の素焼き素材を窯積み、焚口（４）より点火し次第に昇温し、付着水 分の脱水、有機物の酸化、結晶水の脱水、酸化炎昇温（還元炎昇温、中性炎昇温 ）で１３００℃に昇温したのち、急冷、徐冷の順で完成する。

【００１３】

【発明の効果】

以上の説明から明らかなように、本考案によれば、内張りを耐火レンがとするこ とにより高温での焼成が可能であり陶芸の焼成が出来る。又耐火レンガの外側に はセラミックファイバー層を設けることで耐火レンガの加熱時の膨張、冷却時の 収縮を外側の耐火キャスターに伝えず緩衝材の役目をする。更にセラミックファ イバー層や耐火キャスター層を設けることで木炭など炭焼き時に炉内に空気が進 入する事がなく一つの窯で炭焼き陶芸品の焼成が兼用できるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の窯の一例の構成を示す図である。

【符号の説明】

１‥窯 ２‥側壁 ３‥天井 ４‥焚口 ５‥
焼成室 ６‥窯床 ７‥火盾 ８‥ダンパー ９‥煙突
１０‥耐火レンガ １１‥セラミックファイバー １２‥耐火キャスター

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】炉壁の内張りに耐火レンガを使用すると共
   に、その外側にセラミックファイバー層及び耐火キャス
   ター層を設けたことを特徴とする炭焼き兼用陶芸窯。