JP3073833B2 - 太陽電池の製造方法 - Google Patents

太陽電池の製造方法

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JP3073833B2 JP04124991A JP12499192A JP3073833B2 JP 3073833 B2 JP3073833 B2 JP 3073833B2 JP 04124991 A JP04124991 A JP 04124991A JP 12499192 A JP12499192 A JP 12499192A JP 3073833 B2 JP3073833 B2 JP 3073833B2
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    • Y02E10/546Polycrystalline silicon PV cells

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、太陽電池の製造方法の
改良、特に微細電極の形成に関するもので、高い変換効
率を有する太陽電池を低コストで製造するのに有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】太陽電池の高効率化を図るためには、受
光面電極の電極占有面積を電極の直列抵抗を増加させな
い範囲で、できるだけ低減させる必要がある。その理由
は、電極は半導体への光を遮蔽するばかりでなく、電極
と基板のシリコン結晶との接触部分での少数キャリアの
再結合が無限大であるからである。また、表面パッシベ
ーションを施した太陽電池では、パッシベーション用の
酸化膜により表面での少数キャリアの再結合低減を目的
としているため、電極占有面積の低減は酸化膜の面積を
広くすることになり、パッシベーション効果を高め、太
陽電池特性たとえば短絡電流密度(Jsc),開放電圧
(VOC)の向上につながる。また、電極を微細にし高密
度化して配置すれば、同じ電極占有面積であっても、J
SCやVOCを低下させることなく、曲線因子(FF)を向
上させることができる。
【0003】以上のように、太陽電池の特性向上には、
微細電極の形成技術の確立が不可欠となってきている。
電極形成には、工程が簡略化でき製造コストの低減化に
つながる金属ペーストを用いたスクリーン印刷法が広く
行なわれている。
【0004】また、FFを向上させる手段として、受光
面電極をシリコン基板中に埋込む方法がある。これは、
受光面電極占有率を変化させることなく、受光面電極の
シリコン基板との接触面積を増加させるのもであり、F
Fの向上につながる。
【0005】さらに、電極とシリコン基板との接触部分
付近での少数キャリアの再結合低減には、前述の電極占
有面積を減らすことのほかに、電極と接触する部分にの
みハイドープ層(たとえばn++層)を設けることが有効
である。ハイドープ層を形成することにより、電極とシ
リコン基板との接触抵抗を低減することができ、FFの
向上が期待できるばかりでなく、より高い電流を得るた
めに接合を浅くしたときのリーク電流増加によるVOC
よびFFの低下を防ぐことができる。
【0006】また、JSCを向上させる手段として、反射
防止膜の二層化が挙げられる。これは、単層の反射防止
膜よりも太陽電池表面での反射率をさらに低減し、JSC
を向上させるものであり、単層反射防止膜の場合には一
つの波長のみで反射率が極小となるが、異なる屈折率を
持つ膜を二層重ねた二層反射防止膜では、膜厚の設定に
よって二つの波長で反射率の極小点が現われ、単層の場
合よりも大きな反射率の低減効果が期待できる。二層反
射防止膜の形成には、常圧CVD法で形成した第一層目
の反射防止膜となるたとえばTiO2 膜(屈折率:2.
2)上に、蒸着が容易であり機械的に強く安定である、
たとえばMgF2 膜(屈折率:1.38)を形成したM
gF2 /TiO2二層反射防止膜が一般的に用いられて
いる。
【0007】このように、受光面電極の微細化,受光面
電極の埋込み,電極形成部にのみハイドープ層の形成,
反射防止膜の二層化等は、太陽電池特性を向上させるの
に非常に有効な手法である。
【0008】図2(a)〜(l)は、従来の二層反射防
止膜を有する受光面電極形成部にn ++拡散層を形成した
受光面電極埋込構造の太陽電池の製造工程の一例を示す
略断面図である。
【0009】まず、図2(a)に示すように、単結晶ま
たは多結晶のたとえばp型シリコン基板1の受光面電極
形成部分に、ICチップの切断に汎用されているダイシ
ング装置等によって、受光面電極埋込用の溝1−2を形
成する。
【0010】次に同図(b)に示すように、通常のn+
拡散層に比べて表面キャリア濃度が高く深い接合層であ
るn++拡散層2を、p型シリコン基板1の全面に形成す
る。
【0011】次に同図(c)に示すように、受光面電極
埋込用の溝1−2部分に位置合わせをして、スクリーン
印刷法により耐薬品性のワックス3を印刷,乾燥する。
【0012】この後同図(d)に示すように、アルカリ
水溶液によりエッチングを行ない、受光面電極形成部以
外のn++拡散層2を除去するとともに、表面反射率を低
減するために、表面に微細な凹凸1−3を形成し、テク
スチャ構造にする。
【0013】次に同図(e)に示すように、ワックス3
を除去する。次に同図(f)に示すように、p型シリコ
ン基板1の全面にn+ 拡散層4を形成する。
【0014】次に同図(g)に示すように、表面安定化
のための例えばSiO2 によるパッシベーション膜5を
ドライ酸化法により形成する。次に同図(h)に示すよ
うに、反射防止膜の第一層目となるTiO2 膜を常圧C
VD法により積層する。
【0015】続いて同図(i)に示すように、エッチン
グにより裏面および側面の不要なn + 接合層を除去す
る。次に同図(j)に示すように、裏面にAlペースト
を印刷,焼成により、BSF層となるp+ 層7と裏面電
極8を形成する。
【0016】次に同図(k)に示すように、位置合わせ
を行ないTiO2 膜6の上から、スクリーン印刷法によ
り例えば銀ペーストのような金属ペースト9の印刷,焼
成により受光面電極を形成する。
【0017】最後に同図(l)に示すように、反射防止
膜の第二層目となるMgF2 膜10を蒸着法により表面
に形成して太陽電池が完成される。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】従来は、前述のよう
に、受光面電極埋込用の凹所たとえば溝の形成,n++
の形成および反射防止膜の形成がそれぞれ別々の工程に
よって行なわれているために、プロセスが複雑になりコ
スト高になっていた。また、従来のAgペースト等の金
属ペーストを用いたスクリーン印刷法では、スクリーン
マスクのパターン精度から、線幅50μm程度が限界で
あり、電極の微細化ができない。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明においては、光電
変換層およびパッシベーション膜の形成を含む表面の処
理を施した第1の導電型のシリコン基板の表面に第2の
導電型のドーパントを含む材料を塗布乾燥し、その表面
にフィルムを貼付け、レーザ光を受光面電極のパターン
に従ってフィルムの表面に照射し、電極埋込用の開口部
形成とともに開口部周辺部に第2の導電型の拡散層を形
成し、前記の開口部およびその周辺のフィルムの表面に
金属ペーストを塗布し、その後フィルムを剥して電極を
焼成するようにした。
【0020】
【作用】ドーパントを含む材料を基板の表面に塗布乾燥
し、その表面にフィルムを貼付け、受光面電極パターン
どおりにレーザ光を照射することにより、受光面電極埋
込用の開口部形成と同時に、その開口部周辺にハイドー
プ層を形成する。その後、前記の開口部よりも広い幅で
金属ペーストを印刷し、余分な金属ペーストをフィルム
ごと除去し残った金属ペースト乾燥,焼成すれば微細な
受光面埋込電極が形成できる。また、受光面電極部以外
の残ったドーパントを含む材料の膜は、金属ペースト焼
成時に緻密化し、第二層目の反射防止膜として機能す
る。
【0021】
【実施例】図1(a)〜(k)は、本発明の一実施例の
製造工程の略断面図である。
【0022】まず図1(a)に示されるように、単結晶
または多結晶のp型シリコン基板1をアルカリ水溶液中
でエッチングすることにより微細なピラミッド構造のテ
クスチャ構造にし、低反射率の表面を形成する。
【0023】次に同図(b)に示すように、850℃の
石英管の炉中で20分間POCl3の熱拡散を行ない、
全面にn+ 拡散層4を形成する。
【0024】次に同図(c)のように、表面安定化のた
めのSiO2 によるパッシベーション膜5をドライ酸化
法により形成する。
【0025】次に同図(d)のように、反射防止膜の第
一層目となるTiO2 膜6を常圧CVD法により積層す
る。
【0026】続いて同図(e)に示すように、エッチン
グにより裏面および側面の不要なn + 拡散層4を除去す
る。
【0027】次に同図(f)に示すように、裏面にAl
ペーストの印刷,焼成によりp+ 層7と裏面電極8を形
成する。
【0028】次に同図(g)に示すように、リン不純物
を含む塗布液(PSG液)を塗布,乾燥することによ
り、表面にPSG膜11を形成する。PSG液の成分は
エチルアルコールC2 5 OH:80ccに、五酸化リ
ンP2 5 :5グラム,珪酸エチルSi(OC2 5
4 :10ccおよび酢酸CH3 COOH:8ccを溶解
させたものである。
【0029】次に同図(h)に示すように、ポリイミド
フィルム12(厚さ25μm)を表面に貼付ける。次に
同図(i)に示すように、前述の基板を短波長レーザ装
置のX−Yステージに保持し、水素ガス雰囲気中で線幅
20μmでXeClエキシマレーザ光(λ=308n
m)を、所定のパターンの受光面電極形成位置に照射す
ることにより、受光面電極埋込用の開口部である溝1−
1の形成と、溝周辺部にn++拡散層2を形成するととも
に、ポリイミドフィルム12に開口部12−1を設け
る。レーザ照射条件を下記の表1に示す。
【0030】
【表1】
【0031】次に同図(j)に示すように、ポリイミド
フィルム12の開口部12−1より広く(本実施例では
60μm)金属ペースト9を印刷する。
【0032】次に同図(k)に示すように、ポリイミド
フィルム12を余分な金属ペースト9ごと除去する。残
った金属ペースト9を700℃で焼成することにより、
微細な受光面埋込電極9−1を形成する。この焼成の際
に、受光面電極形成部以外に残されたPSG膜11は緻
密化し、屈折率が1.45になり、第一層目の反射防止
膜であるTiO2 膜6(屈折率2.2)とともに二層反
射防止膜として機能する。
【0033】本実施例では、XeClレーザ(λ=30
8nm)を用いたが、KrFレーザ(λ=248nm)
を使用しても、同様のことが可能である。また、本実施
例では、基板がp型であるのでリンを含む塗布液を用い
たが、基板がn型の場合にはボロンを含む塗布液を用い
ると同様の効果が得られる。
【0034】上記実施例による太陽電池と従来の方法に
よる同様の太陽電池の特性の比較を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】本発明の方法で作製した太陽電池の特性
は、従来の方法と比較して、主に曲線因子と短絡電流密
度の向上により、変換効率で0.9%改善された。
【0037】
【発明の効果】本発明によれば、従来のようなワックス
印刷やスクリーンマスクの位置合わせ等の複雑な工程を
必要とせず、受光面電極埋込用の溝とn++拡散層が同じ
プロセスで形成でき、また、微細な受光面電極形成を可
能とし、さらに第2層目の反射防止膜も受光面の電極焼
成と同時に形成できるから、高い変換効率を有する太陽
電池を低コストで製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(k)は本発明の一実施例の各工程の
略断面図である。
【図2】(a)〜(l)は従来の製法の一例の各工程の
略断面図である。
【符号の説明】
1 p型シリコン基板 2 n++拡散層 4 n+ 拡散層 5 パッシベーション膜 6 TiO2 膜 7 p+ 層 8 裏面電極 9 金属ペースト 11 PSG膜 12 ポリイミドフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西田 誠 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (72)発明者 利根川 正 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シャープ株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−33980(JP,A) 特開 平2−298078(JP,A) 特開 平5−275722(JP,A) 特開 平5−36998(JP,A) 特開 平4−192372(JP,A) 米国特許5011565(US,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 31/04 - 31/078

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光電変換層およびパッシベーション膜の
    形成を含む表面の処理を施した第1の導電型のシリコン
    基板の表面に第2の導電型のドーパントを含む材料を塗
    布乾燥する工程と、 前記の材料を塗布乾燥した表面にフィルムを貼付ける工
    程と、 レーザ光を受光面電極のパターンに従ってフィルムの表
    面に照射し、電極埋込用の開口部形成とともに開口部周
    辺部に第2の導電型の拡散層を形成する工程と、 レーザ光により形成された開口部の表面に金属ペースト
    を塗布する工程と、 フィルムを剥して電極を焼成する工程、を有することを
    特徴とする太陽電池の製造方法。
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