JP3073617B2 - 締付工具 - Google Patents

締付工具

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JP3073617B2
JP3073617B2 JP04350657A JP35065792A JP3073617B2 JP 3073617 B2 JP3073617 B2 JP 3073617B2 JP 04350657 A JP04350657 A JP 04350657A JP 35065792 A JP35065792 A JP 35065792A JP 3073617 B2 JP3073617 B2 JP 3073617B2
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    • B25BTOOLS OR BENCH DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, FOR FASTENING, CONNECTING, DISENGAGING OR HOLDING
    • B25B23/00Details of, or accessories for, spanners, wrenches, screwdrivers
    • B25B23/14Arrangement of torque limiters or torque indicators in wrenches or screwdrivers
    • B25B23/147Arrangement of torque limiters or torque indicators in wrenches or screwdrivers specially adapted for electrically operated wrenches or screwdrivers
    • B25B23/1475Arrangement of torque limiters or torque indicators in wrenches or screwdrivers specially adapted for electrically operated wrenches or screwdrivers for impact wrenches or screwdrivers
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B25HAND TOOLS; PORTABLE POWER-DRIVEN TOOLS; MANIPULATORS
    • B25BTOOLS OR BENCH DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR, FOR FASTENING, CONNECTING, DISENGAGING OR HOLDING
    • B25B21/00Portable power-driven screw or nut setting or loosening tools; Attachments for drilling apparatus serving the same purpose
    • B25B21/02Portable power-driven screw or nut setting or loosening tools; Attachments for drilling apparatus serving the same purpose with means for imparting impact to screwdriver blade or nut socket
    • B25B21/026Impact clutches

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Mechanical Engineering (AREA)
  • Details Of Spanners, Wrenches, And Screw Drivers And Accessories (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインパクトレンチやイン
パクトドライバ等の締付工具の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】ボルト・ナット等のねじ類を強固に締付
けるための締付工具としてインパクトレンチやインパク
トドライバ等がよく用いられる。この工具は例えば電動
モータやエアモータ等の回転駆動源でハンマを回転させ
る。一方この工具はねじ類に係合してねじ類を回転させ
るアンビルを備えている。このハンマとアンビルは相互
に衝突してハンマがアンビルを回転させることと、ハン
マとアンビル間に所定値以上の力が作用したときにアン
ビルに対してハンマが遊転するように連携されている。
この構成を備えているために、ねじが軽負荷で螺合する
間はハンマがアンビルを連続的に回転させてねじ類を連
続的に締付けてゆく。ねじ類が締込まれてアンビルとハ
ンマ間に所定値以上の力が作用するようになると、ハン
マは遊転を始め、所定角遊転した後にアンビルに衝突す
るようになる。この遊転と衝突という動作が繰り返され
る。アンビルは衝突されるたびに回転し、ねじ類はその
都度締付けられてゆく。このような締付工具は特開平2-
19476 号公報等多くの公報に開示されている。
【0003】かかる締付工具の場合、最終的なねじの締
付トルクは衝突回数に依存する。強く締付けるにはハン
マがアンビルに多数回衝突するまでハンマをまわし続け
ることになる。すなわち締付トルクを調整するためには
衝突回数を調整すればよいことになる。締付力の調整に
関する技術として、本出願人は特公昭51-43240号公報に
開示されている技術を開発した。この技術では直接衝突
回数を検出するのでなく、ハンマの回転時間を調整する
ことで締付力を調整する。この技術は、同一形状のねじ
を同一形状のねじ孔に螺合するような場合には有効であ
り、ねじはほぼ一定の締付力となるまでねじ込まれる。
しかしながらねじが軽負荷でねじこまれる時間が不揃い
な場合には当然のことながら一定の締付力とならない。
一方衝突回数を直接検出する技術も提案されている。こ
れは実公昭53-21836号公報に開示されている。この技術
ではアンビルとハンマが遊転する毎に、ハンマが回転軸
方向に後退する現象に着目し、そのハンマの後退位置の
近傍に近接スイッチを配置しておくことでハンマの後退
回数(これは衝突回数に等しい)をカウントするもので
ある。このカウント数が予め設定しておいた回数に達し
たときにハンマを回転させる駆動源(この場合電動機)
を停止させる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本出願人がハンマの後
退位置の近傍に近接スイッチを配置し、ハンマの後退回
数をカウントさせてみたところ、カウント数が不正確に
なりがちであることを見出した。すなわち締付力が一定
とならないことを見出した。この原因は次のものと推察
される。アンビルやハンマは高速で繰返し回転されるも
のであるため、その潤滑のためにハンマ等の周囲にはグ
リスが充填されている。グリスには潤滑性能を向上させ
るために金属の微粉末が分散されている。従って近接ス
イッチの周囲にもこの金属微粉末が存在している。この
金属微粉末の存在によって近接スイッチが誤作動し、ハ
ンマの後退回数が正確にカウントされないものと推察さ
れる。また別の問題として、ハンマの後退位置は工具の
先端であり、ここまでリード線を伸ばすと生産工数がふ
え、またノイズ等をひろいやすいといった問題も存在し
ている。そこで本発明では、ハンマとアンビルの衝突回
数を正確にカウントし、締付力の調整性能が向上した締
付工具を開発することにした。
【0005】
【課題を解決するための手段】そこで本発明では、ハン
マとアンビル間に所定値以上の力が作用したときに該ア
ンビルに対して該ハンマが遊転し、該ハンマが所定角遊
転した後に該ハンマが該アンビルに衝突して該アンビル
を回転させる締付工具において、該ハンマと該アンビル
の衝突音を電気信号に変換するマイクロフォン、該マイ
クロフォンで検出されたレベルを参照レベルと比較する
手段、該比較手段によって検出レベルが参照レベルを越
えたタイミングを検出する手段、該タイミング検出手段
で検出された少なくとも2以上のタイミングから、タイ
ミングの周期を算出する手段、該周期算出手段で算出さ
れた周期に基づいて、検出レベルが参照レベルを越えた
回数を補償してカウントとするカウント手段、衝突回数
を予め設定しておく回数設定手段、該カウント手段のカ
ウント数と該回数設定手段の設定数を比較し、両者が一
致したときに該ハンマの回転駆動源を停止させるスイッ
チ手段とが付加されたことを特徴とする締付工具を創り
出した。
【0006】
【作用】本発明の締付工具によると、ハンマとアンビル
の衝突回数がその衝突音をカウントすることによって正
確にカウントされる。ここではグリス等の存在によって
カウント数が不正確になるといった問題は生じない。こ
のため本発明によると正確な回数だけ衝突させることに
よって正確な締付力に調整することができる。なおノイ
ズ等の影響によって、ハンマとアンビルが衝突している
にもかかわらず衝突音が検出されないことがあり得る。
この発明によると、このような場合にも、衝突の周期に
よって、検出されなかった衝突音の回数が補償されてカ
ウントされる。このためノイズ等があっても、正確な衝
突回数がカウントされ、正確な締付力に調整することが
できる。
【0007】
【実施例】次に本発明を具現化した一実施例を図を参照
して説明する。図1はマーキング用アダプタ100を取
付けたインパクトレンチ本体1を示している。図中3は
ハウジングを示し、ここにモータ22が収容固定されて
いる。モータ22の出力軸20にはギヤ18が固定さ
れ、このギヤ18に他のギヤ16がかみあっている。ギ
ヤ16はシャフト14に固定され、シャフト14の外周
にはギヤ歯14aが形成されている。このギヤ歯14a
にギヤ12がかみあっており、このギヤ12はメインシ
ャフト8に固定されている。これらのギヤ列によって減
速機構が構成されており、メインシャフト8はモータ2
2で回転駆動される。メインシャフト8には溝8aが斜
めに形成されており、そのメインシャフト8にハンマ4
が遊転可能となっている。ハンマ4と溝8a間にボール
6が介装されている。この溝8aとボール6とによりカ
ム機構が構成され、ハンマ4はメインシャフト8に対し
溝8aに沿って相対移動可能となっている。ハンマ4と
ギヤ12との間にばね10が圧縮状態で収容されてお
り、ハンマ4は図示左方に常時付勢されている。ハンマ
4の先端側にアンビル2がハウジング3に対して回転可
能に取付けられている。アンビル2の先端2aは断面多
角形になっており、ここにナット類の頭部に係合する図
示しないボックスが取付けられる。アンビル2の後端面
には直径方向に伸びる一対の突条2b,2cが形成され
ている。またハンマ4の先端面にも直径方向に伸びる突
条4b,4cが形成されており、各突条2bと4b及び
2cと4cあるいは2bと4c及び2cと4bの側面は
直径上で当接するようになっている。
【0008】今ナット類が軽負荷で締付けられていると
すると、アンビル2とハンマ4の各突条間に作用する
力、すなわちメインシャフト8とハンマ4間にボール6
を介して作用する力も弱く、ハンマ4はばね10の力に
よってアンビル2側に押付けられている。このためメイ
ンシャフト8の回転がハンマ4とアンビル2に連続的に
伝えられ、ナット類(図示しない)は連続的に締付けら
れてゆく。しかるにナット類の締付力が大きくなると、
アンビル2とハンマ4の各突条間にも大きな力が作用す
るようになり、メインシャフト8とハンマ4間にもボー
ル6を介して大きな力が作用するようになる。このため
ハンマ4を溝8aに沿ってメインシャフト8の後方側に
移動させる力も大きくなる。すなわちアンビル2とハン
マ4間に所定値以上の力が作用すると、ハンマ4が後退
して突条2b,2cと突条4b,4cの当接関係が失わ
れ、ハンマ4はアンビル2に対して遊転する。突条4
b,4cが突条2b,2cをのりこえると、ばね10に
よりハンマ4は前進する。このためハンマ4はアンビル
2に対して所定角遊転したのちに衝突する。この遊転し
て衝突する現象が繰り返され、衝突毎にナット類はより
強固に締付けられてゆく。
【0009】図中ほぼ中央部に示される符号48はモー
タ22を回転させるためのメインスイッチ、24はモー
タ22の回転方向を切換えるスイッチである。ハウジン
グ3の下端には制御機構が組込まれている。図1と図3
に示される符号32はボリュームを示している。また3
4はディジタルスイッチを示している。ディジタルスイ
ッチ34は図3に示されるように作業者が操作して2桁
の数をセットできるようになっている。図3では“4
2”がセットされている。また図1に示されている符号
42はコネクタであり、図1では図示しないバッテリパ
ックからのプラグが挿入される。図1中参照符号36は
制御基板を示し、ここにマイクロコンピュータ38やリ
レー40等の電子部品が実装されている。
【0010】ハウジング3の内部でハンドル部3aの下
方にはマイクロフォン30が組込まれている。マイクロ
フォン30はスポンジ28にくるまれた状態でハウジン
グ3に設けられたリブ26で固定されている。
【0011】次にマーキング用アダプタ100について
説明する。アダプタ100は上部ハウジング60と下部
ハウジング58を主体として構成され、内部に塗料吹付
用のスプレー缶62が収容可能となっている。上部ハウ
ジング60に雄プラグ52が固定されており、これはイ
ンパクトレンチ本体1に設けられた雌ソケット44にさ
しこまれる。また上部ハウジング60に支軸56によっ
てフック54が揺動可能となっており、このフック54
がインパクトレンチ本体1側に設けられた溝46に係合
することで、アダプタ100の下端側がインパクトレン
チ本体1に取付けられる。一方アダプタ100の上端に
はシャフト74が固定されており、このシャフト74は
インパクトレンチ本体1側の孔に挿入される。さらに、
両サイドにフック76(図2も参照)が設けられてお
り、このフック76がインパクトレンチ本体1側の溝に
係合することによってアダプタ100の上端側がインパ
クトレンチ本体1に取付けられる。
【0012】上部ハウジング60内にはスプレー缶62
のスプレー部を収容する孔64aを有するヘッド64が
図1中上下方向に所定距離移動可能となっている。この
ヘッド64を水平方向に偏心ピン68がつらぬき、偏心
ピン68は図2によく示されているようにレバー68a
によって軸心68bを中心に回動可能となっている。図
2は偏心ピン68によってヘッド64が上方にもちあげ
られた状態を示し、この状態ではスプレー缶62のスプ
レー部が押し下げられず、塗料は吹付けられない。一方
偏心ピン68がまわされヘッド64が下方におしさげら
れるとスプレー部が押し下げられ塗料は吹付可能状態と
される。ただし、このアダプタ100では図1に示され
ているように塗料のガイドチューブ66の途中に電磁バ
ルブ70が取付けられており、電磁バルブ70がオンと
されない限り塗料がノズル72から吹付けられないよう
になっている。すなわち偏心ピン68でヘッド64が持
ち上げられていれば塗料はスプレー缶62から出ず、ヘ
ッド64が押し下げられた状態でのみ電磁バルブ70が
オンしているあいだ塗料が吹き付けられるようになって
いる。電磁バルブ70は雄プラグ52と図示しないリー
ド線で接続されている。図2において78はスプレー缶
62を上方に付勢するスプリング、80はばね82を内
部から支えるフレームを示している。ばね82は係合爪
58aを外方に付勢しており、作業者がボタン84を押
すと係合爪58aは縮まる。この状態で下部ハウジング
58は上部ハウジング60から分離し、スプレー缶62
が交換される。
【0013】次に図4を参照して本インパクトレンチの
回路構成を説明する。制御基板36に取付けられている
マイクロコンピュータ38はCPU110,ROM11
8,RAM120とI/O(インターフェイス)108
が1チップ化されたマイクロコンピュータであり、図4
に示すように接続されている。マイクロフォン30はフ
ィルタ102を介して比較器104の一方の端子に接続
されている。比較器104の他方の端子には電圧発生器
112の電圧V3が入力される。電圧発生器112の発
生電圧V3はマイクロコンピュータ38で調整される。
比較器104の出力電圧はラッチ106を介してマイク
ロコンピュータ38に入力される。ラッチ106はマイ
クロコンピュータ38でオンからオフされる。
【0014】電源であるバッテリパック122はコネク
タ42と正逆スイッチ24とリレー40を介してモータ
22に接続されている。そのリレー40は第1のスイッ
チング回路114を介してマイクロコンピュータ38に
接続されている。また塗料用の電磁バルブ70は第2の
スイッチング回路116を介してマイクロコンピュータ
38に接続されている。さらにボリューム32,ディジ
タルスイッチ34,メインスイッチ48もマイクロコン
ピュータ38に接続されている。
【0015】モータ22が回転し、ハンマ4がアンビル
2に衝突するとそのたび毎に衝突音が発生し、マイクロ
フォン30からは図5(a) に例示する電圧V1が発生す
る。この電圧V1は高周波・低周波のノイズ(モータ音
等)に衝突音に相当するパルス波が重複したものとなっ
ている。このうち低周波ノイズはフィルタ102で除去
され、フィルタ102の出力電圧V2は図5(b) に例示
するものになる。比較器104はフィルタ電圧V2が他
方の参照電圧V3よりも高くなるとオフからオンする。
ラッチ106は比較器104がオフからオンに転じたと
きにオンし、その後所定時間TCが経過するまでオンを
維持しその後にマイクロコンピュータ38によってオフ
される。このためラッチ106からは図5(c) に例示す
るパルス波V5が出力される。各パルス波はハンマ4と
アンビル2の衝突のときにたちあがっており、衝突音に
相当するものである。
【0016】図5(b) に示すように比較器104の比較
電圧(参照電圧)V3はノイズレベル以上に設定されて
いる。なお使用環境によりノイズレベルが大きい場合に
は図5(d) に示すようにそのノイズレベルよりも大きな
値V3newに調整される。これについては後で詳しく
説明する。マイクロコンピュータ38はROM118に
記憶されているプログラムに従って図6〜図8の処理を
実行する。この処理はメインスイッチ48が操作されて
いる間実行され、オフされるとその実行も停止される。
再度メインスイッチ48が操作されると再度実行が開始
される。
【0017】メインスイッチ48がオンされるとまずス
テップS4でディジタルスイッチ34にセットされてい
る数が読込まれ変数XXとして記憶される。次にボリュ
ーム32のアナログ値が読込まれて変数TVに記憶され
る(ステップS6)。次にステップS8でディジタルス
イッチ34にセットされている値がゼロかどうか比較さ
れる。もしもゼロであれば処理S10〜S34の処理を
スキップさせ、ステップS36を直接実行させる。ステ
ップS36では電磁バルブ70をオンさせ塗料を吹出さ
せはじめる。次に処理S38とS40によりボリューム
32の調整値TVに比例する時間が経過するまで遅延さ
れ、その時間が経過したときにステップS42で電磁バ
ルブ70をオフさせる。すなわち電磁バルブ70のオン
時間はボリューム32で調整される。作業者はボリュー
ム32を調整することで塗料の吹付け時間を調整するこ
とができるのである。上述から明らかなように、ディジ
タルスイッチ34にゼロがセットされていると、塗料の
吹付けのみを実行する。すなわち作業者はゼロをセット
しておくことにより塗料吹付けをテストすることができ
る。
【0018】ステップS8でディジタルスイッチ34の
セット値がゼロでないとされると、次にステップS10
で「99」がセットされているか否かを判別する。ここ
で「99」はセットしうる最大値であり、この最大値が
セットされていれば次にステップS16でリレー40を
オンさせる。すなわち「99」がセットされていれば、
メインスイッチ48がオンされている間はモータ22を
回転させ続ける。作業者は「99」をセットしておくこ
とで、連続締付けを実行させ得るのである。
【0019】「ゼロ」も「99」もセットされていなけ
れば次にステップS12で正逆スイッチ24で正転がセ
ットされているか逆転がセットされているのかを判別す
る。これは図4に示すように正逆スイッチ24とリレー
40間の一方のリード線の電位を判別することで判別さ
れる。この電位は正逆スイッチ24の正逆によって変化
する。逆転がセットされているときはステップS16で
モータ22を回転させ続ける。すなわち逆転のときはメ
インスイッチ48がオフされるまでモータ22を回し続
け、ナット等を弛める。
【0020】一方正転がセットされていると、ステップ
S14でリレー40をオンし、モータ22を回転させ始
める。モータ22が回転を始めると、その直後にディジ
タルスイッチ34に“1”がセットされているか否かを
判別する(ステップS100)。衝突回数“1”がセッ
トされていると、ステップS102でラッチ電圧V5が
ハイないしオンするまで待機し、ハイとなったときにス
テップS34でリレーをオフしてモータ22を停止させ
る。すなわちモータ22の回転開始後ラッチ電圧V5が
最初にオンされるのを待ち、最初にオンしたときにモー
タ22を停止させる。このようにして衝突回数“1”が
セットされているときの処理が実行される。モータ22
が停止すると次にステップS36以後が実行され、締付
済みボルトに対するマーキング処理が実行される。
【0021】衝突回数に“2”以上がセットされている
と、ステップS100がノーとなるため、ステップS1
04が実行される。ここでもラッチ電圧V5が最初にオ
ンするのを待つ。ハンマが最初にアンビルに衝突したと
き、ステップS104はイエスとなる。そこでステップ
S106では変数XXの値から1を減じることによって
衝突回数を1だけ歩進させる。そしてそのタイミングに
おいてタイマT3をゼロに初期化する(ステップS10
8)。以上の処理の終了後、ステップS110でラッチ
電圧V5が2度目にハイないしオンするのを待つ。ハン
マがアンビルに2度目に衝突したときに、ステップS1
10はイエスとなる。そこでステップS112で衝突回
数をさらに歩進させる。次にステップS114で変数X
Xがゼロとなっているか否かを判別する。最初にディジ
タルスイッチ34に“2”がセットされていれば、ステ
ップS114はイエスとなる。このときは2回衝突した
ために、次にステップS34に進み、モータ22を停止
させる。
【0022】さてディジタルスイッチ34に“3”以上
がセットされているときは、衝突の周期を参照して衝突
回数を補償しつつカウントする処理が実行される。これ
がステップS116以後に用意されている。まずステッ
プS116ではステップS110がイエスとなったと
き、すなわち2度目の衝突音の発生時刻T3を周期MT
とする。ステップS108によって最初の衝突音の発生
時にタイマT3はゼロに初期化されているために、この
処理によって1回目と2回目の衝突音の時間差が周期M
Tにセットされる。そしてその後タイマT3を初期化す
る(ステップS118)。
【0023】以上の処理の終了後、次にステップS12
0とS122で、次の衝突音(この場合は3度目の衝突
音となる。ただしこの処理はステップS32でノーとな
る間は繰返し行なわれるようになっており、このときは
4,5,6…度目の衝突音となる。)が周期MT以内に
検出されるか否かを判別する。周期MT以内に次の衝突
音が検出されるとステップS122がイエスとなる。そ
して次にステップS124が判別される。ステップS1
24は、ステップS130で1がセットされるMPフラ
グの内容を判別するものであり、後述から明らかなよう
に、MPフラグの内容は、その直前の衝突音が実際に検
出されていれば“0”であり、検出されて当然のタイミ
ングに検出されなかったために、それを検出されたもの
とする補償処理が実行されていれば“1”がセットされ
ている。図9(b) に示すように、周期MT以内に実際に
2回の衝突音が検出された場合には、ステップS122
がイエスでステップS124がノーとなる。このときは
実際に衝突音が検出されたためにMPフラグを“0”と
し(ステップS126)、また周期MTを最新の周期
(これがタイマT3によって計時されている)に更新す
る(ステップS128)。すなわち図9(a)(b)に示すよ
うに、それまでの周期よりも短い周期が検出されたら、
それを新たな周期とするわけである。この結果、たとえ
ステップS110で、実際には3度目の衝突音のタイミ
ングを検出していても、正しい周期に更新されることに
なる。
【0024】さて周期MT以内に次の衝突音が検出され
ないと、ステップS120がイエスとなる。この状態
は、衝突音が検出されてよいタイミングになっても衝突
音が検出されないことに相当する。そこでこのときはス
テップS130で実際には検出されなかったのにもかか
わらず、その検出ミスを補償する処理を実行しているこ
とを示すMPフラグに“1”をセットする(ステップS
130)。そしてそれと同時にタイマT3をゼロに初期
化する(ステップS132)。前述のようにMPフラグ
はステップS126でゼロに戻される。あるいは後記の
ステップS134でもゼロに戻される。すなわちステッ
プS122で実際に衝突音が検出されればゼロに戻され
る。
【0025】さて今衝突音が検出されてよいタイミング
で衝突音が検出されないために、ステップS120がイ
エスとなり、ステップS130,S132が実行される
と、次にステップS28で衝突回数を1だけ歩進させ
る。すなわち衝突音が検出されてよいタイミングであり
ながら検出されなかったときには、その検出ミスを補償
するために検出されたものとして衝突回数を歩進してし
まうのである。ただし補償処理の実行中であることを示
すMPフラグを“1”としておくのである。図9(c) と
(d) はこれを図解しており、周期MTのときに補償のた
めのカウントがなされる様子を示している。
【0026】補償カウント処理を実行すると、ステップ
S32で変数XXがゼロとならない限り、ステップS1
18に復帰し、再度ステップS120,S122が繰返
される。補償カウント処理の後、実際に衝突音が検出さ
れると、ステップS124がイエスとなる。このときは
ステップS134でMPフラグをゼロに戻し、補償処理
を中断したことを示しておく。ステップS136は図9
の(e) か(g) のいずれか、すなわち補償カウント処理後
に検出された衝突音が検出されるべきタイミングの近傍
にあって、今回検出された衝突音が遅れて検出されただ
けで検出ミスはなかったケースなのか、あるいは大きく
遅れており、1回検出ミスが生じていたケースなのかの
判別を行なう。この判別は具体的には遅れ時間TRが周
期MTの半分以内か半分以上かで行なう。半分以内の遅
れであれば実際に遅れたのであり検出ミスがないものと
する。このためにステップS138で周期MTを最新の
値とする。またステップS140では補償のためのカウ
ントを打消す処理を行なう。以上の処理の様子が図9
(e) に図示されている。これに対し、周期の半分以上遅
れたものであれば、前回のタイミングで検出ミスがあ
り、今回はその後の衝突音を検出したものとできる。こ
の場合は補償カウントをそのままにしておけばよいこと
からステップS140をスキップさせる。また周期の更
新処理も実行しない。
【0027】ステップS140とステップS28による
補償カウント処理では、図9(e) に示すように、補償の
ために衝突音を検出したとされるタイミングの直後に実
際の衝突音が発生することがあり、これを検出できるよ
うにしておく必要がある。それに対し、実際の衝突音が
検出されたときには、その直後には再度衝突音が生じる
ことはないはずであり、この間誤って検出してしまうこ
とがないようにすることが好ましい。このためにステッ
プS20〜S24が用意されている。この処理では衝突
音が実際に検出されたときにタイマT1をゼロ化し(ス
テップS20)、その後TC時間経過するまでラッチ1
06のリセットを遅延させる(ステップS22とS2
4)。この結果TC時間の間は衝突音の検出が行なわれ
ない。ここでTC時間は、衝突が最高速で繰返されると
きの周期よりも僅かに短い周期とされており、このよう
にTCを可能範囲内で最大限長くしておくことにより、
誤検出の機会が極力低減されている。
【0028】さてステップS26はTC時間経過した直
後に再度衝突音が検出されるか否かを判別する処理であ
り、イエスならばノイズレベルが高くてノイズを衝突音
として検出していることになる。そこでこのときは比較
器104の参照レベルV3を上げ(ステップS15
2)、フラグMVに1をセットしておく(ステップ15
4)。ステップS150はすでに参照レベルを上げてい
ながらなおTC経過直後に衝突音を検出した場合にイエ
スとなる。このときは、ノイズレベルがひどいために、
音で衝突回数を検出することがほとんど不能となったと
きに相当する。そこでそれ以後は周期MTごとに衝突が
生じたものとする処理を行ない、予めセットされている
回数の周期が経過したときに、ステップS34でモータ
22を停止させる。この様子が図9の(i) と(j) に示さ
れている。
【0029】図10はこの処理によるときの実験例を示
している。衝突開始直後には、マイクロフォンで比較的
正確に衝突音を検出できる。この結果周期MTが正確に
わかる。ねじ締めが進行すると、例えば鉄骨等の被締付
部材の側からの反響音が大きくなり、ノイズが大きくな
ってくる。図中タイミングaはノイズレベルの上昇によ
ってステップS152を実行したタイミングを示してい
る。なおこの実験例の場合にはV3を上昇させるかわり
にV2を上昇させてノイズの影響を除去した。また比較
器104は、検出電圧V2が参照レベルV3をマイナス
側に超えたときにオンするものを用いた。タイミングb
はそれでも誤検出するためにステップS150がイエス
となったタイミングを示しており、その後は最新の周期
MTに基づいてその後のカウントを維持している様子を
示している。さらにタイミングCは、衝突回数が補償さ
れてカウントされたことを示している。
【0030】この実施例では、フィルタ102、比較器
104とラッチ106によって、マイクロフォン30
よる検出レベルと参照レベルV3を比較する手段が構成
されている。またマイクロコンピュータ38、とりわけ
図6のステップS104とS110によって、検出レベ
ルが参照レベルを越えたタイミングを検出する手段が構
成されている。そしてステップS116とステップS1
28によってタイミングの周期MTを算出する手段が構
成されている。さらにステップS106とS112とS
28によって実際の検出回数のカウント手段が構成さ
れ、またステップS132を経て実行するステップS2
8とステップS140によって、カウント数の補償手段
が構成されている。またディジタルスイッチ34とステ
ップS4とそれを実行するマイクロコンピュータ38で
衝突回数を予め設定しておく回数設定手段が構成されて
いる。またステップS32とS34とマイクロコンピュ
ータ38と第1のスイッチング回路114とリレー40
とによりカウント数と設定数が一致したときにモータ2
2を停止させるスイッチ手段が構成されている。このよ
うにタイミング検出手段、周期算出手段、補償カウント
手段、回数設定手段とスイッチ手段はマイクロコンピュ
ータ38を主体に構成されている。さらに本実施例で
は、ステップS8,S10によってステップS28,3
2,34等をスキップさせる処理によって、予め指定さ
れた回数(この場合ゼロと99)が設定されているとき
には、カウント数と設定数の比較処理を実行させないよ
うにプログラムされているのである。また本実施例では
ステップS36以後の処理とマイクロコンピュータ38
と第2のスイッチング回路116とにより、カウント数
と設定数が一致したときに塗料吹付手段であるアダプタ
100を作動させる第2のスイッチ手段が構成されてい
る。
【0031】本実施例によると、衝突音から締付回数が
正確に検出され、締付力が正確に調整される。また本実
施例によると衝突音を抽出するための参照電圧V3がノ
イズレベルに合わせて自動調整される。さらにまた本実
施例によると、偏心ピン68によってスプレー部を押し
下げたり解放したりすることができる。このため長期に
わたって使用しないときにはスプレー部を解放しておく
ことにより、ガイドチューブ66中で塗料が乾燥してつ
まらせるといったことを防止できる。なお本実施例で
は、毎回の衝突音発生タイミングで周期を更新してい
る。しかしながらマイクロコンピュータの処理能力を大
きくすることによって、過去の平均的周期を算出するこ
とも可能となり、この平均的周期で衝突回数を補償する
こともできる。
【0032】
【発明の効果】本発明によると、マイクロフォンで衝突
音を検出するために正確に衝突回数がカウントされる。
また音を検出するためにマイクロフォンの設置場所が自
由に設定できる。このようにして正確に締付力を調整で
きるインパクトレンチが安価に生産しえるようになるの
である。
【図面の簡単な説明】
【図1】インパクトレンチの一部断面側面図
【図2】インパクトレンチの正面図
【図3】インパクトレンチの一部背面図
【図4】インパクトレンチの回路構成を示す図
【図5】マイクロフォン,フィルタ,ラッチの出力電圧
を説明する図
【図6】処理手順図
【図7】処理手順図
【図8】処理手順図
【図9】処理結果を模式的に示す図
【図10】処理結果の一例を示す図
【符号の説明】
30 マイクロフォン 38 マイクロコンピュータ 34 ディジタルスイッチ 100 塗料吹付アダプタ

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハンマとアンビル間に所定値以上の力が
    作用したときに該アンビルに対して該ハンマが遊転し、
    該ハンマが所定角遊転した後に該ハンマが該アンビルに
    衝突して該アンビルを回転させる締付工具において、 該ハンマと該アンビルの衝突音を電気信号に変換するマ
    イクロフォン、 該マイクロフォンで検出されたレベルを参照レベルと比
    較する手段、 該比較手段によって検出レベルが参照レベルを越えたタ
    イミングを検出する手段、 該タイミング検出手段で検出された少なくとも2以上の
    タイミングから、タイミングの周期を算出する手段、 該周期算出手段で算出された周期に基づいて、検出レベ
    ルが参照レベルを越えた回数を補償してカウントとする
    カウント手段、 衝突回数を予め設定しておく回数設定手段、 該カウント手段のカウント数と該回数設定手段の設定数
    を比較し、両者が一致したときに該ハンマの回転駆動源
    を停止させるスイッチ手段、 とが付加されたことを特徴とする締付工具。
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