JP3373650B2 - インパクト回転工具 - Google Patents

インパクト回転工具

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JP3373650B2
JP3373650B2 JP11315194A JP11315194A JP3373650B2 JP 3373650 B2 JP3373650 B2 JP 3373650B2 JP 11315194 A JP11315194 A JP 11315194A JP 11315194 A JP11315194 A JP 11315194A JP 3373650 B2 JP3373650 B2 JP 3373650B2
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尚武 田中
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  • Mechanical Engineering (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明はボルトやナット等のねじ
類の締め付け作業及び緩め作業に使用するインパクトレ
ンチやインパクトドライバーのようなインパクト回転工
具に関するものである。 【0002】 【従来の技術】インパクト回転工具では、回転駆動され
るハンマーによる打撃衝撃を出力軸に加えることで出力
軸を回転させて締緩作業を行うものであり、モータの減
速出力で出力軸を直接回転させるものに比して、高い締
付力を得られるのであるが、反面、小径のボルトやナッ
トを締め付ける時、締め過ぎて破損させてしまうことが
多々あり、これを恐れた場合、締め不足が発生すること
になる。 【0003】このために、特開昭56−157967号
公報や特開昭63−74576号公報に示されているよ
うに、ハンマーによる出力軸の打撃回数を機械的にカウ
ントしたり、打撃時間をカウントして、この打撃回数や
打撃時間が設定値に達すれば、所定のトルクでの締め付
けがなされたとしてモータを停止させるものが提供され
ている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】しかし、このような打
撃量だけで実際の締付トルクをコントロールすることは
できない。図6に示すように、同じ打撃量(打撃回数)
でも、このインパクト回転工具によって締め付けられる
ねじ類の径(図6中のM6,M8,M10は呼び径)が
異なれば、実際の締付トルクが異なったものとなる上
に、モータの回転数が異なれば、図5に示すように、ね
じ類の径が同じであっても実際の締付トルクが異なって
しまうからである。 【0005】特開昭62−251086号公報に示され
ているように、ねじ類の種類の設定部を設けて、この設
定部で設定されたねじの種類に応じて、トルクと打撃数
との対応を変更するものも存在するが、回転数が変われ
ば締付トルクが異なってくるために、正確な締付トルク
を得られるとは言い難い。本発明はこのような点に鑑み
為されたものであり、その目的とするところは締付トル
クを精度良く制御することができるインパクト回転工具
を提供するにある。 【0006】 【課題を解決するための手段】しかして本発明は、モー
タで回転駆動されるハンマーによる出力軸の打撃によっ
て出力軸に回転力を加えるとともに、ハンマーによる出
力軸の打撃量の検出手段と、検出した打撃量と回転数と
に基づいてねじ類を締緩する際のトルクを制御する制御
手段とを備えたインパクト回転工具において、モータの
回転数を制御する速度制御回路と、トルクを設定するト
ルク設定部と、ねじ類の種類を設定する負荷設定部と
トルクとねじ類の種類とモータ回転数と打撃量との関係
を記憶したメモリとを備え、上記制御手段は上記設定部
にて設定されたトルクとねじ類の種類とに応じたモータ
の回転数と打撃量とを上記メモリから求めて該回転数と
打撃量とで制御するものであることに特徴を有してい
る。 【0007】 【作用】本発明によれば、締付トルクの制御にあたり、
打撃量だけでなく、ねじ類の種類と回転数も考慮して行
うために、締付トルクが設定したものと異なってしまう
ものとなる不定要素がなくなるものである。 【0008】 【実施例】以下本発明を図示の実施例に基づいて詳述す
ると、ハンマー2による出力軸4の打撃構造として、こ
こでは次のものを用いている。すなわち、図2に示すよ
うに、モータ1の回転が遊星減速機構からなる減速部1
0で減速されて伝達される駆動軸11の外周に、円筒状
のハンマー2を遊転自在に配設しており、駆動軸11の
外周に形成されたV字形のカム溝31と、ハンマー2の
内周面に形成されたカム溝32と、両カム溝31,32
に係合するボール33とからなるカム3によって、駆動
軸11とハンマー2とが相互の軸方向の動き及び軸回り
方向の動きが規制されている。そしてばね5によって出
力軸4側に向けて付勢されているハンマー2の先端面に
は、出力軸4の後端部から側方に向けて突設されている
アンビル部40と係合する打撃部24が設けられてい
る。 【0009】ドライバービットやソケットが先端に装着
される出力軸4に負荷が殆どかかっていない状態では、
駆動軸11の回転がカム3を介してハンマー2に伝達さ
れるとともに、ハンマー2の打撃部24とアンビル部4
0との係合で出力軸4に伝達される。そして出力軸4に
かかる負荷が大きくなれば、ハンマー2と駆動軸11と
の間でカム3で許されている範囲内の相対回転が生じる
とともに、この時、カム3に誘導されてハンマー2がば
ね5に抗して後退し、打撃部24とアンビル部40との
係合が外れて打撃部24がアンビル部40を乗り越える
と、ばね5の復元力によってハンマー2がカム3に誘導
されて前進してアンビル部40に打撃部24を衝撃的に
係合させ、出力軸4に回転力を打撃衝撃によって与え
る。 【0010】上記モータ1は、図1に示すように、スイ
ッチング素子6に直列に接続されているとともに、スイ
ッチング素子6は速度制御回路60を介してマイクロコ
ンピュータからなる制御回路7に接続されており、制御
回路7及び速度制御回路60によってモータ1はそのオ
ンオフだけでなく、回転数も制御されるものとなってい
る。そして上記制御回路7には、ハンマー2による出力
軸4の打撃回数を検出する打撃量検出回路71が接続さ
れているとともに、締付トルクを設定するためのトルク
設定部75と、ねじ類の種類を設定するための負荷設定
部76と、メモリ8とが接続されている。上記メモリ8
は、負荷設定部76によって設定することができるネジ
類の径と、回転数と、打撃量と、締付トルクとの関係を
記憶させたものである。 【0011】上記打撃量検出回路71は、上記打撃回数
をメカニカルに検出するもの、光学的に検出するもの、
モータ電流等から電気的に検出するもののいずれであっ
てもよく、また打撃回数ではなく、打撃を行っている時
間(打撃時間)を検出するものであってもよい。更に、
トルク設定部75及び負荷設定部76としては、ここで
は図3に示すように、ハウジングの後端面等に設置され
るボリューム及び切換スイッチとして配設したものを示
しているが、このような形態に限るものではない。 【0012】しかしてこのインパクト回転工具において
は、ねじ類の締め付け作業を行うにあたり、締め付ける
ねじ類の径を負荷設定部76によって設定するととも
に、締付トルクをトルク設定部75によって設定したな
らば、図4に示すように、制御回路7は、この2つの条
件に合致する時の回転数Npと打撃量(打撃数)Kpと
をメモリ8に記憶させた情報から求めて、モータ1をこ
の回転数Npとなるように速度制御回路60を介して駆
動し、打撃量検出回路71で検出される打撃量が上記打
撃量Kpとなれば、モータ1を停止させる。 【0013】ある径のねじ類をある締付トルクで締め付
ける際の回転数と打撃量とは複数の組み合わせが考えら
れるが、締め付けに要する時間が最短となる組み合わせ
(通常は回転数を最大とした時の組み合わせ)を選ぶよ
うにしておくとよい。また、モータ1の回転数を設定し
た回転数に定速度制御するフィードバック制御回路を設
けたならば、より正確な締付トルクを得ることができ
る。更に、速度制御回路70を利用して、トリガースイ
ッチSW1の引き込み量に応じてモータ回転数が変化す
るようにしておくと、締め付け作業初期の打撃を伴わな
い回転時の操作性が向上するが、この場合、打撃が開始
されたことを検出した時点で、トリガースイッチSW1
の引き込み量に関係なく締付トルク制御のための上記回
転数Npにセットされるようにしておく。 【0014】なお、本発明においては、打撃回数のカウ
ントやモータ1の制御のための回路部品は、モータ1の
後方に位置するハウジングの後端部に納めている。ハン
マー2よる出力軸4の打撃構造は各種存在しているが、
これらのいずれであってもよいのはもちろんである。ま
た、実施例において、打撃回数を打撃量としたものを示
したが、打撃時間を用いてもよい。 【0015】 【発明の効果】以上のように本発明においては、モータ
の回転数を制御する速度制御回路と、トルクを設定する
トルク設定部と、ねじ類の種類を設定する負荷設定部
、トルクとねじ類の種類とモータ回転数と打撃量との
関係を記憶したメモリとを備え、上記制御手段は上記
定部にて設定されたトルクとねじ類の種類とに応じた
ータの回転数と打撃量とを上記メモリから求めて該回転
数と打撃量とで制御するために、つまりは締付トルクの
制御にあたり、打撃量だけでなく、ねじ類の種類と回転
数も考慮して行うために、締付トルクが設定したものと
異なってしまうものとなる不定要素がなくなり、正確な
締付トルクでの締め付け作業を行えるものである。
【図面の簡単な説明】 【図1】一実施例の回路図である。 【図2】同上の破断側面図である。 【図3】同上の設定部の正面図である。 【図4】同上の動作を示すフローチャートである。 【図5】回転数と打撃数とトルクの相関の説明図であ
る。 【図6】ねじ類の種類と打撃数とトルクの相関の説明図
である。 【符号の説明】 1 モータ 2 ハンマー 4 出力軸 7 制御回路 60 速度制御回路 71 打撃量検出回路 75 トルク設定部 76 負荷設定部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B25B 21/02 B25B 23/151

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 モータで回転駆動されるハンマーによる
    出力軸の打撃によって出力軸に回転力を加えるととも
    に、ハンマーによる出力軸の打撃量の検出手段と、検出
    した打撃量と回転数とに基づいてねじ類を締緩する際の
    トルクを制御する制御手段とを備えたインパクト回転工
    具において、モータの回転数を制御する速度制御回路
    と、トルクを設定するトルク設定部と、ねじ類の種類を
    設定する負荷設定部と、トルクとねじ類の種類とモータ
    回転数と打撃量との関係を記憶したメモリとを備え、上
    記制御手段は上記設定部にて設定されたトルクとねじ類
    の種類とに応じたモータの回転数と打撃量とを上記メモ
    リから求めて該回転数と打撃量とで制御するものである
    ことを特徴とするインパクト回転工具。
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