JP3073452U - 生理用ナプキン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 公知の使い捨てナプキンに於いて、ダイオキ
シン発生源となるゴミ量の減少に寄与するための工夫。 【解決手段】 本体部分と水溶性素材による脱着可能な
吸収部材との組み合わせとなし、該本体部分は表面を透
水性シート、裏面を不透水性シートとなすほか、該裏面
シートの適当箇所には着用ショーツに固定するための粘
着部を設け、これに対し、吸収部材は脱着取替用の複数
個をセットにして包装したものとなし、これを適宜取り
出し本体部分の表面側へ接合手段を介して脱着自在に取
り付け、数回の取り替え使用可能になした構成とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は生理用ナプキンに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来より、生理用ナプキンは、経血の漏れを確実に防止するために裏面シート には非透水性のポリエチレンシートを用い、また、さらっとした着用感を付与す るために表面シートには透水処理を行った不織布や開孔プラスチックフィルムな どを用いたり、またこれらの両シート間に粉砕パルプ、高吸水性ポリマー等から なる吸収体を介在させて経血の戻りを防止するようになされている。 一方、就寝時や激しい運動時にも経血がナプキンの両側端部や前後端部から漏 れないようにするために、該部に弾性体を用いたギャザーやウィングを形成した ものが知られている。 他方、裏面シートには、ホットメルトなどの粘着部を設けてショーツ内面へ固 定し、着用中に生理ナプキンがずれたり動いたりしないようになされている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、上記の生理用ナプキンは、その材料にポリエチレンシート、ホ ットメルト接着剤、弾性体などの非水溶性のものが使用されているため、水洗ト イレなどの下水には流すことができず、可燃ゴミとして焼却処理されている。そ のため、使用済みのナプキンは専らトイレに設置された汚物入れに分別すること が行われているが、外出先で汚物入れが設置されていない場合には、適当な廃棄 場所まで携行しなければならないという不便さがあった。 一方、ナプキンは燃焼時に、上記ポリエチレンシートなどがダイオキシンを発 生することから、近年に於いては、その処理方法も問題となっている。

【０００４】 本考案は、上記問題を解決せんとするものであって、公知ナプキンに於ける経 血漏れやズレ防止などの機能を維持したまま、ダイオキシン発生源となるゴミ量 を可及的に軽減するのを可能になすと共に、使用者の外出時にも衛生的且つ安心 した使用を可能になす生理用ナプキンを提供するものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】

本考案は、本体部分と水溶性素材による脱着可能な吸収部材との組み合わせと なし、該本体部分は表面を透水性シート、裏面を不透水性シートとなすほか、該 裏面シートの適当箇所には着用ショーツに固定するための粘着部を設け、これに 対し、吸収部材は脱着取替用の複数個をセットにして包装したものとなし、これ を適宜取り出し本体部分の表面側へ接合手段を介して脱着自在に取り付け、数回 の取り替え使用可能になした構成とする。

【０００６】 この際、接合手段は本体部分の表面シートの中央域に比較的大きな開口部を設 け、該開口部内方の裏面シートの適当箇所に粘着部を設け、これを介して吸収部 材を本体部分に取り付けるものとなしたりする。

【０００７】 また、吸収部材は表面を水解性不織布、裏面を水溶性フィルムとなし、その間 に綿状パルプを介在させた構成となすのである。

【０００８】 この際、水解性不織布と水溶性フィルムとの接合箇所は熱エンボスシール加工 してあったりする。

【０００９】

【考案の実施の形態】

本考案に係る生理用ナプキンの実施の形態を以下図示例によって説明する。 図１は、本考案に係る生理用ナプキン１の部分破断斜視図であり、図２は図１ に於けるＸ−Ｘ線拡大断面図である。ナプキン１は本体部分２と脱着可能な吸収 部材３とを組み合わせた構成となされる。

【００１０】 図３は本体部分２の斜視図、図４は図３に於けるＹ−Ｙ線拡大断面図である。 本体部分２は、表面を透水性シート４となして肌当接面となし、裏面を不透水 性シート５となして非肌当接面となすのであり、これら両シートを重ね合わせて その全周縁部は接合ｍされる。この際、表面シート４の中央域は切除され、本体 部分２の中央に比較的大きな開口部６を形成される。即ち、該開口部６より裏面 シート５が露出されるものとなる。開口部６は該部に嵌合される吸収部材３の大 きさに応じて任意に設計されるが、ナプキン１との関係から通常、長さ寸法Ｌを 凡そ１０ｃｍ〜２５ｃｍ、巾寸法Ｗを凡そ５ｃｍ〜８ｃｍとなしたりする。この 際、表面シート４の切端部４ａを裏面シート５に接合ｍ’して両シート間に環状 空間を形成するようになしたものは、その内部に後述する吸収材７などを簡便に 収納できるものとなる。

【００１１】 また従来の如く、裏面シート５のショーツと接触する側には、粘着部８が適当 箇所に設けられ、該部８を介してナプキン１をショーツ内面に固定するものとな される。この粘着部８としては、ホットメルト接着剤、両面テープなど公知の接 合材が使用される。 また上記開口部６より外方に露出する裏面シート５上にも同等の粘着部８’が 設けられ、該部８’を介して吸収部材３を本体部分２に取り付けるのである。

【００１２】 ここに、表面シート４には、公知ナプキンに使用されるものと同様、不織布や 非透水性の素材に小孔を開口したメッシュシートなどを用いたりする。また、裏 面シート５には、同様に、ポリエチレンなどの非透水性プラスチックフィルムシ ートを用いることが可能である。

【００１３】 上記吸収材７としては、公知ナプキンに使用されるものと同様、コットン、パ ルプ、高吸水性ポリマーなどを単独或いは適宜混合して用いることができる。こ れら吸収材７は、経血量が多いとき、本体部分の中央に取り付けられた吸収部材 ３より多少漏れる経血を効率よく吸収すると共に、一旦吸収された経血が表面シ ート４から外方へ戻る現象を防止するものとなる。

【００１４】 図５は吸収部材３の幅方向に於ける拡大断面図であり、吸収部材３は表面を水 解性不織布９、裏面を水溶性フィルム１０となして、その間に一定量の綿状パル プ１１を介在させて形成される。この際、水解性不織布９と水溶性フィルム１０ を成型品の側面部に相当する箇所で接合されるようになし、該部を熱エンボスシ ール加工を施した接合部ｎとなしてある。この接合方法には、他に超音波などを 用いて溶着することもできるが、上述の如きホットメルト接着剤や両面テープ等 のような非水溶性の接合材を用いたりすることない。而して、吸収部材３はすべ て水溶性の素材から形成されるのである。

【００１５】 尚、吸収部材３は上記開口部６内に嵌合できる大きさとなされるのであるが、 その厚みを周辺の本体部分２より少し厚めになしたものは、着用者の膣口周辺に 密着し易く、効率的に経血を吸収するものとなる。

【００１６】 また、水解性不織布９、水溶性フィルム１０には、たとえば公知の水溶性高分 子であるポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル、ポリエチレンオキ シド、ポリアクリル酸誘導体などを用いて形成した不織布やフィルムを使用した りする。

【００１７】 而して、本考案品の生理用ナプキン１は、非水溶性素材からなる本体部分２と 水溶性素材からなる吸収部材３とを組み合わせた構成となされるのであり、且つ 該吸収部材３は本体部分２へ脱着可能に取り付けるようになされているのである 。

【００１８】 以下、本考案品の一使用例を説明する。 本考案品を装着する場合は、まず、本体部分２を裏面シート５に設けた粘着部 ８を介して、着用ショーツの股下域上面に固定し、次いで吸収部材３をその開口 部６内へ嵌合し、上記裏面シート５上に設けた粘着部８’を介して本体部分２に 固定するのである。一定時間使用した後は、吸収部材３のみを新規なものと取り 替え、本体部分２はそのまま何回か繰り返し使用するものとする。この本体部分 ２の耐久時間は経血量との関係により左右されるが、一般的な使用で１〜２日の 使用に耐えるものとなされる。また、使用済みの吸収部材３は汚物入れに分別す ることなく、排泄物と共に下水に流すものとする。

【００１９】 尚、上記生理用ナプキン１は、複数個、好ましくは５〜６個の吸収部材３と１ 個の本体部分２をセットにして包装され、販売に供される。この際、吸収部材３ は、複数個を重ねて１つに包装したものをセットとなしたり、或いは単独形とな してそれぞれを水溶性フィルムで個装したものをセットになしたりする。この場 合、衛生的且つコンパクトな収納や持ち運びが可能となる。

【００２０】 上記実施の形態は、ナプキンが略長方形のプレーンなものについての説明であ るが、本考案に於いては、本体部分の両側縁部に従来の如きウィングやサイドギ ャザーを設けたりしてもよい。

【００２１】

【考案の効果】

本考案品は以上の通り構成するものであって、生理用ナプキンを本体部分と複 数個の取り替え用吸収部材との組み合わせとなし、且つ吸収部材は水溶性の素材 のみで作成して脱着可能に形成したことから、汚れると適宜吸収部材のみを取り 替え且つそのまま下水に流せるのであり、従って使用に大変便利である。而して 、本体部分の廃棄数量は従来に比べて激減されることから、ダイオキシンの発生 源となるゴミ量を大幅に減少させることができるものとなる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る生理用ナプキンの部分破断斜視図
である。

【図２】図１に於けるＸ−Ｘ線拡大断面図である。

【図３】本体部分の斜視図である。

【図４】図３に於けるＹ−Ｙ線拡大断面図である。

【図５】吸収部材の幅方向に於ける拡大断面図である。

【符号の説明】

１ 生理用ナプキン ２ 本体部分 ３ 吸収部材 ４ 透水性シート ５ 不透水性シート ６ 開口部 ８ 粘着部 ９ 水解性不織布 １０ 水溶性フィルム １１ 綿状パルプ

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体部分と水溶性素材による脱着可能な
   吸収部材との組み合わせとなし、該本体部分は表面を透
   水性シート、裏面を不透水性シートとなすほか、該裏面
   シートの適当箇所には着用ショーツに固定するための粘
   着部を設け、これに対し、吸収部材は脱着取替用の複数
   個をセットにして包装したものとなし、これを適宜取り
   出し本体部分の表面側へ接合手段を介して脱着自在に取
   り付け、数回の取り替え使用可能になしたことを特徴と
   する生理用ナプキン。
2. 【請求項２】 接合手段は本体部分の表面シートの中央
   域に比較的大きな開口部を設け、該開口部内方の裏面シ
   ートの適当箇所に粘着部を設け、これを介して吸収部材
   を本体部分に取り付けるものとなしたことを特徴とする
   請求項１記載の生理用ナプキン。
3. 【請求項３】 吸収部材は表面を水解性不織布、裏面を
   水溶性フィルムとなし、その間に綿状パルプを介在させ
   た構成となしたことを特徴とする請求項１又は２記載の
   生理用ナプキン。
4. 【請求項４】 水解性不織布と水溶性フィルムとの接合
   箇所は熱エンボスシール加工してあることを特徴とする
   請求項３記載の生理用ナプキン。