JP3073382U - 車両用幼児防護用品 - Google Patents

車両用幼児防護用品

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JP3073382U JP2000003342U JP2000003342U JP3073382U JP 3073382 U JP3073382 U JP 3073382U JP 2000003342 U JP2000003342 U JP 2000003342U JP 2000003342 U JP2000003342 U JP 2000003342U JP 3073382 U JP3073382 U JP 3073382U
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の座席に取付けるための作業を必要とせ
ず極めて簡単な操作で使用することができ、また容易に
持ち運ぶことができ、さらに幼児を大人の膝の上に座ら
せた状態でも使用させることができる車両用幼児防護用
品を提供する。 【解決手段】 この車両用幼児防護用品1は、上端に襟
ぐり11が形成され下端が開放された前後対称形状の幼
児用の被服部材2と、幼児33に対して被服部材2を所
定の向きで着用させた際には前面となり、被服部材2を
前後反対方向に着用させた際には後面となる位置に設け
られ、被服部材2との間にシートベルト27が挿通され
ることにより、シートベルト27に対する被服部材2の
可動範囲を規制する規制部材3とを備えるものである。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、車両用幼児防護用品に関するものであり、特に、車両に同乗させた 幼児を急ブレーキや衝突した際の衝撃から防護するのに好適な車両用幼児防護用 品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、車両に幼児(乳幼児を含む)を乗せる場合には、衝突等の衝撃から 幼児を防護するために、車両の座席に幼児専用シート(所謂チャイルドシート) を取付け、その幼児専用シートに幼児を着座させるようにしている。この幼児専 用シートは、車両に備え付けのシートベルトを利用して固定されるものであり、 主な構成として、座部、背もたれ部及びサイドガードによって構成されたシート 本体と、このシート本体の底面または後面下部に設けられた取付部と、シート本 体の前側に設けられた補助ベルトと、補助ベルトを座部に締結させるための締結 具とを備えている。つまり、幼児専用シートの取付部にシートベルトを通し、そ の先端を座席に固定されたバックルに係止させることにより、シート本体を座席 に固定することができ、また、シート本体の座部の上に幼児を座らせた状態で、 幼児の肩に補助ベルトを掛け、締結具によって補助ベルトを座部に固定すること により、シート本体に幼児を拘束させることができる。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
しかし、従来の幼児専用シートを座席に取付けるには、座席とシート本体との 間での作業、つまり視覚的に認識し難く、しかも狭い空間における作業が必要で あるため、取付作業に比較的多くの時間を要していた。特に、所定の車両に取付 けられている幼児専用シートを別の車両に移す際には、取付作業に加え取外作業 も必要なことから、作業が一層困難となっていた。
【0004】 また、従来の幼児専用シートは、シート本体が、座部、背もたれ部及びサイド ガードによって構成されているため、全体的に大型化し、重量も比較的大きい。 このため、例えば公共交通機関等を利用して目的地まで移動し、その目的地にお いて車両を利用したい場合があっても、この幼児専用シートを目的地まで持ち運 ぶことは困難であることから、専門の運搬業者に依頼したり、目的地において別 の幼児専用シートを準備したりしなければならなかった。
【0005】 さらに、車両の座席に幼児専用シートを取付けると、一台の幼児専用シートに よって一人分またはそれ以上の座席が占有されるため、その車両に乗車できる大 人等の人数が制限されたり、窮屈な状態で乗車したりしなければならなかった。 例えば、五人乗りの乗用車であっても、幼児を二人同乗させる場合、すなわち幼 児専用シートを二台取付ける場合には、大人は運転者を含めて二人しか乗ること ができなかった。
【0006】 そこで、本考案では、車両の座席に取付けるための作業を必要とせず、極めて 簡単な操作で使用することができ、また容易に持ち運ぶことができ、しかも、幼 児を大人の膝の上に座らせた状態で使用することもできる車両用幼児防護用品の 提供を課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の考案にかかる車両用幼児防護用品は、上端に襟ぐりが形成され下端 が開放された前後対称形状の幼児用の被服部材と、幼児に対して前記被服部材を 所定の向きで着用させた際には前面となり、前記被服部材を前後反対方向に着用 させた際には後面となる位置に設けられ、該被服部材との間にシートベルトが挿 通されることにより、前記シートベルトに対する前記被服部材の可動範囲を規制 する規制部材とを備えるものである。
【0008】 ここで、「シートベルト」は、車両の座席に備え付けられた一般的なベルトで あり、ベルトの先端には、座席に固定されたバックルに係止させるためのタング プレートが取付けられている。
【0009】 したがって、請求項1の考案の車両用幼児防護用品によれば、使用者は、まず 幼児に被服部材を着用させる。具体的には、被服部材の下端を開き幼児の頭から 被せる。この際、幼児に対して被服部材を所定の向きで着用させた際には、幼児 の前側(お腹側)に規制部材が設けられた状態(以下、「前面取付状態」という )となる。また、これとは逆に被服部材を前後反対方向に着用させた際には、幼 児の後側(背中側)に規制部材が設けられた状態(以下、「後面取付状態」とい う)となる。なお、幼児の頭は上端に形成された襟ぐり(ネックホール)を通っ て被服部材の上方に突出する。
【0010】 幼児を車両の座席に座らせた状態で、被服部材と規制部材との間にシートベル トを通し、シートベルトのタングプレートをバックルに係止させる。これにより 、シートベルトに対して被服部材の可動範囲が規制される。この際、被服部材が 前面取付状態のときは、規制部材が幼児の前側に位置することから、シートベル トは幼児のお腹に掛けられた状態で配設される。また、被服部材が後面取付状態 のときは、規制部材が幼児の後側に位置することから、シートベルトは幼児の背 中と規制部材との間を通って配設される。
【0011】 そして、どちらの場合も幼児を座席に拘束するため、車両の急ブレーキや衝突 により幼児に衝撃が加わっても、幼児が座席から大きく飛び出すことが防止され る。つまり、従来の幼児専用シートのようなシート本体を設けなくても、幼児を 座席に拘束することが可能となる。
【0012】 特に、前面取付状態では、シートベルトによって幼児の身体を直接受け止める ことが可能になり、安全性が向上するとともに、背中と座席との間にシートベル トが配設されないため凹凸による違和感を与えない。
【0013】 一方、後面取付状態では、大人の膝の上に座らせた幼児に対しても使用するこ とが可能となる。つまり、大人が自分に対してシートベルトを使用する際に、そ のシートベルトを被服部材と規制部材との間に通した状態で使用すると、一組の シートベルトによって両者がともに拘束される。なお、この場合、幼児はシート ベルトと大人との間に挟まれないため、車両の急ブレーキや衝突により大人が前 方へ付勢されても、幼児を圧迫することはない。
【0014】 請求項2の考案にかかる車両用幼児防護用品は、請求項1に記載の車両用幼児 防護用品において、前記被服部材は、表面が軟質材で成形され内部に硬質材が設 けられた材料からなるものである。
【0015】 ここで、前記材料としては、例えば硬質フォーム(硬質材)と軟質フォーム( 軟質材)とから構成される三層構造のウレタンフォームを使用することができる 。なお、軟質フォームには半硬質のもの含んでいる。
【0016】 したがって、請求項2の考案の車両用幼児防護用品によれば、請求項1の考案 の車両用幼児防護用品の作用に加え、被服部材の前方または後方から力を受けて も、その力は硬質材によって抑えられ、幼児の身体に与える影響が小さくなる。 また、被服部材の機械的強度が向上し、被服部材の破損が抑制される。なお、被 服部材の表面は軟質材で成形されているため、幼児の手や身体に柔らかな感触を 与える。
【0017】 請求項3の考案にかかる車両用幼児防護用品は、請求項1または請求項2のい ずれかに記載の車両用幼児防護用品において、前記被服部材の横側部は、伸縮可 能なゴム部材からなるものである。
【0018】 したがって、請求項3の考案の車両用幼児防護用品によれば、請求項1または 請求項2のいずれかの考案の車両用幼児防護用品の作用に加え、被服部材の横側 部は伸縮可能であることから、被服部材の前後の幅が幼児の体格に応じて変化す る。例えば、体格の大きな幼児が着用した場合には、横側部が伸び前後の幅が広 くなる。
【0019】 請求項4の考案にかかる車両用幼児防護用品は、請求項1乃至請求項3のいず れか一つに記載の車両用幼児防護用品において、前記被服部材に取付けられ、前 記被服部材の下方を通って配設される補助ベルトをさらに備えるものである。こ こで、補助ベルトは一端側を被服部材に固定状態で取付け、他端側を着脱可能に 取付けるようにすることが好ましい。
【0020】 したがって、請求項4の考案の車両用幼児防護用品によれば、請求項1乃至請 求項3のいずれか一つの考案の車両用幼児防護用品の作用に加え、補助ベルトを 幼児の左右の脚部の間に通した状態で、その両端を被服部材の前後の面に取付け ると、補助ベルトが被服部材の底部を横切って架けられた状態となる。このため 、開放された下端から幼児の身体が抜けないようになる。
【0021】 請求項5の考案にかかる車両用幼児防護用品は、請求項4に記載の車両用幼児 防護用品において、前記補助ベルトは、前記被服部材を着用する幼児の尻部付近 で交差する二本の帯状部材を有するものである。
【0022】 したがって、請求項5の考案の車両用幼児防護用品によれば、請求項4の考案 の車両用幼児防護用品の作用に加え、二本の帯状部材を備えることにより、被服 部材が幼児の尻部に対して安定した状態で支持される。なお、二本の帯状部材は 尻部付近で交差するため、幼児の脚部の動きを束縛することはない。
【0023】 請求項6の考案にかかる車両用幼児防護用品は、請求項1乃至請求項5のいず れか一つに記載の車両用幼児防護用品において、前記被服部材は、前記襟ぐりの 左右周縁近傍から上方に突出した二つの襟部を有するものである。なお、この襟 部は、シートベルトが斜め方向に配設された座席において特に有効である。
【0024】 したがって、請求項6の考案の車両用幼児防護用品によれば、請求項1乃至請 求項5のいずれか一つの考案の車両用幼児防護用品の作用に加え、例えば車両の 側面からの衝撃により、幼児の首がシートベルトに圧接しようとしても、襟部に よって遮られシートベルトが幼児の首に直接食い込むことはない。なお、この襟 部は襟ぐりの左右にそれぞれ設けられているため、被服部材を前後反対方向に着 用させても、同じように幼児の首を保護することが可能となる。
【0025】 請求項7の考案にかかる車両用幼児防護用品は、請求項1乃至請求項6のいず れか一つに記載の車両用幼児防護用品において、前記規制部材は、車両の座席に 対して斜め方向及び横方向に配設される第一シートベルトを挿通させることが可 能な開口幅の広い第一通路を形成する第一規制部材と、前記座席に対して横方向 に配設される第二シートベルトを挿通させることが可能な開口幅の狭い第二通路 を形成する第二規制部材とを有するものである。
【0026】 したがって、請求項7の考案の車両用幼児防護用品によれば、請求項1乃至請 求項6のいずれか一つの考案の車両用幼児防護用品の作用に加え、車両の座席に 第一シートベルトが備えられている場合には、使用者は第一シートベルトを第一 通路に挿通する。この第一通路の開口幅は比較的広いため、斜め方向及び横方向 に配設される第一シートベルトを容易に挿脱させることが可能である。
【0027】 一方、車両の座席に第二シートベルトが備えられている場合には、使用者は第 二シートベルトを第二通路に挿通する。この第二通路の開口幅は第二シートベル トに合わせて比較的狭く形成されているため、第二シートベルトが挿通された状 態では、第二シートベルトに対して被服部材が大きく変位することはない。別な 言い方をすると、第二シートベルトは、被服部材を着用した幼児に対して常に最 適な位置に配設される。
【0028】
【考案の実施の形態】
以下、本考案の一実施形態の車両用幼児防護用品(以下、「防護用品」と称す )について図1乃至図6に基づき説明する。図1は防護用品の構成を示す斜視図 、図2はその側面図及び一部拡大断面図、図3は背面図、図4乃至図6は防護用 品の使用状態を示す説明図である。なお、図2(b)は、図2(a)のA部の断 面を拡大したものである。
【0029】 本実施形態の防護用品1は、車両に同乗させる幼児を急ブレーキや衝突した際 の衝撃から防護するために用いられるものであり、図1及び図2に示すように、 主に、被服部材2と、規制部材3と、補助ベルト4とから構成されている。なお 、被服部材2は、外観が前後対称形状となっており、また、前後反対方向にして 使用することが可能であるため、「前側」及び「後側」という表現は適さないが 、説明の都合上、規制部材3が設けられている側を前側部とし、規制部材3が設 けられていない側を後側部として説明する。
【0030】 被服部材2は、幼児の身体、特に上半身に着用させるのに好適な形状となって おり、幼児に対して被服部材2を所定の向きで着用させた際に、幼児のお腹に対 する前側部7と、幼児の背中に対する後側部8と、幼児の肩に対する上部9とを 有している。また、被服部材2の下端は開放されており、左右の側面には前側部 7及び後側部8を繋ぐように帯状の横側部10が設けられている。
【0031】 上部9の横幅方向の中央には、幼児の頭が貫通する大きさの襟ぐり11(ネッ クホール)が設けられている。なお、幼児が頭を前後方向に自由に動かせるよう に、すなわち幼児の首が前側部7または後側部8に当たらないように、襟ぐり1 1はU字形に窪んだ形状を呈している。また、上部9には、襟ぐり11の左右側 の周縁から上方に向かって突出した二つの襟部12,12が設けられている。こ れらの襟部12,12の高さは、幼児の平均的な首の長さよりやや高くなってい る。
【0032】 前側部7、後側部8、上部9、及び襟部12は、ウレタンフォームによって一 体成形されている。このウレタンフォームは、図2(b)に示すように、軟質材 である軟質フォーム13,13の間に、硬質材として硬質フォーム(または半硬 質フォーム)14を介在させた三層構造となっている。このウレタンフォームに よれば、表面に現れる軟質フォーム13によってソフトな感触を与えることがで き、内部に設けられた硬質フォーム14によって強度を高めることができる。
【0033】 横側部10は、被服部材2の略中央の高さに位置しており、その両端が前側部 7及び後側部8にそれぞれ接合されている。この横側部10は、前後方向に伸縮 可能なゴム部材によって成形されている。つまり、横側部10を伸縮させること により、前側部7と後側部8との間隔を変化させることができる。別の言い方を すると、被服部材2を着用する幼児の体格に応じて前側部7と後側部8との間隔 が変化することから、幼児の体格に拘わりなく常に身体に接した状態で着用させ ることが可能である。
【0034】 被服部材2の前側部7には規制部材3が設けられている。この規制部材3は、 前側部7に設けられた第一規制部材17と、第一規制部材17及び前側部7の間 に設けられた第二規制部材18とからなり、いずれもウレタンフォームを材料と して成形されている。第一規制部材17は、上部側ほど幅が狭くなる略山形の形 状を呈した板状(布状)の部材であり、上端部分が襟ぐり11の近傍に接合され 、下端部分が前側部7の下端近傍に接合されている。なお、接合方法は特に限定 されるものでなく、接着剤等によって接着されてもよく縫合されてもよい。なお 、本実施形態では、接合強度を上げるため、第一規制部材17の上端部分及び下 端部分には、それぞれ上側補強部材15及び下側補強部材16が重ねられ、これ らの補強部材15,16とともに縫合されている。そして、第一規制部材17の 上端部分及び下端部分が前側部7に接合されたことにより、第一規制部材17と 前側部7との間には左右方向に貫通した第一通路19aが形成されている。なお 、第一通路19aの開口幅L1は比較的広く、図4に示すように、斜設ベルト2 8及び横設ベルト29からなる第一シートベルト27(以下、「シートベルト2 7」と称す)が挿通可能な大きさとなっている。
【0035】 また、第二規制部材18は、長方形の板状(布状)の形状を呈しており、その 上端部分及び下端部分が第一規制部材17の裏面に接合されている。この接合方 法は、第一規制部材17と同様、特に限定されるものでないが、本実施形態では 縫合により接合されている。このように、第二規制部材18の上端部分及び下端 部分が第一規制部材17に接合されたことにより、第一規制部材17と第二規制 部材18との間には左右方向に貫通した第二通路19bが形成されている。第二 通路19bの開口幅L2は、第一通路19aの開口幅L1よりかなり狭く、横設 ベルト29のみからなる第二シートベルト(図示しない)が挿通可能な大きさと なっている。
【0036】 一方、被服部材2の後側部8には、図3に示すように補助ベルト4が取付けら れている。この補助ベルト4は、一端側が後側部8に接合された二本の帯状部材 20,20と、各帯状部材20の先端側(他端側)に取付けられた第一係着部2 1と、各帯状部材20の長さを最適な長さに調節した状態で保持する保持具22 とから構成されている。二本の帯状部材20,20は互いに交差しており、その 交点Pは被服部材2を着用する幼児の尻部付近に位置する。また、第一係着部2 1は、表面に面ファスナーの一方が形成された部材であり、取付金具21aを介 して帯状部材20に接続されている。
【0037】 保持具22は、帯状部材20が順に挿通された二つのスリット22a(図1参 照)と、これらのスリット22aの間に設けられた横架部22bとを有している 。そして、横架部22bには、取付金具21aを通って折返された帯状部材20 の端部が固定されている。このため、たとえ帯状部材20に引張力が作用しても 、保持具22を介して帯状部材20の端部にも同じように引張力が加わることか ら、帯状部材20の一端から第一係着部21までの長さは所定の長さに保たれる 。なお、その長さを調節するには、帯状部材20に引張力を作用させない状態で 、横架部22bの部分に位置する帯状部材20が余剰となるように一方のスリッ ト22aの側から帯状部材20の一部を繰出し、その後他方のスリット22aの 側から引張るようにすればよい。これにより、帯状部材20に対する保持具22 の位置が変化し、帯状部材20の一端から第一係着部21までの長さが変わる。
【0038】 補助ベルト4の第一係着部21,21は、第一規制部材17の前面に縫合され た二つの第二係着部5,5にそれぞれ着脱可能に係止される。具体的には、第二 係着部5の表面には面ファスナーの他方が形成されており、第一係着部21の表 面と第二係着部5の表面とを互いに圧接させることにより、第一係着部21を第 二係着部5に係止させることができる。また、係止状態においては、面ファスナ ーの係着力に抗して第一係着部21を引張ることにより互いに離脱させることが できる。
【0039】 次に、本実施形態の防護用品1の使用方法について図4乃至図6に基づき説明 する。まず、幼児33の上半身に被服部材2を着用させるために、被服部材2の 下端を開き、幼児33の頭34から被服部材2を被せる。この際、幼児33に対 して被服部材2を所定の向きで着用させた際(図4参照)には、前面取付状態、 すなわち幼児33のお腹側に規制部材3が設けられた状態となる。つまり、この 場合、前側部7が前面となり後側部8が後面となる。また、これとは逆に、被服 部材2を前後反対方向に着用させた際(図5参照)には、後面取付状態、すなわ ち幼児33の背中側に規制部材3が設けられた状態となる。つまり、この場合、 後側部8が前面となり前側部7が後面となる。なお、どちらの場合も、幼児33 の頭34は襟ぐり11を通って被服部材2の上部9から突出した状態となる。
【0040】 その後、幼児33の左右の脚部35の間に補助ベルト4を通し、補助ベルト4 の第一係着部21を第二係着部5に取付ける。これにより、被服部材2の下端部 分から幼児33の身体が抜けない状態となる。特に、幼児33の尻部の近傍には 、二本の帯状部材20が互いに交差した状態で配設されるため、被服部材2の下 端部分が帯状部材20を介して幼児33の尻部に安定した状態で支持される。
【0041】 その後、幼児33を座席26に座らせ、第一通路19aの一方の開口(例えば 右側の開口)からシートベルト27を挿通させる。そして、車両に備えられたバ ックル30に、シートベルト27の先端のタングプレート31を連結させる。な お、シートベルト27の配設方向が図4または図5に示したものと逆の場合には 、第一通路19aの他方の開口(例えば左側の開口)からシートベルト27を挿 通させる。
【0042】 このように、タングプレート31がバックル30に連結されると、シートベル ト27に対する被服部材2の可動範囲が規制される。この際、図4に示すように 、被服部材2の着用状態が前面取付状態のときは、規制部材3が幼児33の前側 に位置することから、シートベルト27は幼児33のお腹に掛けられた状態で配 設される。また、図5に示すように、被服部材2の着用状態が後面取付状態のと きは、規制部材3が幼児33の後側に位置することから、シートベルト27は幼 児33の背中と規制部材3との間を通って配設される。
【0043】 そして、どちらの場合も、シートベルト27及び規制部材3によって幼児33 を座席26に拘束させることができるため、車両の急ブレーキや衝突により幼児 33に衝撃が加わっても、幼児33が座席26から大きく飛び出すことはない。
【0044】 特に、図4に示す前面取付状態では、シートベルト27によって幼児33の身 体を直接受け止めることが可能になり、安全性が向上するとともに、背中と座席 26との間にシートベルト27が配設されないため違和感がない。
【0045】 一方、図5に示す後面取付状態では、大人36の膝の上に座らせた幼児33に 対しても使用させることが可能となる。つまり、大人36が自分に対してシート ベルト27を使用する際に、そのシートベルト27を被服部材2と規制部材3と の間に通した状態で使用すれば、一組のシートベルト27によって両者がともに 拘束される。なお、車両の急ブレーキや衝突により大人が前方へ付勢されても、 幼児33がシートベルト27と大人36との間に挟まれることがないことから、 幼児33を圧迫することはない。
【0046】 なお、シートベルトとして、横設ベルト29からなる第二シートベルト(図示 しない)が備えられている場合には、その第二シートベルトを、第一規制部材1 7と第二規制部材18との間に形成された第二通路19bに挿通させる。この第 二通路19bの開口幅は、第二シートベルトの幅に合うように比較的狭く形成さ れているため、第二シートベルトが挿通された状態では、第二シートベルトが被 服部材2の所定の位置(例えば幼児のお腹に対応する位置)に安定した状態で配 設される。
【0047】 ところで、上記のような防護用品は、乳幼児から小学校の低学年ぐらいまでの 幅広い年齢層にわたって使用させることが可能であるが、幼児33の体格は成長 とともに変化することから、一定の大きさの防護用品では長期間にわたって使用 することができない。そこで、本実施形態の防護用品1では、幼児33の体格に 応じて被服部材2の大きさを容易に調節することができるように、三つの構成を 備えている。すなわち、一つ目は横側部10がゴム部材から成形されている点で ある。これにより、幼児33の体格に応じて前側部7と後側部8との間隔を変化 させることができる。二つ目は補助ベルト4に保持具22が設けられている点で ある。これにより帯状部材20の一端から第一係着部21までの長さを任意に調 節することができ、帯状部材20の交点Pを幼児33の尻部に当接させることが 可能となる。三つ目は、図6に示すように前側部7または後側部8の下端部分が 折曲げ可能な点である。つまり、前側部7または後側部8の下端部分には、横側 部10が設けられていないため折曲げることができ、折曲げた部分は補助ベルト 4によって押さえられる。これにより、被服部材2の長さを幼児33の上半身の 長さに応じて調整することができる。なお、被服部材2を構成する硬質材として 半硬質フォームを使用すれば、折曲げが容易となる。
【0048】 以上のように、上記の防護用品1では、幼児33に被服部材2を被服させ、被 服部材2の第一通路19aにシートベルト27を挿通させることにより、シート ベルト27によって幼児33を拘束することができるため、従来の幼児専用シー トのような煩わしい取付作業が不要となり、不慣れな利用者であっても容易に使 用することができる。
【0049】 また、上記の防護用品1では、従来の幼児専用シートに比べ、シート本体等が 不要となることから、全体的に小型化され、大幅に軽量化される。このため、容 易に持ち運ぶことができ、遠方においての使用も可能となる。しかも、弾力性の 優れた車両の座席26に幼児33を直接座らせることができるため、幼児33の 快適性を向上させ長時間にわたって着座させることも可能となる。
【0050】 上記の防護用品1では、幼児33に対して被服部材2を所定の向きで着用させ た際にはシートベルト27を幼児33のお腹の部分に掛けることができ、被服部 材2を前後反対方向に着用させた際にはシートベルト27を幼児33の背中の部 分に配設することができる。つまり、一つの防護用品1を二通りの方法で使用す ることが可能であり、使用者の使い勝手や状況に応じた使用が可能である。特に 、シートベルト27を幼児33のお腹の部分に掛けるようにすれば、シートベル ト27によって幼児33の身体を直接受け止めることが可能となり、安全性が向 上できるとともに、背中と座席26との間にシートベルト27が配設されないた め幼児33に違和感を与えない。一方、シートベルト27を幼児33の背中の部 分に配設させるようにすれば、大人36の膝の上に座らせた幼児33に対しても 使用することが可能となり、幼児33による座席26の占有を無くすることがで きる。
【0051】 上記の防護用品1では、被服部材2の内部に硬質フォーム14が設けられてい るため、被服部材2に衝撃が加わっても身体への影響を和らげることができる。 特に、前面取付状態となるように被服部材2を着用させた際に、衝突等の衝撃に より幼児33が前方へ飛び出そうとする力が作用しても、幼児33のお腹にシー トベルト27が食い込むことはないため、幼児33の身体を確実に保護すること ができる。なお、被服部材2の表面は軟質フォーム13で成形されているため、 肌触りがよく幼児に不快感を与えることはない。また、上部9には襟部12が形 成されているため、幼児33の首に斜設ベルト28が食い込むことがなく、安全 性をさらに向上させることができる。
【0052】 さらに、上記の防護用品1では、シートベルトを挿通させるための通路として 開口幅の広い第一通路19aと、開口幅の狭い第二通路19bとを備えているた め、斜設ベルト28及び横設ベルト29からなるシートベルト27が備えられた 座席においても、あるいは横設ベルト29からなる第二シートベルトが備えられ た座席においても使用することができ、特に、第二シートベルトを使用する場合 には可動範囲が少ないため、幼児を極めて安定した状態で拘束することができる 。
【0053】 以上、本考案について好適な実施形態を挙げて説明したが、本考案はこれらの 実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本考案の要旨を逸脱し ない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0054】 すなわち、本実施形態では、補助ベルト4として帯状部材20を二本設けるも のを示したが、帯状部材を1本のみとし、尻部の中央に沿って配設させるように してもよい。このようにすると、着用させるための作業が一層容易となる。
【0055】 また、本実施形態の防護用品1では、第二規制部材18を第一規制部材17の 裏面(内面)に設けるものを示したが、第一規制部材17の外面に設けるように してもよい。このようにすると、第二通路19bの位置を、幼児33の外方から 視覚によって認識することが可能となり、第二シートベルトを挿通させる際の作 業が容易となる。
【0056】 さらに、本実施形態の防護用品1では、帯状部材20の他端側を、被服部材2 の前側部7に着脱可能に取付けるために、面ファスナーからなる第一係着部21 及び第二係着部5を設けるものを示したが、帯状部材20の他端側にタングプレ ートを設けるとともに、被服部材2の前側部7にバックルを設け、タングプレー トをバックルに係止させるようにしてもよい。ただし、本実施形態のように、面 ファスナーを利用することにより、接続部分の厚みを薄くでき、しかも撓曲可能 であるため、被服部材2を後面取付状態となるように着用させた際に、接続部分 が幼児の背中に位置しても、幼児に凹凸による違和感を与えない。
【0057】
【考案の効果】
以上のように、請求項1の考案の車両用幼児防護用品は、幼児に被服部材を着 用させ、被服部材と規制部材との間にシートベルトを挿通させることにより、シ ートベルトによって幼児を拘束することができるため、幼児専用シートのような 煩わしい取付作業が不要となり、極めて容易に使用することができる。また、従 来の幼児専用シートに比べて全体的に小型化され軽量化されるため、容易に持ち 運ぶことが可能となる。しかも、被服部材を前後反対方向に着用させるだけで、 シートベルトを幼児の背中の部分に配設させることができ、大人等の膝の上に座 らせた幼児に対しても使用することができる。このため、幼児による座席の占有 を無くすることが可能である。
【0058】 請求項2の考案の車両用幼児防護用品は、請求項1の考案の車両用幼児防護用 品の効果に加えて、幼児の身体への衝撃を和らげ保護することができる。また、 被服部材の表面は軟質材で形成されているため、肌触りがよく幼児に不快感を与 えることを防止できる。
【0059】 請求項3の考案の車両用幼児防護用品は、請求項1または請求項2のいずれか の考案の車両用幼児防護用品の効果に加えて、被服部材の横側部の長さが幼児の 体格に合わせて伸縮されるため、幼児の体格が変化しても長期間にわたって使用 させることができる。
【0060】 請求項4の考案の車両用幼児防護用品は、請求項1乃至請求項3のいずれか一 つの考案の車両用幼児防護用品の効果に加えて、被服部材の下端からの飛び出し を防止でき、幼児の安全性を一層向上させることができる。
【0061】 請求項5の考案の車両用幼児防護用品は、請求項4の考案の車両用幼児防護用 品の効果に加えて、被服部材の下端部分を幼児に対して安定した状態で支持する ことができ、しかも幼児の脚部の動きを束縛することもない。したがって、被服 部材を快適に着用させることができる。
【0062】 請求項6の考案の車両用幼児防護用品は、請求項1乃至請求項5のいずれか一 つの考案の車両用幼児防護用品の効果に加えて、幼児の首への衝撃を和らげ、幼 児の安全性を一層向上させることができる。
【0063】 請求項7の考案の車両用幼児防護用品は、請求項1乃至請求項6のいずれか一 つの考案の車両用幼児防護用品の効果に加えて、二つのタイプのシートベルトに 適応できるため、幼児を着座させる座席や同乗させる車両が変わっても同様に使 用でき、しかも、どちらのシートベルトに対しても安全性を確保することができ る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施形態である車両用幼児防護用品
の構成を示す斜視図である。
【図2】(a)は図1の車両用幼児防護用品の側面を示
す側面図、(b)はその一部拡大断面図である。
【図3】図1の車両用幼児防護用品の背面を示す背面図
である。
【図4】車両用幼児防護用品の使用状態を示す説明図で
ある。
【図5】車両用幼児防護用品の使用状態を示す説明図で
ある。
【図6】車両用幼児防護用品の使用状態を示す説明図で
ある。
【符号の説明】
1 防護用品(車両用幼児防護用品) 2 被服部材 3 規制部材 4 補助ベルト 10 横側部 11 襟ぐり 12 襟部 13 軟質材 14 硬質材 17 第一規制部材 18 第二規制部材 19a 第一通路 19b 第二通路 20 帯状部材 27 シートベルト(第一シートベルト) 33 幼児 34 頭

Claims (7)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上端に襟ぐりが形成され下端が開放され
    た前後対称形状の幼児用の被服部材と、 幼児に対して前記被服部材を所定の向きで着用させた際
    には前面となり、前記被服部材を前後反対方向に着用さ
    せた際には後面となる位置に設けられ、該被服部材との
    間にシートベルトが挿通されることにより、前記シート
    ベルトに対する前記被服部材の可動範囲を規制する規制
    部材とを備えることを特徴とする車両用幼児防護用品。
  2. 【請求項2】 前記被服部材は、表面が軟質材で成形さ
    れ内部に硬質材が設けられた材料からなることを特徴と
    する請求項1に記載の車両用幼児防護用品。
  3. 【請求項3】 前記被服部材の横側部は、伸縮可能なゴ
    ム部材からなることを特徴とする請求項1または請求項
    2のいずれかに記載の車両用幼児防護用品。
  4. 【請求項4】 前記被服部材に取付けられ、前記被服部
    材の下方を通って配設される補助ベルトをさらに備える
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一つ
    に記載の車両用幼児防護用品。
  5. 【請求項5】 前記補助ベルトは、前記被服部材を着用
    する幼児の尻部付近で交差する二本の帯状部材を有する
    ことを特徴とする請求項4に記載の車両用幼児防護用
    品。
  6. 【請求項6】 前記被服部材は、前記襟ぐりの左右周縁
    近傍から上方に突出した二つの襟部を有することを特徴
    とする請求項1乃至請求項5のいずれか一つに記載の車
    両用幼児防護用品。
  7. 【請求項7】 前記規制部材は、 車両の座席に対して斜め方向及び横方向に配設される第
    一シートベルトを挿通させることが可能な開口幅の広い
    第一通路を形成する第一規制部材と、 前記座席に対して横方向に配設される第二シートベルト
    を挿通させることが可能な開口幅の狭い第二通路を形成
    する第二規制部材とを有することを特徴とする請求項1
    乃至請求項6のいずれか一つに記載の車両用幼児防護用
    品。
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