JP3072367B2 - 構造制御型複合セラミックスの製造方法 - Google Patents

構造制御型複合セラミックスの製造方法

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JP3072367B2
JP3072367B2 JP9318910A JP31891097A JP3072367B2 JP 3072367 B2 JP3072367 B2 JP 3072367B2 JP 9318910 A JP9318910 A JP 9318910A JP 31891097 A JP31891097 A JP 31891097A JP 3072367 B2 JP3072367 B2 JP 3072367B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高性能の構造制御
型複合セラミックス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】窒化ケイ素、炭化ケイ素等の構造用セラ
ミックスは、耐熱性、耐酸化性、耐磨耗性等が優れてい
ることから、各種の工業分野で利用されている。しか
し、適用範囲の拡大や部材の製造費用の低減に繋がるこ
とから、セラミックスの強度、破壊靭性等の性能の向上
は重要である。特に、破壊靭性が低く、微細な欠陥から
容易に破壊される性質はセラミックスの幅広い応用を進
める上での障害となっていた。従って、セラミックスの
本来的な性質である脆性破壊特性を改良し、破壊抵抗の
大きい特性を付与することが重要である。
【0003】セラミックス材料の性能向上のために繊維
や第2相粒子の分散が有効であることは知られている。
例えば、炭化ケイ素繊維や炭素繊維等の耐熱性の無機繊
維を複合させることにより、セラミックスの破壊抵抗が
増大することが知られている。しかし、これらの繊維は
高価格であり、また、これらをセラミックス母相と組み
合わせてその有効性を発現させるためには極めて高度な
技術を要する。
【0004】特に、化学蒸着法(CVD法)を応用した
化学蒸着浸透法(CVI法)は多大な時間と高い温度、
更に腐食性の原料ガスを用いる必要があることから、設
備、時間、運転費用等の点で実用的に極めて高くつき、
このことも繊維複合セラミックスの普及を妨げていた原
因の一つである。すなわち、現在の繊維複合セラミック
スの製造技術は、高価格な原料を用いているため極めて
製造費用が高い点及び製造に長時間を要する点で、その
製造効率は満足すべきとはいえない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高価な無機
繊維を複合させることを必ずしも必要とすることなく、
破壊抵抗を増大させた複合セラミックスを製造する方法
を提供することを主な目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するため種々研究を重ねた結果、セラミックスの
内部組織を制御することにより、破壊抵抗が増大するこ
と、即ち、セラミックスの組織内部に破壊亀裂を誘導す
る経路を配置・配向させることにより、母相を形成する
セラミックス単味に比較して大幅に破壊抵抗が増大する
ことを見出し、本発明に至った。
【0007】本発明は、外表面に界面相成分を被覆させ
た複数の線状セラミックス(粉末)成形体(好ましく
は、外径が1mm以下である線状セラミックス(粉末)
成形体)を、一軸方向に配向させ、圧縮成型及び焼結さ
せることにより、柱状組織を有する複合セラミックスを
得ることを特徴とする複合セラミックスの製造方法にあ
る。
【0008】本発明は、前記の方法で得られる柱状組織
を有する複合セラミックス、一軸方向に配列した複数の
柱状セラミックス母相と該柱状セラミックス母相相互間
を結合する界面相を有し、界面相が破壊亀裂を誘導する
作用を有することを特徴とする複合セラミックス及び最
外層の少なくとも一部がセラミックス層により被覆され
ている前記の複合セラミックスにある。
【0009】本発明は、近年におけるセラミックスの精
密成形技術の進歩を基礎として完成されたものである。
すなわち、精密成形技術によって成形された線状セラミ
ックス成形体を利用し、その外表面に破壊亀裂を誘導す
る界面相を形成する成分を被覆させた界面相成分被覆線
状セラミックス成形体を中間原料として使用することに
より、柱状組織、即ち、複数の柱状セラミックス母相が
破壊亀裂を誘導する界面相によって結合した内部組織を
有する複合セラミックスを製造するものである。
【0010】
【発明の実施の形態】複合セラミックス 本発明の複合セラミックスは、柱状組織、即ち、一軸方
向に配向した複数の柱状セラミックス母相と該柱状セラ
ミックス母相相互間を結合する界面相とからなる内部組
織を有する。本発明は、ほとんどあらゆる種類のセラミ
ックスに利用することができる。母相を構成するセラミ
ックスとしては、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム
等の酸化物セラミックス、窒化ケイ素、窒化アルミニウ
ム、窒化チタン等の窒化物セラミックス、炭化ケイ素、
炭化チタン等の炭化物セラミックス、ケイ化モリブデン
等のケイ化物セラミックスがある。
【0011】本発明の複合セラミックスにおいて、界面
相は、破壊亀裂を誘導する作用を有する。界面相を構成
する材料としては、母相を構成するセラミックスとの結
合性が弱い材料を使用することができる。界面相を構成
する材料としては、母相を構成するセラミックスの種類
によって選択することができるが、一般的には炭素及び
窒化ホウ素を、母相を構成するセラミックスが窒化ケイ
素である場合にはジルコニアを使用することができる。
【0012】本発明の複合セラミックスは、亀裂を誘導
する界面相を導入した柱状組織を有することに起因し
て、大きな破壊抵抗を示す。すなわち、本発明の複合セ
ラミックスにおいては、セラミックスの破壊をもたらす
亀裂が組織内部において進展する際に、セラミックス母
相の亀裂が界面相において進行を停止し、強制的に偏向
させられ、破壊が、亀裂先端の応力集中域に存在する弱
い結合部である界面相において、優先的に進行する。
【0013】すなわち、亀裂の進行が停止した後に付加
荷重が増大すると、停止した亀裂の進行方向とは異なる
領域に亀裂の分岐等が発生する。その結果、本発明の複
合セラミックスにおいては、破壊過程が複雑化するの
で、破壊のために消費されるエネルギーが多大になり、
従来の単味のセラミックスで見られるような破壊主亀裂
の高速進展による瞬時破壊が妨げられ、破壊抵抗が大幅
に増大する。
【0014】界面相の厚さは20μm以下、好ましくは
10μm以下、更に好ましくは5μm以下とすることが
望ましい。界面相を厚くすることにより、破壊亀裂を誘
導する作用を強めることができるが、厚くしすぎると、
複合セラミックス全体として、弱結合成分が増大するこ
とになり、例えば、圧縮応力及びせん断応力に対して弱
くなる傾向がある。界面相の厚さを薄くしすぎると、亀
裂を誘導し、偏向する作用(亀裂の誘導・偏向作用)が
低下する場合がある。
【0015】複合セラミックスの表面に界面相が露出し
ている場合には、露出した界面相から低荷重でも破壊す
る場合がある。この場合、最外層を、セラミックス(例
えば母相を形成するセラミックス)層で被覆することに
より、低荷重で破壊するおそれを抑制することができる
(図1(e))。
【0016】本発明の複合セラミックスは、界面相成分
を被覆させた複数の線状セラミックス成形体(界面相成
分被覆成形体)を、一軸方向に配向させ、圧縮成型及び
焼結させることにより、製造することができる。
【0017】線状セラミックス成形体 線状セラミックス成形体としては、線状の成形体であれ
ば、特に限定はなく、目的に応じて各種のセラミックス
成形体を使用することができる。線状セラミックス成形
体としては、軸方向に対して垂直方向の断面が各種の形
状(例えば、円状又は多角形状)をした線状セラミック
ス成形体(即ち、円柱状又は多角柱状のセラミックス成
形体)を使用することができる(図1(a))。
【0018】軸方向に対して垂直方向の断面の外径(最
大径、例えば、直径)が小さい線状セラミックス成形
体、例えば、外径が1mm以下、特に1〜0.5mm程
度の線状セラミックス成形体を使用することにより、破
壊抵抗が大きい複合セラミックスを製造することができ
る。外径が1mmを超える線状セラミックス成形体を使
用すると、得られる複合セラミックスにおいて、柱状セ
ラミックス母相に対する界面相の密度が低くなり、亀裂
の誘導・偏向作用が弱くなる傾向がある。
【0019】外径が1mm以下の線状セラミックス成形
体を使用することにより、界面相の密度が高く、亀裂の
誘導・偏向作用が強い複合セラミックスを製造すること
ができる。外径が0.5mm以下の線状セラミックス成
形体は、直線状に成形することが困難であるが、これを
使用することにより、亀裂の誘導・偏向作用が更に強い
複合セラミックスを製造することができる。
【0020】線状セラミックス成形体は、各種の成形技
術、例えば、公知の押出成形技術によって製造すること
ができる。例えば、母相を形成するセラミックス粉末
に、必要に応じて、有機系の成形樹脂(例えば、セルロ
ース系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂)及び可塑化
溶剤(例えば、ポリエチレングリコール、ジブチルフタ
レート、パラフィンワックス類)を配合して、公知の製
造装置により、押出成形することにより、線状セラミッ
クス粉末成形体を製造することができる。近年の技術進
歩により、押出成形技術によれば、例えば、軸方向に対
して垂直方向の断面の外径が1mm以下、場合により
0.5mm以下である線状セラミックス粉末成形体を連
続的に製造することができる。
【0021】セラミックス粉末としては、例えば、酸化
アルミニウム、酸化ジルコニウム等の酸化物セラミック
ス、窒化ケイ素、窒化アルミニウム、窒化チタン等の窒
化物セラミックス、炭化ケイ素、炭化チタン等の炭化物
セラミックス、ケイ化モリブデン等のケイ化物セラミッ
クス等の粉末を単独で又は複合粉末として使用すること
ができる。バインダー及び可塑化溶剤としては、セラミ
ックス粉末の種類、形状及び大きさ、製造装置のタイプ
等に応じて、最適なものを使用することができる。
【0022】界面相成分被覆成形体 線状セラミックス成形体の外表面を、線状セラミックス
成形体相互間の接合度を低下させる界面相(第2相)成
分で薄く被覆する(図1(b))。界面相成分が、線状
セラミックス成形体相互間、即ち、柱状セラミックス母
相相互間の結合を弱くすることにより、亀裂を誘導し、
偏向させることができる。
【0023】界面相成分として、線状セラミックス成形
体を構成するセラミックス成分に近い組成の材料を使用
すると、複合セラミックスの製造過程中に、線状セラミ
ックス成形体(柱状セラミックス母相)との間に化学的
な結合を生じて、柱状セラミックス母相相互間の結合を
強くしてしまう場合がある。界面相成分として、線状セ
ラミックス成形体を構成する母相セラミックスと化学的
に結合しにくいものを使用することにより、セラミック
ス母相間の結合を弱くすることができる。界面相成分と
しては、一般的には炭素、窒化ホウ素、モナザイト等の
複酸化物等を使用ことができる。特に母相として窒化ケ
イ素を使用する場合には界面相成分としてジルコニアを
使用することができる。
【0024】線状セラミックス成形体の外表面に界面相
成分を10μm以下、好ましくは5μm以下の厚さに被
覆さることにより、亀裂の誘導・偏向作用が大きい複合
セラミックスを製造することができる。界面相成分は、
種々の方法で被覆させることができる。例えば、圧縮空
気を利用したスプレー法により線状セラミックス成形体
上に界面相成分を噴霧することにより、簡便に、また、
安価に界面相成分を被覆させることができる。スプレー
法によれば、界面相成分を10μm又はそれ以下の厚さ
に被覆させることができる。
【0025】加圧成形及び焼結 界面相成分被覆成形体を、一軸方向に配向させて集積し
(図1(c))、この状態で加圧成型することにより、
線状セラミックス成形体を変形させ、成形体相互間に間
隙が存在する場合には、間隙を消滅させ、多角柱状組織
を成形させることができる(図1(d))。加圧成型
は、ラバープレス等と称される静水圧加圧成型法(CI
P法)又は金型を用いた一軸加圧法によって実施するこ
とができる。
【0026】加圧成型の後、加熱して、線状セラミック
ス成形体を焼結させることにより、柱状組織を有する構
造制御型の複合セラミックスを得ることができる(図1
(e))。具体的な焼結条件は、セラミックス材料及び
界面相成分の種類等に応じて、異なっており、特に限定
されるものではない。通常は、例えば、1000〜25
00℃、特に1500〜2000℃程度で加熱すること
により、線状セラミックス成形体を焼結させることがで
きる。
【0027】ホットプレス法によれば、集積した界面相
成分被覆成形体を加圧成型すると同時に焼結させること
ができる。ホットプレス法によれば、図1(c)の状態
から直接最終構造である図1(e)の状態まで製造する
ことができる。ホットプレス法により、金型内に集積し
た界面相成分被覆成形体を、一軸加圧する場合には、複
合セラミックス中の柱状組織は、圧縮方向に少し変形し
た構造となるが、破壊抵抗を増大させる作用に関しては
問題はない。
【0028】本発明の製造方法においては、線状セラミ
ックス成形体表面を被覆する界面相成分が、加圧成型及
び焼結の過程で形成される複合セラミックスの柱状組織
において柱状セラミックス母相の界面相として、一軸方
向に配置された形で残留する。
【0029】適度な可塑性を有する線状セラミックス成
形体は、加圧成型により、容易に変形する。適度な可塑
性を有する線状セラミックス成形体を使用することによ
り、線状セラミックス成形体相互間に間隙が存在する場
合でも、所望の(多角)柱状のセラミックス母相を有す
る内部組織を容易に形成させることができ、柱状セラミ
ックス母相間に間隙が存在しない複合セラミックスを製
造することができる。
【0030】例えば、線状セラミックス粉末成形体の可
塑性は、原料セラミックス粉末に有機系熱可塑性樹脂
(例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレン、ポ
リスチレン、パラフィン)を配合することにより、調節
することができる。静水圧加圧成型法により加圧成型す
る場合には、界面相成分被覆成形体中に水又は有機溶剤
(例えば、エチルアルコール)を適当量残留させた状態
で加圧成型することにより、組成変形を利用して目的と
する組織構造を実現することができる。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、母相セラミックス単味
に比較して破壊抵抗が大幅に増大した複合セラミックス
を提供することができる。本発明によれば、内部組織を
制御することにより、破壊抵抗を増大させた構造制御型
複合セラミックスを効率的に製造すること、即ち、高性
能の複合セラミックスをより経済的に製造することがで
きる。本発明の複合セラミックスは、強度や破壊靭性が
優れているので、エンジン、機械、耐食構造物、切削工
具、半導体パッケージ材料等への応用が広がるものと期
待される。
【0032】
【実施例】実施例1 〔複合セラミックスの製造〕窒化ケイ素粉末92重量部
に対して、焼結助剤として酸化イットリウム粉末5重量
部、酸化アルミニウム粉末3重量部を添加混合した複合
粉末を原料として、セルロース系成形樹脂を用いて、押
出成形により、線状窒化ケイ素粉末成形体(外径0.5
mm、長さ40mm)を製造した。この線状成形体の表
面を、スプレー法により黒鉛粉末で厚さ約1μmに被覆
した。この黒鉛被覆成形体を、所定量一軸方向に配向さ
せて、黒鉛型内に設置し、ホットプレス法により、18
00℃で1時間、圧力300kgf/cm2の条件で加
圧成型及び焼結させた。
【0033】各黒鉛被覆成形体が加圧焼結過程において
変形され、成形体間の間隙が埋まることにより、一軸方
向に配向した多角柱状組織を有する構造制御型複合セラ
ミックスが得られた。得られた複合セラミックスの(線
状セラミックス成形体を配向させた方向に直交する)断
面の電子顕微鏡写真を図2に示す。黒鉛による界面相は
約2μmの厚さを有する。
【0034】〔複合セラミックスの評価〕得られた複合
セラミックスの曲げ破壊における荷重−荷重点変位の関
係曲線を図3に示す。この測定に際しては、ダイヤモン
ド刃を用いて曲げ試験片(試料)の中央部に切り欠けを
導入しており、この切り欠け先端部から破壊が進展す
る。破壊試験後の試料の側面における破壊亀裂進展の様
子を図4に示す。明らかに切り欠け先端からの亀裂の進
展は角柱状組織の界面に存在する炭素相で停止されてお
り、破壊は横方向へ進行している。
【0035】図3に示すように荷重−荷重点変位曲線は
最大荷重に達して破壊が進行を始めても荷重はある値で
停止している。これが炭素界面相による亀裂進展の停止
作用に相当する。図3において荷重−荷重点変位曲線と
横軸で囲まれた面積が破壊仕事に相当する。この面積か
ら算出された破壊エネルギーは3400J/m2であっ
た。これは母相セラミックスである窒化ケイ素セラミッ
クスの通常の破壊エネルギー20〜50J/m2に比較
すると100倍以上向上している。このことは、多角柱
状組織を有する本実施例の複合セラミックスは、構造制
御によって、破壊抵抗が100倍以上向上したことを示
しており、本発明の有効性を明示している。
【0036】本実施例の複合セラミックスの亀裂を導入
しない平滑材における曲げ荷重強度は850MPaであ
り、通常の窒化ケイ素セラミックスの曲げ荷重強度と同
等であった。これは曲げ荷重強度が測定される外層自体
は多角柱状窒化ケイ素母相より覆われており、通常の窒
化ケイ素セラミックスと同等の強度になるためである。
【0037】実施例2 原料として窒化ケイ素粉末に代えて酸化アルミニウム粉
末を使用し、界面相成分として黒鉛に代えて窒化ホウ素
を使用し、ホットプレス法に代えて3000kgf/c
2の静水圧加圧により、加圧成型した後、真空中16
50℃で1時間の条件で焼結させた他は、実施例1と同
様にして構造制御型複合セラミックスを製造した。
【0038】実施例1と同様に、切り欠けを導入した試
験片による曲げ破壊試験を行ったところ、同様な非脆性
破壊特性を示し、その破壊エネルギーは2200J/m
2であった。これは通常のアルミナセラミックス単味の
破壊エネルギー値である10〜20J/cm2と比較す
ると約100倍以上の破壊抵抗の増大を示した。平滑材
による曲げ強度は620MPaであり、アルミナセラミ
ックス単味のそれと同等であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の製造方法における各プロセスにおけ
るセラミックスの形態を示す概略図。
【図2】 本発明の複合セラミックスの多角柱状組織
(結晶構造)を示す電子顕微鏡写真。
【図3】 本発明の実施例の複合セラミックスが曲げ強
度試験において示した荷重−荷重変位の関係曲線を示す
グラフ。
【図4】 本発明の実施例の複合セラミックスの曲げ破
壊試験後の破壊状況(結晶構造)を示す光学顕微鏡写
真。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭57−88201(JP,A) 特開 平5−254947(JP,A) 特開 平6−293015(JP,A) 特開 昭55−100274(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B28B 11/00 B28B 3/00 C04B 37/00

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 外表面に界面相成分を被覆させた複数の
    線状セラミックス成形体を、一軸方向に配向させ、圧縮
    成型及び焼結させることにより、柱状組織を有する複合
    セラミックスを得ることを特徴とする複合セラミックス
    の製造方法。
  2. 【請求項2】 線状セラミックス成形体の外径が1mm
    以下である請求項1に記載の複合セラミックスの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 線状セラミックス成形体が線状セラミッ
    クス粉末成形体である請求項1又は2に記載の複合セラ
    ミックスの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法で
    得られる柱状組織を有する複合セラミックス。
  5. 【請求項5】 一軸方向に配向した複数の柱状セラミッ
    クス母相と該柱状セラミックス母相相互間を結合する界
    面相を有し、界面相が破壊亀裂を誘導する作用を有する
    ことを特徴とする複合セラミックス。
  6. 【請求項6】 最外層の少なくとも一部がセラミックス
    層により被覆されている請求項4又は5に記載の複合セ
    ラミックス。
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