JP3072019B2 - 結晶成長方法 - Google Patents
結晶成長方法Info
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- JP3072019B2 JP3072019B2 JP6652595A JP6652595A JP3072019B2 JP 3072019 B2 JP3072019 B2 JP 3072019B2 JP 6652595 A JP6652595 A JP 6652595A JP 6652595 A JP6652595 A JP 6652595A JP 3072019 B2 JP3072019 B2 JP 3072019B2
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Description
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は結晶成長方法に関する。
特に、半導体レーザ及び発光ダイオード等の製造に最適
な結晶成長方法に関する。
特に、半導体レーザ及び発光ダイオード等の製造に最適
な結晶成長方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のMBE装置を用いた結晶成長方法
には主に2つの方法がある。
には主に2つの方法がある。
【0003】1つはZn、Se等の単体ソースを用いた
結晶成長方法であり、もう1つはZnSe等の多結晶化
合物ソースのみを用いた結晶成長である。それぞれを図
6、図7を用いて説明する。
結晶成長方法であり、もう1つはZnSe等の多結晶化
合物ソースのみを用いた結晶成長である。それぞれを図
6、図7を用いて説明する。
【0004】まず、図6は、単体ソースのみを用いる結
晶成長装置を示す。図6において、21〜23はそれぞ
れZn、Se、Cdのセル、24〜26はそれぞれのセ
ルからの分子線の制御を行うシャッタである。27はG
aAs基板であり、Moブロック及び基板回転加熱装置
29に保持されている。28は基板に供給される分子線
の制御を行うメインシャッタである。成長室はゲートバ
ルブ30によって外界と遮断されており、イオンポンプ
及び液体窒素シュラウド31によって10ー10Torr
台の超高真空に保たれている。
晶成長装置を示す。図6において、21〜23はそれぞ
れZn、Se、Cdのセル、24〜26はそれぞれのセ
ルからの分子線の制御を行うシャッタである。27はG
aAs基板であり、Moブロック及び基板回転加熱装置
29に保持されている。28は基板に供給される分子線
の制御を行うメインシャッタである。成長室はゲートバ
ルブ30によって外界と遮断されており、イオンポンプ
及び液体窒素シュラウド31によって10ー10Torr
台の超高真空に保たれている。
【0005】ZnSe結晶は、Znセル21及びSeセ
ル22のそれぞれから得られるZn分子線及びSe分子
線を用いて基板27上にエピタキシャル成長させられ
る。
ル22のそれぞれから得られるZn分子線及びSe分子
線を用いて基板27上にエピタキシャル成長させられ
る。
【0006】図7は、多結晶化合物ソースのみを用いる
結晶成長装置を示す。図7において、32、33はそれ
ぞれZnSe及びCdSeのセル、34、35はそれぞ
れのセルからの分子線の制御を行うシャッタである。以
下36〜40はそれぞれGaAs基板、メインシャッ
タ、Moブロック及び基板回転加熱装置、ゲートバル
ブ、液体窒素シュラウドであり、図6の単体ソースのみ
を用いた結晶成長装置の場合に同じである。
結晶成長装置を示す。図7において、32、33はそれ
ぞれZnSe及びCdSeのセル、34、35はそれぞ
れのセルからの分子線の制御を行うシャッタである。以
下36〜40はそれぞれGaAs基板、メインシャッ
タ、Moブロック及び基板回転加熱装置、ゲートバル
ブ、液体窒素シュラウドであり、図6の単体ソースのみ
を用いた結晶成長装置の場合に同じである。
【0007】ZnSe結晶は、ZnSeのセル32から
の分子線を用いて、基板36上にエピタキシャル成長さ
せられる。
の分子線を用いて、基板36上にエピタキシャル成長さ
せられる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
単体ソースを用いる結晶成長法によれば、分子線強度が
変化したときに、基板表面上に存在する材料の量が大き
く変化し、それによって3元または4元混晶を作製する
際に組成が大きく変化するという問題がある。
単体ソースを用いる結晶成長法によれば、分子線強度が
変化したときに、基板表面上に存在する材料の量が大き
く変化し、それによって3元または4元混晶を作製する
際に組成が大きく変化するという問題がある。
【0009】また、単体セルを150〜300℃の低温
で用いなければならず、そのため分子線の熱エネルギー
が小さく、基板温度を250℃以上の温度にしなければ
基板表面でエピタキシャル成長しないという問題があっ
た。
で用いなければならず、そのため分子線の熱エネルギー
が小さく、基板温度を250℃以上の温度にしなければ
基板表面でエピタキシャル成長しないという問題があっ
た。
【0010】これらの問題のために、超格子を制御よく
作製することが難しかった。
作製することが難しかった。
【0011】一方、ZnSe等の化合物ソースのみを用
いる方法では、化合物ソースを700℃以上の高温で用
いるために、Zn及びSeの分子線の熱エネルギーが大
きく、基板温度が200℃以下でもエピタキシャル成長
する。しかし、SeとZnの供給比は常に一定なので、
混晶を作製する際にSeとZnの供給比を、混晶を作製
する際の最適条件に合うように変えられないという問題
がある。また、結晶成長中の基板表面がSe供給過多な
のでアクセプタとしてSeサイトに入る窒素のドーピン
グがしにくいという問題がある。
いる方法では、化合物ソースを700℃以上の高温で用
いるために、Zn及びSeの分子線の熱エネルギーが大
きく、基板温度が200℃以下でもエピタキシャル成長
する。しかし、SeとZnの供給比は常に一定なので、
混晶を作製する際にSeとZnの供給比を、混晶を作製
する際の最適条件に合うように変えられないという問題
がある。また、結晶成長中の基板表面がSe供給過多な
のでアクセプタとしてSeサイトに入る窒素のドーピン
グがしにくいという問題がある。
【0012】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、基板表面に
おける分子線強度が変化しても、結晶成長に与える影響
の小さい結晶成長方法を提供することにある。
れたものであり、その目的とするところは、基板表面に
おける分子線強度が変化しても、結晶成長に与える影響
の小さい結晶成長方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の結晶成長方法
は、Zn1-xCdxSe(0≦x≦0.35)で表現され
るII−VI族単結晶半導体を形成する結晶成長方法で
あって、ZnSe化合物ソースからの分子線とZn単体
ソースからの分子線とを用いて、II族元素Znを基板
上に供給し、CdSe化合物ソースからの分子線を用い
て、II族元素Cdを該基板上に供給し、ZnSe化合
物ソースからの分子線を用いて、VI族元素Seを該基
板上に供給し、それによって、該II−VI族単結晶半
導体を該基板上にエピタキシャル成長させる工程を含ん
でおり、そのことにより上記目的が達成される。
は、Zn1-xCdxSe(0≦x≦0.35)で表現され
るII−VI族単結晶半導体を形成する結晶成長方法で
あって、ZnSe化合物ソースからの分子線とZn単体
ソースからの分子線とを用いて、II族元素Znを基板
上に供給し、CdSe化合物ソースからの分子線を用い
て、II族元素Cdを該基板上に供給し、ZnSe化合
物ソースからの分子線を用いて、VI族元素Seを該基
板上に供給し、それによって、該II−VI族単結晶半
導体を該基板上にエピタキシャル成長させる工程を含ん
でおり、そのことにより上記目的が達成される。
【0014】本発明の他の結晶成長方法は、Zn1-xM
gxSySe1-y(0≦x<0.5、0≦y<0.5)で
表現されるII−VI族単結晶半導体を形成する結晶成
長方法であって、ZnSe化合物ソースからの分子線と
Zn単体ソースからの分子線とを用いて、II族元素Z
nを基板上に供給し、MgSe又はMgS化合物ソース
からの分子線を用いて、II族元素Mgを該基板上に供
給し、MgSe又はZnSe化合物ソースからの分子線
を用いて、VI族元素Seを該基板上に供給し、ZnS
化合物ソースからの分子線を用いて、VI族元素Sを該
基板上に供給し、それによって、該II−VI族単結晶
半導体を該基板上にエピタキシャル成長させる工程を含
んでおり、そのことにより上記目的が達成される。
gxSySe1-y(0≦x<0.5、0≦y<0.5)で
表現されるII−VI族単結晶半導体を形成する結晶成
長方法であって、ZnSe化合物ソースからの分子線と
Zn単体ソースからの分子線とを用いて、II族元素Z
nを基板上に供給し、MgSe又はMgS化合物ソース
からの分子線を用いて、II族元素Mgを該基板上に供
給し、MgSe又はZnSe化合物ソースからの分子線
を用いて、VI族元素Seを該基板上に供給し、ZnS
化合物ソースからの分子線を用いて、VI族元素Sを該
基板上に供給し、それによって、該II−VI族単結晶
半導体を該基板上にエピタキシャル成長させる工程を含
んでおり、そのことにより上記目的が達成される。
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】本発明の結晶成長方法では、Zn1-xCdxSe
(0≦x≦0.35)で表現されるII−VI族単結晶
半導体を形成する場合、Cd及びSeの供給源として
は、それぞれ、CdSe及びZnSe化合物ソースから
の分子線を用いている。このため、分子線の温度が高く
設定され、基板に供給されるCd及びSeの持つエネル
ギが単体ソ−スを使用する場合よりも高くなる。その結
果、CdやSeの単体ソースからの分子線を使用するこ
とによって生じた前述の問題が回避される。一方、Zn
の供給源としては、化合物ソースからの分子線だけてば
なく、Zn単体ソースからの分子線をも用いている。こ
のことにより、十分な量のZnが供給される。
(0≦x≦0.35)で表現されるII−VI族単結晶
半導体を形成する場合、Cd及びSeの供給源として
は、それぞれ、CdSe及びZnSe化合物ソースから
の分子線を用いている。このため、分子線の温度が高く
設定され、基板に供給されるCd及びSeの持つエネル
ギが単体ソ−スを使用する場合よりも高くなる。その結
果、CdやSeの単体ソースからの分子線を使用するこ
とによって生じた前述の問題が回避される。一方、Zn
の供給源としては、化合物ソースからの分子線だけてば
なく、Zn単体ソースからの分子線をも用いている。こ
のことにより、十分な量のZnが供給される。
【0018】本発明は、上記の方法によりSe、Cd等
の供給源としてZnSeやCdSe等のII−VI族化
合物の化合物ソースを用いるので、基板表面における分
子線強度が変化しても、結晶成長に与える影響を小さく
する。
の供給源としてZnSeやCdSe等のII−VI族化
合物の化合物ソースを用いるので、基板表面における分
子線強度が変化しても、結晶成長に与える影響を小さく
する。
【0019】主成分であるZnは、ZnSe化合物ソー
スとZn単体ソースが共に用いられるため、Znと他の
元素の供給量の比を、常に最適条件のもと調整できる。
このため、化合物ソース使用の利点と単体ソース使用の
利点を兼ね備えることができる。その結果、ZnSe系
化合物半導体の特性の再現性が向上し、それによって半
導体装置の特性のばらつきを抑え、歩止まり率が向上す
る。
スとZn単体ソースが共に用いられるため、Znと他の
元素の供給量の比を、常に最適条件のもと調整できる。
このため、化合物ソース使用の利点と単体ソース使用の
利点を兼ね備えることができる。その結果、ZnSe系
化合物半導体の特性の再現性が向上し、それによって半
導体装置の特性のばらつきを抑え、歩止まり率が向上す
る。
【0020】このことは、Zn1-xCdxSe(0≦x≦
0.35)に限られず、Zn1-xMgxSySe1-y(0≦
x<0.5、0≦y<0.5)など、A1-xBxC1-yDy
(A及びBはII族元素、C及びDはVI族元素、0≦
x<0.5、0≦y<0.5)で表現されるII−VI
族単結晶半導体に当てはまる。
0.35)に限られず、Zn1-xMgxSySe1-y(0≦
x<0.5、0≦y<0.5)など、A1-xBxC1-yDy
(A及びBはII族元素、C及びDはVI族元素、0≦
x<0.5、0≦y<0.5)で表現されるII−VI
族単結晶半導体に当てはまる。
【0021】
【実施例】以下に、本発明を実施例について説明する。
【0022】まず、本発明の結晶成長方法を実施するた
めの装置の構成を、図1を参照しながら説明する。図1
の装置は、基本的な点では、従来の分子線エピタキシ装
置の構成とかわりない構成を持つ装置である。図1の分
子線エピタキシ装置は、結晶成長に使用するセル(effus
ion cells)の種類と構成に特徴を有している。
めの装置の構成を、図1を参照しながら説明する。図1
の装置は、基本的な点では、従来の分子線エピタキシ装
置の構成とかわりない構成を持つ装置である。図1の分
子線エピタキシ装置は、結晶成長に使用するセル(effus
ion cells)の種類と構成に特徴を有している。
【0023】図1の装置は、エピタキシャル成長のため
の成長室19を備えている。成長室19は、ゲートバル
ブ20の開閉によって、イオンポンプや他の室(不図
示)から分離されたり、連結する。液体窒素シュラウド
18に液体窒素を流し込み、イオンポンプで排気するこ
とにより、成長室19内の真空度は、結晶成長中、10
-10Torr台に保たれる。
の成長室19を備えている。成長室19は、ゲートバル
ブ20の開閉によって、イオンポンプや他の室(不図
示)から分離されたり、連結する。液体窒素シュラウド
18に液体窒素を流し込み、イオンポンプで排気するこ
とにより、成長室19内の真空度は、結晶成長中、10
-10Torr台に保たれる。
【0024】成長室19には、成長層の構成元素を供給
するセルとして、ZnSeセル1、Znセル2、CdS
eセル3、ZnSセル4及びMgSeセル5が設けられ
ている。また、ドーパントを供給するためのセルとし
て、セル6及び7が設けられている。セル6は、p型の
ドーパントとして用いるラジカルN2を発生させる。n
型のドーパントは、ZnCl2セル7から供給される。
するセルとして、ZnSeセル1、Znセル2、CdS
eセル3、ZnSセル4及びMgSeセル5が設けられ
ている。また、ドーパントを供給するためのセルとし
て、セル6及び7が設けられている。セル6は、p型の
ドーパントとして用いるラジカルN2を発生させる。n
型のドーパントは、ZnCl2セル7から供給される。
【0025】ZnSeセル1、ZnSセル4、MgSe
セル5、ZnCl2セル7は、チャンク状の多結晶材料
(化合物)を原料として含んでいる。Znセル2は、棒
状の金属Zn(単体)を原料として含んでいる。セル1
〜7の前には、それぞれ、シャッタ8〜14が設けら
れ、各シャッタの開閉によって、セルからの分子線供給
のオン/オフが調節される。
セル5、ZnCl2セル7は、チャンク状の多結晶材料
(化合物)を原料として含んでいる。Znセル2は、棒
状の金属Zn(単体)を原料として含んでいる。セル1
〜7の前には、それぞれ、シャッタ8〜14が設けら
れ、各シャッタの開閉によって、セルからの分子線供給
のオン/オフが調節される。
【0026】セル1〜5及び7の温度は、それぞれ、温
度調節器によって設定温度に保たれており、設定温度を
変えることによって、各セルからの分子線の強度が調節
される。セル6に関しては、RF電源の出力及びN2ガ
スの流量を制御することによって、ラジカル状態にある
N2の量が調節される。
度調節器によって設定温度に保たれており、設定温度を
変えることによって、各セルからの分子線の強度が調節
される。セル6に関しては、RF電源の出力及びN2ガ
スの流量を制御することによって、ラジカル状態にある
N2の量が調節される。
【0027】結晶成長のための基板16は、成長室19
の中のMoブロック17上に設置される。回転加熱装置
17は、Moブロック17を加熱しながら回転する。回
転加熱装置の17内の温度調節器によって、基板16の
温度は150〜400℃に保たれる。セル1〜7と基板
16との間には、基板16表面に到達する分子線を調節
するためのシャッタ15が設けられている。
の中のMoブロック17上に設置される。回転加熱装置
17は、Moブロック17を加熱しながら回転する。回
転加熱装置の17内の温度調節器によって、基板16の
温度は150〜400℃に保たれる。セル1〜7と基板
16との間には、基板16表面に到達する分子線を調節
するためのシャッタ15が設けられている。
【0028】図1の装置を用いてZnCdSe混晶を作
製する際に、CdSeセル3の温度を変え、CdSeの
分子線強度の変化とそのとき作製されるZnCdSe混
晶のCd組成との関係を求めた。その関係を図3に示
す。図3には、比較のため、単体のCdを用いた場合
の、Cdの分線強度とCdの組成との関係も示されてい
る。
製する際に、CdSeセル3の温度を変え、CdSeの
分子線強度の変化とそのとき作製されるZnCdSe混
晶のCd組成との関係を求めた。その関係を図3に示
す。図3には、比較のため、単体のCdを用いた場合
の、Cdの分線強度とCdの組成との関係も示されてい
る。
【0029】図3からわかるように、CdSe化合物を
用いたときは、分子線強度に比例してCdの組成が変化
しているが、単体のCdを用いたときは、Cdの組成の
変化がCdの分子線強度に比例していない。
用いたときは、分子線強度に比例してCdの組成が変化
しているが、単体のCdを用いたときは、Cdの組成の
変化がCdの分子線強度に比例していない。
【0030】このことは、Cdのソース源にCdSe化
合物を用いる本発明の方法が、Cd単体をソースに用い
る従来の方法よりも、ZnCdSe混晶におけるCdの
組成制御を行いやすいことを示している。この理由を以
下に説明する。
合物を用いる本発明の方法が、Cd単体をソースに用い
る従来の方法よりも、ZnCdSe混晶におけるCdの
組成制御を行いやすいことを示している。この理由を以
下に説明する。
【0031】Zn、Se、Cd等の単体は、図2からわ
かるように、化合物に比べて低い温度で高い蒸気圧を示
す。このため、このような単体をセルに用いて結晶成長
を行うときは、セルの温度を150〜300℃という低
温で制御しなければならない。ZnSe系化合物半導体
の結晶成長においては、基板表面に供給される材料の温
度が低い程、基板表面での供給原子のマイグレーション
時間が長くなることが知られている。このことは、分子
線強度が変化したときに、図5に示すように、分子線の
温度が低い程、基板表面上に存在する材料の量が大きく
変化し、それによって3元または4元混晶を作製する際
に組成が大きく変化することを示している。
かるように、化合物に比べて低い温度で高い蒸気圧を示
す。このため、このような単体をセルに用いて結晶成長
を行うときは、セルの温度を150〜300℃という低
温で制御しなければならない。ZnSe系化合物半導体
の結晶成長においては、基板表面に供給される材料の温
度が低い程、基板表面での供給原子のマイグレーション
時間が長くなることが知られている。このことは、分子
線強度が変化したときに、図5に示すように、分子線の
温度が低い程、基板表面上に存在する材料の量が大きく
変化し、それによって3元または4元混晶を作製する際
に組成が大きく変化することを示している。
【0032】更に、分子線の温度が150〜300℃と
いう低温にある場合、結晶成長中に分子線強度が変化す
ると、基板表面におけるZn、Se、Cd等の存在比が
大きく変化してしまう。その結果、基板表面上でのVI
族とII族の比が大きく変化する。なお、分子線強度の
変化は、セルの温度や材料の形状が変化することによっ
て生じる。
いう低温にある場合、結晶成長中に分子線強度が変化す
ると、基板表面におけるZn、Se、Cd等の存在比が
大きく変化してしまう。その結果、基板表面上でのVI
族とII族の比が大きく変化する。なお、分子線強度の
変化は、セルの温度や材料の形状が変化することによっ
て生じる。
【0033】以下に、セルの温度(分子線の温度又はエ
ネルギ)と、基板表面上での分子の振るまいについて、
Zn及びCdを例にとって説明する。
ネルギ)と、基板表面上での分子の振るまいについて、
Zn及びCdを例にとって説明する。
【0034】分子線の温度が低い場合、基板表面に到来
したZn又はCdは、基板から熱エネルギを受け取り、
基板表面上を運動する。基板表面上を運動するうちにZ
nやCdの一部は、再蒸発する。Cdの蒸気圧はZnの
蒸気圧よりも高いため、CdのほうがZnよりも基板表
面から再蒸発しやすく、その結果、基板表面上での(C
dの存在量)/(Znの存在量)は、(Cdの分子線強
度)/(Znの分子線強度)はより小さくなる。Zn
1-xCdxSeの組成xは、(Cdの存在量)/(Znの
存在量)よりも小さくなる。
したZn又はCdは、基板から熱エネルギを受け取り、
基板表面上を運動する。基板表面上を運動するうちにZ
nやCdの一部は、再蒸発する。Cdの蒸気圧はZnの
蒸気圧よりも高いため、CdのほうがZnよりも基板表
面から再蒸発しやすく、その結果、基板表面上での(C
dの存在量)/(Znの存在量)は、(Cdの分子線強
度)/(Znの分子線強度)はより小さくなる。Zn
1-xCdxSeの組成xは、(Cdの存在量)/(Znの
存在量)よりも小さくなる。
【0035】これに対して、分子線の温度が高い場合、
基板表面に到来したZn又はCdは、自信の持つ高い熱
エネルギで基板表面上を運動する。基板表面上を運動す
るうちにエネルギの高いZnやCdは、盛んに再蒸発す
る。Cd及びZnが盛んに再蒸発する結果、基板表面上
での(Cdの存在量)/(Znの存在量)は、(Cdの
分子線強度)/(Znの分子線強度)に比例する。この
ため、Zn1-xCdxSeの組成xは、(Cdの存在量)
/(Znの存在量)に比例することとなる。
基板表面に到来したZn又はCdは、自信の持つ高い熱
エネルギで基板表面上を運動する。基板表面上を運動す
るうちにエネルギの高いZnやCdは、盛んに再蒸発す
る。Cd及びZnが盛んに再蒸発する結果、基板表面上
での(Cdの存在量)/(Znの存在量)は、(Cdの
分子線強度)/(Znの分子線強度)に比例する。この
ため、Zn1-xCdxSeの組成xは、(Cdの存在量)
/(Znの存在量)に比例することとなる。
【0036】このように本発明の結晶成長方法によれ
ば、従来の方法よりも、ZnCdSe混晶におけるCd
の組成の制御がしやすいため、本発明の方法によって作
製したZnCdSe混晶は、従来の方法によって作製し
たものよりも、組成及び膜厚が均一となる。
ば、従来の方法よりも、ZnCdSe混晶におけるCd
の組成の制御がしやすいため、本発明の方法によって作
製したZnCdSe混晶は、従来の方法によって作製し
たものよりも、組成及び膜厚が均一となる。
【0037】以上のことから、本発明の方法によって作
製したZnCdSe混晶は、従来の方法によって作製し
たものよりも、組成、膜厚とも均一であり、特性が向上
する。また、本発明の方法によれば、従来の方法よりも
ZnCdSe混晶におけるCdの組成の制御がしやす
い。
製したZnCdSe混晶は、従来の方法によって作製し
たものよりも、組成、膜厚とも均一であり、特性が向上
する。また、本発明の方法によれば、従来の方法よりも
ZnCdSe混晶におけるCdの組成の制御がしやす
い。
【0038】同様のことが、ZnMgSSe混晶の成長
についてもいえる。図4は、MgSeセルの温度を変
え、MgSeの分子線強度の変化とそのとき作製される
ZnMgSSe混晶のMg組成との関係を示す。図4に
は、比較のため、単体のMgを用いた場合の、Mgの分
線強度とMgの組成との関係も示されている。
についてもいえる。図4は、MgSeセルの温度を変
え、MgSeの分子線強度の変化とそのとき作製される
ZnMgSSe混晶のMg組成との関係を示す。図4に
は、比較のため、単体のMgを用いた場合の、Mgの分
線強度とMgの組成との関係も示されている。
【0039】図4からわかるように、MgSe化合物を
用いたときは、分子線強度に比例してMgの組成が変化
しているが、単体のMgを用いたときは、Mgの組成の
変化がMgの分子線強度に比例していない。
用いたときは、分子線強度に比例してMgの組成が変化
しているが、単体のMgを用いたときは、Mgの組成の
変化がMgの分子線強度に比例していない。
【0040】このように本発明によれば、分子線強度と
組成との関係が直線的であるので、組成の制御が容易で
再現性に富んでいる。
組成との関係が直線的であるので、組成の制御が容易で
再現性に富んでいる。
【0041】以下に、本発明の結晶成長法の実施例を説
明する。
明する。
【0042】(実施例1)図1を参照しながら、ダブル
ヘテロ構造を有する発光ダイオードのための結晶成長を
説明する。本実施例で形成するダブルヘテロ構造は、p
型及びn型ZnS0.07Se0.93混晶層行、この混晶層に
挟まれたアンドープZn0.7Cd0.3Se混晶層とを含
む。アンドープZn0.7Cd0.3Se混晶のCdは少数成
分なので、CCd供給源としては、CdSe多結晶を用
いる。Znは多数成分なので、Znの供給源としては、
ZnSe多結晶及びZn単体の両方を用いる。
ヘテロ構造を有する発光ダイオードのための結晶成長を
説明する。本実施例で形成するダブルヘテロ構造は、p
型及びn型ZnS0.07Se0.93混晶層行、この混晶層に
挟まれたアンドープZn0.7Cd0.3Se混晶層とを含
む。アンドープZn0.7Cd0.3Se混晶のCdは少数成
分なので、CCd供給源としては、CdSe多結晶を用
いる。Znは多数成分なので、Znの供給源としては、
ZnSe多結晶及びZn単体の両方を用いる。
【0043】まず、各セルの温度を調節することによっ
て、分子線強度の比を、ZnSe:Zn:CdSe=
6:2:3、かつZnSe:ZnS=13:1になるよ
うにし、しかも、成長レートが3.2Åになるようにす
る。具体的には、ZnSeセル1、Znセル2、CdS
eセル3及びZnSセル4の温度を、それぞれ、700
℃、250℃、550℃及び750℃にする。
て、分子線強度の比を、ZnSe:Zn:CdSe=
6:2:3、かつZnSe:ZnS=13:1になるよ
うにし、しかも、成長レートが3.2Åになるようにす
る。具体的には、ZnSeセル1、Znセル2、CdS
eセル3及びZnSセル4の温度を、それぞれ、700
℃、250℃、550℃及び750℃にする。
【0044】ZnCl2セル7の温度は、必要なドーピ
ングレベルが得られるように設定する。N2ラジカルセ
ル6については、必要ななドーピングレベルが得られる
ように、RF電源の出力及びN2ガスの流量を調整す
る。例えば、RF電源の出力としては、100〜200
W、N2ガスの流量としては、0.01〜0.1scc
mの範囲に設定される。
ングレベルが得られるように設定する。N2ラジカルセ
ル6については、必要ななドーピングレベルが得られる
ように、RF電源の出力及びN2ガスの流量を調整す
る。例えば、RF電源の出力としては、100〜200
W、N2ガスの流量としては、0.01〜0.1scc
mの範囲に設定される。
【0045】本実施例では、基板16としてn型GaA
s基板を用い、半導体成長時における基板16の温度は
300℃に設定する。
s基板を用い、半導体成長時における基板16の温度は
300℃に設定する。
【0046】上記温度等の諸条件が設定された後、基板
16上の酸化膜を例えば580℃5分間の加熱処理によ
って除去する。その後、基板温度を300℃に設定した
後、シャッタの開閉を制御しながら、結晶成長を開始す
る。本実施例では、まず、ZnSeのシャッタ8、Zn
のシャッタ9、ZnCl2のシャッタ14、及び基板前
方のシャッタ15を同時に開ける。こうして、ZnS層
を成長させる。その3秒後に、ZnSのシャッタ11を
開け、n型ZnS0.07Se0.93の結晶成長を開始する。
16上の酸化膜を例えば580℃5分間の加熱処理によ
って除去する。その後、基板温度を300℃に設定した
後、シャッタの開閉を制御しながら、結晶成長を開始す
る。本実施例では、まず、ZnSeのシャッタ8、Zn
のシャッタ9、ZnCl2のシャッタ14、及び基板前
方のシャッタ15を同時に開ける。こうして、ZnS層
を成長させる。その3秒後に、ZnSのシャッタ11を
開け、n型ZnS0.07Se0.93の結晶成長を開始する。
【0047】2時間30分経過後、ZnSのシャッタ1
1及びZnCl2のシャッタ14を閉じ、代わりにCd
Seのシャッタ10を31秒館開け、Zn0.7Cd0.3S
e100Åを結晶成長させる。
1及びZnCl2のシャッタ14を閉じ、代わりにCd
Seのシャッタ10を31秒館開け、Zn0.7Cd0.3S
e100Åを結晶成長させる。
【0048】その後、CdSeのシャッタ10を閉じ、
ZnSのシャッタ11を再び開け、同時にラジカルN2
セルのシャッタ13を開け、p型ZnS0.07Se0.93を
1時間30分結晶成長させる。
ZnSのシャッタ11を再び開け、同時にラジカルN2
セルのシャッタ13を開け、p型ZnS0.07Se0.93を
1時間30分結晶成長させる。
【0049】最後に、ZnSのシャッタ11を閉じ、N
2ラジカルセル6の設定をヘビードーピングの条件に変
えてから2分間、p型ZnSeのコンタクト層を結晶成
長させる。結晶成長は、シャッタ15を閉じて終了す
る。
2ラジカルセル6の設定をヘビードーピングの条件に変
えてから2分間、p型ZnSeのコンタクト層を結晶成
長させる。結晶成長は、シャッタ15を閉じて終了す
る。
【0050】各結晶成長時の各シャッタの開閉状況を図
8に示す。
8に示す。
【0051】本実施例の結晶成長方法により製造した発
光ダイオードについて、発光特性等を評価した。電流注
入による発光及びその他の特性は、従来の方法によって
作製したものと同じであった。発光スペクトルに基づい
てピーク波長とそのばらつきを求めると、従来の方法で
作製したものは(523±3)nmであるが、本発明の
方法で作製したものは(523±1)nmであり、従来
の方法と比べて約1/3のばらつきである。また、発光
ダイオードの寿命は、本発明の方法で作製したものは従
来の方法で作製したものより3倍長い。これらのこと
は、本発明の方法によって作製したZn0.7Cd0.3Se
混晶が、従来の方法によって作製したものよりも、組成
及び膜厚が均一であり、特性が向上していることを示し
ている。
光ダイオードについて、発光特性等を評価した。電流注
入による発光及びその他の特性は、従来の方法によって
作製したものと同じであった。発光スペクトルに基づい
てピーク波長とそのばらつきを求めると、従来の方法で
作製したものは(523±3)nmであるが、本発明の
方法で作製したものは(523±1)nmであり、従来
の方法と比べて約1/3のばらつきである。また、発光
ダイオードの寿命は、本発明の方法で作製したものは従
来の方法で作製したものより3倍長い。これらのこと
は、本発明の方法によって作製したZn0.7Cd0.3Se
混晶が、従来の方法によって作製したものよりも、組成
及び膜厚が均一であり、特性が向上していることを示し
ている。
【0052】(実施例2)本実施例では、アンドープG
aAs基板に格子整合したアンドープZn0.76Mg0.24
S0.19Se0.81の結晶成長を説明する。
aAs基板に格子整合したアンドープZn0.76Mg0.24
S0.19Se0.81の結晶成長を説明する。
【0053】まず、各セルの設定温度を調整することに
より、分子線強度比をZnSe:Zn:MgSe:Zn
S=56:10:24:19になるようにし、しかも、
成長速度を800nm/hになるようにした。具体的に
は、ZnSeセル1、Znセル2、MgSeセル 及び
ZnSセル4の温度を、それぞれ、730℃、240
℃、690℃及び800℃にする。
より、分子線強度比をZnSe:Zn:MgSe:Zn
S=56:10:24:19になるようにし、しかも、
成長速度を800nm/hになるようにした。具体的に
は、ZnSeセル1、Znセル2、MgSeセル 及び
ZnSセル4の温度を、それぞれ、730℃、240
℃、690℃及び800℃にする。
【0054】上記温度等の諸条件が設定された後、基板
16上の酸化膜を除去する。その後、基板温度を300
℃に設定した状態で、シャッタの開閉を制御しながら、
結晶成長を開始する。
16上の酸化膜を除去する。その後、基板温度を300
℃に設定した状態で、シャッタの開閉を制御しながら、
結晶成長を開始する。
【0055】本実施例では、まず、ZnSeのシャッタ
8、Znのシャッタ9、ZnCl2のシャッタ14、及
び基板前方のシャッタ15を同時に開ける。こうして、
ZnS層を成長させる。その3秒後に、ZnSのシャッ
タ11及びMgSeのシャッタ12を開け、アンドープ
Zn0.76Mg0.24S0.19Se0.81の結晶成長を開始
する。
8、Znのシャッタ9、ZnCl2のシャッタ14、及
び基板前方のシャッタ15を同時に開ける。こうして、
ZnS層を成長させる。その3秒後に、ZnSのシャッ
タ11及びMgSeのシャッタ12を開け、アンドープ
Zn0.76Mg0.24S0.19Se0.81の結晶成長を開始
する。
【0056】2時間30分後、シャッタ15を閉じ、結
晶成長を終了する。
晶成長を終了する。
【0057】このアンドープZn0.76Mg0.24S0.19S
e0.81の膜厚のばらつきは、実施例1のアンドープZn
Se結晶成長の場合に同じである。上記方法によって作
製したアンドープZn0.76Mg0.24S0.19Se0.81に関
して、格子定数及びそのばらつきは(5.653±0.
010)Åであるが、従来の方法によって作製されたア
ンドープZn0.76Mg0.24S0.19Se0.81に関しては
(5.653±0.025)ÅであることがX線回折の
結果からわかった。
e0.81の膜厚のばらつきは、実施例1のアンドープZn
Se結晶成長の場合に同じである。上記方法によって作
製したアンドープZn0.76Mg0.24S0.19Se0.81に関
して、格子定数及びそのばらつきは(5.653±0.
010)Åであるが、従来の方法によって作製されたア
ンドープZn0.76Mg0.24S0.19Se0.81に関しては
(5.653±0.025)ÅであることがX線回折の
結果からわかった。
【0058】本発明の方法によって作製したアンドープ
Zn0.76Mg0.24S0.19Se0.81に関する格子定数のば
らつきは、従来の方法の約1/2である。
Zn0.76Mg0.24S0.19Se0.81に関する格子定数のば
らつきは、従来の方法の約1/2である。
【0059】また、フォトルミネッセンス測定よりバン
ドギャップ及びそのばらつきを求めると、本発明の方法
により作製されたアンドープZn0.76Mg0.24S0.19S
e0. 81に関しては(3.0±0.07)eVであるが、
従来のの方法により作製されたものでは(3.0±0.
15)eVであり、本発明の方法のほうが従来の方法よ
りも約1/2のばらつきである。これらのことは、本発
明の方法によって従来の方法よりも欠陥の少ない、Ga
As基板に格子整合したZnMgSSe混晶が数多く得
られることを示している。
ドギャップ及びそのばらつきを求めると、本発明の方法
により作製されたアンドープZn0.76Mg0.24S0.19S
e0. 81に関しては(3.0±0.07)eVであるが、
従来のの方法により作製されたものでは(3.0±0.
15)eVであり、本発明の方法のほうが従来の方法よ
りも約1/2のばらつきである。これらのことは、本発
明の方法によって従来の方法よりも欠陥の少ない、Ga
As基板に格子整合したZnMgSSe混晶が数多く得
られることを示している。
【0060】図4は、ZnMgSSe混晶中のMg組成
と分子線強度との関係を示している。
と分子線強度との関係を示している。
【0061】図4において、△印は、Mgの供給源とし
てMg単体を用いたときの分子線強度と、ZnMgSS
e混晶中のMg組成との関係を示している。 ◇印は、
Mgの供給源としてMgSe化合物を用いたときの分子
線強度と、ZnMgSSe混晶中のMg組成との関係を
示している。なお、ZnMgSSe混晶を成長させる際
に使用する他の成分の分子線強度は、ZnSeが5.6
×10ー7Torr、Znが1.0×10ー7Torr、Z
nSが1.9×10-7Torrである。基板温度は30
0℃である。
てMg単体を用いたときの分子線強度と、ZnMgSS
e混晶中のMg組成との関係を示している。 ◇印は、
Mgの供給源としてMgSe化合物を用いたときの分子
線強度と、ZnMgSSe混晶中のMg組成との関係を
示している。なお、ZnMgSSe混晶を成長させる際
に使用する他の成分の分子線強度は、ZnSeが5.6
×10ー7Torr、Znが1.0×10ー7Torr、Z
nSが1.9×10-7Torrである。基板温度は30
0℃である。
【0062】図4より、以下のことがわかる。
【0063】Mgの供給源としてMgSe化合物を用い
たときは、成長した混晶中のMgの組成が分子線強度に
比例する。例えば、MgSeの分子線強度を1.0×1
0ー7Torrにすれば、Mgの組成は0.11になり、
分子線強度に比例してMgの組成が変化する。一方、M
gの供給源として単体のMgを用いたときは、Mgの組
成が分子線強度に比例せず、非線形的に変化する。
たときは、成長した混晶中のMgの組成が分子線強度に
比例する。例えば、MgSeの分子線強度を1.0×1
0ー7Torrにすれば、Mgの組成は0.11になり、
分子線強度に比例してMgの組成が変化する。一方、M
gの供給源として単体のMgを用いたときは、Mgの組
成が分子線強度に比例せず、非線形的に変化する。
【0064】MgSeの代わりに単体Mgを用いてZn
MgSSe混晶を作製するとき、Mgの分子線強度を
2.4×10ー7Torrにすれば、ZnMgSSe混晶
中のMgの組成は0.30であるが、Mgの分子線強度
を1.0×10ー7TorrにすればZnMgSSe混晶
中のMgの組成は0.06となる。単体Mgを用いれ
ば、分子線強度の変化によって、Mgの組成は大きく変
化する。このことは、Mgの供給源としてMgSe化合
物を用いる方法によれば、従来のMg単体をソースに用
いる方法よりも、ZnMgSSe混晶におけるMgの組
成を制御しやすいことを示している。
MgSSe混晶を作製するとき、Mgの分子線強度を
2.4×10ー7Torrにすれば、ZnMgSSe混晶
中のMgの組成は0.30であるが、Mgの分子線強度
を1.0×10ー7TorrにすればZnMgSSe混晶
中のMgの組成は0.06となる。単体Mgを用いれ
ば、分子線強度の変化によって、Mgの組成は大きく変
化する。このことは、Mgの供給源としてMgSe化合
物を用いる方法によれば、従来のMg単体をソースに用
いる方法よりも、ZnMgSSe混晶におけるMgの組
成を制御しやすいことを示している。
【0065】以上のことから、本発明の方法によれば、
従来の方法よりも欠陥の少ない状態で、GaAs基板に
格子整合したZnMgSSe混晶を再現性良く数多く得
ることができ、ZnMgSSe混晶におけるMgの組成
の制御がしやすい。
従来の方法よりも欠陥の少ない状態で、GaAs基板に
格子整合したZnMgSSe混晶を再現性良く数多く得
ることができ、ZnMgSSe混晶におけるMgの組成
の制御がしやすい。
【0066】なお、MgSeの代わりにMgSを用いて
も同じ結果が得られる。
も同じ結果が得られる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、Zn1-xCdxSe(0
≦x≦0.35)やZn1-xMgxSySe1-y(0≦x<
0.5、0≦y<0.5)で表現されるII−VI族単
結晶半導体を、特性のばらつきを抑制して再現性良く形
成することができる。また、所望の組成に制御すること
が容易である。その結果、GaAs基板上に結晶成長さ
せた半導体レーザ及び発光ダイオード等の製造に最適な
結晶成長方法が提供される。
≦x≦0.35)やZn1-xMgxSySe1-y(0≦x<
0.5、0≦y<0.5)で表現されるII−VI族単
結晶半導体を、特性のばらつきを抑制して再現性良く形
成することができる。また、所望の組成に制御すること
が容易である。その結果、GaAs基板上に結晶成長さ
せた半導体レーザ及び発光ダイオード等の製造に最適な
結晶成長方法が提供される。
【図1】本発明の結晶成長装置を示す図
【図2】IIーVI族元素及び化合物の蒸気圧の温度変
化を示す特性図
化を示す特性図
【図3】ZnCdSe混晶における、Cdの供給源にC
dSe多結晶とCd単体を用いたときのCdSeまたは
Cdの分子線強度とCd組成との関係を表した図
dSe多結晶とCd単体を用いたときのCdSeまたは
Cdの分子線強度とCd組成との関係を表した図
【図4】ZnMgSSe混晶における、Mgの供給源に
MgSe多結晶とMg単体を用いたときのMgSeまた
はMgの分子線強度とMg組成との関係を表した図
MgSe多結晶とMg単体を用いたときのMgSeまた
はMgの分子線強度とMg組成との関係を表した図
【図5】GaAs基板上に結晶成長させたZnSe膜に
対する、一定量のZnの分子線を入射させたときの、Z
nの分子線温度の変化によるZnの基板表面上での存在
量を示す図
対する、一定量のZnの分子線を入射させたときの、Z
nの分子線温度の変化によるZnの基板表面上での存在
量を示す図
【図6】従来の第1の結晶成長装置を示す図
【図7】従来の第2の結晶成長装置を示す図
【図8】ZnSe系化合物半導体の分子線エピタキシャ
ル成長における、各セルのシャッタの開閉を示す図
ル成長における、各セルのシャッタの開閉を示す図
1 ZnSeセル 2 Znセル 3 CdSeセル 4 ZnSセル 5 MgSeセル 8 ZnSeセルのシャッタ 9 Znセルのシャッタ 10 CdSeセルのシャッタ 11 ZnSセルのシャッタ 12 MgSeセルのシャッタ 15 基板前方のシャッタ 16 GaAs基板 21 Znセル 22 Seセル 23 Cdセル 32 ZnSeセル 33 CdSeセル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 大川 和宏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−246859(JP,A) 特開 平4−82230(JP,A) 特開 平6−326023(JP,A) 特開 平6−316486(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 21/363,21/203 C30B 23/08
Claims (2)
- 【請求項1】 Zn1-xCdxSe(0≦x≦0.35)
で表現されるII−VI族単結晶半導体を形成する結晶
成長方法であって、 ZnSe化合物ソースからの分子線とZn単体ソースか
らの分子線とを用いて、II族元素Znを基板上に供給
し、 CdSe化合物ソースからの分子線を用いて、II族元
素Cdを該基板上に供給し、 ZnSe化合物ソースからの分子線を用いて、VI族元
素Seを該基板上に供給し、 それによって、該II−VI族単結晶半導体を該基板上
にエピタキシャル成長させる工程を含む、結晶成長方
法。 - 【請求項2】 Zn1-xMgxSySe1-y(0≦x<0.
5、0≦y<0.5)で表現されるII−VI族単結晶
半導体を形成する結晶成長方法であって、 ZnSe化合物ソースからの分子線とZn単体ソースか
らの分子線とを用いて、II族元素Znを基板上に供給
し、 MgSe又はMgS化合物ソースからの分子線を用い
て、II族元素Mgを該基板上に供給し、 MgSe又はZnSe化合物ソースからの分子線を用い
て、VI族元素Seを該基板上に供給し、 ZnS化合物ソースからの分子線を用いて、VI族元素
Sを該基板上に供給し、 それによって、該II−VI族単結晶半導体を該基板上
にエピタキシャル成長させる工程を含む、結晶成長方
法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6652595A JP3072019B2 (ja) | 1994-04-07 | 1995-03-24 | 結晶成長方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6948794 | 1994-04-07 | ||
JP6-69487 | 1994-04-07 | ||
JP6652595A JP3072019B2 (ja) | 1994-04-07 | 1995-03-24 | 結晶成長方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07326634A JPH07326634A (ja) | 1995-12-12 |
JP3072019B2 true JP3072019B2 (ja) | 2000-07-31 |
Family
ID=26407713
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6652595A Expired - Fee Related JP3072019B2 (ja) | 1994-04-07 | 1995-03-24 | 結晶成長方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3072019B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011508450A (ja) * | 2007-12-28 | 2011-03-10 | スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー | 均一な波長の発光を伴う下方変換された光源 |
-
1995
- 1995-03-24 JP JP6652595A patent/JP3072019B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH07326634A (ja) | 1995-12-12 |
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