JP3070954B2 - ピペット装置 - Google Patents

ピペット装置

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、液体を貯蔵し且つ分配する装置に関し、少
量の放射性溶液又は有毒溶液を取り扱うという重要な適
用例がある。現在の方法においては、かかる材料は、ピ
ペット装置を手に持って操作し、製造メーカーがその中
に材料を入れて供給した容器からある量の材料を取り出
すことを含む手操作によって一般に取り扱われている。
かかる手操作のピペット装置を使用して、材料を取り
出す場合、ユーザは、その操作に伴う危険にさらされ
る。かかる装置を使用して容器又はバイアルから液体を
取り出すためには、ユーザは、そのバイアルを開放し、
ピペットの先端を挿入して、必要な量を吸引し、次に、
バイアルからその先端を外し、その吸引した液体を更に
別の容器内に分配することが必要とされる。この操作
中、ユーザは、バイアルの中身にさらされ、放射性物質
からの放射線又は有毒物質からの有毒蒸気、或いはエア
ロゾルにさらされる。更に、操作中、ピペット装置の先
端に保持された液体は、貯蔵バイアルから第二の容器に
移し替えられるが、そのときに流出したり、又はその操
作箇所又はユーザを汚染させる虞れがある。
米国特許第4671123号には、手操作による分配操作に
代えて、電子的に制御されたモータによって作動される
ピストンを使用する、ピペット装置が開示されている。
しかしながら、放射性物質又は有毒物質の取り扱い中
に、操作者は依然として、同一程度の危険にさらされる
点で、この装置は、手操作のピペット装置と同類であ
る。
かかる有毒物質、又は放射性物質の取り扱いは、法令
等によって規制され、ユーザがその材料の使用量及びそ
の材料の実験に伴って無駄になった量を正確に記録しな
ければならない場合が多い。一般的な方法において、手
で材料のピペット操作を行って貯蔵バイアルから材料を
移し替えるとき、上記の記録は、書面に記録して行われ
ている。
この方法のとき、材料のユーザは、日誌、同様の書面
による記録、又は場合によっては、コンピュータプログ
ラムへの入力により、バイアルからの排出量を記録する
ことが出来る。次に、ユーザは、その使用期間の終了時
に、同一の記録又は別の記録に、材料の処分量を記録す
る。その後に、これらの記録を使用して、材料の全ての
使用量及び処分量を計算し、該当する検査機関に提出す
る。
この種の制度は、材料のユーザが正確に書面で記録し
なければならないという欠点がある。実際上、この方法
は、不正確であり、危険物質の使用及び処分を監視する
ためには、不正確で且つ効率の悪い方法である。ユーザ
が正確に且つ適宜に記録に入力することを前提とする方
法は、そのユーザ側に錯誤や記帳漏れを生じる可能性が
ある。ユーザが適当に入力することを忘れたり、その材
料の使用量の入力が不正確であることがある。何れの場
合でも、その記録は、バイアル内に残る材料の量を正確
に反映しない。その結果、未だ使用可能な量があるにも
拘わらず、バイアルが空であるとして処分したり、又
は、使用可能な量が不十分であるにも拘わらず、材料の
記録はそれと異なる表示をすることもある。
本発明は、かかる材料を貯蔵バイアルから手で排出す
るときに伴う危険を課題とし且つ解消に、更に、かかる
材料の使用量を正確に且つ自動的に記録する手段を使用
することを可能にすることにより、上述の問題点を解決
するものである。
本発明によれば、供給容器を所定の位置に配置する手
段と、ピペットと、上記供給容器から液体を吸引し且つ
吸引した液体を上記の選択した作用位置に配置された受
け入れ容器内に排出すべく上記所定の位置及び選択した
作用位置にピペットを入れるように案内動作を行う自動
手段と、制御された量の液体のピペットに対する吸引及
び排出を行う手段と、上記所定の位置に、又は、上記自
動手段によってピペットが作動されて動く作用位置に容
器が存在するかを検出し、容器が不存在のとき、装置の
作動を中断させ得るようにした手段と、所定の位置に着
脱可能に且つ交換可能に配置されたラックであって、受
け入れ容器を上記のそれぞれの選択位置に配置する手段
を有する基部分と、上方要素及び下方要素を有する蓋組
立体とを備えるラックと、を備え、上記下方要素がそれ
ぞれの受け入れ容器の周りを伸長する垂直穴を有し、上
方要素が垂直穴を有し且つ該穴が下方要素の穴と整合
し、受け入れ容器に対するアクセスを開放する位置に出
入りするように可動であるピペット装置が提供される。
本発明の好適な特徴によれば、ピペット装置は、装置
の作用に関するデータを記録する電子的手段と、装置を
正当な権限なくして使用することを阻止する手段とを備
えている。
一つの好適な形態において、該装置は、ユーザが手で
バイアルを開けることを必要とせずに、全液体量を貯蔵
バイアルの形態の容器から排出すると共に、その液体を
安全な方法で貯蔵し、所定の量の液体を第二の容器内に
分配することが出来る。該装置は、更に、分配された液
体の量、貯蔵中の残量に関する情報、及び材料をユニー
クな方法で識別する働きをする製造メーカーのコード又
はバッチNo.のような貯蔵材料の種類に関するその他の
関連情報を電子的に記録することが出来る。
ここで詳細に説明される装置は、リン酸32p、33p又は
硫黄35sの放射性同位体で識別した溶液材料、特に、ヌ
クレオチド(nucleotides:リン酸エステル)の貯蔵及び
分配に使用することを目的とする装置であり、材料のフ
ォーミュレーションが実験室内の大気温度にて材料を貯
蔵するのに適するようにされた。
現在の方法において、32p、33p又は35sで識別したか
かる化合物は、ユーザに対して取り扱い上の多くの問題
点を生じさせている。同位体からの放射線(特に、より
エネルギの大きい32p放射線の場合)は、ユーザが多数
の測定を行い、ユーザ自身又は第三者が放射線にさらさ
れるのを防止し、人間又は環境が同位体で汚染されるの
を最小にし得る方法で作業し、及びその材料の使用量を
正確に記録することを必要とする。
かかる注意を払うことは、製造メーカーがそこに材料
を入れて供給した貯蔵又は供給源バイアルから材料を取
り扱い且つ排出するときに、常に、特に重要なことであ
る。ユーザがその供給源バイアルと相互に作用する工程
は、放射線にさらされる危険が最も大きく、かかる同位
体で識別した化合物を実験のために使用するときの一般
的な全ての手順にて汚染の可能性がある。
以下に具体的に記載する装置は、ユーザがバイアルを
開け、その容器の中身を使い捨て型の貯蔵管中に排出
し、それと同時に、バイアルの識別ラベルのコード部分
からのそのバイアルの中身に関連する情報を記録するこ
とを必要とせずに、製造メーカーが供給した、32p、33p
又は35sで識別したヌクレオチド溶液のバイアルを装填
する手段を提供するものである。この装置は、排出ピス
トンを動かすことにより、貯蔵管内に貯蔵された量から
分配すべき液体量を選択する手段と、更なる管を装置内
に配置し、その分配された液体量を収集する手段とをユ
ーザに提供するものである。この装置は、該装置によっ
て分配された液体量、及び貯蔵分として残る液体量を記
録する電子的手段を更に提供するものである。
以下に、概略図的な添付図面を参照しつつ、本発明に
ついて詳細に説明する。
図1は、本発明による第一のピペット装置の側面図、 図2は、バイアルラックが所定位置にあるときの第一
のピペット装置の正面図、 図3は、管装填ラックが分配された液体を受け入れる
所定の位置にあるときの第一のピペット装置の概略図的
な正面図、 図4は、第一のピペット装置の側面図、 図5は、本発明による第二のピペット装置の側面図、 図6は、第2のピペット装置の分配管のラックの側面
図である。
第一のピペット装置のフレーム又はケーシングを示す
図1及び図2を参照すると、第一のピペット装置は、基
部分10と、ヒンジ12によって連結された上方部分11とを
備えている。基部分10には、ガイドレール13が設けられ
ており、ガイドレール13は、遮蔽体16内に保持された放
射性同位体のバイアル15を収容するラック14を所定の方
向に向けて装置内に供給することを可能にする。
ケーシングの上方部分11は、遮蔽体18を退却させるこ
とが出来る凹所17を有している。遮蔽体18は、通常の操
作時、図示するように下方位置にあり、装置に貯蔵され
た材料から生ずる放射線からユーザを保護する。
線形ステッパモータ19が上方ケーシング部分11内に取
り付けられている。この線形ステッパモータ19は、継手
20に接続することが出来、該継手は、外筒と、線形モー
タの電機子によって作動される内部ピストン22とを備
え、使い捨て型のプラスチック製の容積形ピペット先端
21を受け入れることが出来る。このピストン先端は、該
先端の下端まで伸長する外部ジャケット23を有してい
る。この外部ジャケットは、更に別の継手24を通じてピ
ペットに作用可能に接続されている。
このステッパモータ19は、垂直通路25内で摺動可能で
あるように取り付けられており、図面に示すように、ば
ね26によって該通路の上方部分内に弾性的に保持されて
いる。
また、上方ケーシング11は、2つのアーム27、28を備
える先端の駆動機構を支持し、これらのアームは、互い
に剛性に連結されているが、水平方向枢軸点29を中心と
して旋回することが出来る。下方アーム28は、先端21を
密封し、従って、貯蔵中に先端の中身の蒸発を防止する
働きをする柔軟なゴム製パッド30を支持している。湾曲
した上方アーム27の下側27aは、継手20の側部に取り付
けられた軸受31に接触するカム面として作用可能な形状
としてあり、アーム27、28が時計方向に動くと、モータ
19、継手20及びピペット先端21の組立体の全体は、ばね
26の力に抗して通路25によって案内され、垂直方向下方
に動く。しかし、最初にローラと接触しているカム面の
部分は、枢軸点29の上に中心決がある円弧状であり、パ
ッドがアーム28によって下方に動かされる迄、ピペット
が静止したままであることを確実にする。先端の駆動機
構の枢軸が続くと、軸受に接触しているカム面の部分の
湾曲度が大きくなり、ピペット先端の下方への動きを開
始させる。
作用時、該装置は、次の方法で作用する。ユーザが保
護遮蔽体16内に保持された放射性同位体のバイアル15を
ラック14内に入れ、ラックの両側のガイドレールに沿っ
て前方に装置内に押し込む。この動作中、バイアルは、
センサ32を通過し、このセンサ32は、バイアル上のラッ
ク31のコード化した情報を装置の電子記憶装置に入力す
る。
ラック14を前方に動かす動作により、ラックは、下方
アーム28の自由端に接触し、アーム27、28を枢軸点29を
中心として回転させ、上述のように、モータ19、継手20
及び先端21の組立体の全体を下方に動かし、このため、
先端の駆動機構の枢動動作の最後の部分にて、先端21の
端部は、バイアルのシールを穿刺し、バイアルに入る。
バイアルの中身は、ステッパモータ19によってピスト
ン22を退却させることにより排出され、液体は、先端の
外筒内に吸引される。この吸引された液体の量は、バイ
アルを装填する過程中、センサ32がバイアルのラベルか
ら読み取ったバイアル内の液体量によって決まる。この
段階の終了時、バイアルの全中身は、先端の外筒内に貯
蔵される。現在、バイアルラック14は、装置から手で取
り外し、バイアルの廃棄を行っている。このラックの取
り出しにより、ばね26及び軸受31は、アーム27、28及び
先端を静止位置に戻すことが可能となる。
この操作中、ステッパモータの駆動は、瞬間的に開始
され、ピストン19を引き出して、少量の空気を先端の端
部内に吸引する。この動作は、先端の密封パッド30が先
端内の液体に接触することなく、先端の端部を密封する
ことを可能にし、密封のパッドの汚染を最小にする。
ピペット21内に貯蔵された量の液体を分配するため、
図4に示したバイアルラック14と同一の外径を有する、
分配ラック33内に取り付けられた管キャリア34がガイド
レール13に沿って押され、下方アーム28に係合する。分
配された液体を受け入れるマイクロ遠心分離管35は、ラ
ックの頂部に取り付けた管キャリア34内に保持されてい
る。このキャリアは、分配後に管をラックから取り外
し、移し替える場合に有用である。
管ラックを装置中に挿入すると、先端の駆動機構が作
動し、先端を管35の開口内に下降させる。ラック34内の
管35の高さは、管の縁部から1乃至2mm下方の位置にて
管の開口内の中央に先端の出口端が保持されるような高
さにする。この位置は、管の壁に付着した液体に接触す
ることで先端が相互に汚染される可能性を防止する。
分配すべき液体の量は、ユーザがキーパッド36を使用
して設定し、センサ32によりバイアルのラベルから読み
取った貯蔵材料の種類及び量に関する更なる情報と共
に、その選択された量は、ディスプレイ37上に表示され
る。更に、この情報は、装置のプリンタに接続すること
で、恒久的に記録することが出来る。
ユーザがキーパッドの釦を押すことによって分配が開
始され、ステッパモータ19が分配ピペット22を所定の距
離だけ前方に駆動することにより実行される。この移動
距離は、分配量に装填後に吸引された空気量をプラスし
た量に相当する。
典型的に、装置によって分配される液体量は、少量
(1乃至5μl)であるため、その分配された液体の一
部又は全部が表面張力により先端の出口に付着し、受け
入れ管内に落下しないのが普通である。この問題点を解
決し、極小量を正確に分配することを可能にするため、
装置は、先端の端部から液滴を除去する手段を備えてい
る。このため、先端21を囲繞するジャケット23は、装置
のケーシング内に保持された圧縮ガスリザーバに継手24
を通じて接続されている。ソレノイド弁により調整し
て、リザーバから速く脈動する圧縮ガスをジャケット内
に導入し、次に、そのガスをジャケット内で膨張させる
と、分配先端の外筒の端部に隣接するジャケットの端部
から低圧ガスの脈動が生じる。このガスの流れは、管内
に保持された液体を乱すのに十分な力を伴わずに、先端
に付着する液体の液滴を受け入れ管内に導入するのに十
分である。
分配量を排出した後に分配ピペット22を僅かな増分だ
け上方に動かし、上述のように、先端の端部から液体を
吸引し、その後の密封パッド30の汚染を最小にする。
安全措置として、分配操作の作動は、先端の駆動機構
27、28が図1に示した静止位置にあるとき、分配を阻止
するマイクロスイッチ38により管ラック33の挿入と相互
ロックさせる。即ち、管ラック33を装置内に正確に位置
決めしない限り、分配が行われないようにする。
分配が完了したならば、ラック33を引き出し、先端は
上方位置に戻り、蒸発しないように密封される。次に、
先端内に十分な量の液体が存在することを条件として、
必要な限り、分配操作を何回も反復して行うことが出来
る。
該装置は、分配された液体の量を監視し、各分配操作
後の残量を示すべくディスプレイを補正する電子記憶装
置を備えている。残量以上の分配量が選択されたなら
ば、この装置の電子制御装置は、ユーザに警告を発す
る。
貯蔵した全ての量の液体を使い切ったとき、貯蔵分配
先端を取り外すため、図4に示すように、ケーシングの
上方部分11をヒンジ12を中心として後方に傾動させ、遮
蔽体18を凹所17内まで上方に摺動させる。これらの動作
は、ユーザがピペット先端21にアクセスすることを可能
にし、次に、この先端21を装置から外し、突き出しレバ
ー40を手で押すことにより、適当な処分容器39内に突き
出す。次に、密封パッド30を取り外し、新たなパッドと
交換する。
次に、新たなピペット先端21を継手17、18に取り付
け、そのユニットを閉じて、新たなバイアルからの放射
性同位体の装填を開始する。
該装置には、不正な使用を防止するための電子的手段
を設けることが望ましい。
図5及び図6の装置は、製造メーカーが供給したまま
の、識別したヌクレオチド32p、33p又は35sの溶液のバ
イアルを装填し且つ貯蔵すると共に、バイアルの識別ラ
ベルのコード化した部分からの中身に関する情報を記録
し、又はその情報を手操作で装置に入力する手段を提供
する。
また、この装置は、貯蔵したバイアル内に保持された
量から移し替えるべき液体の量を選択する手段と、液体
の移し替えを行う、電子的に駆動され且つ制御されたピ
ペット機構と、分配された液体を収集すべく装置内で管
を位置決めする手段とをユーザに提供するものである。
この装置は、該装置によって分配された液体量及び貯
蔵バイアル中に残る液体量を記録する電子的手段を更に
提供する。
この構成において、貯蔵容器としてピペット先端を使
用することに代えて、符号43で示したバイアル自体が貯
蔵容器を形成し、ピペット組立体46をバイアルと管との
間で周期的に動かすことにより、液体は、バイアルから
ラック45内の分配管44に移し替えられる。この目的上、
ピペットの支持キャリッジ47は、装置のケーシングによ
り支持された平行な水平バー48の上に取り付けられてお
り、プーリー50、51の周りを伸長する無端の歯付きベル
ト49によって、バーに沿って前後に移動される。これら
のプーリーは、ケーシングに設けられたブラケットに取
り付けられており、プーリー50は、可逆モータによって
駆動される。支持キャリッジ47には、2つの平行な垂直
バー52の下端が固着されており、該バーの上端は、垂直
ねじ付き駆動シャフト54を駆動するモータのフレーム53
によって相互に接続されている。スライド55が垂直バー
に係合し、ねじ付きの駆動シャフト54に係合する回転不
能なナット(図示せず)を支持しており、このため、シ
ャフト54が回転すると、スライドは垂直方向に移動す
る。該スライド55は、一側部に固着されたピペット組立
体46を有しており、プーリー50及びシャフト54を駆動す
るモータは、ピペット管に対し必要とされる水平方向及
び垂直方向への動作を付与する。
貯蔵バイアルのホルダ56は、枢軸点57に取り付けら
れ、ホルダが図面の面外に旋回して、バイアル43を受け
入れることを可能にする。密封要素58は、ばねアーム59
によってホルダ上に保持されており、該ばねアームの上
端60は、図面に見て左方向に手で押し、バイアル43をホ
ルダ内の所定位置に配置することを可能にする。該ばね
アームは、解放されたとき、密封要素がバイアルの開口
部を密封して、貯蔵期間中、バイアルから液体が蒸発す
るのを防止する。
その内部にバイアルからの液体が分配される管44は、
マイクロ遠心分離管であり、これら標準的な管の一群が
ラックホルダ61内に着脱可能に取り付けたラック45内に
取り付けられている。
該ラック45は、ハンドル63を有する基部62を備えてお
り、該基部62は、複数の管44の位置決め穴と、これらの
管の上に配置された蓋組立体とを提供する。該蓋組立体
は、それぞれの管のフランジ付きの上端部分の周りを伸
長する穴65を有する下方要素64と、管の間隔と等しい間
隔で形成され、下方要素64と直径の等しい垂直方向穴67
を有する上方要素66とを備えており、該上方要素は、下
方要素に関して摺動し、穴を動かして、下方要素の穴65
と整合又は非整合状態にする。上方要素66の一端に設け
られたばね要素68は、ハンドル63に対して作用し、該上
方要素を該ハンドルの位置に保持する。
ラックの基部62は、パースペックス(perspex)のよ
うな透明無色のプラスチック材料で形成されており、ラ
ックの中身を視覚的に検査することを許容する。蓋組立
体及びハンドルは、同様に、プラスチック材料で形成さ
れている。一組みの管44を備えて完成した組立てラック
45は、ラックホルダ内に挿入する。蓋の上方要素66の左
端部分69は、ラックホルダ61の固定された端部壁に係合
し、該ホルダは、上方要素を下方要素に関して右方向に
動かし、ばね要素68の力に打勝ち、管へのアクセス口を
開放する。ラック45は、その最終位置に止着される。ホ
ルダ61の端部壁は、光センサ70を支持しており、該ラッ
クは、突起71を支持し、該突起は、センサを作動させ、
装置の自動的な作用を開始させ、装置の制御装置内のソ
フトウェアの制御の下、管の装填を行う。
ラックホルダは、ピペット用の使い捨て型先端72を支
持し、該装置の最初の操作は、この先端をピペット上に
固着するのに十分な力でピペット組立体46の端部を該先
端の上に下降させることである。次に、モータの自動的
な制御の下、ピペット組立体を持ち上げて、ラック内の
第一の管44の上方の位置まで右方向に動かし、又、その
位置に管があるか否かを確認するために下降させる。こ
の目的上、ピペット組立体は、内側副組立体及び外側副
組立体を備えており、ピペット管及び先端と、該先端を
通じてピペットに対する液体の吸引、排出を行うピスト
ンと、該ピストンの制御されたステップ状の動きを励起
させるステッピングモータとから成る内側副組立体が、
外側副組立体が垂直方向に自在に、しかし、僅かな程度
だけ摺動可能であるように取り付けられる。この外側副
組立体は、スライドに取り付けられ、該スライドの動き
を内側副組立体に伝達する動きをする。ピペット組立体
が第一の管44の上方に配置された状態にて、ピペット組
立体を所定の最下方位置に向けて動かす。この移動中
に、第一の位置にて、ピペットの先端が管44の底部に当
接すると、内側副組立体の張り出し部分が外側副組立体
上の光センサを作動させ、ピペット組立体は、自動的
に、第二の管の上方の位置に動き、次の管等々に対する
試験を反復する。任意の位置にて、ピペット組立体が、
内側副組立体が抵抗を受けることなく、その最下方位置
に達すると、ピペット組立体は持ち上げられ、ラックホ
ルダ45は、検査のために自動的に突き出される。これ
は、安全な手順であり、ユーザが分配装置の使用を開始
する前に、誤って一又は複数の管をラックに装填しない
状態で装置が液体を分配するのを防止することにより、
装置が安全に作動することを保証する。ラックの全ての
位置に管が存在する場合、ピペットは、左方向に動かし
て、バイアル上方の位置にする。ピペット組立体がこの
位置に達すると、支持キャリッジ47は、ばねアーム54の
上端60に係合し、密封要素をバイアルから横方向に変位
させる。この時点にて、液体をバイアルから吸引する操
作の開始前に、ピペット内のピストンに接続された線形
ステッピングモータ46aが作動されて、少量の空気をピ
ペット内に吸引する。次に、ピペット先端をバイアル内
に下降させ、ステッピングモータ46aの制御の下、所定
の量の液体をピペット内に吸引し、ピペット組立体を持
上げ、バー48に沿って側方向に動かし、第一の管44の上
方の位置にし、ピペット先端の端部を管内に下降させ、
ステッピングモータを作動させることにより、吸引した
液体を管内に導入し、次に、液体よりも先に吸引された
空気を排出して、液体が先端から管内に完全に移し替え
られることを確実にする。
空気を吸引し且つ液体を吸引し、次に、その液体を分
配する分配サイクルは、液体を受け入れるべく管をラッ
ク内に装填する毎に反復して行う。全ての管が液体を受
け入れたならば、キー溝の形状の穴が設けられた板73内
にピペットの端部が位置する箇所までピペットを動か
す。この時点で、モータ53によりピペットの上方への動
きが行われ、該モータ53は、板を作動させることで、先
端72をピペットから除去し、該先端が重力によって板の
真空のラック内に落下するのを許容する。この管は、処
分のため、汚染した先端を受け入れ得るように特に設計
したものである。
この時点で、分配操作は完了し、ラックが分配装置か
ら突き出される。
このラックの構造のため、ユーザは、ラックの壁、及
び蓋によって、ラック内の管内に入れた放射性物質から
遮蔽され、ラックの蓋の上方要素は、ラックが分配装置
の外に突き出されるとき、ばねの作用により、その穴67
が下方要素の穴と非整合状態となる位置に復帰する。故
に、このラックは、放射性物質を分配装置の位置から別
の作業箇所に移すために安全に使用することが出来る。
ラック内に保持した管内の液体へのアクセスは、管を
ラックから取り外す時点でラックの蓋組立体を取り外す
か、又はこれと選択的に、蓋の上方要素をばね要素68の
押圧力に抗して動かし、ユーザに対する遮蔽及び保護機
能を維持する間に、ピペットを手操作することにより、
管にアクセスすることを可能にする。
本発明のこの実施例は、第一の実施例において説明し
た特徴部分、即ち、キーボード、データ及び情報のディ
スプレイ装置及び電子的記憶装置を備えており、これら
は、装置が分配すべき液体の量を設定し且つ制御し、デ
ータを記録し且つ表示し、又、データを周辺装置に出力
することを許容する機能を実行することを可能にするも
のである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G01N 35/00 - 35/10

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ピペット装置にして、供給容器(43)を所
    定の位置に配置する手段(56)と、ピペット(46)と、
    前記所定の位置に配置された供給容器から液体を吸引し
    吸引した液体を選択位置に配置された受け入れ容器(4
    4)内へ排出すべく、前記所定の位置への又は選択位置
    へのピペットの案内された移動を生じさせる作動手段
    (47)と、制御された量の液体をピペットに吸引しピペ
    ットから排出する手段(46a)と、前記作動手段によっ
    てピペットが移動される選択位置に受け入れ容器(44)
    が存在するか不存在かを検出し、受け入れ容器(44)が
    不存在のとき、作動手段(47)の作動を中断させ得る手
    段(70、71)と、所定の場所に着脱可能に配置されるラ
    ック(45)と、を含み、 ラック(45)は、受け入れ容器(44)をそれぞれの選択
    位置に配置する手段を有する基部分(62)並びに上方要
    素(66)及び下方要素(64)を含む蓋組立体を備え、下
    方要素(64)がそれぞれの受け入れ容器の周りを伸長す
    る垂直穴(65)を有し、上方要素(66)は、垂直穴(6
    7)を有すると共に、上方要素の垂直穴(67)が下方要
    素の垂直穴(65)と整合し受け入れ容器(44)へのアク
    セスが可能である位置へ出入りするように可動であるこ
    とを特徴とするピペット装置。
  2. 【請求項2】前記ラック(45)が所定の場所へ配置され
    るのに応答して、制御された量の液体のピペットからの
    排出を開始させる手段(70、71)を含むことを特徴とす
    る請求項1のピペット装置。
  3. 【請求項3】請求の範囲第1項又は第2項に記載のピペ
    ット装置にして、受け入れ容器へ排出された液体量を監
    視する電子的記憶装置と、各排出後の残量を示すディス
    プレイ(37)とを含むピペット装置。
  4. 【請求項4】前述の請求項のいずれか1項に記載のピペ
    ット装置にして、供給容器(43)に付されたコード化し
    た情報を読取る手段(32)、並びにコード化された情報
    を表示し、格納し又は発生する手段(37)を備えること
    を特徴とするぴポット装置。
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