JP3070859U - クロ―ラクレ―ンのカウンタウエイト - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】土木建設機械を連結して原動車輌として使用す
るクローラクレーンにカウンタウエイトを増設する方法
を提供する。 【解決手段】クローラクレーンのクローラフレームに増
設カウンターウエイトを取付ける。このカウンタウエイ
トはクローラクレーンの自己のクレーンを使用して、可
動のカウンタウエイト用架台上に搭載し、クロラフレー
ム間に引き込むこともできる。又このカウンタウエイト
はクレーン能力と運搬車輌の積載可能重量に見合うよう
に分割も可能とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は土木建設機械の原動車輌として該土木建設機械を連結したクローラク レーンで、該クローラクレーンから該土木建設機械に動力を供給し、その運転席 から該土木建設機械の制御を行い、必要に応じてそのクレーンにも土木建設機械 を吊支して作業を行わせる構造の、クローラクレーンのカウンタウエイトに関す る。

【０００２】

【従来の技術】

土木建設機械を連結してその土木建設機械の原動車輌として使用するクローラ クレーンは走行部分を下部走行体と言い、下部走行体と旋回ベアリングで連結さ れた上部構造を上部旋回体という。このクロラクレーンに土木建設機械を連結す る方法に二通りあり、土木建設機械を下部走行体に連結するものと、上部旋回体 に連結したものがあり、前者の例として立坑掘削機、後者の例として杭打機があ る。又特殊なものとして両者を兼ね備えたものもある。

【０００３】 その土木建設機械を下部走行体に連結した立坑掘削機の１例を図３に示す。こ の立坑掘削機は長尾型のクローラクレーンの下部走行体にケーシング圧入機１６ を連結している。このクローラクレーンはカウンタウエイトが上部旋回体１の最 後尾に上部旋回体カウンタウエイト４として張出して取り付けられ、この上部旋 回体カウンタウエイト４は旋回ベアリング１５にかかるクレーン荷重のモーメン トを減少させる役目を果たしている。この上部旋回体カウンタウエイト４は上部 旋回体の旋回につれて旋回するので、上部旋回体１がどの方向を向いていても釣 合いが保たれてクレーン荷重に対するカウンタウエイトとしては合理的なもので あった。

【０００４】 ところが作業場中に上部旋回体１が旋回すると、尾部に張出した上部旋回体カ ウンタウエイト４がクローラクレーンの車体幅より外にはみ出し、壁面に接触し たり、周囲の作業者にも危害を及ぼす恐れがあり、特に市中での作業では通行者 の安全を確保するために細心の注意が必要である。

【０００５】 従って最近は図１に示すような、旋回時に尾部がクローラ１３の幅の外にあま り張出さないように上部旋回体１の尾部を短くし、上部旋回体カウンタウエイト ４の厚さも薄くしたものが出現した。当然、クレーンの吊上荷重と釣合せるモー メントは小さくなるが、上部旋回体１の旋回時に尾部がクローラ１３の車体外に はみ出して起すトラブルは解消された.

【０００６】 従来は連結された土木作業機械の重量やその作業反力はクロラクレーンの自重 で釣合わせてきたが、最近は連結する土木作業機械が大型化し、クローラクレン に要求されるカウンタウエイトはクレーンの吊上げ荷重のモーメントに対するも のだけでなく、連結された土木作業機械の重量や作業反力に対する釣合いを取る 必要も出てきた。

【０００７】

【考案が解決しようとする課題】

従ってカウンタウエイトも大きいものが必要になってきたが、上部旋回体１の 旋回と共に方向が変わり、増量すれば余分に尾部が張出す上部旋回体カウンタウ エイト４ではなく、下部走行体１１自体の重量を増してクローラクレーンの安定 を計ろうとするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

原動車輌であるクローラクレーンに連結する土木作業機械の大型化に対し、そ の上部旋回体カウンタウエイトは吊上げ荷重の釣合に対するものだけに限り、ク ローラフレームと地面と上部旋回体の底面で囲繞された空間に下部走行体カウン タウエイトを設置し、上部旋回体の旋回とは無関係に下部走行体に直接重量をか けることにする。幸いにしてクローラクレーンは作業中は走行しないので、クロ ーラクレーンの走行機能をある程度落せば、この空間に,上部旋回体カウンタウ エイトよりも更に大きいウエイトが積載できる。又必要あれば簡単にこのカウン タウエイトを取り外して運搬できるようにもする。

【０００９】 図１は立坑掘削機の一部断面を示す側面図であるが、上部旋回体カウンタウエ イト４は従来通りそのまま残してクレーン荷重に対して釣合いを取らせている。 下部走行体１１のクローラフレーム１２の間には下部走行体カウンタウエイト１ ４を取付けて下部走行体１１に直接荷重を付加する。こうすることにより上部旋 回体１の後部に余分な上部旋回体カウンタウェイト４を増量し、作業中にこれを 振り回すこともなく、且つ装置全体の重心は下り、より安定化する。

【００１０】 装置の運搬の負担を軽くするために付加したカウンタウエイトは取り外し式に し、かつ自己のクレーンでこのカウンタウエイトを取付けたり取外したりできる 構造とすることもでき、またカウンタウエイトの架台をクローラフレームの間に 備えてカウンタウエイトを機械的に引込む構造とすることもできる。又クレーン の能力や運搬車の許容載荷重量次第ではカウンタウエイトを分割式として運搬の 便を図ることもできる。

【００１１】

【考案の実施の形態】

図１の立坑掘削機は、従来のものと違ってクローラフレーム１２の間に下部走 行体カウンターウエイト１４を取り付けてある。上部旋回体カウンタウエイト４ は、本図では省略しているが、クレーン３で吊支する油圧作動のグラブバケト等 の吊荷のモーメントを釣合わせ、下部走行体カウンタウエイト１４はケーシング 圧入機１６を持上げて作業場内を小移動する場合の装置全体のモーメントと、掘 削抵抗による反力を受け持たせている。

【００１２】 大型の装置ではクローラクレーンだけで運搬車の安全積載重量一杯になるもの があり、運搬時には付加した下部走行体カウンタウエイト１４を取外す必要があ る。この場合下部走行体カウンタウエイト１４を現場で、自己のクレーンを使用 して直接クロラフレーム１２の間に入れることは難しいから可動の架台を設備し て下部走行体カウンタウエイト１４をクロラフレーム１２の間に引込むことにす る。

【００１３】 図２にはクロラクレーン３に油圧式の引込架台１４１を取り付けた構造の一例 を示す。この図では上部旋回体部分は省略し、下部走行体の横断面のみ示してあ る。引込みジャッキ１４３を伸ばして架台１４１を後方に押出し、その上に自己 のクレーンで下部走行体カウンターウエイト１４を塔載し、引込みジャッキ１４ ３でクローラフレーム１２の間に引込んで固定する。取外すときは逆の操作をす る。

【００１４】 下部走行体カウンタウエイト１４の重量が重いときは自己のクレーンで吊上げ られない場合がある。又小型の運搬車では運搬が不可能なこともある。この時は 下部走行体カウンタウエイト１４を分割することもできる。図では３分割した例 を示している。分割された下部走行体カウンタウエイト１４どうしは複数のノッ クピンでずれ止めを施してある。

【００１５】

【考案の効果】

本考案は次のような効果を奏する。請求項１に付いては、カウンタウエイトを 付加しても上部旋回体の尾部が旋回時に余分に車体幅の外にはみ出さず、周囲の 器物にも、作業者にも、通行者にも安全である。またクローラフレームに取り付 けるウエイトが比較的大きくできるので装置全体の重量が大幅に増し、重心が下 り安定性が増す。

【００１６】 請求項２については、下部走行体カウンタウエイトを搭載する場合、面倒で、 危険な横曳き作業が不要で、機械力で引込み引出しを楽に行うことができる。

【００１７】 請求項３について下部走行体カウンタウエイトは分割可能であるため、自己の クレーンで積み卸しも可能になり、またカウンタウエイトを運搬車の積載能力に 合うように重量調整もできる。

【００１８】

【図面の簡単な説明】

【図１】短尾型のクローラクレーンにケーシング圧入機
を連結した立坑掘削機で、下部走行体カウンタウエイト
を取り付けた図である。

【図２】上部旋回体を省略したクローラクレーンの下部
走行体と、取外し式の下部走行体カウンタウェイトと、
カウンタウエイト引込みの機構を示した断面図である。

【図３】従来の長尾型のクローラクレーンにケーシング
圧入機を連結した立坑掘削機の図である。

【符号の説明】

１ 上部旋回体 ２ 運転席 ３ クレーン ４ 上部旋回体カウンタウエイト １１ 下部走行体 １２ クローラフレーム １３ クローラ １４ 下部走行体カウンタウエイト １５ 旋回ベアリング １６ ケーシング圧入機 １４１ 架台 １４２ 架台ガイド １４３ 引込みジャッキ １４４ ノックピン １６１ 掘削ケーシング

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 土木建設機械を連結して該土木建設機械
   の原動車輌として使用するクローラクレーンのカウンタ
   ウエイトを該クローラクレーンのクローラフレームに取
   り付けることを特徴とするクローラクレーンのカウンタ
   ウエイト。
2. 【請求項２】 クローラクレーンのカウンタウエイトを
   該クローラクレーンのクローラフレームに取り付けた可
   動架台の上に搭載し、該可動架台を油圧でクローラフレ
   ーム内に引込む構造の請求項１に記載のクローラクレー
   ンのカウンタウエイト。
3. 【請求項３】 分割して重ね合わせる構造の請求項１又
   は請求項２に記載のクローラクレーンのカウンタウエイ
   ト。