JP3070214B2 - マットレス用詰め物およびその製法 - Google Patents
マットレス用詰め物およびその製法Info
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- JP3070214B2 JP3070214B2 JP35455691A JP35455691A JP3070214B2 JP 3070214 B2 JP3070214 B2 JP 3070214B2 JP 35455691 A JP35455691 A JP 35455691A JP 35455691 A JP35455691 A JP 35455691A JP 3070214 B2 JP3070214 B2 JP 3070214B2
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- Mattresses And Other Support Structures For Chairs And Beds (AREA)
- Nonwoven Fabrics (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、難燃性で、かつ耐湿性
および寸法安定性に優れたマットレス用詰め物およびそ
の製法に関するものである。
および寸法安定性に優れたマットレス用詰め物およびそ
の製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マットレス用詰め物としては、金属スプ
リングのものも多いが、従来より軟質ウレタンフォーム
が広く利用されている。しかしながら、この軟質ウレタ
ンフォームは劣化して弾力性が低下するという欠点を有
している。また、焼却された場合に有毒なシアンガスを
発生するため、火災時に人命を奪う原因となる場合があ
り、環境汚染にもつながることから、最近では代替品の
開発が進められている。さらに、ウレタンフォームは吸
湿性が大きいため、高温多湿のわが国では季節によって
は使用者に不快感を与えることが多く、あるいはマット
レス自体がダニの温床になり易いという問題があった。
リングのものも多いが、従来より軟質ウレタンフォーム
が広く利用されている。しかしながら、この軟質ウレタ
ンフォームは劣化して弾力性が低下するという欠点を有
している。また、焼却された場合に有毒なシアンガスを
発生するため、火災時に人命を奪う原因となる場合があ
り、環境汚染にもつながることから、最近では代替品の
開発が進められている。さらに、ウレタンフォームは吸
湿性が大きいため、高温多湿のわが国では季節によって
は使用者に不快感を与えることが多く、あるいはマット
レス自体がダニの温床になり易いという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、難燃
性で、かつ耐湿性および寸法安定性に優れたマットレス
用詰め物およびその製法を提供することにある。
性で、かつ耐湿性および寸法安定性に優れたマットレス
用詰め物およびその製法を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成した本発
明の構成は、マットレス用詰め物が、難燃性ポリエステ
ル繊維を50〜90体積%、および熱融着性繊維を50
〜10体積%含有するスライバーが複数本並設されてな
るスライバー列を、さらに互いに直交するように積層し
たものであることを要旨とするものである。
明の構成は、マットレス用詰め物が、難燃性ポリエステ
ル繊維を50〜90体積%、および熱融着性繊維を50
〜10体積%含有するスライバーが複数本並設されてな
るスライバー列を、さらに互いに直交するように積層し
たものであることを要旨とするものである。
【0005】
【作用】本発明における難燃性ポリエステル繊維として
は、1.0〜50デニール、カット長30〜70mmの一
般的に難燃性として扱われるポリエステルステープルを
用いることが好ましい。該ポリエステル繊維の難燃レベ
ルは、LOI(LimitedOxygen Index;限界酸素濃度指
数)値で27以上のものが好ましい。普通のポリエステ
ル繊維のLOI値は23〜24程度であるが、リン系の
化合物をポリエステル繊維中に導入したり、表面に付着
させることによってLOI値を27以上にすることがで
きる。
は、1.0〜50デニール、カット長30〜70mmの一
般的に難燃性として扱われるポリエステルステープルを
用いることが好ましい。該ポリエステル繊維の難燃レベ
ルは、LOI(LimitedOxygen Index;限界酸素濃度指
数)値で27以上のものが好ましい。普通のポリエステ
ル繊維のLOI値は23〜24程度であるが、リン系の
化合物をポリエステル繊維中に導入したり、表面に付着
させることによってLOI値を27以上にすることがで
きる。
【0006】熱融着性繊維としては、100〜200℃
の融点を持つ公知の熱可塑性ステープルファイバーを用
いることができ、また、シースコアタイプの複合繊維
で、コアには160℃程度の融点を持つ高融点ポリエス
テル繊維を使用しシースには110℃程度の低融点ポリ
エステル繊維を使用した複合繊維や、コアがポリエチレ
ンテレフタレート繊維で、シースがポリエチレンである
ような複合繊維も好ましく使用できる。上記熱融着性繊
維の融点(複合繊維の場合はシース部の繊維の融点)が
100℃より低いとスライバーの耐熱性が低くなり、2
00℃より高い場合には、高温で融着工程を行なわなけ
ればならないため不経済となり好ましくない。
の融点を持つ公知の熱可塑性ステープルファイバーを用
いることができ、また、シースコアタイプの複合繊維
で、コアには160℃程度の融点を持つ高融点ポリエス
テル繊維を使用しシースには110℃程度の低融点ポリ
エステル繊維を使用した複合繊維や、コアがポリエチレ
ンテレフタレート繊維で、シースがポリエチレンである
ような複合繊維も好ましく使用できる。上記熱融着性繊
維の融点(複合繊維の場合はシース部の繊維の融点)が
100℃より低いとスライバーの耐熱性が低くなり、2
00℃より高い場合には、高温で融着工程を行なわなけ
ればならないため不経済となり好ましくない。
【0007】ポリエステル繊維と熱融着性繊維は、ポリ
エステル繊維が50〜90体積%、熱融着性繊維が50
〜10体積%になるように混合され、混繊スライバー化
される。熱融着性繊維の量が50体積%を超えるとスラ
イバーの弾性や通気性等が不充分となり、10体積%よ
り少ない場合には、スライバーの強度、およびポリエス
テル繊維との接着性が不充分になるため好ましくない。
上記スライバーは、熱融着性繊維の融点よりも高い温度
の熱風、あるいはローラー等の加熱物体と接することに
よって、加熱前に比べて95〜50体積%に圧縮され、
直径1〜5cmの一次成形スライバーとすることが好ま
しい。この時圧縮率によっては、スライバーの断面が、
短径1〜5cm、長径が短径の2倍程度の楕円形にな
る。
エステル繊維が50〜90体積%、熱融着性繊維が50
〜10体積%になるように混合され、混繊スライバー化
される。熱融着性繊維の量が50体積%を超えるとスラ
イバーの弾性や通気性等が不充分となり、10体積%よ
り少ない場合には、スライバーの強度、およびポリエス
テル繊維との接着性が不充分になるため好ましくない。
上記スライバーは、熱融着性繊維の融点よりも高い温度
の熱風、あるいはローラー等の加熱物体と接することに
よって、加熱前に比べて95〜50体積%に圧縮され、
直径1〜5cmの一次成形スライバーとすることが好ま
しい。この時圧縮率によっては、スライバーの断面が、
短径1〜5cm、長径が短径の2倍程度の楕円形にな
る。
【0008】上記一次成形スライバーを詰め物長に切断
し、複数本並設してスライバー列を構成し、さらに互い
に直交するように積層した後に、熱融着性繊維の融点よ
り高い温度で加熱圧縮を行なう。加熱圧縮条件は、圧力
3〜5Kg/cm2、時間3〜5分であり、加熱前に比べ80
〜50体積%に圧縮され、詰め物高の厚みに調整され
る。
し、複数本並設してスライバー列を構成し、さらに互い
に直交するように積層した後に、熱融着性繊維の融点よ
り高い温度で加熱圧縮を行なう。加熱圧縮条件は、圧力
3〜5Kg/cm2、時間3〜5分であり、加熱前に比べ80
〜50体積%に圧縮され、詰め物高の厚みに調整され
る。
【0009】以下、本発明を図面に基づいて説明する
が、下記図面は本発明を限定するものではなく、前・後
記の趣旨から逸脱せずに変更することは本発明の技術的
範囲に含まれるものである。
が、下記図面は本発明を限定するものではなく、前・後
記の趣旨から逸脱せずに変更することは本発明の技術的
範囲に含まれるものである。
【0010】図1に本発明によるマットレス用詰め物の
立体斜視図を示した。マットレス用詰め物1は、複数本
のスライバー2が並設されてなるスライバー列3,4…
を直交するように積層して得られる。スライバー2は円
筒形状であるため、積層後の加熱融着によっても、左右
のスライバー間、あるいは上下のスライバー間には空隙
が残っている。本発明によるマットレス用詰め物は、主
材料であるポリエステル繊維にほとんど吸湿性がなく、
さらに上記のような空隙を有しているため、通気性が非
常によい。この空隙が湿度交換のルートとなりいわゆる
快適な寝床内気候を構成することができる。
立体斜視図を示した。マットレス用詰め物1は、複数本
のスライバー2が並設されてなるスライバー列3,4…
を直交するように積層して得られる。スライバー2は円
筒形状であるため、積層後の加熱融着によっても、左右
のスライバー間、あるいは上下のスライバー間には空隙
が残っている。本発明によるマットレス用詰め物は、主
材料であるポリエステル繊維にほとんど吸湿性がなく、
さらに上記のような空隙を有しているため、通気性が非
常によい。この空隙が湿度交換のルートとなりいわゆる
快適な寝床内気候を構成することができる。
【0011】スライバー2は適度な弾性を有している
が、スライバーが直交するように積層されているため、
詰め物としての圧縮強度、曲げ強度および曲げ圧縮強度
等の特性はウレタンフォーム等に比べ非常に優れてお
り、長期間使用した場合でも良好な寸法安定性を示す。
が、スライバーが直交するように積層されているため、
詰め物としての圧縮強度、曲げ強度および曲げ圧縮強度
等の特性はウレタンフォーム等に比べ非常に優れてお
り、長期間使用した場合でも良好な寸法安定性を示す。
【0012】
実施例 難燃レベルLOIが27であり、13.0デニール×64mmの
ポリエステルステープル繊維70体積%とシースコアタ
イプポリエステル系熱融着性繊維30体積%を混合し、
通常のカードを用いて直径が約30mmφのスライバーを作
成した。得られたスライバーを約 1.8m長さに切断し3
3本隣接して並べた。このスライバー列の上に、60本
の約1m長さに切断したスライバーを、スライバーの長
さ方向が直交する方向に隣接して積み重ねて並べた。こ
の積層を繰り返し、スライバー列が7段の積層体が得ら
れたので、160℃、圧力3Kg/cm2の条件下で4分間加
熱圧縮を行なった。
ポリエステルステープル繊維70体積%とシースコアタ
イプポリエステル系熱融着性繊維30体積%を混合し、
通常のカードを用いて直径が約30mmφのスライバーを作
成した。得られたスライバーを約 1.8m長さに切断し3
3本隣接して並べた。このスライバー列の上に、60本
の約1m長さに切断したスライバーを、スライバーの長
さ方向が直交する方向に隣接して積み重ねて並べた。こ
の積層を繰り返し、スライバー列が7段の積層体が得ら
れたので、160℃、圧力3Kg/cm2の条件下で4分間加
熱圧縮を行なった。
【0013】得られた圧縮体マットの難燃性はLOIで
28であった。これと比較するために通常市販されてい
るウレタンマットのLOIを評価したところ、21と低
いレベルであった。またメセナミン法による燃焼実験に
おいても、実施例の圧縮体マットは炭化長が50mm前
後であり極めて良好な結果を示した。上記圧縮体マット
に綿100%の側地を装着して敷布団とし、3か月間着
用試験を行なった。このものは、むれ感が全く無く、寸
法変形性も少なく、極めて良好な使用感を示した。
28であった。これと比較するために通常市販されてい
るウレタンマットのLOIを評価したところ、21と低
いレベルであった。またメセナミン法による燃焼実験に
おいても、実施例の圧縮体マットは炭化長が50mm前
後であり極めて良好な結果を示した。上記圧縮体マット
に綿100%の側地を装着して敷布団とし、3か月間着
用試験を行なった。このものは、むれ感が全く無く、寸
法変形性も少なく、極めて良好な使用感を示した。
【0014】
【発明の効果】本発明によるマットレス用詰め物は、主
材料であるポリエステル繊維にほとんど吸湿性がなく、
スライバー間に空隙を有しているため、通気性が非常に
よい。また、スライバーが直交するように積層されてい
るため、詰め物としての圧縮強度、曲げ強度および曲げ
圧縮強度等の特性はウレタンフォーム等に比べ非常に優
れており、長時間使用した場合でも良好な寸法安定性を
示す。さらに、本発明のマットレス用詰め物は、難燃性
ポリエステル繊維を主素材としているので、火災時であ
っても燃えにくく、たとえ燃えたとしてもウレタンフォ
ームと異なり有毒ガスを発生することはない。
材料であるポリエステル繊維にほとんど吸湿性がなく、
スライバー間に空隙を有しているため、通気性が非常に
よい。また、スライバーが直交するように積層されてい
るため、詰め物としての圧縮強度、曲げ強度および曲げ
圧縮強度等の特性はウレタンフォーム等に比べ非常に優
れており、長時間使用した場合でも良好な寸法安定性を
示す。さらに、本発明のマットレス用詰め物は、難燃性
ポリエステル繊維を主素材としているので、火災時であ
っても燃えにくく、たとえ燃えたとしてもウレタンフォ
ームと異なり有毒ガスを発生することはない。
【図1】本発明によるマットレス用詰め物の立体斜視図
である。
である。
1 マットレス用詰め物 2 スライバー 3 スライバー列
Claims (2)
- 【請求項1】 難燃性ポリエステル繊維を50〜90体
積%および熱融着性繊維を50〜10体積%含有するス
ライバーが複数本並設されてなるスライバー列を、さら
に互いに直交するように積層したものであることを特徴
とするマットレス用詰め物。 - 【請求項2】 請求項1記載の前記スライバーを加熱圧
縮して一次成形体とし、これを複数本並設して得られる
スライバー列を、さらに互いに直交するように積層した
後加熱圧縮することを特徴とする請求項1記載のマット
レス用詰め物の製法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35455691A JP3070214B2 (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | マットレス用詰め物およびその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP35455691A JP3070214B2 (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | マットレス用詰め物およびその製法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH05161524A JPH05161524A (ja) | 1993-06-29 |
JP3070214B2 true JP3070214B2 (ja) | 2000-07-31 |
Family
ID=18438353
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35455691A Expired - Fee Related JP3070214B2 (ja) | 1991-12-18 | 1991-12-18 | マットレス用詰め物およびその製法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3070214B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2005137869A (ja) * | 2003-11-07 | 2005-06-02 | Yoshio Suzuki | 褥瘡治療用の「体圧分散マツト」 |
-
1991
- 1991-12-18 JP JP35455691A patent/JP3070214B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH05161524A (ja) | 1993-06-29 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20000425 |
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FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080526 Year of fee payment: 8 |
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