JP3069133B2 - ハニカムコアの製造方法 - Google Patents

ハニカムコアの製造方法

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JP3069133B2
JP3069133B2 JP2419166A JP41916690A JP3069133B2 JP 3069133 B2 JP3069133 B2 JP 3069133B2 JP 2419166 A JP2419166 A JP 2419166A JP 41916690 A JP41916690 A JP 41916690A JP 3069133 B2 JP3069133 B2 JP 3069133B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ハニカムコアの製造方
法に関する。すなわち、基材に対し所定のごとく接着剤
塗布,重積,加熱加圧,展張の各工程を施すことによ
り、ハニカムコアを製造する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ハニカムコアの製造方法は、従来一般的
には次のようになっていた。すなわちまず、帯状等をな
す金属又は非金属製の基材に対し、その幅方向又は長手
方向に所定ピッチで条線状に接着剤を塗布し、次に係る
基材を、所定長さ毎に切断し長方形等のシート状とした
後、塗布された接着剤が半ピッチずつずれた位置関係で
複数枚ブロック状に重積する。そして加熱加圧により接
着した後、このようにブロック状に重積接着された基材
を重積方向に展張することにより、ハニカムコアが製造
されていた。
【0003】なお非金属製特に紙製の基材が用いられる
場合には、次のような製造方法が採用されることもあっ
た。すなわちまず、供給ロールから繰り出された帯状で
紙製の基材の一方面に対し、その幅方向又は長手方向に
所定ピッチで条線状に接着剤を塗布するとともに、基材
の他方面に対し、一方面の接着剤塗布位置と半ピッチず
つずれた位置関係にて条線状に接着剤を塗布する。そし
て次に接着剤が塗布されていない帯状で紙製の基材を、
上述により接着剤が塗布された基材に重ね、これらを円
柱状,多角柱状のドラムに巻き取ることにより、接着し
つつ重積する。しかる後所定長さ毎に切断し、このよう
にして得られブロック状に重積接着された基材を重積方
向に展張することにより、紙製等のハニカムコアが製造
されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来のハニカムコアの製造方法にあっては、次の問題が
指摘されていた。まず前者、つまり従来一般的に行われ
ていた製造方法にあっては、次のとおり。
【0005】まず第1に、接着剤塗布から重積までの工
程を一連の装置で連続的・自動的に実施できず、各作業
が面倒で生産効率が悪いという問題があった。すなわち
前述のごとく、接着剤が塗布された基材は、まず切断さ
れた後に手作業等により重積されていたので各個別の作
業となり、接着剤塗布から重積までを一連の一貫した装
置では実現できず、時間がかかり広い作業スペースも要
し面倒であり、生産効率が悪くコスト面にも問題があっ
た。
【0006】第2に、高品質・高精度なハニカムコアが
安定的に得られないという問題があった。すなわち、前
述のごとく手作業が介在するので品質にムラが生じやす
く、特に手作業による重積時に条線状の接着剤が正確に
半ピッチずつずれた位置関係とならず、ピッチずれが発
生しやすかった。又基材の伸縮によってもピッチずれが
発生しやすく、これへの対応は手作業による重積では困
難であり、更に基材が不透明な場合には確認が容易でな
く、この面からもピッチずれが発生しやすかった。もっ
てこれらにより、セル形状が均一なハニカムコアが得ら
れないとの指摘があった。
【0007】次に後者、つまり非金属製特に紙製の基材
について行われていたドラム巻き取りを利用した製造方
法にあっては、次のとおり。
【0008】第1に、この従来例にあっては、接着剤塗
布から重積までの工程を一連の装置で連続的・自動的に
実施できる。つまり前述の一般的な従来例で指摘されて
いた第1の問題点は解消されるものの、次の問題が指摘
されていた。
【0009】すなわち第2に、依然として高品質・高精
度なハニカムコアが安定的に得られないという問題があ
った。すなわち、まずリボン方向に長尺なハニカムコア
が必要なために基材の幅方向に沿って接着剤を塗布した
場合、ドラムへの巻取径の増大に伴って、条線状の接着
剤の位置ずれつまりピッチずれが発生していた。又特に
円柱状のドラムを用いた場合には、巻き取られた基材に
巻きぐせ・アールが発生しやすく、事後の展張時等にお
ける取扱いに支障が生じていた。そしてこれらに起因し
て、セル形状が均一なハニカムコアが得られなくなると
の指摘があった。
【0010】更に第3に、切断時の基材の歩留りが悪
く、この面からもコスト面に問題があった。すなわち、
展張方向に長尺なハニカムコアが必要な場合ドラムへの
基材の巻取径が大となるが、巻取径が大となるほどロー
ル状からブロック状に切断した際、円周率の関係から切
断箇所たる端部に傾斜状の不使用部分が多量に発生して
廃棄されるので、無駄が多く歩留りが悪かった。又多角
柱状のドラムを用いる場合には、その一辺が切断する長
さとなるように、多種のドラムを予め準備する必要があ
るという難点も指摘されていた。
【0011】従来例ではこのような点が指摘されてい
た。本発明は、このような実情に鑑み上記従来例の問題
点を解決すべくなされたものであって、まず基材の両面
に順次所定のごとく請求項1では幅方向に請求項2では
長手方向に接着剤を塗布した後、請求項1および請求項
2共、揺動ベルトコンベアを用いるとともに特定された
折曲対象箇所に押圧力を加えて折り畳み重積することに
より、第1に接着剤塗布から重積までの工程を連続的・
自動的に実施でき、第2にピッチずれ,巻きぐせ等も防
止され、第3に歩留まり等も良く、第4にしかもこれら
は接着剤を基材の幅方向又は長手方向に適宜塗布でき、
更に基材が金属又は非金属であるかを問わず自在に実現
できる、ハニカムコアの製造方法を提案することを目的
とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この目的を達成する本発
明技術的手段は、次のとおりである。請求項1について
は次のとおり。すなわちこのハニカムコアの製造方法で
は、まず帯状の基材の一方面に対し接着剤を、幅方向に
沿い所定ピッチで条線状に、該基材の長手方向の一定長
さにわたりかつ同一一定長さ毎の間隔を置き、繰り返し
塗布する。そして次に該基材の他方面に対し該接着剤
を、幅方向に沿い上記と同一所定ピッチで条線状に、上
記各間隔対応位置に対しそれぞれ塗布する。しかる後、
まず該基材の一方面に塗布された該接着剤と他方面に塗
布された該接着剤との各境界部分において、幅方向に沿
い上記所定ピッチの1/4ピッチずれた位置に、略線状
の折曲対象箇所を各々特定する。そして次に、該基材を
縦に配された1対の揺動ベルトコンベア間に導き、上記
一定長さの略中心上を支点としてほぼ上記一定長さ分左
右に往復揺動する該揺動ベルトコンベアに挟んで更に送
った後、排出された該基材の上記折曲対象箇所に少なく
とも押圧力を加え、もって該基材を、上記一定長さ毎に
連続的に折曲しじぐざぐ状に折り畳んで重積する工程、
を有してなる。
【0013】請求項2については次のとおり。すなわち
このハニカムコアの製造方法では、まず帯状の基材の一
方面に対し接着剤を、長手方向に沿い所定ピッチで条線
状に、長手方向の一定長さにわたりかつ同一一定長さ毎
の間隔を置き、繰り返し塗布する。そして次に該基材の
他方面に対し該接着剤を、長手方向に沿い上記と半ピッ
チずつずれた位置関係のもとに同一所定ピッチで条線状
に、上記各間隔対応位置に対しそれぞれ塗布する。しか
る後、まず該基材の一方面に塗布された該接着剤と他方
面に塗布された該接着剤との各境界部分を、幅方向に沿
った略線状の折曲対象箇所として特定する。そして次
に、該基材を縦に配された1対の揺動ベルトコンベア間
に導き、上記一定長さの略中心上を支点としてほぼ上記
一定長さ分左右に往復揺動する該揺動ベルトコンベアに
挟んで更に送った後、排出された該基材の上記折曲対象
箇所に少なくとも押圧力を加え、もって該基材を、上記
一定長さ毎に連続的に折曲しじぐざぐ状に折り畳んで重
積する工程、を有してなる。
【0014】
【作用】本発明は、このような手段よりなるので次のご
とく作用する。このハニカムコアの製造方法では、まず
帯状の基材の両面に一定長さの間隔で繰り返し接着剤が
塗布され、請求項1では幅方向に請求項2では長手方向
に塗布される。しかる後請求項1および請求項2共、基
材両面の接着剤の各境界部分にて折曲対象箇所が各々特
定され、揺動ベルトコンベアにて挟んで送られた基材の
折曲対象箇所に少なくとも押圧力を加え、一定長さ毎に
折曲し折り畳んでブロック状に重積する。しかる後、加
熱加圧して重積接着し両端を切断してから、重積方向に
引張り力を加え展張することにより、ハニカムコアが製
造される。そこでこの製造方法では、次のようになる。
【0015】第1に、基材への接着剤の塗布は、プリン
トロールを備えた塗布装置により容易に自動化でき、又
基材への折曲対象箇所の特定および揺動ベルトコンベア
で挟んで送り押圧力を加え折り畳んで重積することも、
容易に装置化して自動化でき、その間の基材の搬送も容
易に自動化できる。このようにして、接着剤塗布から重
積までの工程を、一連の装置で連続的・自動的に実施で
きるようになる。
【0016】第2に、このように接着剤の塗布そして重
積等は手作業によらず行え、基材の伸縮への対応も容易
であり、又基材が不透明な場合も問題がなく、特に重積
時に条線状の接着剤が正確に半ピッチずつずれた位置関
係となり、ピッチずれが防止される。更に基材をドラム
に巻き取らないので、この面からもピッチずれが防止さ
れるとともに、巻きぐせ・アールも防止され、事後の展
張時等における取扱いに支障が生じることはない。
【0017】第3に、同様に基材をドラムに巻き取らな
いので、事後切断箇所たる端部に傾斜状の不使用部分は
発生せず、歩留まりがよい。
【0018】第4に、しかもこれらは、接着剤を帯状の
基材に対し適宜、幅方向又は長手方向に沿って塗布する
ことにより、任意かつ自在に実現可能である。更に使用
される基材も、金属であるか非金属であるかを問わず、
広く自在に適用可能である。
【0019】
【実施例】以下本発明を、図面に示すその実施例に基づ
いて詳細に説明する。図1は、本発明に係るハニカムコ
アの製造方法の実施例の説明に供する、塗布工程その他
の正面説明図である。まず図1に沿って説明すると、1
はアンワインダーであり、このアンワインダー1には帯
状の基材Aが巻回されている。基材Aとしては、帯状の
アルミ箔その他の金属箔や、帯状のアラミド紙,塩ビシ
ート,紙,その他薄いフィルム状の非金属材料が用いら
れる。2はアンワインダー1の保持部である。そしてア
ンワインダー1から繰り出された基材Aは、ガイドロー
ル3を介しインフィードロール4群に至り適切にテンシ
ョンが加えられた後、ガイドロール3を介しエッジコン
トロール装置5に至り帯状をなす基材Aの左右位置調整
が行われその中心線がコントロールロール6その他の中
心と一致するよう調整される。そして基材Aはパンチン
グロール部7へと送られ、パンチングロール8等により
基材Aの側端に沿ってパンチ孔(図示せず)が1列に並
んで開孔され、このパンチ孔は事後、基材Aの位置決め
用に利用され後述のピッチずれ防止用としても機能す
る。
【0020】しかる後基材Aは第1塗布装置9へと導か
れる。第1塗布装置9では、受け皿10内の接着剤Bが
一方向に回転されるプリントロール11により、所定の
ごとく基材Aに塗布される。12はバックアップロール
であり、バックアップロール12はプリントロール11
と対向位置し基材Aを挟み込む。図3はこのような第1
塗布装置9の要部を示し、(1)図は左側面図、(2)
図は正面図、(3)図は右側面図である。図中13はプ
リントロール11の表面に形成された多数の塗布凸条で
あり、この塗布凸条13は図示例ではプリントロール1
1の半面に幅方向に沿って形成されており、このような
塗布凸条13により基材Aへの接着剤Bの塗布が行われ
る。なお、プリントロール11の条線状に形成された塗
布部の形状については、凹溝状であってもよい。
【0021】さてこの第1塗布装置9では、基材Aに対
し次のように接着剤Bが塗布される。図4は、基材Aへ
の接着剤Bの塗布の1例を示す要部の平面図である。こ
の図4の例では、帯状の基材Aの例えば表面等の一方面
1 に対し、接着剤Bを図中実線表示のごとく、幅方向
Cに沿って所定ピッチPかつ所定幅で条線状に、基材A
の幅方向Cと直交する長手方向Dの一定長さにわたりか
つ同一一定長さ毎の間隔Eを置き、繰り返し塗布してな
る。次に図5は、基材Aの接着剤Bの塗布の他の例を示
す要部の平面図である。この図5の例では、帯状の基材
Aの例えば表面等の一方面A1 に対し、接着剤Bを図中
実線表示のごとく、長手方向Dに沿って所定ピッチPか
つ所定幅で条線状に、長手方向Dの一定長さにわたりか
つ同一一定長さ毎の間隔Eを置き、繰り返し塗布してな
る。
【0022】さてこのようにして、第1塗布装置9にて
接着剤Bが所定のごとく塗布された基材Aは、直ちにガ
イドロール3に導かれて乾燥装置14に至り一旦乾燥さ
れた後、ガイドロール3を介し第2塗布装置15へと搬
送される。この第2塗布装置15は、前述の第1塗布装
置9と同様の構成よりなり、図3等に示すごとく受け皿
10,プリントロール11,バックアップロール12等
を備えてなるとともに、第1塗布装置9と同期連動し搬
送される基材Aに対し所定のタイミングで駆動されるよ
うに、ドライブギア等を用いたメカ的制御又は電気的制
御が行われている。そしてこの第2塗布装置15では、
次のように接着剤Bが塗布される。
【0023】すなわちまず図4に示した例のように、第
1塗布装置9により接着剤Bが基材Aの一方面A1 に対
し、間隔Eを置き幅方向Cに塗布されていた場合は、次
のごとくなる。この場合には図4中破線表示のごとく、
基材Aの例えば裏面等の他方面A2 に接着剤Bが、幅方
向Cに沿って同一所定ピッチPで条線状に、前述の同期
連動制御に基づき各間隔E対応位置に対しそれぞれ塗布
される。次に図5に示した例のように、第1塗布装置9
により接着剤Bが基材Aの一方面A1 に対し、間隔Eを
置き幅方向Cではなく長手方向Dに塗布されていた場合
は、次のごとくなる。この場合には図5中破線表示のご
とく、基材Aの例えば裏面等の他方面A2 に接着剤B
が、長手方向Dに沿って上記一方面A1 側の接着剤Bと
半ピッチずつずれた位置関係のもとに、同一所定ピッチ
Pで条線状に、前述の同期連動制御に基づき各間隔E対
応位置に対しそれぞれ塗布される。さてこのようにし
て、第2塗布装置15にて接着剤Bが所定のごとく塗布
された基材Aは、直ちにガイドロール3に導かれて再び
乾燥装置14へと搬送されて乾燥される。なお図示例で
は、このように第1塗布装置9に対応した乾燥装置14
と第2塗布装置15に対応した乾燥装置14とが共通
で、装置全体のコンパクト化が図られているが、勿論図
示例によらず各々個別つまり2個の乾燥装置を採用する
ようにしてもよい。
【0024】さてしかる後、基材Aはガイドロール3に
導かれ次の工程へと向かう。図2は、この実施例の説明
に供する重積工程等の正面説明図である。以下この図2
に沿って説明すると、16は折目設定装置であり、折目
設定装置16により基材Aの折曲対象箇所F(図4,図
5参照)が特定される。この折目設定装置16は、図示
例では幅方向Cに1対の間欠的な凸条17と凹溝18を
備えた上下ロール19,20が用いられるとともに、前
述の第1塗布装置9および第2塗布装置15と同期連動
し搬送される基材Aに対し所定のタイミングで駆動され
るように、メカ的制御又は電気的制御が行われている。
そしてこのような折目設定装置16の上下ロール19,
20間に基材Aが挟み込まれつつ通過することにより、
次のように折曲対象箇所Fが例えばミシン目状に形成さ
れる。すなわち、まず図4の例のように幅方向Cに接着
剤Bが塗布された場合には、基材Aの一方面A1 に塗布
された接着剤Bと他方面A2 に塗布された接着剤Bとの
各境界部分において、図中想像線表示のごとく、幅方向
Cに沿って前期所定ピッチPの1/4ピッチずれた位置
に、折曲対象箇所Fが略線状例えばミシン目状に各々形
成される。なお上記1/4ピッチの設定は、塗布された
接着剤Bの条線幅の中心線を基準として行われる。次に
図5の例のように長手方向Dに接着剤Bが塗布された場
合には、基材Aの一方面A1 に塗布された接着剤Bと他
方面A2 に塗布された接着剤Bとの各境界部分を、図中
想像線表示のごとく、幅方向Cに沿った折曲対象箇所F
が略線状例えばミシン目状に各々形成される。
【0025】さて、このようにして接着剤Bが塗布され
かつ折曲対象箇所Fが特定された基材Aは、次の重積装
置21へと搬送される。なお装置全体としては、基材A
が少なくともこの位置まで搬送され張り出された状態か
ら、スタートする。さて重積装置21で基材Aは、まず
ガイドロール3により上方に導かれ、縦に対向して配さ
れた左右1対の揺動ベルトコンベア22,23間の上端
に導かれる。この揺動ベルトコンベア22,23は、前
述の一定長さの仮想された縦の中心線上にてそれぞれ上
端が枢支され、かつこの上端を支点としてスイングアー
ム状に下端がほぼ前述の一定長さ分つまり折曲対象箇所
F間の長さ分の揺動幅で、図中仮想線表示の位置まで左
右にスイングし往復揺動するようになっている。又この
揺動ベルトコンベア22,23の往復揺動は基材Aの送
り量に対応し、基材Aが上記一定長さ分送られ排出され
る間に、1回左又は右へ往動又は復動するようになって
いる。
【0026】そこで基材Aは、このような揺動ベルトコ
ンベア22,23に挟まれその上端側から下端側に送ら
れた後、折曲対象箇所Fに少なくとも押圧力が加えら
れ、もって前述の一定長さ毎に連続的に折曲されじぐざ
ぐ状に折り畳んで重積される。すなわち図示例では、揺
動ベルトコンベア22,23が排出された基材Aは、揺
動ベルトコンベア22,23の上記左右の揺動限下にそ
れぞれ配され間欠的に駆動される押圧片24のいずれか
一方により、その折曲対象箇所Fが外側から押打され、
次に係る左右の押圧片24の直下にそれぞれ配され回転
する例えば3重で徐徐にピッチが狭く鋭角的に形成され
たスパイラルローラ状の折曲部材25にて、左右の折曲
対象箇所Fが順次嵌挿されることにより、折りぐせがつ
けられ重積される。このようにして基材Aは、一定長さ
毎に連続的に反転折曲され、左右の折目が各々上下で一
致しかつ上下が各々密接されたじぐざぐ状に、次々と折
り畳まれる。そして図示例では、コンベア26にてリフ
ター27上に排出され、略ブロック状にリフター27上
に重積される。なお図示例によらず、コンベア26を用
いずリフター27がコンベア26の位置に置かれ、その
上に直接基材Aが重積されるようにしてもよい。図中2
8は静電気発生防止装置であり、基材Aが非金属の場合
に使用されるが、基材Aが金属箔よりなる場合には不用
である。
【0027】本発明に係るハニカムコアの製造方法は、
以上のようになっている。そこで以下のごとくなる。
【0028】このハニカムコアの製造方法では、まず帯
状の基材Aの一方面A1 および他方面A2 の両面に一定
長さの間隔Eで繰り返し接着剤Bが塗布され、図4の例
では幅方向Cに図5の例では長手方向Dに塗布される。
そして基材A両面の接着剤Bの各境界部分にて折曲対象
箇所Fが各々特定され、揺動ベルトコンベア22,23
にて挟んで送られた基材Aの折曲対象箇所Fに押圧片2
4および折曲部材25にて押圧力を加え、一定長さ毎に
折曲し折り畳んでブロック状に重積する。しかる後、接
着剤Bの融点温度に加熱加圧して重積接着し、重積方向
に沿って両端を切断してから、重積方向に引張り力を加
え展張することにより、図6に示したハニカムコアGが
製造されるに至る。すなわち、図6の要部平面図に示し
たように、ハニカムコアGは、正六角形等の中空柱状の
多数のセルHの平面的集合体よりなり、このセルHを形
成するセル壁Jが前述により基材Aが展張されたものよ
りなる。さてこのハニカムコアGの製造方法はこのよう
に製造されるので、次の第1,第2,第3,第4のごと
くなる。
【0029】第1に、基材Aへの接着剤Bの塗布は、各
々プリントロール11を備えた第1塗布装置9および第
2塗布装置15により、容易に自動化できる。又基材A
へ折曲対象箇所Fを連続的に特定すること、および揺動
ベルトコンベア22,23にて挟んで送るとともに押圧
力を加え連続的に折り畳み重積することも、例えば折目
設定装置16および重積装置21として容易に装置化さ
れ自動化される。更にその間の基材Aの搬送も、ガイド
ロール3等を用い容易に自動化できる。このようにこの
ハニカムコアGの製造方法では、基材Aへの接着剤Bの
塗布から基材Aの重積までの工程を、一連の装置で連続
的・自動的に実施できるようになる。
【0030】第2に、このようにこの製造方法では、接
着剤Bの塗布そして基材Aの重積等は手作業によらず行
え、しかも手作業でないのでメカ的処置により基材Aの
伸縮への対応も容易であり、又基材Aが不透明な場合で
も問題がなく、更に重積装置21を用いることができる
ので特に重積時に条線状の接着剤Bが正確に半ピッチず
つずれた位置関係となり、ピッチずれが防止される。又
従来例のように基材Aをドラムに巻き取らないので、こ
の面からもピッチずれが防止されるとともに、基材Aの
巻きぐせ・アールも防止され、事後の展張時等における
取扱に支障が生じることはない。
【0031】第3に、同様にこの製造方法では、従来例
のように基材Aをドラムに巻き取らないので、事後、切
断箇所たる端部に傾斜状の不使用部分は発生せず、歩留
まりよく基材AからハニカムコアGが製造される。
【0032】第4に、しかもこれらは、接着剤Bを帯状
の基材Aに対し適宜、幅方向C又は長手方向Dに沿って
塗布することにより、任意かつ自在に実現可能である。
つまり従来のハニカムコアGの製造方法にあっては、そ
の用途等に応じ接着剤Bを幅方向C又は長手方向Dのい
ずれかに塗布しなければならないことが多々あったが、
この製造方法によるとこのような規制は一切なく自在に
塗布することが可能である。しかもこの製造方法にあっ
ては、使用される基材Aは、アルミ箔等の金属箔である
かアラミド紙,塩ビシート,紙等の非金属であるかを問
わず、広く自在に適用可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明に係るハニカムコアの製造方法
は、以上説明したごとく、まず基材の両面に順次所定の
ごとく請求項1では幅方向に請求項2では長手方向に接
着剤を塗布した後、請求項1および請求項2共、揺動ベ
ルトコンベアを用いるとともに特定された折曲対象箇所
に押圧力を加えて折り畳み重積することにより、次の効
果を発揮する。
【0034】第1に、接着剤塗布から重積までの工程を
一連の装置で連続的・自動的に実施可能となり、生産効
率が著しく向上する。すなわち、ハニカムコアの製造方
法において、接着剤の塗布から重積までを一連の一貫し
た装置で集約的かつ連続的に実現できるようになり、従
来例に比し所用時間が著しく短縮され作業スペースも非
常に減少し作業も容易化される等、生産効率が著しく向
上しコスト面にも優れている。
【0035】第2に、ピッチずれ,巻きぐせ等も防止さ
れ、高品質・高精度なハニカムコアが安定的に得られ
る。すなわち、重積等が手作業によらず行なえるように
なり、基材の伸縮への対応も容易であり、又基材が不透
明な場合でも問題がなく、更に従来例のように基材をド
ラムに巻き取らないので、ピッチずれおよび巻きぐせ等
が確実に防止され、もってセル形状が均一なハニカムコ
アが容易に得られる。
【0036】第3に、歩留まり等も良く、この面からも
コスト面に優れている。すなわち、従来例のように基材
をドラムに巻き取らないので、事後切断箇所たる端部に
傾斜状の不使用部分は発生せず廃棄される無駄がないと
ともに、各種のドラムを予め準備する必要もない等、コ
スト面に優れている。
【0037】第4に、しかもこれらは、接着剤を帯状の
基材に対し適宜、請求項1および請求項2ではその幅方
向に沿って塗布し、又請求項3および請求項4ではその
長手方向に沿って塗布することにより、任意かつ自在に
実現可能である。更に使用される基材も金属,非金属を
問わず、広く自在に適用可能である。
【0038】このように、この種従来例に存した問題点
が一掃される等、本発明の発揮する効果は顕著にして大
なるものがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハニカムコアの製造方法の実施例
の説明に供する、塗布工程その他の正面説明図である。
【図2】同実施例の説明に供する、重積工程等の正面説
明図である。
【図3】第1,第2塗布装置の要部を示し、(1)図は
左側面図、(2)図は正面図、(3)図は右側面図であ
る。
【図4】基材への接着剤の塗布の1例を示す、要部の平
面図である。
【図5】基材への接着剤の塗布の他の例を示す、要部の
平面図である。
【図6】ハニカムコアの要部の平面図である。
【符号の説明】
A 基材 A1 一方面 A2 他方面 B 接着剤 C 幅方向 D 長手方向 E 間隔 F 折曲対象箇所 22 揺動ベルトコンベア 23 揺動ベルトコンベア

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 帯状の基材の一方面に対し接着剤を、幅
    方向に沿い所定ピッチで条線状に、該基材の長手方向の
    一定長さにわたりかつ同一一定長さ毎の間隔を置き、繰
    り返し塗布し、次に該基材の他方面に対し該接着剤を、
    幅方向に沿い上記と同一所定ピッチで条線状に、上記各
    間隔対応位置に対しそれぞれ塗布し、しかる後、該基材
    の一方面に塗布された該接着剤と他方面に塗布された該
    接着剤との各境界部分において、幅方向に沿い上記所定
    ピッチの1/4ピッチずれた位置に、略線状の折曲対象
    箇所を各々特定し、次に該基材を縦に配された1対の揺
    動ベルトコンベア間に導き、上記一定長さの略中心上を
    支点としてほぼ上記一定長さ分左右に往復揺動する該揺
    動ベルトコンベアに挟んで更に送った後、排出された該
    基材の上記折曲対象箇所に少なくとも押圧力を加え、も
    って該基材を、上記一定長さ毎に連続的に折曲しじぐざ
    ぐ状に折り畳んで重積する工程、を有してなることを特
    徴とするハニカムコアの製造方法。
  2. 【請求項2】 帯状の基材の一方面に対し接着剤を、長
    手方向に沿い所定ピッチで条線状に、長手方向の一定長
    さにわたりかつ同一一定長さ毎の間隔を置き、繰り返し
    塗布し、次に該基材の他方面に対し該接着剤を、長手方
    向に沿い上記と半ピッチずつずれた位置関係のもとに同
    一所定ピッチで条線状に、上記各間隔対応位置に対しそ
    れぞれ塗布し、しかる後、該基材の一方面に塗布された
    該接着剤と他方面に塗布された該接着剤との各境界部分
    を、幅方向に沿った略線状の折曲対象箇所として特定
    し、次に該基材を縦に配された1対の揺動ベルトコンベ
    ア間に導き、上記一定長さの略中心上を支点としてほぼ
    上記一定長さ分左右に往復揺動する該揺動ベルトコンベ
    アに挟んで更に送った後、排出された該基材の上記折曲
    対象箇所に少なくとも押圧力を加え、もって該基材を、
    上記一定長さ毎に連続的に折曲しじぐざぐ状に折り畳ん
    で重積する工程、を有してなることを特徴とするハニカ
    ムコアの製造方法。
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