JP3069097U

JP3069097U - 花輸送用容器とそのプロテクトカバ―

Info

Publication number: JP3069097U
Application number: JP1999008827U
Authority: JP
Inventors: 和美栗原
Original assignee: 郵船フレッシュチェーン株式会社
Priority date: 1999-11-19
Filing date: 1999-11-19
Publication date: 2000-05-30
Anticipated expiration: 2005-11-19

Abstract

(57)【要約】【課題】花の商品価値を下げることなく保管及び搬送が
でき、製造コストを抑えることができ、作業効率が良く
なり、簡単に且つ完全に連結できる花輸送用容器とプロ
テクトカバーとを提供する。【解決手段】略桶状の花容器と、筒状のプロテクトカバ
ー１２とからなり、花容器は、底面部と、この底面部の
外周から上方に向けて形成された側壁部と、側壁部の上
部外周に形成されたリング状部材４とからなり、前記プ
ロテクトカバー１２は、筒状体で折り返し部１４及び係
合部１６とを備え、この折り返し部１４は、プロテクト
カバー１２の側壁にＵ字状の切り込みを入れ、このプロ
テクトカバー１２の内側に折り返して形成され、前記係
合部１６は、プロテクトカバー１２の内周側に設けら
れ、桶状容器とプロテクトカバー１２は、折り返し部１
４と嵌合溝６とを嵌合し、且つ、係合部１６の上縁部と
リング状部材４の下縁部とを係合して連結している。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、生花又は切り花を運搬するときに使用する容器及びプロテクトカバーに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、切花及び生花を運搬するには、段ボール箱に複数本の花を横に積載したものを梱包して搬送していた。

【０００３】しかし、花を横にして梱包すると、段ボール箱内の下側の花は重みによって茎が痛み、商品価値が下がってしまう。

【０００４】また、段ボール箱は耐水性が悪いので、生産者は花を梱包する際、十分に水切りしなければならないため、梱包作業も大変な労働になってしまう。

【０００５】更に、販売業者が届けられた花を陳列するまでには、梱包された箱を開けて花の種類を確認し、種類別に花を取り出して別の容器に入れてから展示又は陳列しなければならないので販売業者の作業も大変である。

【０００６】また、搬送に使用した段ボール箱はどうしても水分でふやけてしまうため、再使用できずに廃棄処分されるのがほとんどであるため、段ボール箱のコストが非常に大きいものになってしまう。

【０００７】以上のように、段ボール箱で花を運搬することは多くの問題点を有する。これらの問題点を解決するため、図８に記載されたような花輸送用容器及び補助器具が開発された。

【０００８】この容器及び補助器具の使用例は、容器に適量の水を入れた後、花の切り口を下にむけて縦に入れ、花輸送容器に補助器具を取り付け、補助器具の上に蓋をして一つの梱包体として搬送するものである。

【０００９】また、この蓋と容器の底面は合致する構造になっているため、輸送するときや保管するときには梱包体の上に梱包体を積載していた。

【００１０】

【考案が解決しようとする課題】

しかし、上記した補助器具は容器の溝の部分にはめるだけの構造なので、非常に外れやすい。保管する場合はこの状態でも良いが、搬送するには不安定で不便である。搬送の時は、容器と補助器具と蓋とを連結する連結部材を用いて梱包体としていた。従って、連結部材を別に用意する必要がありコストがかかってしまう。また、梱包体を形成する作業も必要になってくるので作業効率が悪くなってしまう。

【００１１】この梱包体には把持部が花輸送用容器にしかないため、この把持部を持つしか搬送する方法がない。しかし、補助器具の高さが高いと、搬送者の視界を塞いで持ち運びにくくなるため、無理な姿勢で運ぶ搬送作業が困難になってしまう。

【００１２】また、連結部材を使用しても花輸送用容器と補助器具とを完全に連結することはできない。従って、搬送中に連結部材が外れてしまうと、バランスが崩れて花輸送用容器と補助器具とが分離してしまい、その時に商品を傷つけてしまうという問題点もある。

【００１３】

【課題を解決するための手段】

本考案は上記課題を解決するためになされたもので、略桶状の花容器と、筒状のプロテクトカバーとからなり、この花容器は、底面部と、該底面部の外周から上方に向けて形成された側壁部と、側壁部の上部外周に形成されたリング状部材とからなり、前記プロテクトカバーは、筒状体で折り返し部及び係合部とを備え、前記折り返し部は、プロテクトカバーの側壁にＵ字状の切り込みを入れ、プロテクトカバーの内側に折り返して形成され、前記係合部は、プロテクトカバーの内周側に設けられ、桶状容器とプロテクトカバーは、折り返し部と嵌合溝とを嵌合し、且つ、係合部の上縁部と前記リング状部材の下縁部とを係合して連結されていることを特徴とする。

【００１４】また、略桶状容器とプロテクトカバーは着脱可能に連結されていることを特徴とする。

【００１５】また、プロテクトカバーに把持部を設けたことを特徴とする。

【００１６】また、筒状なプロテクトカバーにおいて、プロテクトカバーは折り返し部と係合部とを備え、折り返し部は、プロテクトカバーの側壁にＵ字状の切り込みを入れ、プロテクトカバー内側に折り返して形成され、前記係合部は、プロテクトカバーの内周側に設けられていることを特徴とする。

【００１７】また、プロテクトカバーの一部又は二部以上に把持部を設けたことを特徴とする。

【００１８】

【考案の実施の形態】

図１は本考案に係る花輸送用容器２及びプロテクトカバー１２の一使用例を示した説明図である。図２は本考案に係る花輸送用容器２を示した斜視図である。図３は本考案に係るプロテクトカバー１２を示した斜視図である。図４は本考案に係るプロテクトカバー１２の分解図である。

【００１９】本考案に係る花輸送用容器２は、底面と、この底面の外周から上方に形成された側壁部と、側壁部の上部外周に形成されたリング状部材４とを有する。

【００２０】本考案に係る花輸送用容器２の底面は長方形であるが、この形状については特に限定せず角形及び円形等、適宜に設定すれば良い。また、花輸送用容器２の形状は、底面部の面積が開口部の面積より小さい逆裁頭四角錐状又は逆裁頭円錐状のものが好ましい。

【００２１】この花輸送用容器２には運搬を容易にするための把持部１８を設けても良い。本考案に係る花輸送用容器２の把持部８は、側壁の一部を切り取って形成されているが、取っ手を取り付けるなどしても良く、その手段は選ばない。

【００２２】また、花輸送用容器２の側壁に通気穴１０を形成し、容器内へ空気を供給して密閉されないようにしても良い。本考案に係る花輸送用容器２には、側壁に複数個の穴を切り取って形成されている。また、把持部１８も側壁を切り取られて形成されているので通気穴の役割も果たしている。

【００２３】本考案に係る花輸送用容器２の側壁部の上部外周にはリング状部材４が形成されている。このリング状部材４には嵌合溝６が形成され、後述するプロテクトカバー１２に形成された折り返し部１４と嵌合して、花輸送用容器２とプロテクトカバー１２とを連結する。この嵌合溝６の形状などについては、適宜設定すればよい。

【００２４】また、このリング状部材４の下端部は、後述するプロテクトカバー１２に形成された係合部１６と係合して、この部分でも花輸送用容器２とプロテクトカバー１２を連結する。このリング状部材４の形状及び形成位置については適宜設定すれば良い。

【００２５】また、上述した連結手段に限らず、花輸送用容器２とプロテクトカバー１２の連結が外れにくく且つ容易に連結できるものであれば、例えば花輸送用容器２及びプロテクトカバー１２に連結部材を取り付けるといったように、どのような方法及び手段を使用しても良い。

【００２６】花用輸送容器の材料としては、耐久性に優れた材料を使用するのが好ましく、例えばプラスチック、塩化ビニル、ポリエステル、ポリエチレン等を使用することができる。

【００２７】本考案に係るプロテクトカバー１２は、少なくとも折り返し部１４と係合部１６とを有していることを特徴とする。

【００２８】本考案に係るプロテクトカバー１２の折り返し部１４は、Ｕ字状の切り込みを入れ内側に折り込んで形成されている。この折り返し部１４は前述した嵌合溝６と嵌合して、花輸送用容器２とプロテクトカバー１２を連結する。この折り返し部１４を設けずに嵌合部材を設けても良い。

【００２９】ここで、係合部１６の上端からＵ字状の切り込みの下端部までの距離ｂは、リング状部材４の長さａよりも長い必要がある。ｂ＜ａの場合、折り返し部１４が嵌合溝６に入らいのでずプロテクトカバー１２を引っ掛けておくことができない。従って、花輸送用容器とプロテクトカバー１２を連結するにはｂ＞ａが必要条件となる。また、折り返し部１４を有しない連結手段を用いた場合は、この限りではない。

【００３０】本考案に係るプロテクトカバー１２の係合部１６は、図４の分解図の通り、一枚板の下端部を折り曲げて固定して形成されている。これに限らず、係合部１６材を取り付けるなどしても良い。係合部１６の高さ等は、折り曲げ部との位置やプロテクトカバー１２の大きさなどを考慮して適宜に設定すれば良い。

【００３１】本考案に係るプロテクトカバー１２には把持部１８が形成されている。この把持部１８は、側壁の一部を切り取られて形成されている。把持部１８についてはこの形状に限らず、取っ手を設けるなどしても良く、その手段は選ばない。

【００３２】本考案に係るプロテクトカバー１２の材料はプラパールを使用している。これに限らず加工しやすく耐水性に優れている材料であれば何でも使用することができる。また、耐水性に劣る材料の場合には、防水加工を施すのが好ましい。これらの材料としては、例えばプラスチック、塩化ビニル、ポリエチレン、段ボール等を挙げることができる。

【００３３】本考案に係るプロテクトカバー１２の形成方法は非常に簡単で、まず一枚のプラパール板から外形を切り取る。その後、Ｕ字状の切り込みを入れて折り返し部１４を形成し、一部を切り取って把持部１８を形成する。その後、所定の位置に切り込みを入れ、下端部を折り曲げて係合部１６を形成し、切り込み部分で折り曲げて筒状体に形成する。その後、連結板を側壁内側で固定してプロテクトカバー１２とする。本考案に係るプロテクトカバー１２のように一枚の平板から形成する方法に限らず、複数の部品を組み合わせて形成しても良い。

【００３４】図５は本考案に係る花輸送用容器２とプロテクトカバー１２の使用方法を示した図である。図６は本考案に係るプロテクトカバー１２の折り返し部１４及び係合部１６と、花輸送用容器２のリング状部材４及び嵌合溝６を部分拡大図にしたものである。図７は花輸送用容器２とプロテクトカバー１２が連結された状態を示した部分拡大図である。これらの図をもとにして、本考案に係る花輸送用容器２とプロテクトカバー１２の連結の仕組み及び使用方法を説明する。

【００３５】本考案に係る花輸送用容器２とプロテクトカバー１２を連結するには図５に記載されたように、係合部１６を下側にしてプロテクトカバー１２を置き、プロテクトカバー１２内へ花輸送用容器２を底面側から入れて置き、プロテクトカバー１２を持ち上げる。

【００３６】花輸送用容器２をプロテクトカバー１２内に入れると、内側に突出している折り返し部１４は、花輸送用容器２の側壁によって外側に押し出される。プロテクトカバー１２を持ち上げると、折り返し部１４も外側に押し出された状態で花輸送用容器２の側壁の上方に移動する。プロテクトカバー１２を持ち上げて、折り返し部１４がリング状部材４まで移動すると、リング状部材４によって折り返し部１４は更に外側に押し出されて花輸送用容器２の側壁を上方に移動する。

【００３７】更にプロテクトカバー１２を持ち上げると、折り返し部１４がリング状部材４の端部より上方に移動する。このとき、リング状部材４によって外側に押し出されていた折り返し部１４は内側に押し戻されるため、再び花輸送用容器２の側壁にぶつかる。

【００３８】更にプロテクトカバー１２を持ち上げると、係合部１６がリング状部材４の下端部に引っ掛かるため、プロテクトカバー１２を持ち上げることができなくなる。このとき、折り返し部１４はリング状部材４に形成された嵌合溝６の上方に位置している。この状態でプロテクトカバー１２を下げると、折り返し部１４は嵌合溝６内に入って嵌合溝６の底部とぶつかって、プロテクトカバー１２を下げることができなくなる。この状態では、プロテクトカバー１２を左右上下に動かすことができなくなるため、完全に連結されたことになる。

【００３９】従って、本考案に係る花輸送用容器２とプロテクトカバー１２の連結は、花輸送用容器２をプロテクトカバー１２内に入れた後、プロテクトカバー１２が停止するまで持ち上げるだけで連結できるので、花輸送用容器２の組立に労力と時間がかからず、作業効率が良くなる。

【００４０】花輸送用容器２からプロテクトカバー１２を外すときは、プロテクトカバー１２を持ち上げて嵌合溝６内に入った折り返し部１４を溝外に出し、折り返し部１４をリング状部材４より外側に押し出した状態でプロテクトカバー１２を下げれば良い。

【００４１】また、このプロテクトカバーの上端部に蓋を着装して梱包体とし、積み重ねて保管及び輸送をしても良い。この蓋は従来の花輸送用容器で使用していたものを代用することができる。

【００４２】

【考案の効果】

本考案に係る花輸送用容器２及びプロテクトカバーは、花の長さが不均一であっても、高さの違うプロテクトカバーを一種類の花輸送用容器に連結すれば対応できるため、数種類の花輸送用容器を用意する必要がなく、花輸送用容器のコストを削減できるだけでなく、花輸送用容器の保管を容易にすることができる。

【００４３】また、本考案に係る花輸送用容器とプロテクトカバーの連結は、係合部及び嵌合部が完全に花輸送用容器とプロテクトカバーを連結するため、プロテクトカバーを持って搬送することでき作業効率が良くなる。また、連結部材を用意する必要がないため、花輸送用容器の単価を抑えることができる。

【００４４】また、本考案に係るプロテクトカバーと花輸送用容器の連結は、プロテクトカバー内に花輸送用容器を入れ、プロテクトカバーが停止するまで持ち上げるだけでなので、組立作業が簡単にできる。

【００４５】また、本考案に係る花輸送用容器とプロテクトカバーを連結した連結体に蓋を着装して梱包体とすると、梱包体が分解する心配がなく、梱包体が安定しているため積載することができ、保管及び搬送の積載効率を良くすることができる。

【００４６】また、本考案に係るプロテクトカバーは、一枚の平板から形成できるので、プロテクトカバーの作成及び分解作業が非常に簡単である。また、係合部及び折り返し部も平板の一部であるため、余計な部材を用意する必要がなく、製造単価を抑えることもできる。また、折り畳んで保管や分解して保管することができるので、保管場所の確保も容易である。

【００４７】また、本考案にかかる花輸送用容器及びプロテクトカバーは、生産者から販売業者までの運搬や輸送、更には販売業者が展示又は陳列するときにも同一の容器を使用して作業ができるため、コストを抑えることができる。

【００４８】また、本考案にかかる花輸送用容器及びプロテクトカバーを使用すると、花を縦にした状態で搬送できるので茎を痛めることがなく、且つ花に水分及び空気を供給しながら搬送できるので鮮度を保つことができ、且つプロテクトカバーが補助となって花が垂れ下がることも防げるので、花の商品価値を下げずに運搬することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案に係る花輸送用容器とプロテクトカバー
の一使用例を示した説明図である。

【図２】本考案に係る花輸送用容器を示した斜視図であ
る。

【図３】本考案に係るプロテクトカバーを示した斜視図
である。

【図４】本考案に係るプロテクトカバーの分解図であ
る。

【図５】本考案に係る花輸送用容器及びプロテクトカバ
ーの使用方法を示した説明図である。

【図６】本考案に係る連結部を示した部分拡大断面図で
ある。

【図７】本考案に係る連結部を示した部分拡大断面図で
ある。

【図８】従来の花輸送用容器及び補助器具を示した説明
図である。

【符号の説明】

２花輸送用容器４リング状部材６嵌合溝８把持部１０通気穴１２プロテクトカバー１４折り返し部１６係合部１８把持部２０連結部２２蓋部材２４補助器具

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】略桶状の花容器と、筒状のプロテクトカバ
ーとからなり、該花容器は、底面部と、該底面部の外周
から上方に向けて形成された側壁部と、該側壁部の上部
外周に形成されたリング状部材とからなり、前記プロテ
クトカバーは、筒状体で折り返し部及び係合部とを備
え、前記折り返し部は、前記プロテクトカバーの側壁に
Ｕ字状の切り込みを入れ、該プロテクトカバーの内側に
折り返して形成され、前記係合部は、前記プロテクトカ
バーの内周側に設けられ、前記桶状容器と前記プロテク
トカバーは、前記折り返し部と前記嵌合溝とを嵌合し、
且つ、前記係合部の上縁部と前記リング状部材の下縁部
とを係合して連結されていることを特徴とする花輸送用
容器。
【請求項２】前記略桶状容器と前記プロテクトカバーは
着脱可能に連結されていることを特徴とする請求項１に
記載の花輸送用容器。
【請求項３】前記プロテクトカバーに把持部を設けたこ
とを特徴とする請求項１又は２に記載の花輸送用容器。
【請求項４】筒状なプロテクトカバーにおいて、該プロ
テクトカバーは折り返し部と係合部とを備え、該折り返
し部は、前記プロテクトカバーの側壁にＵ字状の切り込
みを入れ、該プロテクトカバー内側に折り返して形成さ
れ、前記係合部は、前記プロテクトカバーの内周側に設
けられていることを特徴とするプロテクトカバー。
【請求項５】前記プロテクトカバーの一部又は二部以上
に把持部を設けたことを特徴とする請求項５に記載のプ
ロテクトカバー。