JP3069012B2 - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP3069012B2
JP3069012B2 JP6263666A JP26366694A JP3069012B2 JP 3069012 B2 JP3069012 B2 JP 3069012B2 JP 6263666 A JP6263666 A JP 6263666A JP 26366694 A JP26366694 A JP 26366694A JP 3069012 B2 JP3069012 B2 JP 3069012B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真装置の定着装
置、特にカラー用定着装置に関する。
【0002】
【従来の技術】カラー電子写真装置において、非磁性の
シャープメルトトナーは、混色性を高めるために、通常
のモノクロ用の磁性トナーに比べると溶融粘度が低めに
設定されている。このため、定着装置のローラに対する
離型性がモノクロ用のトナーに比して悪く、シリコーン
オイル(主にジメチルシリコーンオイル)等をローラに
塗布しておく必要がある。また、多色重ねの凹凸を持っ
たトナー像を定着するためには弾性を有するシリコーン
ゴム製の離型層を備えたローラが広く用いられている。
しかしながら、このローラの離型層とシリコーンオイル
は同系統の材質であるために親和性が高く、離型層がオ
イルにより膨潤してローラの径が増大したり、部分的に
火膨れを起こしたりして、ローラの芯金からの剥離を生
じ易くなる。そこで、従来のローラでは、例えば、オイ
ルバリヤー層としてフッ素ゴム製の中間層を設けた三層
構成としたものが使用されている。また、他の方法とし
て、ゴムに対して膨潤性の少ないオイルを用いることに
より前記中間層を設けずに一層または二層構成としたも
のが使用されている。
【0003】膨潤性の少ないシリコーンオイルとして
は、主鎖のポリシロキサンの側鎖または末端のメチル基
を一部フェニル基で置換したメチルフェニル系シリコー
ンオイルが具体的に挙げられる。
【0004】本発明者らの検討によれば、フェニル基の
含有率を全体の5mol%以上程度とすることにより、
シリコーンゴムに対する膨潤性を大幅に改善できること
が判明している。
【0005】定着ローラへのオイルの塗布は、例えば、
オイルタンクよりポンプで汲み上げられたオイルを定着
ローラの周面に直接塗布し、ゴムブレードからなるオイ
ル塗布ブレードを定着ローラの回転方向に対して順方向
あるいは反対方向に設置して、その定着ローラに塗布さ
れたオイルを均一化(定着ローラの周面にオイルを均一
に塗布)するように構成された塗布装置が使用される。
この場合、オイル塗布量の規制は、オイル塗布ブレード
の設定方向と設定角度及び設定圧によって成されてい
る。このとき、塗布ブレードにより、耐久中(長期使用
中)に定着ローラを傷つける可能性があるため、これを
改善する方法として、一旦、定着ローラと略同じ材質で
同程度の厚さを有する弾性層を設けた塗布ローラにオイ
ルを塗布し、塗布ブレードにより均一化し、この塗布ロ
ーラを定着ローラに当接回転させてオイル塗布を行う方
法がある。いずれの場合も、オイル塗布量はA4サイズ
1枚あたりに換算して20mg〜90mgが一般的であ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らのその後の検討によれば、膨潤性の少ないメチルフ
ェニル系シリコーンオイルが直接接触、あるいはオイル
ミストとして装置の他の部材として使用されているPC
(ポリカーボネート)やPPE(ノリル)等の樹脂材の
多くに対してケミカルアタックを誘発させるという欠点
を有することが判明した。
【0007】本発明の目的は、定着ローラ及び加圧ロー
ラの膨潤を防止し、かつオイルミストによる樹脂材への
ケミカルアタックを防止できる電子写真装置のカラー用
定着装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、熱源を内包す
る定着ローラと、該定着ローラに圧接するように配設さ
れる加圧ローラと、前記定着ローラ表面に当接するよう
に配設され該表面に離型剤としてのメチルフェニル系シ
リコーンオイルを塗布するオイル塗布手段を有し、前記
定着ローラと加圧ローラの圧接部にて多色多層あるいは
単色の未定着現像剤像を担持した記録材を挟持搬送する
ことにより該未定着現像剤像を記録材上に定着せしめる
定着装置において、前記定着ローラ乃至は前記加圧ロー
ラの表層が少なくともメチル系シリコーンゴムからなる
層を有し、前記メチルフェニル系シリコーンオイル中の
φ4環状シロキサン以下の低分子量成分がシリコーンオ
イル全成分に対して、ゲル浸透クロマトグラフィーによ
るピーク面積比で10%以下であることを特徴とする定
着装置である。
【0009】
【作用】本発明者らの検討によれば、加熱、あるいはス
トレスのかかった状況下でオイルによるケミカルアタッ
クは、オイル成分中でも特にフェニル基を高比率で含む
低分子量のオリゴマー(下記式1の様な未反応原料のφ
4環状シロキサンや、式2のようなそれ以下の分子量を
有するフェニル基リッチなオリゴマー等)が、樹脂材の
分子に入り込んでマイクロクラックを成長させ割れを引
き起こすものと考えられる。
【0010】
【化1】
【0011】
【化2】
【0012】即ち、このような低分子量のオリゴマー成
分をオイル成分から除去することにより、樹脂材へのケ
ミカルアタックが防止でき、かつメチルフェニル系シリ
コーンオイル特有のシリコーンゴムへの低膨潤性がその
まま活かされるものである。
【0013】ゲル浸透クロマトグラフィ(Gel Permeati
on Chromatography、以下、GPCと称す)とは、溶媒
分子の大きさにより分離が起こる特別な液体クロマトグ
ラフィで特に高分子化合物の分子量分布を決定する方法
である。GPCは定常相の担体に高分子の大きさと同程
度の網目(カラム)を持つように架橋された不活性重合
粒子を用いており、種々の溶媒系に適用し得るものであ
る。分別操作は、流出時間が分子量に対応し、その濃度
が示差屈折計により自記記録され、縦軸に示差屈折率の
出力を表し、横軸に流出時間を表すチャートが得られ
る。重合度の異なる重合体分子種がゲルのカラム中に拡
散し得る深さによって分別される。即ち、カラム中を流
れるとき、高分子量の分子はゲル中に浸透しにくいので
早く溶離され、逆に小さい分子は浸透し易いので遅く流
出してくる。吸着クロマトグラフィや分配クロマトグラ
フィでは、分子量の大きなものは一般により強く吸着剤
に吸着されるかまたは溶解性が悪いため遅く溶離してく
るのとは対照的である。
【0014】展開用の溶媒としては、テトラヒドロフラ
ン(THF)もしくはトルエンを用いる。
【0015】以上の様なGPC分析をメチルフェニル系
シリコーンオイル(KF53)に行った例を図2に示
す。この結果によれば、ジメチルシリコーンオイルには
見られない低分子量成分のピークがメチルフェニル系シ
リコーンオイルで存在しているのがわかる。低分子量成
分は、フェニル置換を行う際の添加原材料であるφ4環
状シロキサンもしくはその反応生成物の残存成分であ
る。そこで、各ピーク成分によるケミカルアタック性の
試験を行った結果、φ4環状シロキサン以下の低分子量
成分のピークをGPC面積比で10%以下とすることで
オイルミストによるケミカルアタックを防止できること
が判明した。ちなみに、KF53の低分量成分を前記面
積比で10%以下に低減させたものと未処理のものとの
ポリカーボネート製オイルトレイに対する影響を調べた
ところ、処理品では115℃で2ヶ月放置した場合にも
割れなどが発生しなかったのに対し、未処理のものは同
温度で2週間の放置により割れが発生していた。このこ
とから、オイル中の低分子量成分が樹脂に対して破壊的
影響を及ぼしていることがわかる。
【0016】低分子量成分の低減は、オイルを低減させ
るべき低分子量成分の沸点以上でオイル主成分を分解さ
せない温度、好ましくは300〜350℃の温度での加
熱処理を数時間乃至数十時間行って低分子量成分を蒸発
させて行う。加熱処理時間が長いほど、また、加熱処理
温度が高いほど低分子量成分をより多く蒸発させること
ができるが、コストが嵩むため好ましくない。また、通
常市販されているオイルは、このような低分子量成分を
除去していないのは言うまでもない。その他の方法とし
ては、化学吸着させる方法もあるが、コストがかかり過
ぎるため現実的ではない。
【0017】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるもので
はない。
【0018】実施例1 本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
【0019】図1において、定着ローラ1には加圧ロー
ラ2が圧接しており、両ローラ間にニップ部を形成しつ
つ従動回転するようになっている。該定着ローラ1は中
空筒体の形態をなし、中空空間にはハロゲンヒータ3が
内蔵され、該ヒータ3により定着に必要な熱供給がなさ
れる。加圧ローラ2は同様にハロゲンヒータ3’により
加熱される。ローラの温度制御は、定着ローラ1の非通
紙領域に温度検知素子としてのサーミスタ4を、もしく
は加圧ローラ2にサーミスタ4’を接触配置し、その検
知温度に伴う抵抗値変化によりローラの表面温度を検知
し、不図示の制御装置によりローラ表面温度が所定温度
となるようにハロゲンヒータ3または3’をオン・オフ
制御して行っている。
【0020】定着ローラ1の表面にはオイル塗布ローラ
12が接触配設されており、オイル塗布ローラ12が接
触回転することによりオイルが塗布される。オイル塗布
ローラ12は定着時にオイル塗布のため定着ローラ1と
接触させられ、非定着時にはオイルだれを防止するため
に、定着ローラ1と離されている。
【0021】上記構成の装置を用いて定着を行うには、
ガイド8により案内された未定着記録材を同図における
右側よりニップ部に進入させ、均一オイル層が形成され
た定着ローラ1により加圧及び加熱し、定着された記録
材はガイド8’に案内されて排紙される。定着操作の終
了した定着ローラ1の表面は、次にクリーニングウェブ
7と摺擦されオフセットトナーの除去が行われる。その
後再びオイル塗布ローラ12によりオイル塗布が行わ
れ、次の未定着記録材のために一連の操作が繰り返され
る。
【0022】定着ローラ1は、カラー画像の単色乃至4
色の多重トナーの厚み(数〜数十μm)に追従可能なよ
うに、アルミニウム等の金属の芯軸に少なくとも弾性層
を数十μm以上設けることが必要である。この時、弾性
層の弾性が小さいとトナー凹部の未定着やトナーの潰れ
による解像度低下をきたすため、十分な弾性を有するこ
とが必要である。このような弾性層の材質としては、メ
チル系、メチルビニル系の液体シリコーンゴムのRTV
あるいはLTVタイプのものが十分な弾性を備えており
好ましい。特にRTVはシリコーンオイルとの親和性が
高く、オイルを塗布し易いので最適である。また、弾性
層として上記RTV,LTVを用い、その下層、即ち、
芯軸との間に熱に強いHTVタイプのシリコーンゴムか
らなる中間層を設け、弾性層裏面の熱劣化や剥がれを防
いだ多層構成としても良い。本実施例においては、アル
ミニウム芯金上に中間層としてHTVタイプのジメチル
シリコーンゴムを1.5mmの厚さで設け、その上に弾
性層として同ゴムのLTVタイプを250μmの厚さで
設け、最終的にφ40mmに成型したものを定着ローラ
1として用いた。なお、上記のシリコーンゴムの他に、
メチルフェニル系のシリコーンゴムを用いることも可能
である。
【0023】加圧ローラ2は、定着ローラ1に比べて弾
性の小さなものを用いてもよく、単純化が可能で、アル
ミニウム等の金属の芯軸に前記したHTVやフッ素ゴム
等の層を設けるだけでも良く、またその表面にPFAま
たはPTFEなどのフッ素樹脂コート等を施し、オイル
膨潤阻止処理を施したものでも良い。あるいはRTVを
用いても良い。もちろん、上記の定着ローラ1と略同一
構成のものを用いてもよく、本実施例では、加圧ローラ
2としてアルミニウム芯金上にHTVタイプのジメチル
シリコーンゴムを1.75mmの厚さに設け、その上に
同ゴムのLTVタイプを250μmの厚さに設け、φ4
0mmに成形したものを用いた。
【0024】オイルの材質については、一例として信越
化学株式会社製のメチルフェニル系シリコーンオイルK
F−53(フェニル基15mol%含有)を用いた。フ
ェニル基の含有率としては膨潤防止の点で5mol%以
上のものを用いるのが望ましい。また、粘度について
は、低過ぎると膨潤性が大となり、揮発による機内汚染
を引き起こし、逆に高過ぎると、ローラへのなじみが悪
くなるので、常温にて100〜1000cs程度のもの
が望ましい。本実施例において使用するKF−53は1
75csである。
【0025】なお、前記シリコーンオイルは、フェニル
基の置換量により粘度温度係数(V.T.C)が変化
し、一般に置換量が大きいとV.T.Cも増大する。す
なわち、V.T.Cが大であるほど低温時のローラから
のオイル析出量は増大する。一例として、粘度300c
sのシリコーンオイルでは、フェニル基を導入していな
いものではV.T.Cが0.60であるのに対し、5m
ol%含有させた場合は、V.T.Cが0.65、15
mol%含有させた場合は、V.T.Cが0.75、2
5mol%含有させた場合は、V.T.Cが0.82で
あった(V.T.Cは温度98.9℃時に対する37.
8℃のシリコーンオイルの粘度比で定義)。
【0026】本実施例では、このKF−53を300〜
350℃の温度で数時間加熱処理して用いた。前記した
ようにこの処理によってφ4以下の低分子量成分のGP
C分析チャートにおける面積比は全体の10%以下であ
る。
【0027】トナーとしては、キヤノン販売株式会社の
カラー複写機CLC−200に使用されているシャープ
メルトトナーを用いた。
【0028】定着温度は120〜180度の範囲でリッ
プル±3°以内とし、ローラ周速は10〜120mm/
secの範囲とした。
【0029】オイル供給部は、交換可能なオイル容器で
あるオイルタンク18が、ジョイント17、17’を介
してオイルポンプ16へシリコーン樹脂等からなるチュ
ーブで接続されている。オイルタンク18の構成は、剛
性ケース内にアルミパックに入った状態でオイルを保持
している。ジョイント17、17’は、ゴムシール、バ
ネ等の組み合わせよりなり、オイルタンク18の脱離時
に双方よりのオイルシールがなされる。オイルポンプ1
6は、オイルを塗布部のオイル補給ノズル13に送る役
目をする。一方、塗布部で余ったオイルは、オイルケー
ス15よりいったんオイルタンク18に回収され再利用
される。
【0030】ポンプの種類は、電磁ポンプを用いてパル
ス信号でオイル量の制御を行う方式が好ましい。また、
ギアポンプを用いる方式も安価で良い。ポンプには逆流
防止弁(19)を備えることは好ましい。オイル供給部
に関しては完全閉鎖系であり、漏れの心配がないため、
装置本体側に設けることも、定着ユニット側に設けるこ
とも可能である。
【0031】オイル塗布部は、オイル供給ノズル13よ
り送られたオイルが、シリコーンゴムを表層とするオイ
ル塗布ローラ12に密接あるいは極近接された、供給さ
れたオイルを微少量保持するオイルため板14によりオ
イル塗布ローラ12にオイル補給がなされた後、短期間
のみオイル塗布ローラ12との間にオイル保持がなさ
れ、オイル塗布ローラ12の回転に伴ってオイル塗布ブ
レード11によりオイルの量規制を受け、オイル塗布ロ
ーラ12表面に均質薄層塗布がなされる。余剰分のオイ
ルは、オイルため板14より落下し、オイルケース15
の底面を伝わってフィルター20を経て再びオイルタン
ク18に回収されるため、オイルケース15内には常に
極少量のオイルが存在するだけであり、本体との分離時
にユニット自体の傾斜、転倒が起こっても、外部へのオ
イル漏れはほとんど生じることがない。本体装着時に本
体移動によって起こる傾斜に対してもオイル漏れが生じ
ないのは無論のことである。
【0032】本実施例では、塗布ローラとしてアルミニ
ウム芯金上に、トナーに対して離型性の良い弾性層であ
るLTVタイプのジメチルシリコーンゴムを設け、外径
φ25.5mmに成型したものを用いた。塗布ローラの
弾性層材質としては、他にメチルフェニル系シリコーン
ゴムを用いることもできる。またこのとき、塗布ブレー
ド11としてジンコート鋼板にフッ素ゴムを一体化成型
したものを用い、塗布ローラ12に対して加圧力ゼロ時
における接線方向に対し略15゜の設定角で以て総圧略
1〜2kgで当接させた。
【0033】オイル塗布ローラ12により定着ローラ1
表面に塗布されたオイルは、通紙に伴い、用紙に吸収あ
るいは付着して装置外に出ていくが、定着ローラ1の非
通紙部分あるいは前・後回転時に塗布されたオイルは、
加圧ローラ2に付着転移していき、クリーニングブレー
ド5により、紙粉、トナーと共に加圧ローラ2表面より
かきとられ、クリーニングブレード5下に落下して廃オ
イル回収容器であるところのオイルパン6内のオイル吸
収体10により速やかに吸収処理されるため、前述した
ユニットの傾斜、転倒に関してオイル漏れのおそれはな
い。
【0034】クリーニングブレード5の材質は、フッ素
ゴム等の離型性、未着摺動性の優れたものが良い。オイ
ル吸収体10の材質は、主として天然もしくは人工の繊
維体あるいは多孔質体の毛細管現象によりオイルを吸収
するものが良い。例えば、ポリエステル、ポリプロピレ
ン、ポリエチレン等の数〜数十μm径の繊維を数センチ
以下の厚さに積層して不織布加工を行ったものが良い。
また、オイル吸収体10の表面には親油性が高くなるよ
うな処理を施しても良い。市販品として「ウォセップ」
(商品名、東レ製)、「パワーソーブ」(商品名、3M
社製)等の比較的安価なオイル専用の吸収体が知られて
いる。
【0035】オイルパン6に溜められたオイルはまた、
ポンプ16’により吸引されてオイルタンク18に回収
される。
【0036】上記構成の定着装置を用い、オイルとして
φ4以下の低分子量成分をGPC分析による面積比で1
0%以下にしたものを用いることにより、定着ローラ
1、加圧ローラ2、塗布ローラ12のそれぞれのシリコ
ーンゴム層は膨潤する事無く、また、オイルミストによ
る装置各部の樹脂材へのケミカルアタックが防止でき、
長期にわたって安定した運転が可能となる。
【0037】実施例2 図3に示すように、定着ローラ1としては、アルミニウ
ム芯金1c上に弾性層1bとしてHTVタイプのメチル
フェニルシリコーンゴムを1.5mm厚で設け、その上
に離型層1aとしてLTVタイプのジメチルシリコーン
ゴムを250μm厚で設けたものをφ40mmに成型し
て用いた。また、加圧ローラ2としては、アルミニウム
芯金2c上に弾性層2bとしてHTVタイプのメチルフ
ェニルシリコーンゴムを1.75mm厚で設け、その上
に離型層2aとしてLTVタイプのジメチルシリコーン
ゴムを250μm厚で設けたものをφ40mmに成型し
て用いた。これらの定着ローラ及び加圧ローラの構成を
用いることにより、オイルに含まれるメチルフェニル基
を5mol%以下としたメチルフェニル系シリコーンオ
イルをそのまま用いても、ローラの膨潤を防止すること
ができ、更にオイル生成段階におけるφ4成分の比率が
予め減じられているため、φ4以下の低分子量成分のカ
ットがより容易に、すなわち、加熱処理温度を300℃
乃至それ以下とすることが可能となるという利点もあ
る。
【0038】なお、各ローラの弾性層としてジメチルシ
リコーンゴムを用い、離型層にメチルフェニルシリコー
ンゴムを用いた構成としても同様の効果が得られる。
【0039】実施例3 図4に示すように、定着ローラとしては、アルミニウム
芯金1c上に弾性層1bとしてHTVタイプのメチルフ
ェニルシリコーンゴムを1.5mm厚で設け、その上に
中間層(オイルバリヤー層)1dとしてフッ素ゴムを5
μm厚で設け、更にその上に離型層1aとしてLTVタ
イプのジメチルシリコーンゴムを250μm厚で設けた
ものをφ40mmに成型して用いた。また、加圧ローラ
としては、アルミニウム芯金2c上に弾性層2bとして
HTVタイプのメチルフェニルシリコーンゴムを1.7
5mm厚で設け、その上に中間層(オイルバリヤー層)
2dとしてフッ素ゴムを5μm厚で設け、更にその上に
離型層2aとしてLTVタイプのジメチルシリコーンゴ
ムを250μm厚で設けたものをφ40mmに成型して
用いた。
【0040】上記構成により、実施例2と同様の効果が
得られた。なお、各ローラの弾性層としてジメチルシリ
コーンゴムを用い、離型層にメチルフェニルシリコーン
ゴムを用いた構成としても同様の効果が得られる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、メチルフェニル系シリ
コーンオイルを離型剤として用いた場合においても、オ
イル中のφ4以下の低分子量成分をGPC分析による面
積比で10%以下にしたものを用いることにより、シリ
コーンゴムからなる層を有する各ローラの膨潤が防止で
き、更にオイルミストによる装置各部の樹脂材へのケミ
カルアタックが防止でき、長期にわたって安定した運転
が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる定着装置の概略縦断面図であ
る。
【図2】シリコーンオイルのGPC分析による分子量分
布の解析図である。
【図3】実施例2の定着ローラ及び加圧ローラの層構成
図である。
【図4】実施例3の定着ローラ及び加圧ローラの層構成
図である。
【符号の説明】
1 定着ローラ 1a 離型層 1b 弾性層 1c 芯金 1d 中間層(オイルバリヤー層) 2 加圧ローラ 2a 離型層 2b 弾性層 2c 芯金 2d 中間層(オイルバリヤー層) 3,3’ ハロゲンヒータ 4,4’ サーミスタ 5 クリーニングブレード 6 オイルパン 7 クリーニングウェブ 8,8’ ガイド 9 分離爪 10 オイル吸収体 11 オイル塗布ブレード 12 オイル塗布ローラ 12a オイル 12b 表層 12c アルミニウム芯金 13 オイル補給ノズル 14 オイルため板 15 オイルケース 16,16’ オイルポンプ 17,17’ ジョイント 18 オイルタンク 19 弁 20 フィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 落合 俊彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 宮代 俊明 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 鈴木 健彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−113735(JP,A) 特開 平5−27636(JP,A) 特開 平3−168788(JP,A) 特開 平5−53465(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/20 - 15/20 104 F16C 13/00

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱源を内包する定着ローラと、該定着ロ
    ーラに圧接するように配設される加圧ローラと、前記定
    着ローラ表面に当接するように配設され該表面に離型剤
    としてのメチルフェニル系シリコーンオイルを塗布する
    オイル塗布手段とを有し、前記定着ローラと加圧ローラ
    の圧接部にて多色多層あるいは単色の未定着現像剤像を
    担持した記録材を挟持搬送することにより該未定着現像
    剤像を記録材上に定着せしめる定着装置において、前記
    定着ローラ及び/又は前記加圧ローラの表層が少なくと
    もメチル系シリコーンゴムからなる層を有し、前記メチ
    ルフェニル系シリコーンオイル中のφ4環状シロキサン
    以下の低分子量成分がシリコーンオイル全成分に対し
    て、ゲル浸透クロマトグラフィーによるピーク面積比で
    10%以下であることを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記定着ローラ及び/又は加圧ローラの
    表層を、メチルフェニル系シリコーンゴムの下層及びメ
    チル系シリコーンゴムの上層の2層構成、あるいはメチ
    ル系シリコーンゴムの下層及びメチルフェニル系シリコ
    ーンゴムの上層の2層構成としたことを特徴とする請求
    項1に記載の定着装置。
  3. 【請求項3】 前記定着ローラ及び/又は加圧ローラに
    フッ素ゴムからなる中間層を設けたことを特徴とする請
    求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記オイル塗布手段が、定着ローラに当
    接してオイルを均一塗布する塗布ローラと、該塗布ロー
    ラにオイルを供給するオイル供給手段と、前記塗布ロー
    ラに供給されたオイルを均一塗布するオイル塗布ブレー
    ドからなり、前記塗布ローラの表層をメチル系シリコー
    ンゴム又はメチルフェニル系シリコーンゴムとしたこと
    を特徴とする請求項1に記載の定着装置。
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