JP3068964U - チャイルドシ―トのロック機構 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 チャイルドシートのロック機構の低コスト化
を図る。 【解決手段】 台座２に円弧状にスライド自在に保持さ
れたシート本体の位置を固定するロック機構である。台
座２に、シート本体に係合するロック状態と、係合を解
除されたアンロック状態とに回動自在なリクライニング
レバー４１を設ける。リクライニングレバー４１の前端
側に操作部４４を設け、後端側にシート本体側の係合穴
に係脱する係合突起４５を突設する。操作部４４側をば
ね５３によって下方へ付勢し、リクライニングレバー４
１をロック状態に維持する。操作部４４の上方への操作
によりリクライニングレバー４１をアンロック状態と
し、シート本体の位置固定を解除する。リクライニング
レバー４１を直接操作する構造であり、構造が簡単で、
かつ使用する部品点数が少ない。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、車両用シートに取り付けられるチャイルドシートに関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、車室内の助手席や後部座席に取り付けられ、着座した乳幼児を拘束する ことにより安全を図るチャイルドシートが広く使用されている。かかるチャイル ドシートは種々のものが使用されている。また、利便性の向上を図ることを目的 として、乳幼児が着座するシート本体を台座に対して前後方向に例えば円弧を描 いてスライド可能なリクライニング構造を有するものがある。ところで、シート 本体がスライド可能においては、台座に対してシート本体を位置固定するための ロック機構が不可欠である。

【０００３】 かかるロック機構としては、特開平７−１７３１２号公報に以下のようなもの が記載されている。すなわち台座側に係合穴を設けるとともに、シート本体側に 係合穴に係脱するロック部材を設け、ばね力によってロック部材の位置を係合穴 に係合するロック位置に維持する一方、ロック部材の位置を、操作レバーにワイ ヤを介して連結されたカムの動作によりアンロック位置に移動可能としておく。 したがって、かかるロック機構では、操作レバーの解除操作によりロック部材を アンロック位置に移動することによりシート本体の移動が可能となり、かつ操作 レバーが操作されない間は、ロック部材をロック位置にある状態を維持すること により、シート本体の位置固定が可能となるのである。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、かかるロック機構においては、ロック部材の駆動機構が複雑で あり、しかも使用する部品が多いため、製造時における作業効率が悪く、同時に 組立工数が多い。したがって、チャイルドシートの低コスト化を阻害する要因と なるという問題があった。

【０００５】 本考案は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、低コスト化を可能 とするチャイルドシートのロック機構を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために請求項１の考案にあっては、車室内の座席に載置さ れる台座と、この台座にスライド自在に保持されたシート本体とからなるチャイ ルドシートに設けられ、前記シート本体のスライド位置を固定するロック機構に おいて、前記台座と前記シート本体との一方側に、シート本体のスライド方向に 沿った複数箇所に位置して第１の係合部を設け、前記台座と前記シート本体との 他方に、前記第１の係合部に係脱する第２の係合部を有するとともに、この第２ の係合部が前記第１の係合部に係合し前記シート本体のスライドを阻止するロッ ク状態、及びこのロック状態が解除されたアンロック状態に動作可能に支持され たロック部材と、このロック部材を前記ロック状態に付勢する付勢手段とを設け るとともに、前記ロック部材に、これを前記付勢手段の付勢力に抗してアンロッ ク状態へ操作するための操作部を設けたものとした。

【０００７】 かかる構成においては、使用者がロック部材をアンロック状態へ操作しなけれ ば、ロック部材によってシート本体がスライド方向の所定位置に固定された状態 を維持され、使用者がロック部材をアンロック状態へ操作すると、ロック部材に よるシート本体の位置固定が解除される。つまり、シート本体のスライド動作を 規制、解除するロック部材が直接操作される単純な構成であり、またその実現に 要する部品点数が少ない。

【０００８】 また、請求項２の考案にあっては、車室内の座席に載置される台座と、この台 座にスライド自在に保持されたシート本体とからなるチャイルドシートに設けら れ、前記シート本体のスライド位置を固定するロック機構において、前記台座と 前記シート本体との一方側に、シート本体のスライド方向に沿った複数箇所に位 置して第１の係合部を設け、前記台座と前記シート本体との他方に、前記第１の 係合部に係脱する第２の係合部を有するとともに、この第２の係合部が前記第１ の係合部に係合し前記シート本体のスライドを阻止するロック状態、及びこのロ ック状態が解除されたアンロック状態に回動自在に支持されたロック部材と、こ のロック部材の回動中心を隔てた一端側と他端側とのうちの少なくともいずれか 一方側にて前記ロック部材を前記ロック状態に付勢する付勢手段とを設けるとと もに、前記ロック部材に、これを前記付勢手段の付勢力に抗してアンロック状態 へ操作するための操作部を設けたものとした。

【０００９】 かかる構成においても、シート本体のスライド動作を規制、解除するロック部 材が直接操作される単純な構成であり、またその実現に要する部品点数が少ない 。さらに、付勢手段がロック部材の回動中心を隔てた一端側又は他端側であって 、例えば操作部に近い側とすれば、その配置等についての自由度が広くなるため 構造を一層簡易なものとすることができる。また、第２の係合部に近い側とすれ ば、第２の係合部が第１の係合部と係脱する部分つまり直接的なロック機能を果 たす部分は一般に装置の内部側に位置することから、付勢手段が外部から見えに くく、外観品質の向上を図ることができる。

【００１０】 また、請求項３の考案にあっては、前記ロック部材を前記台座に設けたものと した。かかる構成においては、シート本体の位置に関係なくロック部材の操作部 の位置が一定となる。

【００１１】 また、請求項４の考案にあっては、前記第１の係合部と前記第２の係合部との 一方側を係合穴とし、かつ他方側を係合穴に内嵌される係合突起としたものとし た。

【００１２】 また、請求項５の考案にあっては、前記係合穴の開口部を金属板により形成し たものとした。

【００１３】

【考案の実施の形態】 以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。図１は、本発明に係 るロック機構を備えたチャイルドシートを示す図であって、このチャイルドシー トは、車室内で、それに着座した乳幼児を拘束するシート本体１と、シート本体 １をリクライニング可能に支持する台座２から構成されている。

【００１４】 シート本体１は合成樹脂からなる骨格部材であるシェル１１の内面に、発泡材 からなるクッション材（図示せず）が取り付けられ、その表面がシートカバー３ によって覆われたものであって、シート本体１の内側には、着座した乳幼児を拘 束するための胸当てパッドや肩ベルトが装着されている。前記シェル１１の下方 側の左右側部には、座部側から背部側にかけて円弧状に湾曲した脚部１２が一体 形成されており、この脚部１２が台座２にスライド自在に保持されることにより 、シート本体１は台座２に対して弧を描くようにスライド可能となっている。ま た、チャイルドシートは、例えば図１に示すように、車両シート１００に載置さ れた台座２にシート本体１を組み付けた状態で、左右の脚部１２の内側の作業空 間Ｐに挿通されたウェビング１０１により脚部１２及び台座２を締め付けること によって助手席や後部座席に固定されるようになっている。さらに、図示しない が、シート本体１は前後の向きを逆転した状態での取付が可能となっている。

【００１５】 図２に示すように、左右の脚部１２の外周側には、幅方向の両側縁に延在して 突設された互いに平行する凸条部１３，１３と、脚部１２の延在方向に適宜間隔 をおいて設けられ両凸条部１３，１３を連結する複数の横リブ１４とが設けられ ている。また、各々の脚部１２の側面には、脚部１２延在方向に沿って係合溝１ ５が形成されている。また、左右の脚部１２の幅方向の内側には、ほぼ全域に亙 って１段後退した高さの湾曲凸部１６が各脚部１２に接して形成されている。

【００１６】 各湾曲凸部１６には、その延在方向の前方側に位置して第１のストライカー１ ７が、また、その後方側に位置して第２のストライカー１８がそれぞれネジ固定 されている。第１のストライカー１７は、図３に示すように所定形状に折曲した 帯状の金属板に、長さ方に間隔をおいて３つの係止穴１７ａが開設された部材で あり、同様に第２のストライカー１８は１つの係止穴１８ａが開設された部材で ある。図示しないが湾曲凸部１６の外周面には、各係止穴１７ａ，１８ａに対応 して、それよりもやや大きな穴が設けられており、各係止穴１７ａ，１８ａにあ っては、その開口部のみが第１及び第２のストライカー１７，１８によって形成 されている。

【００１７】 一方、前記台座２は、その上部が後端部から前端部に向かい弧をなして下向き に傾斜した形状を有している。図４に示すように台座２は、台座本体２１と、台 座本体２１の左右の両側部に外嵌し、台座２の左右の両側壁を形成する左右の側 壁部材３１，３１とによって形成されている。台座２は、その両側部においてシ ート本体１の前記左右の脚部１２を支持する構造であって、各脚部１２が当接す る台座本体２１の上面２１ａには、両側部に沿ってレール部２２，２２が突出形 成されている。レール部２２の幅は前述したシート本体１の脚部１２における凸 条部１３，１３の離間幅よりも若干狭く設定されており、これにより前記脚部１ ２，１２がレール部２２，２２を跨ぐことによりシート本体１の幅方向の位置が 規制されている。

【００１８】 また、台座本体２１の両レール部２２，２２間には、後方側に位置して収容凹 部２３が形成される一方、前方側の中央部にはリクライニングレバー４１が設け られている。リクライニングレバー４１はシート本体１を所定のリクライニング 位置で固定するためのロック部材であって、図４及び図５に示すように、板状で あるとともに台座本体２１の上面２１ａに相対向して突設された軸受部２４，２ ４の間に位置する筒状部４２を有しており、一方の軸受部２４から他方の軸受部 ２４に貫通され、Ｅリング５１によって抜けが防止された軸受ピン５２によって 回動自在に支持されている。

【００１９】 また、リクライニングレバー４１は、筒状部４２から後方側に広がった台形状 のロック部４３と、筒状部４２から前方側に延出した操作部４４とを有している 。ロック部４３の前方側の両側部には、前述したシート本体１側の左右の湾曲凸 部１６，１６（図２参照）に設けられた各係合穴１７ａ，１８ａに内嵌する一対 の係合突起４５，４５が突設されている。図５に示すように、前記操作部４４と 台座本体２１との間には引張コイルばね５３が掛け渡されており、また、操作部 ４４と筒状部４２（回動中心）を隔てたロック部４３側と台座本体２１との間に は、前記一対の係合突起４５，４５に近接して一対の圧縮コイルばね５４，５４ が縮設されている。なお、各圧縮コイルばね５４は台座本体２１側に設けられた 円筒状のばね受け部２５によって位置決め固定されている。

【００２０】 これにより、リクライニングレバー４１は、引張コイルばね５３と一対の圧縮 コイルばね５４，５４とを付勢手段とし、それらのばね力によって操作部４４側 が下方に回動したロック状態（図５（ａ）の状態）に付勢されている。そして、 かかる状態で一対の係合突起４５，４５がシート本体１側の各係合穴１７ａ，１ ８ａに内嵌することにより、台座に対するシート本体１の移動を阻止し、シート 本体１を所定位置に固定している。

【００２１】 以上の構成からなる本実施の形態において、使用者がシート本体１をリクライ ニングするとき、例えば図１に示した状態からシート本体１を前方にスライドす るときには、操作部４４を持ち上げて上方へ回動操作し、リクライニングレバー ４１を図５（ｂ）に示したようにロック部４３側が下方に後退したアンロック状 態とすれば、前記一対の係合突起４５，４５がシート本体１側の左右の湾曲凸部 １６，１６との係合が解除でき、シート本体１のスライドさせることができる。 また、所定位置へスライドした後には、操作部４４から手を離せば、リクライニ ングレバー４１が再びロック状態へ付勢されるとともに、シート本体１を所定の 位置まで移動した時点で、前記一対の係合突起４５，４５がシート本体１側の左 右の湾曲凸部１６，１６と係合し、シート本体１が位置固定される。

【００２２】 つまり、前述したロック機構においては、シート本体１のスライド動作を規制 、解除するリクライニングレバー４１が、使用者によって直接操作される単純な 構成となっており、また、それを構成部品の点数が従来に比べて少ないものとな っている。このため製造時の作業効率が良く、同時に組立工数が少ない。よって 、ロック機構にかかるコストを低く抑えることができ、チャイルドシートを安価 に提供することが可能である。また、本実施の形態では、リクライニングレバー ４１を台座２側に設けているため、シート本体１のスライド位置に関係なくリク ライニングレバー４１の操作部４４の位置が一定となり、良好な使い勝手が確保 できる。

【００２３】 なお、操作部４４の位置を一定とする必要がない場合には、リクライニングレ バー４１等の機構をシート本体１側に設けるとともに、それと対応して台座２側 に係止穴１７ａ，１８ａを設けてもよい。また、これとは別に、例えば台座２に 設けたライニングレバー４１のロック部４３に係止穴１７ａ，１８ａを設け、シ ート本体１側に係合突起４５，４５を設けることも可能である。また、係止穴１ ７ａ，１８ａの開口部を第１及び第２のストライカー１７，１８によって形成し たものを示したが、必ずしもかかる構造とする必要はない。また、前述した引張 コイルばね５３と一対の圧縮コイルばね５４，５４とは、それらのいずれか一方 側のみを残して他方を廃止することもできる。例えば操作部４４側に位置する引 張コイルばね５３だけとしてもよく、その場合には、引張コイルばね５３の配置 等についての自由度が広くなるため構造を一層簡易なものとすることができる。 また、一対の係合突起４５，４５側に位置する一対の圧縮コイルばね５４，５４ だけとしてもよく、その場合には、一対の圧縮コイルばね５４，５４が外部から から見えにくい箇所であるため外観品質の向上を図ることができる。

【００２４】

【考案の効果】

以上説明したように本考案のロック機構においては、シート本体のスライド動 作を規制、解除するロック部材が直接操作される単純な構成であり、またその実 現に要する部品点数が少ないことから低コスト化が可能となる。よって、台座に 対してシート本体がスライド可能なチャイルドシートを安価に提供することが可 能となる。また、ロック部材を台座に設ければ、シート本体のスライド位置に関 係なくロック部材の操作部の位置が一定となり、良好な使い勝手が確保できる。 また、ロック部材が回動自在でかつその回動中心を隔てた一端側と他端側とのう ちの少なくともいずれか一方側に付勢手段が設けられたものでは、構造を一層簡 易なものとするや、外観品質の向上を図ることが可能となる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施の形態を示すチャイルドシート
の右側面図である。

【図２】シート本体の背面図である。

【図３】ストライカーの取付位置を示すシェルの側面図
である。

【図４】台座を示すの平面図である。

【図５】ロックレバーの状態を示す図４のＡ−Ａ断面図
である。

【符号の説明】

１ シート本体 ２ 台座 １２ 脚部 １６ 湾曲凸部 １７ 第１のストライカー １８ 第２のストライカー １７ａ 係止穴 １８ａ 係止穴 ４１ リクライニングレバー ４４ 操作部 ４５ 係合突起 ５３ 引張コイルばね ５４ 圧縮コイルばね

Claims (5)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 車室内の座席に載置される台座と、この
   台座にスライド自在に保持されたシート本体とからなる
   チャイルドシートに設けられ、前記シート本体のスライ
   ド位置を固定するロック機構において、 前記台座と前記シート本体との一方側に、シート本体の
   スライド方向に沿った複数箇所に位置して第１の係合部
   を設け、前記台座と前記シート本体との他方に、前記第
   １の係合部に係脱する第２の係合部を有するとともに、
   この第２の係合部が前記第１の係合部に係合し前記シー
   ト本体のスライドを阻止するロック状態、及びこのロッ
   ク状態が解除されたアンロック状態に動作可能に支持さ
   れたロック部材と、このロック部材を前記ロック状態に
   付勢する付勢手段とを設けるとともに、前記ロック部材
   に、これを前記付勢手段の付勢力に抗してアンロック状
   態へ操作するための操作部を設けたことを特徴とするチ
   ャイルドシートのロック機構。
2. 【請求項２】 車室内の座席に載置される台座と、この
   台座にスライド自在に保持されたシート本体とからなる
   チャイルドシートに設けられ、前記シート本体のスライ
   ド位置を固定するロック機構において、 前記台座と前記シート本体との一方側に、シート本体の
   スライド方向に沿った複数箇所に位置して第１の係合部
   を設け、前記台座と前記シート本体との他方に、前記第
   １の係合部に係脱する第２の係合部を有するとともに、
   この第２の係合部が前記第１の係合部に係合し前記シー
   ト本体のスライドを阻止するロック状態、及びこのロッ
   ク状態が解除されたアンロック状態に回動自在に支持さ
   れたロック部材と、このロック部材の回動中心を隔てた
   一端側と他端側とのうちの少なくともいずれか一方側に
   て前記ロック部材を前記ロック状態に付勢する付勢手段
   とを設けるとともに、前記ロック部材に、これを前記付
   勢手段の付勢力に抗してアンロック状態へ操作するため
   の操作部を設けたことを特徴とするチャイルドシートの
   ロック機構。
3. 【請求項３】 前記ロック部材を前記台座に設けたこと
   を特徴とする請求項１又は２記載のチャイルドシートの
   ロック機構。
4. 【請求項４】 前記第１の係合部と前記第２の係合部と
   の一方側を係合穴とし、かつ他方側を係合穴に内嵌され
   る係合突起としたことを特徴とする請求項１，２又は３
   記載のチャイルドシートのロック機構。
5. 【請求項５】 前記係合穴の開口部を金属板により形成
   したことを特徴とする請求項４記載のチャイルドシート
   のロック機構。