JP3068390B2 - シート成形品及びその製造方法 - Google Patents

シート成形品及びその製造方法

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JP3068390B2
JP3068390B2 JP27453693A JP27453693A JP3068390B2 JP 3068390 B2 JP3068390 B2 JP 3068390B2 JP 27453693 A JP27453693 A JP 27453693A JP 27453693 A JP27453693 A JP 27453693A JP 3068390 B2 JP3068390 B2 JP 3068390B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、成形用シートを真空成
形又は圧空成形することによって成形されているシート
成形品に関し、特に、建築、土木の分野に使用できる、
予め、成形後粘着層を有するシート成形品及びその製造
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の真空成形及び圧空成形に使用され
るシ−トにおいては、厚手の粘着層を有するものはな
く、粘着層が必要な成形品は、成形後粘着層を貼ってい
たり、接着剤を塗布したりしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来の粘着層を持っていないシ−トにより成形され
た成形品の複雑な形状に粘着層をつけるには、通常のコ
−ティングでは困難であり、手貼りにより後加工されて
いたため、生産性やコストに問題があった。また、粘着
層を後で貼り付けると粘着層の継ぎ目に段差が生じるた
め、成形品の貼り付け後の収まりが悪くなったり、シ−
トと粘着層の間に空気層ができたりするという問題があ
った。
【0004】本発明の目的は、被着体との間で、優れた
止水性が得られる成形後粘着層を備えたシート成形品を
得ることである。また、本発明の目的は、予め、シート
成形品に均一な厚さで成形後粘着層を形成することであ
る。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、成形用シート
を真空成形又は圧空成形することによって成形されてい
るシート成形品であり、前記シート成形品と被着体との
間で止水性が得られるシート成形品であって、前記成形
用シートが、熱可塑性シートと、前記熱可塑性シートの
片面又は両面上の粘着層と、前記粘着層上の離型フィル
ムとを備えており、前記粘着層が0.5mm以上の厚
さ、40〜140の針入度、及び90〜180℃の軟化
点を有しており、前記離型フィルムを成形用型に接触さ
せた状態で前記成形用シートを前記真空成形又は前記圧
空成形することによって、前記熱可塑性シートが成形さ
れると同時に前記粘着層から前記熱可塑性シートと前記
離型フィルムとの間で均一な厚さの成形後粘着層が形成
され、前記離型フィルムの剥離及び前記成形後粘着層の
前記被着体への接着によって、前記止水性が得られるこ
とを特徴とする、シート成形品に係るものである。ま
た、本発明は、成形用シートを真空成形又は圧空成形す
ることによってシート成形品を得るにあたり、前記成形
用シートが、熱可塑性シートと、前記熱可塑性シートの
片面又は両面上の粘着層と、前記粘着層上の離型フィル
ムとを備えており、前記離型フィルムを成形用型に接触
させ、前記成形用シートを前記真空成形又は前記圧空成
形し、前記熱可塑性シートを成形すると同時に前記粘着
層によって前記熱可塑性シートと前記離型フィルムとの
間で均一な厚さの成形後粘着層を形成させることを特徴
とする、シート成形品の製造方法に係るものである。
【0006】
【作用】本発明のシート成形品は、所定の厚さ、針入
度、及び軟化点を有する粘着層から形成された均一な厚
さの成形後粘着層を有するので、この成形後粘着層の被
着体への接着によって、優れた止水性が得られる。ま
た、本発明のシート成形品の製造方法は、成形用シート
の離型フィルムを成形用型に接触させ、成形用シートを
真空成形又は圧空成形し、熱可塑性シートが成形される
と同時に粘着層によって熱可塑性シートと離型フィルム
との間で均一な厚さの成形後粘着層が形成されるので、
シート成形品に離型フィルムで覆われた継ぎ目等のない
均一な厚さの成形後粘着層を形成することができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づき詳細に
説明する。図1〜図4は、それぞれ本発明にかかる成形
用シートの第1〜第4例の構成を示している。図1〜図
4において、1は熱可塑性シート、2は粘着層、3は離
型フィルム、4は発泡シートである。
【0008】図1の成形シートは、熱可塑性シート1の
片面に粘着層2を形成し、その上を離型フィルム3で覆
ったものである。この成形シートは成形品を作製する
と、片面のみ成形後粘着層を得られるもので、被着体の
不陸も成形後粘着層の厚さで吸収できるものに適してい
る。例えば、防食材や防水材の成形品に使用することが
できる。
【0009】成形用シートの基材として使用する熱可塑
性シート1としては加熱することにより軟化した可塑性
を示すポリエチレン(PE)、エチレンビニルアセテー
ト(EVA)、ポリプロピレン、塩化ビニル、ポリスチ
レン等のシートが適用される。
【0010】熱可塑性シート1の厚さとしては、貼り付
け作業性を重要とするものは、0.5mm程度のEVA
(エチレンビニルアセテート)やPE(ポリエチレン)
が良く、熱可塑性シート1に保護性能を要求されるもの
は、1.0 〜2.0 mm程度で、耐衝撃性を満足するPEも
しくは塩化ビニル等を選択することが望ましい。
【0011】粘着層2に使用できるベースポリマーとし
ては、例えば、ブタジエンゴム、ブチルゴム、ニトリル
ゴム、エチレン−プロピレンターポリマー、シリコンゴ
ム、ポリイソブチレン、ブタジエン、スチレンゴム、ス
チレン−ブタジエンスチレンブロックコポリマー、スチ
レン−スチレンブロックコポリマー、天然ゴム、イソプ
レンゴム、ブチル再生ゴム等が上げられ、ブチル再生ゴ
ムが好適に使用される、又上記ポリマーに添加される配
合剤としては炭酸カルシウム、クレー、タルク、亜鉛
華、カタルポ、カーボンブラック等の充填剤、液状ゴ
ム、油等の軟化剤、ロジン、石油樹脂等の粘着付与剤、
顔料等が適宜選択されて使用されており、粘着層の厚さ
は、成形後の粘着力を確保し、貼り付け面の不陸を吸収
するためには、0.5mm以上必要であり、防食材、防
水材では粘着力、不陸吸収性、経済性の点で1〜2mm
の厚さが好ましい。
【0012】また、成形時の成形性及び成形後の粘着層
の均一性、凝集力の点から粘着層の柔らかさは、針入度
で40〜140、軟化点は90〜180℃が望ましい。
針入度が40より低いと成形後のなじみが悪く、140
より高いと成形後粘着層の凝集力が不十分である。また
軟化点が90℃より低いと成形時前にフローし、成形後
粘着層の厚さが不均一となる。また180℃より高いと
成形性に問題がある。
【0013】離型フィルム3は、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン等のフィルムに、シリコン等の離型処理をした
もので、成形時及び離型フィルムを剥がす時にやぶれが
生じないような厚みを適宜選定すれば良い。
【0014】離型フィルム3は粘着層の保護として使用
されるため、剥がすさいに、なめらかに剥がすことがで
きることが必要で、厚さは成形時及び離型フィルムを剥
がす時にやぶれが生じないような厚さを適宜選択すれば
良いが、ポリエチレン、ポリプロピレン等の場合には、
80μ〜150μ程度の厚さのものが好適であり、成形
深さが、大きくなるほど厚い離型フィルムを使用する。
【0015】この成形用シートから成形品を作成する成
形条件の例としては、例えば、PE(1.0 mm)+粘着
層(1.0 mm)+PE離型フィルム(100μ)の構成
の時を例とすると、上記、成形用シートの上・下から遠
赤外線ヒーターにより、ヒーター表面温度300℃、ヒ
ーターから成形用シートまでの距離7cmの時、1分1
5秒加熱したのち、真空成形もしくは圧空成形を行なう
ことによりシート成形品を得ることができる。
【0016】図2の成形用シートは、熱可塑性シート1
の両面に粘着層2を形成したものであり、それぞれの粘
着層2上を離型フィルムで保護した、成形用シートで、
成形品を作製すると、両面に成形後粘着層を得られ、被
着体の不陸も成形後粘着層の厚さで吸収するようにした
ものである。この成形用シートから得られるシート成形
品は、シート成形品を貼り付けたのち、さらに、その上
から、コンクリートを打設したり、シート等を貼り付け
る等シート成形品を貼り付けた後さらにその上に被着体
がある場合に適した構成である。
【0017】例えば、止水材の成形品に使用したもので
は、熱可塑性シート1に厚さ0.5 mm程度の硬質塩化ビ
ニルを用い、粘着層2の厚さを、1.5 mm程度としたも
のを使用することができる。また、離型フィルム3は、
粘着層の保護として使用されるため、使用する前に、な
めらかに剥がすことができることが必要で、厚さは80
μ〜150μ程度で成形深さが大きくなるほど、厚い離
型フィルムを使用する。
【0018】この成形用シートからシート成形品を作成
する成形条件の例としては、例えばPE離型フィルム
(100μ)+粘着層(1.5 mm)+硬質塩化ビニル
(0.5 mm)+粘着層(1.5 mm)+PE離型フィルム
(100μ)の構成の時を例とすると、上記成形用シー
トの上・下から遠赤外線ヒーターにより、ヒーター温度
280℃、ヒーターから成形用シートまでの距離7cm
の時、1分40秒加熱したのち真空成形もしくは圧空成
形を行なうことによりシート成形品を得ることができ
る。
【0019】図3の成形用シートは、熱可塑性シート1
の片面に粘着層2を形成した場合の他の例であり、この
成形用シートは熱可塑性シート1と離型フィルム3で覆
った粘着層2との間に発泡シート4を配設したものであ
る。発泡シート4は、被着体の不陸もしくは寸法誤差が
大きく成形後粘着層の厚さのみで不陸もしくは寸法誤差
が十分に吸収できない時やクッション性が必要な時に使
用し、発泡シートとしては、ポリエチレン、塩化ビニル
等が適用される。
【0020】この例の成形シートは、例えば、ポリエチ
レンらせん管の継手材に使用することができる。通常ポ
リエチレンらせん管のような押し出し成形品は、ロット
により寸法がばらつきこれを、成形後粘着層の厚さのみ
で吸収するには、経済性の点からも好ましくない。そこ
で、この図3の例では、より大きな不陸を吸収するた
め、熱可塑性シート1と、粘着層2の間に発泡シート4
をはさみ込んだものである。
【0021】例えば、ポリエチレンらせん管の継手材の
場合、熱可塑性シート1としては、保護性と強度を必要
とするため硬質塩化ビニルシート1.0 mm厚に、発泡シ
ート4としては熱可塑性シート1と同種の塩化ビニル発
泡体を用い、厚さはポリエチレンらせん管の寸法誤差を
考慮し3mmとし、粘着層2の厚さは1.5 mm程度のも
のが使用できる。また、離型フィルム3は、粘着層の保
護として使用されるため、使用前になめらかに剥がすこ
とができることが必要で厚さは80〜150μ程度で、
成形深さが大きくなるほど、厚い離型フィルムを使用す
る。
【0022】この成形用シートからシート成形品を作成
する成形条件の例としては、例えば硬質塩化ビニルシー
ト(1.0 mm)+塩化ビニル発泡体(3.0 mm)+粘着
層(1.5 mm)+PE離型フィルム(100μ)の構成
の時を例とすると、上記成形用シートの上下から遠赤外
線ヒーターにより、ヒーター表面温度300℃ヒーター
から成形用シートまでの距離、上方向3cm、下方向1
0cmの時、1分30秒加熱したのち、真空成形もしく
は、圧空成形を行なうことによりシート成形品を得るこ
とができる。
【0023】図4の成形用シートは、熱可塑性シート1
の片面に粘着層2を積層し、離型フィルム3で保護し、
さらに、熱可塑性シート1のもう片面に、発泡シート4
を積層し、さらに粘着層を積層し、離型フィルム3で保
護した成形用シートで、シート成形品を作製すると両面
とも成形後粘着層を得られるもので、シート成形品を貼
り付けるさいに、不陸もしくは寸法誤差が大きく、成形
後粘着層のみで不陸もしくは寸法誤差が吸収できないよ
うな物への貼り付けと、さらにその上からコンクリート
を打設したり、シートを貼り付ける等シート成形品を貼
り付けた後さらに、その上に被着体がある場合に適した
構成で、例えば非常に不陸が大きく、図2の成形用シー
トの構成では、不十分な場合の止水材のシート成形品等
に使用できる。熱可塑性シート1の厚さとしては、0.5
mm程度の硬質塩化ビニルに粘着層2の厚さは1.5 mm
程度で、発泡シート4は塩化ビニル発泡体1.5 mmで、
離型フィルム3は粘着層の保護として使用されるため、
使用前に、なめらかに剥がすことができることが必要
で、厚さは80〜150μ程度で、成形深さが大きくな
るほど厚い離型フィルムを使用する。
【0024】この成形用シートからシート成形品を作成
する成形条件の例としては、例えば、離型フィルム(1
00μ)+粘着層(1.5 mm)+硬質塩化ビニル(0.5
mm)+塩化ビニル発泡体(1.5 mm)+粘着層(1.5
mm)+PE離型フィルム(100μ)の構成の時を例
とすると、上記成形用シートの上下から遠赤外線ヒータ
ーにより、ヒーター表面温度280℃、ヒーターから成
形用シートまでの距離、上方向3cm、下方向10cm
の時1分45秒加熱したのち、真空成形もしくは、圧空
成形を行なうことによりシート成形品を得ることができ
る。
【0025】〔実験例〕次に本発明の実施例と比較例と
の比較実験の結果を掲げて、本発明を説明するが、本発
明はこれに限定されるものではない。
【0026】〔実験例1〕まず、図1の構成の発明の実
施例についての比較実験の結果について説明する。この
実施例及び比較例において使用した材料は、特に断わり
のない限り次のものを使用した。 ポリエチレンシート EH(N)1mm厚 (新神戸電
機(株)) 離型フィルム フィルムバイナ 100LD
(藤森工業(株))
【0027】本発明の実施例と比較例の試験体の作製
は、所定の性能をもった粘着剤を押出機によって粘着層
の厚さ1.0 mmとなるように押し出し1.0 mm厚のポリ
エチレンシート上に積層し、100μ厚の離型フィルム
で保護したものを、上記成形用シートの上・下から遠赤
外線ヒーターにより、ヒーター表面温度300℃、ヒー
ターから成形用シートまでの距離7cmとして1分15
秒加熱した後、離型フィルム方向から真空成形により成
形して作製した。
【0028】また、従来品の試験体の作製は、ポリエチ
レンシートを真空成形により成形したのち、所定の厚さ
に押し出された粘着層を手貼りにより貼りつけることに
より作製した。これらの型形状は、実施例、比較例につ
いては、一片30mmの立方体を、従来品については、
一片31mmの立方体を用いた。
【0029】次に試験方法について説明する。針入度の
測定方法は、JIS−K−2207(石油アスファル
ト)により行った。ただし荷重は100g、5秒間で行
う。軟化点の測定方法は、JIS−K−2207(石油
アスファルト)により行った。粘着保持力については、
成形品を25mm幅で切り取ったものを脱脂した鋼板に
貼り合わせ2Kgのゴムローラーで2往復圧着したの
ち、300mm/minの速度で180°剥離を行い、
成形前の粘着力と比較し保持力が50%以上のものを
○、50%以下のものを×として評価した。
【0030】成形性については、粘着層面のエッヂを目
視し、粘着層の角が丸くなっているものは×、角がでて
いるものを○と評価した。粘着層の均一性については、
基材であるポリエチレンの厚みの変化率と比較して、厚
み変化が50%以内であれば○、50%以上の時は×と
評価した。
【0031】止水性の試験方法は、外寸30×30×2
00mmの角パイプに、成形品を取り付けたものに、水
を高さ100mmまで入れ、1時間後水モレが発生する
かどうかをみて、モレが発生したものを×、モレないか
ったものを○と評価した。
【0032】
【表1】
【0033】第1表の結果より、まず粘着層の厚さを変
えた場合について考察する。比較例1は、粘着層の厚さ
をうすくした場合で、成形後粘着層の厚みを確保できな
いため、粘着力が低下し、また不陸吸収ができないた
め、止水性が発揮できない。実施例2は粘着層の厚さを
厚くした場合で性能的には問題はないが、経済性に問題
がある。
【0034】次に、針入度を変化させた場合について考
察する。比較例3は、針入度が小さく、常温での粘着層
が硬いため、貼り付け時の馴染みが少ないため、止水性
に問題がある。比較例4は、針入度が大きく、常温での
粘着層が柔らかいため、貼り付け時のなじみは良いが、
成形後粘着層の疑集力が弱いため、止水性に問題があ
る。
【0035】次に、軟化点を変化させた場合について考
察する。比較例4は、軟化点が高い場合で、成形時の粘
着層が硬いため、成形性が良くなく止水性に問題があ
る。
【0036】比較例5は、軟化点が低い場合で、成形時
の粘着層が柔らかく、粘着層の流動性が大きく、成形後
粘着層の厚みが不均一となるため、成形後の粘着力の低
下及び止水性に問題がある。
【0037】次に、従来方法(粘着層を後貼りした場
合)の試験結果について考察する。従来品1は、厚さ1
mmの粘着層を成形品の内面に手貼りしたもので、粘着
層の継ぎ目の段差や、すきまが発生し、粘着層が不均一
であるため止水性に問題がある。また、後貼りでは、貼
り付けが、手作業となるため、経済性にも問題がある。
更に、粘着層を保護するための離型フィルムも立体的で
あるため、十分な保護ができない。
【0038】実施例1は、本発明による最適条件でのシ
ート成形品で、成形後粘着層の均一性がよく、シート成
形品の止水性も、経済的に発揮されている。
【0039】〔実験例2〕 次に図2の構成の発明の実施例についての比較実験の結
果を掲げて本発明を説明するが、この実施例及び比較例
において使用した材料は、特に断りない限り次のものを
使用した。 熱可塑性シート 硬質塩化ビニルシート エスビロンシート0.5 厚 (積水成形工業(株)製) 粘着層 針入度(25℃) 105 軟化点 165 厚さ 1.5 (早川ゴム(株)製) 離型フィルム フィルムバイナ 100LD (藤森工業(株)製)
【0040】本発明の比較例の試験体の作製は、粘着剤
を押出機によって厚さ1.5 mmで押し出し硬質塩化ビニ
ルシートと積層し離型フィルムで保護したものを比較例
の成形用シートとし、実施例の成形用シートは比較例の
成形用シートの粘着層のない方の面に押出機によって厚
さ1.5 mmに出された粘着層を積層し、離型フィルムで
保護し、ポリエチレンシートの両面に粘着層が積層され
た成形用シートを得る。
【0041】シート成形品の成形に際して、比較例の成
形用シートは、成形用シートの上・下から遠赤外線ヒー
ターにより、ヒーター温度300℃、ヒーターから成形
用シートまでの距離7cm、1分15秒加熱したのち、
図5に示される形状の型で離型フィルム面に真空成形に
より成形する。実施例の成形用シートは、成形用シート
の上・下から遠赤外線ヒーターにより、ヒーター温度2
80℃、ヒーターから成形シートまでの距離7cmの時
1分40秒加熱したのち、図5に示される形状で真空形
状より破線部分で裁断し、図6に示すようなシート成形
品を得た。
【0042】次に、図7を参照して、試験方法について
説明する。作製した試験体を平らなコンクリート板5に
貼り付けたのち、20mmφ×200mmのパイプをシ
ート成形品の円柱にのせ、実施例のシート成形品は、上
面の離型フィルムを剥がしたのち、比較例のシート成形
品はそのままで、モルタルを高さ10cmまで打ち、2
0mmφ×200mmのパイプを引き抜き図7に示すよ
うな試験体を作製し、水を流し込み、1時間後水モレが
発生するかどうかをみた。
【0043】実施例では両面に粘着層があるため、水モ
レは発生しなかったが、比較例では片面しか粘着層がな
いため、シート成形品上面のポリエチレンシートの界面
より水みちができコンクリートの打ち継ぎ部より水モレ
が発生した。
【0044】〔実験例3〕 次に、図3の構成の発明の実施例と比較実験の結果を掲
げて本発明を説明するが、この実施例及び比較例におい
て使用した材料は特に断りのない限り次のものを使用し
た。 ポリエチレンシート EH(N)1mm厚(新神戸電機(株)製) 粘着層 針入度(25℃) 105 軟化点 165 厚さ 1.5 mm (早川ゴム(株)製) 発泡シート ソフトロンNF C♯3000 2mm(積水化学(株)製) 離型フィルム フィルムバイナ 100LD (藤森工業(株)製)
【0045】本発明の実施例の試験体の作製は粘着剤を
押出機によって厚さ1.5 mmで押し出し、発泡シートと
積層し、離型フィルムで保護する。次に発泡シート面
に、表面をヒーターで加熱し少し軟化したポリエチレン
シートをローラーで圧着積層し、成形用シートとした。
この成形用シートの上下から遠赤外線ヒーターにより、
ヒーター表面温度300℃、ヒーターから成形用シート
までの距離、上方向3cm、下方向10cmの時、1分
30秒加熱したのち、下方向より真空成形により成形し
て作製した。
【0046】また、比較例の試験体の作製は、粘着剤を
押出機によって厚さ1.5 mmで押し出しポリエチレンシ
ートと積層し、離型フィルムで保護したものを比較例の
成形用シートとした。この成形用シートの上下から遠赤
外線ヒーターにより、ヒーター表面温度300℃、ヒー
ターから成形用シートまでの距離7cmの時、1分15
秒加熱したのち、下方向より真空成形により成形して作
製した。
【0047】これらの型形状は、実施例、比較例とも一
片30mmの立方体を用いた。このようにして作製した
試験体を、外寸30×30×200mmの角パイプの表
面に、高さ1.5 mm、直径1mmの突起を5mm間隙で
つけ、不陸としたものに実施例及び比較例の成形品を取
り付けたものに、水を高さ100mmまで入れ、1時間
後水モレが発生するかどうかを見た。実施例では、2m
m厚の発泡シートが、積層されているため、高さ1.5 m
m、直径1mmの突起を吸収し、水モレは発生しなかっ
たが、比較例では、粘着層だけでは、高さ1.5 mm、直
径1mmの突起を吸収出来ずに、すぐに水モレが発生し
た。
【0048】〔実験例4〕 次に、図4の構成の発明の実施例についての比較実験の
結果を掲げて、本発明を説明するが、この実施例及び比
較例において使用した材料は特に断りのない限り、次の
ものを使用した。 熱可塑性シート 硬質塩化ビニルシート エスビロンシート 0.5 mm厚 (積水成形工業(株)製) 発泡シート 塩ビ発泡体 TP−315 1.5 mm厚 (サンスター技研(株)製) 粘着層 針入度(25℃) 105 軟化点 165 厚さ 1.5 mm (早川ゴム(株)製) 離型フィルム フィルムバイナ 100LD (藤森工業(株)製)
【0049】本発明の実施例の試験体の作製は粘着剤を
押出機によって厚さ1.5 mmで押し出し、硬質塩化ビニ
ルシートと積層し、離型フィルムで保護する。次に粘着
剤を押出機によって厚さ1.5 mmで押し出し、発泡シー
トと積層し、離型フィルムで保護する。この積層シート
の発泡シート面をヒーターで加熱し、硬質塩化ビニルシ
ートと粘着層を積層し離型フィルムで保護されたシート
の硬質塩化ビニルシート面をローラーで圧着積層し実施
例の成形用シートとした。これの上・下から遠赤外線ヒ
ーターにより、ヒーター温度280℃、ヒーターから成
形用シートまでの距離上方向3cm、下方向10cmの
時、1分45秒加熱したのち、図5に示される形状の型
で真空成形により成形し、破線部分で裁断し、図6のよ
うなシート成形品を得た。
【0050】比較例の試験体の作製は、粘着剤を押出機
によって厚さ1.5 mmで押し出し、硬質塩化ビニルシー
トと積層し、離型フィルムで保護したのち、粘着層のな
い方の面に、押出機によって厚さ1.5 mmに出された粘
着層を積層し、離型フィルムで保護し、ポリエチレンシ
ートの両面に、粘着層が積層された、比較用成形用シー
トを得る。これを上・下から遠赤外線ヒーターにより、
ヒーター温度280℃、ヒーターから成形用シートまで
の距離7cmの時、1分40秒加熱したのち、図5に示
される形状の型で真空成形により成形し破線部分で裁断
し作製した。
【0051】次に試験方法について説明する。作製した
試験体を、高さ1.5 mm直径1mmの突起を5mm間隙
で設けた平らなコンクリート面に貼り付けた後、20m
mφ×200mmのパイプをシート成形品の円柱にの
せ、離型フィルムを剥がしたのちモルタルを打ち、図7
に示すような試験体を作製し、水を流し込み、1時間後
水モレが発生するかどうかをみた。実施例では、成形用
シートに発泡体が積層されているため、直径1mm、高
さ1.5 mmの突起を吸収し、水モレは発生しなかった
が、比較例では、突起を吸収出来なかったため水モレが
発生した。このように、本発明のシート成形品は、成形
後粘着層が成形と同時に得られるため、後貼りを行うよ
り生産性が高く、しかもこの成形後粘着層が均一である
ため、継ぎ目等の段差もなく、また、複雑な形状に成形
しても、後貼りに見られる空気層の咬み込み等がない成
形品が得られる等の種々の利点を有し、建築、土木、機
械工業等の分野の気密性、液密性を要する部材の継ぎ手
部分等において極めて高い実用価値の得られるものであ
る。
【0052】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明のシート
成形品は、所定の厚さ、針入度、及び軟化点を有する粘
着層から形成された均一な厚さの成形後粘着層を有する
ので、この成形後粘着層の被着体への接着によって、優
れた止水性が得られる。また、本発明のシート成形品の
製造方法は、成形用シートの離型フィルムを成形用型に
接触させ、成形用シートを真空成形又は圧空成形し、熱
可塑性シートを成形すると同時に粘着層によって熱可塑
性シートと離型フィルムとの間で均一な厚さの成形後粘
着層を形成できるので、シート成形品に離型フィルムで
覆われた継ぎ目等のない均一な厚さの成形後粘着層を形
成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかる成形用シ−トの第一例の断面
図。
【図2】 本発明にかかる成形用シ−トの第二例の断面
図。
【図3】 本発明にかかる成形用シ−トの第三例の断面
図。
【図4】 本発明にかかる成形用シ−トの第四例の断面
図。
【図5】 実験に用いた成形用型の形状及び裁断位置を
示す斜視図。
【図6】 実験に用いたシート成形品の斜視図。
【図7】水モレ試験を行なった試験体の斜視図。
【符号の説明】
1 熱可塑性シ−ト 1a 円筒部 1b フランジ部 2 粘着層 3 離型フィルム 4 発泡シ−ト 5 コンクリート板 6 後打ちコンクリート 7 水流し込み口 8 シート成形品

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形用シートを真空成形又は圧空成形す
    ることによって成形されているシート成形品であり、前
    記シート成形品と被着体との間で止水性が得られるシー
    ト成形品であって、 前記成形用シートが、熱可塑性シートと、前記熱可塑性
    シートの片面又は両面上の粘着層と、前記粘着層上の離
    型フィルムとを備えており、前記粘着層が0.5mm以
    上の厚さ、40〜140の針入度、及び90〜180℃
    の軟化点を有しており、前記離型フィルムを成形用型に
    接触させた状態で前記成形用シートを前記真空成形又は
    前記圧空成形することによって、前記熱可塑性シートが
    成形されると同時に前記粘着層から前記熱可塑性シート
    と前記離型フィルムとの間で均一な厚さの成形後粘着層
    が形成され、前記離型フィルムの剥離及び前記成形後粘
    着層の前記被着体への接着によって、前記止水性が得ら
    れることを特徴とする、シート成形品。
  2. 【請求項2】 前記熱可塑性シートと前記粘着層との間
    に、発泡シートが設けられていることを特徴とする、請
    求項1記載のシート成形品。
  3. 【請求項3】 成形用シートを真空成形又は圧空成形す
    ることによってシート成形品を得るにあたり、 前記成形用シートが、熱可塑性シートと、前記熱可塑性
    シートの片面又は両面上の粘着層と、前記粘着層上の離
    型フィルムとを備えており、前記離型フィルムを成形用
    型に接触させ、前記成形用シートを前記真空成形又は前
    記圧空成形し、前記熱可塑性シートを成形すると同時に
    前記粘着層によって前記熱可塑性シートと前記離型フィ
    ルムとの間で均一な厚さの成形後粘着層を形成させるこ
    とを特徴とする、シート成形品の製造方法。
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