JP3068079B1 - 道路舗装用改質アスファルト、その製造方法、並びに道路舗装用改質アスファルトにおける相分離抑制方法 - Google Patents

道路舗装用改質アスファルト、その製造方法、並びに道路舗装用改質アスファルトにおける相分離抑制方法

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JP3068079B1
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Abstract

【要約】 【課題】 アスファルト改質材の混合割合が高い高粘度
改質アスファルトにおいて、油性界面活性剤の使用によ
り熱可塑性エラストマとアスファルトとの相分離抑制を
行えるようにすること。 【解決手段】 スチレン・ブタジエン・スチレン共重合
体(SBS)をアスファルト改質材としてストレートア
スファルトに混合してなる改質アスファルトにおいて、
相溶化剤と相分離抑制剤とを併用することにより、SB
Sの高混合領域での相分離抑制効果を得ることができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性エラスト
マなどのアスファルト改質材の高い混合率を有する道路
舗装用改質アスファルトにおいて、相溶化剤と相分離抑
制剤とを併用することによりアスファルト改質材とアス
ファルトとの相分離を効果的に抑制する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】道路舗装には、施工後の養生期間の長い
コンクリート舗装に代わって、所定粒度の砕石などの骨
材を混合するアスファルト混合物を使用したアスファル
ト舗装が広く採用されている。
【0003】アスファルトは、粘度や硬度などの温度依
存性が大きい混合物質である。そのため、例えば、夏期
の炎天下では路面のアスファルトが高温により軟化して
流れたり、あるいは、通行車両の重量により車輪の轍が
できて路面に凸凹が発生するなどの現象がみられた。
【0004】逆に外気温の下がる冬期には、路面のアス
ファルトは硬くなり、柔軟性が失われ、舗装面のひび割
れや摩耗が発生した。特に、チェーンやスパイクなどを
装着した車両通行が頻繁となる降雪地域では、路面の摩
耗が激しく、道路周辺域の粉塵公害が大きな社会問題と
なる場合もある。
【0005】上記アスファルトの硬度や粘度などの温度
依存性に対する対策は、改質材をアスファルトに混合す
ることにより行っている。アスファルト改質材として
は、例えば、耐摩耗性、耐流動性の改善目的で、スチレ
ン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)
に代表される熱可塑性エラストマなどが使用されてい
る。その他にも、アスファルトの改善目的に合わせて、
ゴムや、熱可塑性樹脂などの種々のアスファルト改質材
が使用されている。
【0006】耐摩耗性、耐流動性の改善目的で混合され
る熱可塑性エラストマでは、その混合割合は、アスファ
ルトの改質目的により種々設定されることとなる。道路
舗装の分野では、一般的には、舗装作業時の作業性から
の要請もあり、適度な流動性が保たれる範囲として、石
油樹脂などと合わせて約15重量%以下の混合割合で混
合される場合が多い。
【0007】改質アスファルトは、アスファルトプラン
トなどのアスファルト製造工場で、通常は、約150〜
190℃の高温で種々の組成成分を混合して製造され
る。製造された改質アスファルトは、出荷まで製造時の
高温液状の状態で貯蔵されることとなる。
【0008】改質アスファルトの貯蔵期間が比較的長期
に亘り、且つほぼ静置された状態で貯蔵される場合に
は、改質アスファルト中の改質材とアスファルトとが相
分離を起こす。相分離を起こした状態では、アスファル
トの混合設計時に設定した所期性能は最早得られず、そ
のままの状態で道路舗装に使用することは適当でない。
【0009】そのため、長期間の貯蔵に際しては、製造
時の均一混合状態を維持する必要がある。改質アスファ
ルトの攪拌、循環などを高温で普段に行う設備が必要と
なり、併せて、その設備を適切に稼動させることが求め
られる。
【0010】しかし、アスファルト製造工場には種々の
規模があり、併せてプラントの立地条件などとの関係も
あり、現状では、相分離を起こさずに比較的長期間の貯
蔵が行える設備を、全てのアスファルト工場などに求め
ることは難しい。
【0011】また、アスファルトローリー車による運搬
に際しても、現場状況などによっては、長時間ローリー
内に留め置く事態も予想され、かかる場合にはローリー
内の改質アスファルトにも相分離が発生するものと考え
られる。
【0012】さらに、将来的には、トラック輸送などの
目ざましい重交通の増加が今以上に予想されるため、ア
スファルト舗装には重交通による轍掘れが発生しない対
策が強く求められている。かかる要請に際しては、改質
材の添加量を増加させる改質アスファルトの高粘度化が
一つの対策として提案されている。
【0013】しかし、熱可塑性エラストマの混合割合を
増加させると、貯蔵時における改質アスファルトはより
一層相分離が激しくなる。そこで、アスファルト改質材
とアスファルトとの実用的な混合割合における相分離抑
制技術の開発が強く求められていた。
【0014】本発明者らの一部は、先年、改質アスファ
ルト中の熱可塑性エラストマとアスファルトとの相分離
を抑制する技術として、熱可塑性エラストマと、アスフ
ァルトと、芳香族系鉱油とを混合した改質アスファルト
中に、特定量の石油樹脂を混合することにより効果的な
相分離抑制が行えることを、特開平6−107953号
公報に提案した。
【0015】かかる石油樹脂としては、石油系ナフサの
分解生成物であるスチレン類、インデン類などのC9留
分を重合して得た樹脂、およびこれらのC9留分とペン
テン類、イソプレン類、ピペリレンなどを含んだC5留
分との共重合樹脂が使用されている。
【0016】特に、上記構成では、芳香族系鉱油と石油
樹脂とを併用させることが必須の構成である。石油樹脂
の添加は、相分離抑制効果以外にも、芳香族系鉱油の混
合による改質アスファルトの軟化防止作用も担ってお
り、構成上欠かせない要素である。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】熱可塑性エラストマと
アスファルトとの相分離抑制技術としては、上記特開平
6−10795号公報に開示した方法も一つの有効な対
策ではあるが、本発明者らは、石油樹脂を使用しない方
法での相分離抑制技術の開発も必要と考え種々の実験を
重ねてその研究を行ってきた。
【0018】しかし、石油由来のアスファルトは種々の
化学物質の混合物であるため、化学合成などでその純度
がある程度保証されている物質とは異なり、その組成は
化学分析などで単純に解明できる程簡単ではなく、その
成分組成も産出地域により大きく異なるのが実情であ
る。
【0019】そのため、かかる改質アスファルトの相分
離抑制の技術分野では、明確な理論的背景に裏付けられ
た高い予測性の下で適切な相分離抑制剤を探索できる程
には、その技術が十分に確立されていない。試行錯誤的
に行う実際の実験などの積み重ねを通して、相分離抑制
に資することができる適性物質の探索、混合条件などを
見出しているのが現状である。
【0020】本発明者らの一部は、多数の試行錯誤的実
験で支えられた一連の研究の中で、石油樹脂を使用せず
に、油性界面活性剤の単独使用で、熱可塑性エラストマ
とアスファルトとの相分離抑制が得られることを初めて
見出し、その成果を特願平10−222692号として
開示した。
【0021】さらに、本発明者らは、かかる成果を適用
して、高粘度改質アスファルトへの製造研究を行った。
しかし、かかる高粘度改質アスファルトの製造研究の中
で、高粘度領域では、油性界面活性剤の単独使用では相
分離抑制効果が最早十分には得られない場合があること
に気がついた。油性界面活性剤の相分離抑制効果を熱可
塑性エラストマの高含有領域でも活かせる技術の開発が
急務と考えた。
【0022】併せて、理論的裏付けの乏しいこの分野で
は、少しでも実際の実験を重ねるなかで、相分離抑制物
質の選択基準の方向性が見える基準があれば好ましい。
かかる観点から、実験結果を見直すことにより、研究方
向の指標となるべき指針をも獲得できればと考えた。
【0023】本発明の目的は、アスファルト改質材の混
合割合の高い改質アスファルトにおいて、油性界面活性
剤などの相分離抑制剤の使用により熱可塑性エラストマ
などのアスファルト改質材とアスファルトとの相分離抑
制を行えるようにすることにある。
【0024】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述などからさらに明らかになる
でろう。
【0025】
【課題を解決するための手段】本発明の道路舗装用改質
アスファルトは、アスファルトと、アスファルト改質材
と、前記アスファルトに前記アスファルト改質材を分散
させる相溶化剤と、前記アスファルト改質材と前記アス
ファルトとの混合物中における前記アスファルトと前記
アスファルト改質材との相分離を抑制する相分離抑制剤
とを有する道路舗装用改質アスファルトの全量に対し
て、前記アスファルト改質材は、6〜8重量%含有さ
れ、前記相溶化剤は、1〜10重量%含有され、前記相
分離抑制剤は、0〜5重量%(0を含まない)含有さ
れ、前記相分離抑制剤は、前記相溶化剤により前記アス
ファルト改質材が前記アスファルトに略均一に分散させ
られた状態で加えられて混合させられ、前記相溶化剤
は、同一試料を上部と下部とに分けて、前記上部、前記
下部とでそれぞれ同一試験を行いその試験結果を比較し
て相分離状況を確認するアスファルト相分離確認試験の
うち25℃における針入度試験、軟化点試験の少なくと
も一方の試験の前記上部の値と前記下部の値との差が、
前記相溶化剤を加えない場合に比べて、前記相溶化剤を
加えた場合の方が、小さくなる相分離抑制傾向を示す石
油系オイルであり、前記相分離抑制剤は、同一試料を上
部と下部とに分けて、前記上部、前記下部とでそれぞれ
同一試験を行いその試験結果を比較して相分離状況を確
認するアスファルト相分離確認試験のうち25℃におけ
る針入度試験、軟化点試験の少なくとも一方の試験の前
記上部の値と前記下部の値との差が、前記相溶化剤を加
えない場合に比べて、前記相分離抑制剤を加えた場合の
方が、小さくなる相分離抑制傾向を示し、親水性親油性
バランス(HLB)値が、1〜15.5の油性界面活性
剤であることを特徴とする。
【0026】本発明の道路舗装用改質アスファルトは、
アスファルトと、アスファルト改質材と、前記アスファ
ルトに前記アスファルト改質材を分散させる相溶化剤と
しての石油系オイルと、前記アスファルトと前記アスフ
ァルト改質材との混合物中における前記アスファルトと
前記アスファルト改質材との相分離を抑制する相分離抑
制剤としての親水性親油性バランス(HLB)値が、1
〜15.5の油性界面活性剤とを有する道路舗装用改質
アスファルトの全量に対して、前記アスファルト改質材
は、6〜8重量%含有され、前記石油系オイルは、1〜
10重量%含有され、前記油性界面活性剤は、0〜5重
量%(0を含まない)含有されていることを特徴とする
道路舗装用改質アスファルト。
【0027】前記アスファルト改質材は、熱可塑性エラ
ストマであり、前記石油系オイルは、芳香族環を有する
物質、ナフテン環を有する物質、パラフィン鎖を有する
物質からなる3成分を有する石油系オイルであり、前記
油性界面活性剤は、ポリオキシエチレンノニルフェニル
エーテルであることを特徴とする。
【0028】前記熱可塑性エラストマは、スチレン・ブ
タジエン・スチレン共重合体(SBS)であり、前記石
油系オイルは、ASTM D 3238試験規格に基づ
く環分析における前記芳香族環由来の炭素の含有量(C
A)が、28≦CA<100(重量%)、前記ナフテン
環由来の炭素の含有量(CN)が0<CN≦58.0
(重量%)である石油系オイルであり、前記油性界面活
性剤は、ポリオキシエチレン(4.9)ノニルフェニル
エーテルであることを特徴とする。
【0029】本発明の道路舗装用改質アスファルトの製
造方法は、アスファルトと、アスファルト改質材と、前
記アスファルトに前記アスファルト改質材を分散させる
相溶化剤とを有する混合物に、前記アスファルト改質材
と前記アスファルトとの混合物中における前記アスファ
ルトと前記アスファルト改質材との相分離を抑制する相
分離抑制剤が、前記相溶化剤により前記アスファルト改
質材が前記アスファルトに略均一に分散させられた状態
で加えられて混合させられ、前記相溶化剤は、同一試料
を上部と下部とに分けて、前記上部、前記下部とでそれ
ぞれ同一試験を行いその試験結果を比較して相分離状況
を確認するアスファルト相分離確認試験のうち25℃に
おける針入度試験、軟化点試験の少なくとも一方の試験
の前記上部の値と前記下部の値との差が、前記相溶化剤
を加えない場合に比べて、前記相溶化剤を加えた場合の
方が、小さくなる相分離抑制傾向を示す石油系オイルで
あり、前記相分離抑制剤は、同一試料を上部と下部とに
分けて、前記上部、前記下部とでそれぞれ同一試験を行
いその試験結果を比較して相分離状況を確認するアスフ
ァルト相分離確認試験のうち25℃における針入度試
験、軟化点試験の少なくとも一方の試験の前記上部の値
と前記下部の値との差が、前記相溶化剤を加えない場合
に比べて、前記相分離抑制剤を加えた場合の方が、小さ
くなる相分離抑制傾向を示し、親水性親油性バランス
(HLB)値が、1〜15.5の油性界面活性剤である
ことを特徴とする。
【0030】本発明の道路舗装用改質アスファルトの製
造方法は、アスファルトと、アスファルト改質材と、前
記アスファルト改質材を前記アスファルトに分散させる
相溶化剤としての石油系オイルとを混合する混合工程
と、前記混合工程で混合された混合物に、前記アスファ
ルトと前記アスファルト改質材との相分離を抑制する相
分離抑制剤としての親水性親油性バランス(HLB)値
が、1〜15.5の油性界面活性剤を加えて混合する相
分離抑制剤混合工程とを有することを特徴とする。
【0031】本発明は、アスファルトに、アスファルト
改質材を分散させる相溶化剤としての石油系オイルを加
えて混合する相溶化剤混合工程と、前記相溶化剤混合工
程で混合された混合物に、前記アスファルト改質材を加
えて混合する改質材混合工程と、前記改質材混合工程で
混合された混合物に、前記アスファルトと前記アスファ
ルト改質材との相分離を抑制する相分離抑制剤としての
親水性親油性バランス(HLB)値が、1〜15.5の
油性界面活性剤を加えて混合する相分離抑制剤混合工程
とを有することを特徴とする。
【0032】前記アスファルト改質材は、熱可塑性エラ
ストマであり、前記石油系オイルは、芳香族環を有する
物質と、ナフテン環を有する物質と、パラフィン鎖を有
する物質とを有する石油系オイルであること特徴とす
る。
【0033】前記油性界面活性剤には、ポリオキシエチ
レンノニルフェニルエーテルが使用されていることを特
徴とする。
【0034】道路舗装用改質アスファルトの全量に対し
て、前記熱可塑性エラストマとして、スチレン・ブタジ
エン・スチレン共重合体(SBS)が、7〜8重量%混
合され、前記石油系オイルとして、ASTM D 32
38試験規格に基づく環分析における芳香族環由来の炭
素の含有量(CA)が28≦CA<100(重量%)で
ある石油系オイルが、1〜10重量%混合され、前記油
性界面活性剤として、ポリオキシエチレン(4.9)ノ
ニルフェニルエーテルが、0を含まずに5重量%以下混
合させられていることを特徴とする。
【0035】本発明は、道路舗装用の改質アスファルト
のアスファルト改質材とアスファルトとの相分離を相分
離抑制剤により抑制する方法であって、前記相分離抑制
剤は、親水性親油性バランス(HLB)値が、1〜1
5.5の油性界面活性剤であり、前記油性界面活性剤
は、前記アスファルトに、前記アスファルト改質材とし
ての熱可塑性エラストマが、相溶化剤としての石油系オ
イルを使用して略均一に混合された後に添加されて混合
されることを特徴とする。
【0036】上記構成の本発明では、熱可塑性エラスト
マなどのアスファルト改質材が、相溶化剤の使用によ
り、ストレートアスファルトなどのアスファルトに略均
一に、すなわち、実質的に均一と見做せる程度に、分散
させられている。分散させた後に、相分離抑制剤を添加
して混合している。
【0037】アスファルトの混合に際しては、アスファ
ルトと相溶化剤とを先に混合してアスファルトに相溶化
剤を略均一に分散させる、その後にアスファルト改質材
を加えて混合すればよい。より簡便には、アスファル
ト、相溶化剤、アスファルト改質材とを一度に加えて混
合するようにしても構わない。
【0038】このように本発明の構成では、相溶化剤で
アスファルトにアスファルト改質材を略均一に混合され
ている状態で相分離抑制剤が作用させられているので、
アスファルト改質材が不均一になり易いアスファルト改
質材の高含有領域でも相分離抑制効果が十分に発揮され
るものと思われる。
【0039】上記相溶化剤としては、アスファルト改質
材に応じて適宜選択して使用することとなるが、例え
ば、アスファルト改質材として熱可塑性エラストマを使
用する場合には、石油系オイルを使用すればよい。
【0040】石油系オイルとしては、芳香族環を有する
物質と、ナフテン環を有する物質と、パラフィン鎖を有
する物質とを有するものが好ましい。
【0041】より詳しくは、例えば、アスファルト改質
材としての熱可塑性エラストマにスチレン・ブタジエン
・スチレン共重合体(SBS)を使用した場合には、そ
の分散性を考慮して、ASTM D 3238の試験規
格に基づいた環分析における芳香族環由来の炭素の含有
量(以下、簡単にCAと表示する場合もある)が28≦
CA<100(重量%)、ナフテン環由来の炭素の含有
量(以下、簡単にCNと表示する場合もある。)が、0
<CN≦58.0(重量%)の市販の石油オイルを使用
すればよい。
【0042】熱可塑性エラストマとしては、上記SBS
の他に、スチレン・イソプレン・スチレン共重合体(S
IS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレン共重
合体(SEBS)などの合成ゴムを使用してもよい。使
用する熱可塑性エラストマは、1種に限らず、改質目的
に合わせて複数種を混合するように混合設計をしても構
わない。
【0043】上記アスファルト改質材を混合するアスフ
ァルトとしては、天然アスファルトでも、石油アスファ
ルトでも構わない。天然アスファルトとしては、例え
ば、ギルソナイト、トリニダッドなどが使用できる。石
油アスファルトとしては、ストレートアスファルト、ブ
ローンズアスファルトなどが使用できる。
【0044】相分離抑制剤として使用する油性界面活性
剤は、アスファルトやアスファルト改質材の種類に応じ
て適宜選択すればよいが、上記構成のアスファルト、ア
スファルト改質材としてゴム、あるいは熱可塑性エラス
トマを使用する場合には、油性界面活性剤の使用が好ま
しい。
【0045】油性界面活性剤としては、その界面活性の
尺度となるその親水性親油性バランス(HLB)値が、
1〜15.5である油性界面活性剤の使用が好ましい。
より詳しくは、本発明者らの実験では、例えば、ポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテルで好ましい結果が
得られた。特に好ましくは、ポリオキシエチレン(4.
9)ノニルフェニルエーテルを使用すればよい。
【0046】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。
【0047】(実施の形態1)本実施の形態では、アス
ファルトと、アスファルト改質材と、前記アスファルト
改質材をアスファルトとの高温混合時に、アスファルト
に実質的に均一と見做せるまで分散させることができる
相溶化剤と、改質アスファルトの貯蔵時におけるアスフ
ァルトとアスファルト改質材との相分離を抑制する相分
離抑制剤とを有する道路舗装用改質アスファルトについ
て述べる。
【0048】(実施例1)本実施例では、アスファルト
改質材として使用する熱可塑性エラストマが7重量%混
合されている場合である。
【0049】本発明の道路舗装用改質アスファルトで
は、アスファルトとして、針入度が60〜80度の範囲
内の性状を有したストレートアスファルト60−80が
使用されている。
【0050】アスファルト改質材としては、熱可塑性エ
ラストマとしてスチレン・ブタジエン・スチレン共重合
体(SBS)が使用されている。
【0051】相溶化剤としては、芳香族環を有する物質
と、ナフテン環を有する物質と、パラフィン鎖を有する
物質とを有する石油系オイルを使用した。特に、本実施
例では、ASTM D 3238試験規格に基づく芳香
族環由来の炭素(CA)が、28≦CA<100(重量
%)で、前記ナフテン環由来の炭素の含有量(CN)が
0<CN≦58.0(重量%)である3種類の石油系オ
イルが使用されている。
【0052】使用した3種の石油系オイルは、以下必要
に応じて、石油系オイルA、B、Cとして表示する。
【0053】石油系オイルAでは、環分析の結果から、
芳香族環由来の炭素含有量CAが43重量%で、ナフテ
ン環由来の炭素含有量CNが24.5重量%である。
【0054】石油系オイルBでは、環分析の結果から、
芳香族環由来の炭素含有量CAが28重量%で、ナフテ
ン環由来の炭素含有量CNが14重量%である。
【0055】石油系オイルCでは、環分析の結果から、
芳香族環由来の炭素含有量CAが33重量%で、ナフテ
ン環由来の炭素含有量CNが20重量%である。
【0056】なお、上記環分析は、ASTM(The Amer
ican Society for Testing and Material )で規定され
た試験規格であり、石油系オイルの代表性状を表す試験
項目の規格である。
【0057】かかる石油系オイルA〜Cの選定に当たっ
ては、図1〜4に示すように、相分離抑制剤(後記する
エマルゲン905)を添加せずに、石油系オイルを使用
した場合において、アスファルト改質材とアスファルト
との相分離抑制傾向が、アスファルト相分離確認試験の
試験項目の針入度試験、あるいは軟化点試験の少なくと
もいずれかの試験で、石油系オイルの使用が、石油系オ
イルを使用しない場合に比べて、相分離抑制傾向を示す
ものとの選定基準を使用した。
【0058】上記アスファルト相分離確認試験は、専門
誌の「アスファルト:180号」(平成6年8月号)の
50頁の記載に基づいて行った。
【0059】アスファルト相分離確認試験では、上記ス
トレートアスファルト60−80と、上記石油系オイル
とを185±5℃の温度で実質的に均一と見做せるまで
攪拌混合した。得られた高温混合物を円筒状容器に採
り、そのまま180℃に維持した恒温槽に3日間静置す
る。
【0060】3日間の静置後、円筒状容器を恒温槽から
取り出し、室温の25℃になるまでそのまま放冷する。
放冷後、円筒状容器内から混合物を取り出して上下に2
分割し、分割した上部分と下部分とを、それぞれ上部試
料、下部試料として、針入度試験、軟化点試験に供し
た。
【0061】針入度試験は、アスファルトの硬さを表す
指標であり、規定条件のもとで、規定の針が試料中に侵
入した長さの1/10mmを1として表す。アスファル
トの硬さは温度により異なるので、針入度は、25℃で
測定した結果を示した。
【0062】アスファルト相分離確認試験では、同一条
件のもとで、前記上部試料と、下部試料とに針入度試験
を行うこととなる。
【0063】軟化点試験は、金属製の環に充填したアス
ファルト上に所定質量の鋼球を載せて水中に入れ、この
状態で連続的に加熱したときに、試料が軟化して規定距
離まで垂れ下がったときの温度を示している。軟化点
も、アスファルトの硬さを示す指標である。アスファル
ト相分離確認試験では、前記上部試料と下部試料とに、
同一条件で上記軟化点試験を行う。
【0064】このようにして上部試料、下部試料に対し
て行った針入度試験の結果を比較し、上部試料と下部試
料とでの結果が同じであれば3日間経過後でも相分離が
発生していないと確認できる。上部試料と下部試料の結
果に差が発生している場合には、相分離が生じていると
判断できる。上下差が大きい程、相分離の程度が大きい
ことが分かる。
【0065】かかる分離状況を把握する指標として、上
部の値を下部の値で除した値を分離度と呼んで使用す
る。相分離が発生していないときは分離度は1.00
で、1.00から外れる程相分離の傾向が大きいと判断
できる。
【0066】軟化点試験についても、上部試料、下部試
料について行った試験の結果を、上記針入度試験と同様
にして比較すれば、針入度試験と同様に、相分離状況の
確認に使用することができる。
【0067】なお、相分離状況の確認は、上記の如く針
入度試験、軟化点試験により確認できるが、同一試料に
対して行った針入度試験、軟化点試験であっても、いず
れか一方の試験項目の分離度が他方の試験項目の分離度
と大きく異なる場合もしばしば見られる。これは、一方
が一定温度における硬さ(規定条件下での針の進入度合
いで表示)を測定し、他方が軟化するまでの温度を測定
しており、且つ試験対象の改質アスファルトの性状によ
っても測定結果が大きく影響されるためと考えられる。
【0068】そこで、上記実験的事実を踏まえて、アス
ファルト相分離確認試験における試験項目のうち、針入
度試験、軟化点試験のいずれか一方が少なくとも相分離
抑制傾向を示すことを選定基準として採用している。
【0069】上記アスファルト相分離確認試験の針入
度、軟化点における相分離抑制傾向が、相溶化剤の石油
系オイルの選定基準として採用できる点は、現在まで本
発明者らが行った多数の実験の全体的傾向として今回初
めて把握認識されたものである。
【0070】針入度あるいは軟化点のいずれかの試験に
おいて、上部と下部との針入度の差、あるいは軟化点の
差が縮まる傾向(すなわち、相分離抑制傾向)を示す石
油系オイルを選定すればよいので、かかる選定基準を持
たずに闇雲に各種の相溶化剤を試験に供して適切な物質
を探索する場合よりも、探索範囲の絞り込みを行うこと
ができて相溶化剤の探索を従来より効率的に行える。
【0071】特に、本実施例では、高粘度改質アスファ
ルトにおける技術という視点から、アスファルト改質材
である熱可塑性エラストマのSBSが、改質アスファル
トの全量に対して7重量%含有されている状態で実験を
行っている。
【0072】
【化1】
【0073】相分離抑制剤としては、上記化学構造式に
示す油性界面活性剤のポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテルを使用した。なお、化学構造式中のnは、平
均付加モル数を示す。特に、本実施例では、n=4.9
のポリオキシエチレン(4.9)ノニルフェニルエーテ
ル(花王株式会社製、エマルゲン905)を使用して以
下の実験を行っている。
【0074】エマルゲン905を使用した試料1のアス
ファルト相分離確認試験においても、エマルゲン905
と前記アスファルトとの混合条件は、前記アスファルト
と石油系オイルとの混合条件と同様に、185±5℃で
高温攪拌した。
【0075】得られた高温混合物を円筒状容器に採り、
恒温槽で3日間180℃に維持し、その後恒温槽から取
り出して室温の25℃になるまで放冷し、放冷後円筒状
容器内から取り出した混合物を上下に2分割する。分割
後、それぞれの上部試料、下部試料に針入度試験、軟化
点試験を行った。
【0076】今回使用する油性界面活性剤の選定に当た
っても、相溶化剤を添加せずに、油性界面活性剤を使用
した場合において、アスファルト改質材とアスファルト
との相分離抑制傾向が、上記アスファルト相分離確認試
験の試験項目の針入度試験、あるいは軟化点試験の少な
くともいずれかの試験で、油性界面活性剤の使用が、油
性界面活性剤を使用しない場合に比べて、相分離抑制傾
向を示すものが選定されている。
【0077】さらに、上記選定には、予め油性界面活性
剤として、6重量%以下の比較的アスファルト改質材の
低含有領域での相分離抑制傾向が大きいものを選び、二
重の絞り込みをかけて適切な油性界面活性剤の選定を行
っている。親水性親油性バランス(HLB)値が、1〜
15.5内にある油性界面活性剤を予め選定した。
【0078】針入度あるいは軟化点のいずれかの試験に
おいて、上部と下部との針入度の差、あるいは軟化点の
差が縮まる傾向(すなわち、相分離抑制傾向)を示す油
性界面活性剤を選定すればよい。上記石油系オイルにお
いても述べたように、かかる選定基準で各種の油性界面
活性剤を予め絞り込むことができるので、高粘度改質ア
スファルトにおける相溶化剤との併用で効果が得られる
相分離抑制剤の探索が、かかる選定基準を持たない場合
に比べて、より効率的に行える。
【0079】上記相溶化剤としての石油系オイルA、
B、Cおよび相分離抑制剤としての油性界面活性剤であ
るエマルゲン905の使用における相分離抑制傾向につ
いては、図1〜4に示した。
【0080】なお、図1〜4で無添加試料と記載されて
いるのは、上記相溶化剤の石油系オイル、相分離抑制剤
のエマルゲン905を添加せずに、アスファルト改質材
とアスファルトとを混合したものである。かかる無添加
試料の針入度、軟化点は、アスファルトとアスファルト
改質材とを、185±5℃の温度条件で高温攪拌し、得
られた高温混合物の必要量を採り、そのまま室温の25
℃にまで放冷して試料とする。かかる試料に、前記要領
で針入度試験、軟化点試験を施せばよい。
【0081】図1、2で示す場合は、アスファルト改質
材のSBSが6重量%含まれている場合である。SBS
がかかる混合量である場合には、図1、2から明らかな
ように、エマルゲン905の添加だけでも十分な相分離
抑制効果が得られている。そのため、石油系オイルA〜
Cの併用は必要ないと考えられるが、確認のためかかる
SBSの混合範囲でも、試験を行ったものである。
【0082】エマルゲン905も石油系オイルA〜Cの
いずれをも添加しない無添加試料の場合には、アスファ
ルト相分離試験の上部、下部における針入度試験におけ
る上下差は34であり、軟化点における上下差は24℃
であった。
【0083】無添加試料では、針入度試験における分離
度が2.31を示しているが、試料1でエマルゲン90
5を5重量%添加した場合には、0.98であり、格段
の相分離抑制効果が得られていることが分かる。
【0084】上記試料1については、軟化点試験でも、
分離度は無添加試料で1.34であったものが、1.0
0と改善され、相分離が発生していなことを示してい
る。
【0085】石油系オイルA〜Cのいずれをも添加せず
に、エマルゲン905を添加した試料1の場合では、添
加量が1重量%、3重量%、5重量%と添加量が増加す
るにつれ、針入度、軟化点のいずれの試験でも上下差が
2以下、2.5℃以下と縮まり、良好な相分離抑制傾向
が確認される。かかる相分離抑制傾向は、図2からも、
上部の線と下部の線とが先すぼまりになる傾向からもは
っきりと見て取れる。
【0086】石油系オイルA〜Cを使用した試料2〜4
では、個々の石油系オイルでの相分離抑制傾向の大小の
差は認められるものの、添加重量%を増加させるに従
い、図2に示すように、上下差が縮まり上部の値を示す
線と、下部の値を示す線とが先すぼまりになる傾向(相
分離抑制傾向)を示していることが明瞭に分かる。
【0087】上記石油オイル系A〜Cの試料2〜4の場
合にも、無添加試料の場合と比較して、針入度試験で
は、無添加試料の分離度2.31が、石油系オイルA〜
Cでは、それぞれ1.02、1.04、1.00を示し
て、試料2〜4の方が、すなわち石油系オイルA〜Cを
添加した場合の方が、添加しない場合よりも相分離抑制
傾向が現れていることが分かる。
【0088】軟化点試験では、無添加試料の分離度1.
34が、石油系オイルA〜Cを使用することにより、
1.06、1.09、1.02と1.00に大幅に近づ
き、相分離が十分に抑制されていることが分かる。
【0089】かかるSBSの混合量6重量%における結
果を踏まえて、SBSの混合量7重量%においても、エ
マルゲン905、石油系オイルA〜Cについて、上記相
分離抑制傾向があるか否かの試験を行った。その様子を
図3、4に示した。
【0090】図3でも、図1と同様にエマルゲン90
5、石油系オイルA〜Cのいずれをも添加しない無添加
化試料におけるアスファルト相分離確認試験における針
入度、軟化点の試験結果を示している。
【0091】図3の無添加試料では、針入度試験におけ
る上下差が46(分離度が3.09で、軟化点における
上下差が24.5℃(分離度が1.33)であった。図
1の無添加試料の結果と比べると明らかに上下差が大き
くなり、アスファルト改質材のSBSが僅か1重量%増
加したに過ぎないのに、相分離傾向が大きく増大してい
ることが分かる。
【0092】かかる相分離傾向の増大は、分離度を比較
しても分かる。SBSの混合重量6重量%とした場合の
針入度試験における分離度が2.31であるのに対し
て、3.09に拡大している。
【0093】このようにアスファルト改質材の混合増加
量に対して相分離が極めて顕著であるため、ある組成の
改質アスファルトに対して有効であった相分離抑制技術
が、それとは異なる組成の改質アスファルトに対して有
効であるとは一概に言えない。
【0094】すなわち、相分離技術の分野では、ある組
成の改質アスファルトについて既に確立した相分離技術
があったとしても、組成の異なる改質アスファルトへの
類推適用は容易には考えにくく、予測性が立てにくいこ
とが分かる。
【0095】前記アスファルトと、SBSと、エマルゲ
ン905が混合された試料5の場合には、エマルゲン9
05の添加量の増大に合わせて、針入度、軟化点のいず
れでも、上下差が縮まり相分離が抑制される傾向が確認
できる。かかる相分離抑制傾向は、図4によっても、上
部の線と下部の線とが添加重量の増大に合わせて先すぼ
まりになっていることからも読み取れる。
【0096】また、エマルゲン905を添加した場合で
も、SBSを混合量6重量%、7重量%とで比較する
と、7重量%の方が6重量%の場合に比べて相分離の抑
制傾向は小さくなるものの、添加量の増加に合わせて相
分離が抑制されてる傾向を示している。
【0097】無添加試料では分離度が3.09であった
ものが、エマルゲン905の5重量%添加の場合には、
分離度は1.19と大幅に小さくなり、その分相分離が
大幅に抑制されている。
【0098】相溶化剤としての石油系オイルA〜Cの試
料6〜8でも、その添加量を増加させるにつれて針入
度、軟化点のいずれの試験項目でも、上下差が小さくな
り相分離の抑制傾向が現れていることが分かる。かかる
傾向は、分離度の比較からも分かる。上記図3の結果
は、図4からも明らかで、試料6〜8の上部の線と、下
部の線とが先すぼまりになって、相分離抑制傾向を示し
ている。
【0099】図3、4の両者の比較から、相対的に、相
溶化剤として選定した石油系オイルA〜Cのうちでも、
石油系オイルAがその他の石油系オイルB、Cに比べて
相分離抑制傾向を大きく示している。
【0100】そこで、相分離抑制傾向を大きく示す石油
系オイルAを相溶化剤として使用し、ストレートアスフ
ァルト60−80と、アスファルト改質材のSBSと、
相分離抑制剤のエマルゲン905とを有する組成の改質
アスファルトにおける相分離抑制効果を調べた。その結
果を図5〜7に示した。
【0101】上記組成の改質アスファルトは、図8のフ
ローに示す工程にしたがって、製造されている。先ず、
ストレートアスファルト60−80と、SBSとを、1
85±5℃の高温で攪拌混合した。かかる混合工程で
は、実質的に相溶化剤の石油系オイルAが均一に分散さ
れたと見做せる状態に混合した。混合に際しては、TK
ホモミキサーの回転数を4000rpm/min.で2分間回転
させて混合した。
【0102】その後、185±5℃の高温を維持した状
態で、アスファルト改質材として所定量のSBSを加え
て攪拌混合した。かかる改質材混合工程では、上記TK
ホモミキサーを使用して、3.5時間攪拌して、実質的
にSBSが均一に混合されたと見做せる状態まで混合し
た。
【0103】このようにしてストレートアスファルト6
0−80、石油系オイルA、SBSを混合した後、相分
離抑制剤のエマルゲン905を加えて攪拌した。かかる
相分離抑制剤混合工程では、上記TKホモミキサーを2
時間使用して、攪拌混合した。得られた改質アスファル
トに対して、前述の要領でアスファルト相分離確認試験
を行った。
【0104】このようにして得られた改質アスファルト
に対して、図5〜7に示すように、相分離抑制効果の確
認を行った。図5〜7では、石油系オイルAの添加量を
5重量%(試料9)、7重量%(試料10)に設定し、
その各々に対してエマルゲン905の添加量を1重量
%、3重量%、5重量%と変化させて、それぞれの相分
離抑制効果を確認した。
【0105】石油系オイルAを5重量%に固定して、エ
マルゲン905の添加量を1重量%、3重量%、5重量
%と変化させた場合には、アスファルト相分離確認試験
の針入度試験の結果は、分離度で1.15、1.00、
1.02と変化し、無添加試料の分離度3.09と比べ
て格段に相分離抑制がなされていることが分かる。
【0106】かかる石油系オイルAとエマルゲン905
を併用した場合の分離度は、両者を併用しない場合の図
3の試料5、試料6のいずれの分離度よりも小さく十分
に相分離抑制がなされていることが分かる。
【0107】また、かかる両者を併用した場合における
試料9の相分離抑制効果は、図3の試料5、6の結果を
踏まえても予測できるものではなく、その作用機序につ
いては未だその詳細は分からないが、両者の併用により
新たに得られた相分離抑制効果と考えられる。
【0108】かかる相分離抑制効果については、上記針
入度と同様に、アスファルト相分離確認試験の軟化点か
らも確認できる。石油系オイルA、あるいはエマルゲン
905を単独使用した場合の図3の試料5、6で示す分
離度(例えば、5重量%の場合)は、1.13、1.0
9よりも、両者を併用した場合の図5の試料9の分離度
の方が1.04〜1.03と小さく、十分に相分離抑制
効果が得られていることが分かる。かかる試料9の分離
度は、図5に記載の無添加試料についての分離度1.3
3よりも小さい。
【0109】図5〜7からは、さらに、石油系オイルA
の添加量を7重量%に設定して、エマルゲン905の添
加量を1重量%、3重量%、5重量%と変化させた場合
の試料10においても、針入度試験、軟化点試験の両項
目において、十分な相分離抑制効果が得られていること
が分かる。
【0110】本発明に係る道路舗装用改質アスファル
ト、すなわち、例えばストレートアスファルト60−8
0などのアスファルトと、例えばSBSなどであるアス
ファルト改質材と、前記アスファルトにアスファルト改
質材を分散させる例えば石油系オイルAなどである相溶
化剤と、前記アスファルト改質材とアスファルトとの相
分離を抑制する油性界面活性剤の例えばエマルゲン90
5などである相分離抑制剤とを有する道路舗装用改質ア
スファルトでは、油性界面活性剤だけでは最早相分離抑
制機能を十分に発揮できないようなアスファルト改質材
の高添加領域(例えば7重量%)でも相分離抑制効果が
発揮させられることが確認できた。
【0111】(実施例2)本実施例では、アスファルト
改質材として熱可塑性エラストマの混合量を8重量%と
した場合の相分離抑制について調べた。
【0112】本実施例で使用するアスファルト、アスフ
ァルト改質材、相溶化剤、相分離抑制剤については、前
記実施例1で使用したものと同様のものを使用した。
【0113】SBSの添加量を8重量%にした場合につ
いて、図9〜11に示すように、前記実施例1で述べた
と同様に、無添加試料と、石油系オイルを併用せずにエ
マルゲン905を添加した試料11と、エマルゲン90
5を併用せずに石油系オイルA〜Cの各々を添加した試
料12〜14とについて、実施例1と同様にアスファル
ト相分離確認試験を行った。
【0114】図9〜11からは、エマルゲン905を使
用した試料11では、アスファルト相分離確認試験の針
入度では、無添加試料における上下差に比べて、エマル
ゲン905の添加重量に合わせて上下差がそれ程小さく
なってはおらず、例えば図3の試料5に示すような顕著
な相分離抑制傾向は認められないことが分かる。かかる
傾向は、図10、11からも確認され、上部の線と下部
の線とが先すぼまりになる傾向が読み取れない。
【0115】しかし、アスファルト相分離確認試験の軟
化点では、無添加試料の上下差に比べて、エマルゲン9
05を添加した場合の方が上下差は縮まり、相分離抑制
傾向が確認できる。図10、11でも、エマルゲン90
5についての軟化点試験における上部の線と下部の面と
が先すぼまりになる傾向が読み取れる。
【0116】一方、石油系オイルA〜Cの試料12〜1
4についても、アスファルト相分離確認試験の針入度試
験では、無添加試料に比べてそれほど相分離抑制傾向は
認められないものの、軟化点試験では、図10、11か
らも明らかなように上部の線と下部の線とが先すぼまり
になる傾向を示して、相分離抑制傾向が明確に読み取れ
る。
【0117】そこで、かかる石油系オイルA〜C(試料
12〜14)のうちで、特に、5重量%における針入度
試験、軟化点試験の両方で比較的分離度が小さい石油系
オイルAを相溶化剤として、上記エマルゲン905を相
分離抑制剤として併用した改質アスファルトについて相
分離抑制効果を検証した。
【0118】但し、SBSが8重量%含まれている本実
施例では、図9〜11に示すように、石油系オイルA、
エマルゲン905における相分離抑制傾向は、同じ添加
量ではその相分離抑制傾向が小さいので、10重量%の
添加重量で相溶化剤、相分離抑制剤の併用により相分離
抑制効果を確認した。エマルゲン905の添加量は、前
記実施例1と同様に、1重量%、3重量%、5重量%と
変化させた。その結果を、図12、図6、7に示した。
【0119】図12からは、無添加試料の場合は針入度
差が67で分離度が3.91であるが、試料15でエマ
ルゲン905を1重量%、3重量%、5重量%と漸次添
加していくと、その上下差は47、37、7.0と、分
離度では1.80、1.44、1.06と相分離抑制効
果が得られていることが分かる。
【0120】相溶化剤を併用することなくエマルゲン9
05を使用した試料11、相分離抑制剤を併用すること
なく石油系オイルAを使用した試料12についてのアス
ファルト相分離確認試験の針入度試験結果からは、かか
る試料15における相分離抑制傾向は読み取れないので
あるから、詳細な作用機序は分からないものの、明らか
に、石油系オイルA(相溶化剤)とエマルゲン905
(相分離抑制剤)とを併用することにより得られた相分
離抑制効果であると考えられる。
【0121】軟化点試験においても、図12、図6、7
から、上記針入度試験におけるように相分離抑制効果が
明瞭に読み取れる。無添加試料で上下差34.0(分離
度1.46)であるのに対して、試料15でエマルゲン
905を添加するにつれて上下差は縮まり分離度も1.
00に近づいている。
【0122】本発明に係る道路舗装用改質アスファル
ト、すなわち、例えばストレートアスファルト60−8
0などのアスファルトと、例えばSBSなどであるアス
ファルト改質材と、前記アスファルトにアスファルト改
質材を分散させる例えば石油系オイルAなどである相溶
化剤と、前記アスファルト改質材とアスファルトとの相
分離を抑制する油性界面活性剤の例えばエマルゲン90
5などである相分離抑制剤とを有する道路舗装用改質ア
スファルトでは、油性界面活性剤だけでは最早相分離抑
制機能を十分に発揮できないようなアスファルト改質材
の高添加領域(例えば8重量%)でも相分離抑制効果が
発揮させられることとなる。
【0123】本発明は前記の実施例1、2の説明に限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々
変更することができる。
【0124】例えば、上記各種成分の混合に際しては、
TKホモミキサーを使用して行ったが、例えばプロペラ
攪拌で行うようにしてもよい。
【0125】また、混合温度を185±5℃で行った
が、混合重量や、混合成分に合わせて混合温度を適宜変
更するようにしてもよい。
【0126】使用する相分離抑制剤としては、上記実施
例では、ポリオキシエチレン(4.9)ノニルフェニル
エーテルについて説明したが、例えば同系統で付加重合
度の異なるポリオキシエチレン(17)ノニルフェニル
エーテルも有効に使用できると考えられる。
【0127】ポリオキシエチレン(4.9)ノニルフェ
ニルエーテル(エマルゲン905)およびポリオキシエ
チレン(17)ノニルフェニルエーテル(エマルゲン9
30)についての代表性状を、図13に示す。
【0128】(実施の形態2)本実施の形態では、アス
ファルトと、アスファルト改質材と、前記アスファルト
改質材をアスファルトとの高温混合時に、アスファルト
に実質的に均一とみなせるまで分散させることができる
相溶化剤と、改質アスファルトの貯蔵時における相分離
を抑制する相分離抑制剤とを有する道路舗装用改質アス
ファルトの製造方法、およびその相分離抑制方法につい
て述べる。
【0129】特に、本発明の製造方法は、高粘度バイン
ダのアスファルト改質材を、6重量%以上含む改質アス
ファルトにおいて、アスファルトとアスファルト改質材
との貯蔵時の相分離を抑制することができる改質アスフ
ァルトの製造に適した方法である。
【0130】図8(a)に示す本発明の製造方法は、混
合工程と、改質材混合工程と、相分離抑制剤混合工程と
の3工程から構成されている。
【0131】第1の工程である混合工程では、アスファ
ルトと相溶化剤とが高温で混合させられる。所定の混合
容器内に入れたアスファルトに、相溶化剤を添加して、
所定温度で混合する。混合に際しては、相溶化剤がアス
ファルトに実質的に均一混合されたと見做せる状態まで
攪拌混合する。
【0132】攪拌機は、混合に供するアスファルト量に
応じて、従来より慣用されているプロペラやホモミキサ
ーなどの攪拌機を使用すればよい。
【0133】アスファルトとしては、天然アスファルト
でも、石油アスファルトでも構わない。天然アスファル
トとしては、例えば、ギルソナイト、トリニダッドなど
が使用できる。石油アスファルトとしては、ストレート
アスファルト、ブローンズアスファルトのいずれをも使
用できる。
【0134】相溶化剤としては、アスファルト改質材を
アスファルトに実質的に均一と見做せる程度に分散させ
ることができるものであればよい。例えば、アスファル
ト改質材にSBSを使用する場合には、実施例1で述べ
たように、ASTM D 3238試験規格に基づく環
分析の結果が、芳香族環を有する物質と、ナフテン環を
有する物質と、パラフィン鎖を有する物質とからなる石
油系オイルA〜Cを使用すればよい。
【0135】相溶化剤の選定は、前記実施例1で述べた
ように、アスファルトとアスファルト改質材との混合系
で、相溶化剤を添加した場合に、相溶化剤を添加しない
場合に比べて、相分離抑制傾向を示すことを基準とすれ
ばよい。
【0136】混合工程に引き続く第2工程として、アス
ファルト改質材混合工程が設けられている。前記第1工
程の混合工程で、相溶化剤がアスファルトに略均一に混
合させられているので、アスファルト改質材の所定量
を、前記混合工程で高熱液体状に混合させられている混
合物中に添加して、攪拌混合すればよい。
【0137】既に、第1工程の混合工程では、アスファ
ルト改質材をアスファルト中に実質的に均一と見做せる
程度まで分散させることができる相溶化剤が、ほぼ均一
に分散混合させられているので、第2工程の改質材混合
工程で添加させられたアスファルト改質材は、分散材を
添加しない場合に比べて、均一に分散させることができ
る。
【0138】このようにしてアスファルトにアスファル
ト改質材を略均一に分散させた後に、相分離抑制剤を添
加して攪拌混合することにより、得られた改質アスファ
ルトでは実施例1、2に述べたように、高い相分離抑制
効果が確認された。
【0139】本発明者らの一部が特願平10−2226
92号で開示した製造方法では、油性界面活性剤を相分
離抑制剤として混合させることにより改質アスファルト
の相分離を効果的に抑制することができたが、しかし、
アスファルト改質材の混合量が6重量%を超えるとその
相分離抑制効果が十分に発揮できなかった。
【0140】しかし、本発明は、上記の如く相溶化剤と
相分離抑制剤とを併用することにより6重量%を超えた
混合領域ても十分に相分離抑制機能を発揮させることが
できたのである。
【0141】かかる点の作用機序については、現在のと
ころその詳細は明らかではなく、今後の研究を待たねば
ならないが、相分離抑制剤による相分離抑制ができない
アスファルト改質材の高含有領域で相分離抑制機能が得
られたことは、今後の重交通の発展に伴う道路舗装用改
質アスファルトの高粘度化などに向けて大きな意義を有
するものである。
【0142】本発明者らのこれまでの実験では、アスフ
ァルト改質材をアスファルトに実質的に均一と見做せる
まで混合した後に、相分離抑制剤を添加することが好ま
しい結果が得られた。前記実施例1、2で使用した改質
アスファルトはかかる点に留意して製造され、試験に供
されたものである。
【0143】上記説明の製造方法では、アスファルトに
先に相溶化剤を混合して、その後にアスファルト改質材
を混合することとしたが、図8(b)に示すように、ア
スファルトと、相溶化剤と、アスファルト改質材とを一
緒に混合容器に入れ、アスファルト改質材が実質的に均
一と見做せる程度まで混合するようにしても構わない。
適用する混合量などにより適宜効率のよい方を選択すれ
ばよい。
【0144】また、本実施の形態で説明した上記製造方
法で述べたと同様に、相分離抑制剤としての油性界面活
性剤(例えば、エマルゲン905など)を、予めストレ
ートアスファルトなどのアスファルトに、石油系オイル
などの相溶化剤を使用して、熱可塑性エラストマ(例え
ば、SBSなど)を実質的に均一混合と見做せる状態に
混合した後に添加すれば、相分離が起きやすいアスファ
ルト改質材の高含有領域での改質アスファルトの相分離
抑制方法として有効である。
【0145】
【発明の効果】本発明では、例えば石油系オイルなどの
相溶化剤と、例えば油性界面活性剤などの相分離抑制剤
とを併用しているので、かかる相溶化剤と、かかる相分
離抑制剤とを併用しない場合からは予測できない程に、
アスファルト改質材とアスファルトとの相分離を抑制す
ることができる。
【0146】本発明では、石油系オイルと相分離抑制剤
とを併用して相分離抑制効果が得られるため、相分離抑
制剤を併用しない場合に比べて、同程度の相分離抑制効
果を得るために石油系オイルの添加量を大きくする必要
がなく、その分不必要に改質アスファルトを柔らかくす
る心配がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】SBSの添加重量を6重量%とした改質アスフ
ァルトにおけるエマルゲン905、石油系オイルの相分
離抑制傾向を示す表である。
【図2】図1に示す表の結果のグラフである。
【図3】SBSの添加重量を7重量%とした改質アスフ
ァルトにおけるエマルゲン905、石油系オイルの相分
離抑制傾向を示す表である。
【図4】図3の表の結果を示すグラフである。
【図5】SBSの添加重量を7重量%とした改質アスフ
ァルトにおいてエマルゲン905と、石油系オイルとを
併用した場合の相分離抑制効果を示す表である。
【図6】図5、図12の表の針入度試験の結果を示すグ
ラフである。
【図7】図5、図12の表の軟化点試験の結果を示すグ
ラフである。
【図8】(a)、(b)は、改質アスファルトの各種成
分の混合手順を示すフロー図である。
【図9】SBSの添加重量を8重量%とした改質アスフ
ァルトにおいてエマルゲン905、石油系オイルの相分
離抑制傾向を示す表である。
【図10】図9の表の針入度試験の結果を示すグラフで
ある。
【図11】図9の表の軟化点試験の結果を示すグラフで
ある。
【図12】SBSの添加重量を8重量%とした改質アス
ファルトにおいてエマルゲン905と、石油系オイルと
を併用した場合の相分離抑制効果を示す表である。
【図13】相分離抑制剤のポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテルの代表性状を示す表である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI C08L 91/00 C08L 91/00 (72)発明者 深代 勝弘 埼玉県川口市戸塚1−11−11 アヴァン セ206 (72)発明者 田中 重信 神奈川県横浜市港北区菊名6−13−53− 611 (56)参考文献 特開 平6−107953(JP,A) 特開 平10−273598(JP,A) 特開 平8−225711(JP,A) 特開 平9−25416(JP,A) 特開 平10−265672(JP,A) 特許2968961(JP,B1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 95/00 C08L 21/00 - 21/02 C08L 25/00 - 25/18 C08L 71/00 - 71/12 C08L 91/00 - 91/08 C08K 3/00 - 13/08

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アスファルトと、アスファルト改質材
    と、前記アスファルトに前記アスファルト改質材を分散
    させる相溶化剤と、前記アスファルト改質材と前記アス
    ファルトとの混合物中における前記アスファルトと前記
    アスファルト改質材との相分離を抑制する相分離抑制剤
    とを有する道路舗装用改質アスファルトの全量に対し
    て、 前記アスファルト改質材は、6〜8重量%含有され前記相溶化剤は、1〜10重量%含有され前記相分離抑制剤は、0〜5重量%(0を含まない)含
    有され 、 前記相分離抑制剤は、前記相溶化剤により前記アスファ
    ルト改質材が前記アスファルトに略均一に分散させられ
    た状態で加えられて混合させられ、 前記相溶化剤は、同一試料を上部と下部とに分けて、前
    記上部、前記下部とでそれぞれ同一試験を行いその試験
    結果を比較して相分離状況を確認するアスファルト相分
    離確認試験のうち25℃における針入度試験、軟化点試
    験の少なくとも一方の試験の前記上部の値と前記下部の
    値との差が、前記相溶化剤を加えない場合に比べて、前
    記相溶化剤を加えた場合の方が、小さくなる相分離抑制
    傾向を示す石油系オイルであり、 前記相分離抑制剤は、同一試料を上部と下部とに分け
    て、前記上部、前記下部とでそれぞれ同一試験を行いそ
    の試験結果を比較して相分離状況を確認するアスファル
    ト相分離確認試験のうち25℃における針入度試験、軟
    化点試験の少なくとも一方の試験の前記上部の値と前記
    下部の値との差が、前記相分離抑制剤を加えない場合に
    比べて、前記相分離抑制剤を加えた場合の方が、小さく
    なる相分離抑制傾向を示し、親水性親油性バランス(H
    LB)値が、1〜15.5の油性界面活性剤であること
    を特徴とする道路舗装用改質アスファルト。
  2. 【請求項2】 アスファルトと、アスファルト改質材
    と、前記アスファルトに前記アスファルト改質材を分散
    させる相溶化剤としての石油系オイルと、前記アスファ
    ルトと前記アスファルト改質材との混合物中における前
    記アスファルトと前記アスファルト改質材との相分離を
    抑制する相分離抑制剤としての親水性親油性バランス
    (HLB)値が、1〜15.5の油性界面活性剤とを有
    する道路舗装用改質アスファルトの全量に対して、 前記アスファルト改質材は、6〜8重量%含有され、 前記石油系オイルは、1〜10重量%含有され、 前記油性界面活性剤は、0〜5重量%(0を含まない)
    含有されている ことを特徴とする道路舗装用改質アスフ
    ァルト。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の道路舗装用改質アスファ
    ルトにおいて、 前記アスファルト改質材は、熱可塑性エラストマであ
    り、 前記石油系オイルは、芳香族環を有する物質と、ナフテ
    ン環を有する物質と、 パラフィン鎖を有する物質とを有する石油系オイルであ
    り、 前記油性界面活性剤は、ポリオキシエチレンノニルフェ
    ニルエーテルであることを特徴とする道路舗装用改質ア
    スファルト。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の道路舗装用改質アスファ
    ルトにおいて、 前記熱可塑性エラストマは、スチレン・ブタジエン・ス
    チレン共重合体(SBS)であり、 前記石油系オイルは、ASTM D 3238試験規格
    に基づく環分析における前記芳香族環由来の炭素の含有
    量(CA)が、28≦CA<100(重量%)、 前記
    ナフテン環由来の炭素の含有量(CN)が0<CN≦5
    8.0(重量%)である石油系オイルであり、 前記油性界面活性剤は、ポリオキシエチレン(4.9)
    ノニルフェニルエーテルであることを特徴とする道路舗
    装用改質アスファルト。
  5. 【請求項5】 アスファルトと、アスファルト改質材
    と、前記アスファルトに前記アスファルト改質材を分散
    させる相溶化剤とを有する混合物に、 前記アスファルト改質材と前記アスファルトとの混合物
    中における前記アスファルトと前記アスファルト改質材
    との相分離を抑制する相分離抑制剤が、前記相溶化剤に
    より前記アスファルト改質材が前記アスファルトに略均
    一に分散させられた状態で加えられて混合させられ、 前記相溶化剤は、同一試料を上部と下部とに分けて、前
    記上部、前記下部とでそれぞれ同一試験を行いその試験
    結果を比較して相分離状況を確認するアスファルト相分
    離確認試験のうち25℃における針入度試験、軟化点試
    験の少なくとも一方の試験の前記上部の値と前記下部の
    値との差が、前記相溶化剤を加えない場合に比べて、前
    記相溶化剤を加えた場合の方が、小さくなる相分離抑制
    傾向を示す石油系オイルであり、 前記相分離抑制剤は、同一試料を上部と下部とに分け
    て、前記上部、前記下部とでそれぞれ同一試験を行いそ
    の試験結果を比較して相分離状況を確認するアスファル
    ト相分離確認試験のうち25℃における針入度試験、軟
    化点試験の少なくとも一方の試験の前記上部の値と前記
    下部の値との差が、前記相分離抑制剤を加えない場合に
    比べて、前記相分離抑制剤を加えた場合の方が、小さく
    なる相分離抑制傾向を示し、親水性親油性バランス(H
    LB)値が、1〜15.5の油性界面活性剤であること
    を特徴とする道路舗装用改質アスファルトの製造方法。
  6. 【請求項6】 アスファルトと、アスファルト改質材
    と、前記アスファルト改質材を前記アスファルトに分散
    させる相溶化剤としての石油系オイルとを混合する混合
    工程と、 前記混合工程で混合された混合物に、前記アスファルト
    と前記アスファルト改質材との相分離を抑制する相分離
    抑制剤としての親水性親油性バランス(HLB)値が、
    1〜15.5の油性界面活性剤を加えて混合する相分離
    抑制剤混合工程とを有することを特徴とする道路舗装用
    改質アスファルトの製造方法。
  7. 【請求項7】 アスファルトに、アスファルト改質材を
    分散させる相溶化剤としての石油系オイルを加えて混合
    する相溶化剤混合工程と、 前記相溶化剤混合工程で混合された混合物に、前記アス
    ファルト改質材を加えて混合する改質材混合工程と、 前記改質材混合工程で混合された混合物に、前記アスフ
    ァルトと前記アスファルト改質材との相分離を抑制する
    相分離抑制剤としての親水性親油性バランス(HLB)
    値が、1〜15.5の油性界面活性剤を加えて混合する
    相分離抑制剤混合工程とを有することを特徴とする道路
    舗装用改質アスファルトの製造方法。
  8. 【請求項8】 請求項6または7記載の道路舗装用改質
    アスファルトの製造方法において、 前記アスファルト改質材は、熱可塑性エラストマであ
    り、 前記石油系オイルは、芳香族環を有する物質と、ナフテ
    ン環を有する物質と、パラフィン鎖を有する物質とを有
    する石油系オイルであることを特徴とする道路舗装用改
    質アスファルトの製造方法。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の道路舗装用改質アスファ
    ルトの製造方法において、 前記油性界面活性剤には、ポリオキシエチレンノニルフ
    ェニルエーテルが使用されていることを特徴とする道路
    舗装用改質アスファルトの製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項9記載の道路舗装用改質アスフ
    ァルトの製造方法において、 道路舗装用改質アスファルトの全量に対して前記熱可塑
    性エラストマとして、スチレン・ブタジエン・スチレン
    共重合体(SBS)が7〜8重量%混合され、 前記石油系オイルとして、ASTM D 3238試験
    規格に基づく環分析における芳香族環由来の炭素の含有
    量(CA)が28≦CA<100(重量%)である石油
    系オイルが、1〜10重量%混合され、 前記油性界面活性剤として、ポリオキシエチレン(4.
    9)ノニルフェニルエーテルが、0を含まずに5重量%
    以下混合させられていることを特徴とする道路舗装用改
    質アスファルトの製造方法。
  11. 【請求項11】 道路舗装用の改質アスファルトのアス
    ファルト改質材とアスファルトとの相分離を相分離抑制
    剤により抑制する方法であって、 前記相分離抑制剤は、親水性親油性バランス(HLB)
    値が、1〜15.5の油性界面活性剤であり、 前記油性界面活性剤は、前記アスファルトに、前記アス
    ファルト改質材としての熱可塑性エラストマが、相溶化
    剤としての石油系オイルを使用して略均一に混合された
    後に添加されて混合されることを特徴とする道路舗装用
    改質アスファルトにおける相分離抑制方法。
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