JP3068028U - 婦人生理用ショ―ツ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ショーツのマチ部分の内側に配したナプキン
が肌に強く付着することがなく、しかもマチ部分に配し
たナプキンが拠れることなく平らにピッタリと保持され
て、ナプキンを肌にソフトに密着させ、横漏れを防止す
る。 【解決手段】 ショーツ本体１のマチ部分４の足ぐりに
沿った両側縁部を股部に圧接保持するよう、マチ部分４
の前後方向に掛けて伸長状態に内装させた一対の弾性部
材８を有し、この弾性部材８の収縮力を用いてマチ部分
４を立上げ保持する。マチ部分４は、ショーツ本体１の
左右両側に対向形成した円弧状の足ぐり縁部４Ａ，４Ｂ
と、ショーツ本体１を構成する前布部分２と後布部分３
とに夫々縫合される直線状に形成した前端縁部４Ｃおよ
び後端縁部４Ｄとを有している。このマチ部分４は、表
布５と裏布６とにより二重構造に形成され、裏布６自体
を防水布とすると共に、前後方向に掛けてタック状の縫
目部７を左右一対に形成し、縫目部７によるタック中に
弾性部材８を挿入して封止する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術分野】

本考案は、婦人生理用ショーツの改良に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

従来の婦人生理用ショーツとしては、例えば、図５（ａ）に示すものがある。 このショーツは、下側の左右両側に対向形成した円弧状の足ぐり縁部１２Ａを有 する前布部分１２と、この前布部分１２の足ぐり縁部１２Ａに連なるよう下側の 左右両側に対向形成した円弧状の足ぐり縁部１３Ａを有する後布部分１３と、マ チ部分１４の三部分に裁断されている。このマチ部分１４は、前布部分１２、後 布部分１３夫々の足ぐり縁部１２Ａ，１３Ａに連なるよう左右両側に対向形成し た円弧状の足ぐり縁部１４Ａ，１４Ｂと、前布部分１２の凸型曲線状の下端縁部 １２Ｂと後布部分１３の凸型曲線状の下端縁部１３Ｂとに夫々縫合されるよう、 共に凸型曲線状に形成した前端縁部１４Ｃおよび後端縁部１４Ｄとを有している 。そして、マチ部分１４の後端縁部１４Ｄ側だけ横幅を長くして、後部における 漏れを防止するように構成されている。また、従来のショーツは、スポーツタイ プで立体的裁断によるものが殆どである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

しかしながら、従来の婦人生理用ショーツにおいては、マチ部分１４の内側に は防水布を配していることから、図５（ｂ）に示すように、漏れが生じ易い後端 縁部１４Ｄ側部分に防水布の多くが使用されることとなり、この防水布全面が肌 にピッタリと貼り付いてしまう弊害が生じていた。また、図５（ａ）に示すよう に、マチ部分１４の後端縁部１４Ｄ側だけ横幅を長くして後部における漏れを防 止するタイプの物は、身体にピッタリと密着するため、着用すると苦しくて違和 感を生じさせ、しかもマチ部分１４の内側に配されるナプキンがピッタリと身体 に貼り付いてしまう弊害も生じていた。

【０００４】 一方、婦人生理用ショーツに併せて使用するナプキンも、横漏れ防止用として 羽根付きタイプの物もあるが、漏れ防止の効果が充分に発揮されず、かなり漏れ てしまうのが実状である。さらに、ショーツのマチ部分１４の内側に貼る両面粘 着テープ付きのナプキンでも、すぐに拠れて剥がれてしまう弊害が生じていた。 しかも、ナプキンの構造が高度に発達しても、装着するショーツによってナプキ ンの漏れ防止効果にかなりの差異が生じる等の諸々の問題点を有していた。

【０００５】 そこで本考案は、叙上のような従来存した問題点に鑑み創案されたもので、肌 への密着感が減って、防水布全面が肌にピッタリと貼り付いてしまうことがなく 、かつマチ部分の内側に配するナプキンが肌にきつく付着してしまうこともなく 、しかもマチ部分の内側に介挿保持されるナプキンが拠れることなく平らに保持 されることで、ナプキン自体を肌へ可能な限りソフトに密着させ、横漏れ防止を 向上させた婦人生理用ショーツを提供することを目的としたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】

このため、本考案にあっては、ショーツ本体１のマチ部分４における足ぐりに 沿った両側縁部を股部に圧接保持するよう、マチ部分４の前後方向に掛けて伸長 状態に内装させた一対の弾性部材８を有し、この弾性部材８の収縮力を用いてマ チ部分４を立上げ保持させたことで、上述した課題を解決した。

【０００７】 また、マチ部分４は、ショーツ本体１の左右両側に対向形成した円弧状の足ぐ り縁部４Ａ，４Ｂと、ショーツ本体１を構成する前布部分２と後布部分３とに夫 々縫合される直線状に形成した前端縁部４Ｃおよび後端縁部４Ｄとを有すること で、同じく上述した課題を解決した。

【０００８】 さらに、マチ部分４は、表布５と裏布６とにより二重構造に形成され、裏布６ 自体を防水布とすると共に、前後方向に掛けてタック状の縫目部７を左右一対に 形成し、縫目部７によるタック中に弾性部材８を挿入して封止したことで、同じ く上述した課題を解決した。

【０００９】 加えて、弾性部材８は、ゴム紐、形状記憶性を有する素材、または伸縮可能な 生地等により形成したことで、同じく上述した課題を解決した。

【００１０】 本考案に係る婦人生理用ショーツにおいては、マチ部分４の前後方向に掛けて 伸長状態に内装させた一対の弾性部材８が、その収縮力でもってマチ部分４を立 上げ保持させ、弾性部材８相互間のマチ部分４内側にナプキン１０を平面状に介 挿保持させて肌にソフトに密着させるよう、ナプキン１０の厚み相当分の間隙部 を形成させる。

【００１１】 また、左右両側に対向形成した円弧状の足ぐり縁部４Ａ，４Ｂと、ショーツ本 体１を構成する前布部分２と後布部分３とに夫々縫合される直線状に形成した前 端縁部４Ｃおよび後端縁部４Ｄとを有するマチ部分４により、弾性部材８の収縮 力を用いてナプキン１０の厚み相当分の間隙部を容易に形成し、マチ部分４の内 側でのナプキン１０自体の拠れを防止する。

【００１２】 そして、マチ部分４の防水布による裏布の前後方向に掛けてタック状の縫目部 ７を左右一対に形成し、このタック中に配した弾性部材８は、マチ部分４を左右 両側の足ぐり縁部４Ａ，４Ｂに沿ってピッタリと密着保持させ、マチ部分４の内 側で平面状に保持したナプキン１０自体を肌へ圧迫感なく密着させることで、横 漏れを防止すると共に、マチ部分４の内側でのナプキン１０自体の拠れを防止す る。

【００１３】 さらに、ゴム紐、形状記憶性を有する素材、または伸縮可能な生地等により形 成した弾性部材８は、マチ部分４内側におけるナプキン１０の平面保持状態を常 時維持し、肌に対するナプキン１０のソフトな密着性を向上させる。

【００１４】

【考案の実施の形態】

以下、図面を参照して本考案の一実施の形態を説明する。本考案に係る婦人生 理ショーツは、図１乃至図３に示すように、下側の左右両側に対向形成した円弧 状の足ぐり縁部２Ａを有する前布部分２と、この前布部分２の足ぐり縁部２Ａに 連なるよう下側の左右両側に対向形成した円弧状の足ぐり縁部３Ａを有する後布 部分３と、マチ部分４とにより、ショーツ本体１を構成している。このマチ部分 ４は、前布部分２、後布部分３夫々の足ぐり縁部２Ａ，３Ａに連なるよう左右両 側に対向形成した円弧状の足ぐり縁部４Ａ，４Ｂと、前布部分２の下端縁部２Ｂ と後布部分３の下端縁部３Ｂとに夫々縫合される直線状に形成した前端縁部４Ｃ および後端縁部４Ｄとを有する平面略台形状に裁断されている。このとき、前布 部分２の左右端縁部２Ｃと後布部分３の左右端縁部３Ｃとを夫々対向配置して縫 合し、また、前布部分２の下端縁部２Ｂと後布部分３の下端縁部３Ｂとをマチ部 分４の前端縁部４Ｃおよび後端縁部４Ｄに夫々対向配置して縫合している。また 、ショーツ本体１の上方には、図１に示すように、装用時に身体のウエスト部を 締め付けてショーツ本体１を保持するゴム紐部９を備えている。

【００１５】 前記マチ部分４は、図３、図４に示すように、表布５と裏布６とにより二重構 造になっており、裏布６自体を防水布で形成している。また、マチ部分４の前端 縁部４Ｃと後端縁部４Ｄに掛けて、表布５と裏布６との間を帯袋状に縫合したタ ック状の縫目部７を左右一対に並列形成している。このタック状の縫目部７中に は、図２（Ｃ）に示すように、例えば、ゴム紐、形状記憶性を有する素材、また は伸縮可能な生地等により形成した帯板状の弾性部材８を挿入して封止している 。すなわち、マチ部分４の足ぐり縁部４Ａ，４Ｂに沿った左右両側縁部を股部に ソフトに圧接保持させるべく、当該マチ部分４の前後方向に掛けて伸長状態に一 対の弾性部材８を内装することで、この弾性部材８の収縮力によりマチ部分４自 体を股部側へ立上げ保持させているのである。

【００１６】 次に、本実施の形態の使用の一例を説明する。図１乃至図３に示すように、シ ョーツ本体１を装用した状態において、マチ部分４の前後方向に掛けて伸長状態 に内装した一対の弾性部材８は、この弾性部材８の収縮力でもってマチ部分４を 股部側へ立上げ保持させる。そして、ナプキン１０の厚み相当分に形成された弾 性部材８相互間のマチ部分４内側の間隙部内に、ナプキン１０が平面状に配され 、当該ナプキン１０が肌にソフトに密着するのである。こうしてマチ部分４の内 側でのナプキン１０自体の拠れを防止すると共に、横漏れ防止を可能にしたので ある。

【００１７】 尚、本考案は上記した実施の形態に限定されるものではなく、本考案の目的を 達成できる範囲での改良、変形等は本考案に全て包含されるものである。

【００１８】

【考案の効果】

以上説明したように本考案によれば、ショーツ本体１のマチ部分４における足 ぐりに沿った両側縁部を股部に圧接保持するよう、マチ部分４の前後方向に掛け て伸長状態に内装させた一対の弾性部材８を有し、この弾性部材８の収縮力を用 いてマチ部分４を立上げ保持させている。この様に、弾性部材８が収縮力を有す ることから、マチ部分４の肌への強い密着感が減り、防水布全面が肌に貼り付い てしまう事態を回避できる。また、マチ部分４の内側にナプキン１０を配したと きには、ナプキン１０が肌にきつく付着してしまうこともない。しかも、一対の 弾性部材８に挟まれてナプキン１０がマチ部分４に配されるため、ナプキン１０ が拠れることなく平らにピッタリと保持されて、ナプキン１０自体を肌へ可能な 限りソフトに密着させ、横漏れ防止を図っている。

【００１９】 また、マチ部分４は、ショーツ本体１の左右両側に対向形成した円弧状の足ぐ り縁部４Ａ，４Ｂと、ショーツ本体１を構成する前布部分２と後布部分３とに夫 々縫合される直線状に形成した前端縁部４Ｃおよび後端縁部４Ｄとを有するので 、弾性部材８の収縮力を介してナプキン１０の厚み相当分の間隙部を容易に形成 して、マチ部分４の内側でのナプキン１０自体の拠れを防止することができる。

【００２０】 さらに、マチ部分４は、表布５と裏布６とにより二重構造に形成され、裏布６ 自体を防水布とすると共に、前後方向に掛けてタック状の縫目部７を左右一対に 形成し、縫目部７によるタック中に弾性部材８を挿入して封止したので、マチ部 分４の内側で平面状に保持したナプキン１０自体を肌へ圧迫感なくソフトに密着 させ、横漏れを防止すると共に、マチ部分４の内側でのナプキン１０自体の拠れ を防止することができる。

【００２１】 加えて、弾性部材８は、ゴム紐、形状記憶性を有する素材、または伸縮可能な 生地等により形成したので、マチ部分４内側におけるナプキン１０の平面保持状 態を常時維持すると共に、肌に対するナプキン１０のソフトな密着性を保持でき る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施の形態を示したもので、ショー
ツ本体の全体構成を示した斜視図である。

【図２】同じくショーツ本体の構成を示したもので、
（ａ）はショーツ本体の正面図、（ｂ）はショーツ本体
の背面図、 （ｃ）は弾性部材をタック状の縫目部に挿
入する状態を示したマチ部分の平面図である。

【図３】図２（ａ）中のＸ−Ｘ線断面図である。

【図４】図３のＡ部分を拡大したマチ部分の断面図であ
る。

【図５】従来のショーツの構成を示したものであり、
（ａ）はショーツが前布部分・後布部分・マチ部分に裁
断された状態の分解平面図、（ｂ）はショーツ全体の斜
視図である。

【符号の説明】

１…ショーツ本体 ２…前布部分 ２Ａ…足ぐり縁部 ２Ｂ…下端縁部 ２Ｃ…左右端縁部 ３…後布部分 ３Ａ…足ぐり縁部 ３Ｂ…下端縁部 ３Ｃ…左右端縁部 ４…マチ部分 ４Ａ，４Ｂ…足ぐり縁部 ４Ｃ…前端縁部 ４Ｄ…後端縁部 ５…表布 ６…裏布 ７…縫目部 ８…弾性部材 ９…ゴム紐部 １０…ナプキン １２…前布部分 １２Ａ…足ぐり縁部 １３…後布部分 １３Ａ…足ぐり縁部 １４…マチ部分 １４Ａ，１４Ｂ…足ぐり縁部 １４Ｃ…前端縁
部 １４Ｄ…後端縁部

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ショーツ本体のマチ部分における足ぐり
   に沿った両側縁部を股部に圧接保持するよう、マチ部分
   の前後方向に掛けて伸長状態に内装させた一対の弾性部
   材を有し、この弾性部材の収縮力を用いてマチ部分を立
   上げ保持させたことを特徴とする婦人生理用ショーツ。
2. 【請求項２】 マチ部分は、ショーツ本体の左右両側に
   対向形成した円弧状の足ぐり縁部と、ショーツ本体を構
   成する前布部分と後布部分とに夫々縫合される直線状に
   形成した前端縁部および後端縁部とを有する請求項１記
   載の婦人生理用ショーツ。
3. 【請求項３】 マチ部分は、表布と裏布とにより二重構
   造に形成され、裏布自体を防水布とすると共に、前後方
   向に掛けてタック状の縫目部を左右一対に形成し、縫目
   部によるタック中に弾性部材を挿入して封止した請求項
   １または２記載の婦人生理用ショーツ。
4. 【請求項４】 弾性部材は、ゴム紐、形状記憶性を有す
   る素材、または伸縮可能な生地等により形成した請求項
   １乃至３のいずれか記載の婦人生理用ショーツ。