JP3067582U - 簡易積算電力計 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 工場の省電力活動等での、既設の電気機器の
消費電力量を生産ラインごとに測定を必要とする場合、
電気工事が不要で、取り付けが簡単な簡易積算電力計を
提供する。 【解決手段】 電気機器の電源線の電流を検出するため
の取り付け容易なケース外部のクランプ式カレントトラ
ンス３と、それとケーブルで接続されてケース内部の電
流検出部４と、電気機器の電源電圧検出手段を無くし代
わりに電源電圧を設定する設定部７と、電流検出部から
の出力と設定された電圧から電力や積算電力量を演算す
る演算部５と、演算結果を表示する表示部６と、電源部
１１に電池と、また簡単に取り付けるためにケースに、
フックに掛けるための穴を備えた、取り付けが簡単な簡
易積算電力計を構成した。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【考案の属する技術】

本考案は、例えば工場において既設の生産ラインごと、電気機器ごとにその消 費電力量を計測する必要がある場合、取り付け電気工事不要で簡単に取りつけ可 能な簡易積算電力計に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、電気機器の積算電力計は、電気機器の電圧と電流を検出し、それらの 量から、消費電力量を計測する。そのため、電流クランプと電圧プローブを有す るタイプの積算電力計や、電源線と電気機器の間に積算電力計を接続するタイプ のものとがある。

【０００３】

【考案が解決しょうとする課題】

省電力活動等において、工場の生産ラインごとの消費電力を測定する場合、通 常既存の電気設備に後から積算電力計を設置する必要が有り、また比較的多くの 積算電力計が必要である。このような場合前述の従来の積算電力計では設置工事 が複雑で多くの手間を必要とする問題を有していた。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

前記課題を解決するために、本考案の簡易積算電力計は、電気機器の電源線の 電流を検出するための取り付け容易なクランプ式カレントトランスを用いた電流 検出部と、電気機器の電源電圧検出手段を無くし代わりに電源電圧を設定する設 定部と、電流検出部からの出力と設定された電圧から電力や積算電力量を演算す る演算部と、演算結果を表示する表示部と、電源として電力計の電源工事を無く すために電池を備え、またケースには簡単に取り付けるためにフックに掛けるた めの穴を備える。なおカレントトランスだけはケースの外に有りカレントトラン スとケース内部の電流検出部とはケーブルで接続されている。これにより、ケー スをフックに掛け、電気機器の電源線をカレントトランスでクランプするだけで 設置を終え、さらに電源電圧を設定するだけで消費電力の積算とその表示を行う ことができる。

【０００５】

【考案の実施の形態】

電気機器の配電盤や、電気機器の近くの適当な位置にフックを取り付け、これ にケースを掛け、電気機器の電源線をカレントトランスでクランプすることで設 置を終える。次に電源電圧を設定するスイッチを操作すると、これまでの積算電 力値をリセットした後、消費電力の積算とその表示を行う。

【０００６】

【実施例】

以下本考案の簡易積算電力計の実施例について、図を参照しながら詳細に説明 する。図１は本考案の第１の実施例における簡易積算電力計の回路ブロック図を 示すものである。

【０００７】 図１において、２は簡易積算電力計のケースでありこのケースの外部にカレン トトランス３を有し電気機器の電源線１をこのカレントトランス３でクランプす る。ケース２の内部には、カレントトランス３とケーブルにて接続された電流検 出部４と、電気機器の電源電圧の設定、積算電力のリセット、積算時間の設定な どを行う設定部７と、設定部の設定に従った処理を行いその結果を表示部６に出 力する演算部５と、結果を表示する表示部６と、電源部１１を備えている。

【０００８】 電流検出部４は演算部５の指示によりカレントトランス３の出力する電流に比 例した電圧を発生し、その電圧をＡＤ変換し結果を演算部５へ出力する。

【０００９】 設定部７は測定項目を設定する測定項目切替えスイッチ８と、電気機器の電源 電圧を設定する電圧設定スイッチ９と、測定時間を入力する数値入力スイッチ１ ０を備える。

【００１０】 測定項目切替えスイッチ８は、積算電力測定、電力測定、電流測定、測定時間 入力の切替えに使用される。このスイッチの状態は演算部５にて読み取られ、設 定された測定項目に応じた演算が演算部５にて行われる。また、測定時間入力に 設定された場合、演算部５は測定時間を入力する状態に移行し、数値入力スイッ チ１０の入力を受け付け、その結果を表示部に出力する。

【００１１】 電圧設定スイッチ９は、電気機器の電源電圧に従ってＡＣ１００ＶまたはＡＣ ２００Ｖを設定するスイッチである。このスイッチの状態が演算部５にて読み取 られ、設定された電源電圧に応じた演算が演算部５にて行われる。このスイッチ が、ＡＣ１００Ｖ側からＡＣ２００Ｖ側へ、またはＡＣ２００Ｖ側からＡＣ１０ ０Ｖ側へ切り替えられると、演算部５により、これまでの積算電力値はリセット され再び０より積算が開始されるようにしている。これによりリセットスイッチ を省略可能にしている。

【００１２】 実施例では、電圧設定スイッチ９は、ＡＣ１００ＶまたはＡＣ２００Ｖだけの 切り替えであるが、ＡＣ１００Ｖ、ＡＣ２００Ｖだけでなく、ＡＣ１１０Ｖ，Ａ Ｃ２２０Ｖなどにも切り替えられるようにしてもよい。また、測定項目切替えス イッチ８と、数値入力スイッチ１０を用いて、測定時間の入力と同様な方法で任 意の値を入力できるようにし、この値を電圧の代わりに演算に用いる事より、表 示単位を積算電力量でなく他の単位例えば金額にするようにしてもよい。

【００１３】 数値入力スイッチ１０は、測定時間の２桁の日数と、２桁の時間と、２桁の分 の値を入力するために使用される。１回押すごとに入力する桁位置を１桁ずつ移 動させるためのスイッチと、１回押すごとに選択された桁の値を１ずつ増加させ るためのスイッチとの２つで構成される。これらのスイッチの状態が演算部５に て読み取られ、押されたスイッチに応じた処理が演算部５にて行われ表示部６に て結果が表示される。

【００１４】 測定時間とは、電力の積算を行う時間を示す。実施例では積算電力値のリセッ ト直後から積算を開始し、測定時間を経過すると以後積算を行わないようにして いるが、測定時間の開始と終了の日時を入力して測定時間を設定できるようにし てもよい。

【００１５】 演算部５は、測定項目切替えスイッチ８が電力測定に設定されている場合、 １秒に１回電流検出部４に指示を出し、電源線１の電流に比例したＡＤ変換結果 を受け取りこれを電流値に換算する。そして、この値と設定部７の電圧設定スイ ッチ９により設定された電圧との積を求め、結果を表示部６に出力する。すなわ ち、電力をｐ、電圧をｅ、電流をｉ、力率をｃｏｓθとした場合、力率１の電気 機器ではｐ＝ｅ・ｉ・ｃｏｓθ＝ｅ・ｉとなり、電力値が表示された事になる。

【００１６】 演算部５は、測定項目切替えスイッチ８が積算電力測定に設定されている場合 、上記と同様にして求めた電力値の１／３６００した値を１秒ごとに積算し、そ の結果を表示部６に出力する。

【００１７】 演算部５は、測定項目切替えスイッチ８が電流測定に設定されている場合、１ 秒に１回電流検出部４に指示を出し、電源線１の電流に比例したＡＤ変換結果を 受け取りこれを電流値に換算する。そして、その結果を表示部６に出力する。

【００１８】 本実施例の積算電力計では、電源に電池を用い、積算電力計の電源工事を不要 としている。

【００１９】 図２は本実施例のケースを裏側から見た平面図である。ケース裏面にフックを 掛けるための穴１２を設け、取り付けを簡単にしている。このフックを掛けるた めの穴はケースの上側にケースからこの部分だけはみ出させてもよい。また、は み出させたフックを掛けるための穴をネジ用に小さくして、ネジで止める構造に してもよい。

【００２０】 図３は図１の実施例に通信インターフェイス部１３を備えたものであり、設定 部による設定の代わりに、この通信インターフェイス部１３を介して外部の装置 たとえばパーソナルコンピュータから設定情報を入力し、設定をおこない、また 測定結果をパーソナルコンピュータに出力するようにしたものである。また、図 １の実施例の設定項目以外に、１日を複数の任意の時間帯に分割し、各時間帯毎 に一定期間電力量を積算し結果をパーソナルコンピュータに出力する設定や、一 定時間毎（１０分毎、３０分毎、１時間毎など）の積算電力量測定し、結果をパ ーソナルコンピュータに出力する設定などを行う事ができ、消費電力の変動状況 を時系列的に捉える事ができるようにしている。

【００２１】

【考案の効果】

本考案は前記したように、例えば省電力活動にて、工場の既設の電気機器の消 費電力を生産ラインごとに測定を必要とする場合、電気機器の配電盤や、電気機 器の近くの適当な位置にフックを取り付け、これにケースを掛け、電気機器の電 源線をカレントトランスでクランプするだけで設置が終わり、電力計設置のため の電気工事が不要で、取り付けが実に簡単である。このように既設の電気機器の 消費電力を測定する場合簡単に取り付けができる、簡易積算電力計として非常に 有効な考案である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第１の実施例における簡易積算電力計
の回路ブロック図である。

【図２】同ケースを裏側から見た平面図である。

【図３】本考案の他の実施例における簡易積算電力計の
回路ブロック図である。

【符号の説明】

１ 電源線 ２ ケース ３ クランプ式カレントトランス ４ 電流検出部 ５ 演算部 ６ 表示部 ７ 設定部 ８ 測定項目切替えスイッチ ９ 電圧設定スイッチ １０ 数値入力スイッチ １１ 電源部 １２ フック掛け用穴 １３ 通信インターフェイス部

Claims (3)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 電気機器の電源線をはさみ込むクランプ
   式のカレントトランスと、その出力から消費電流を検出
   する電流検出部と、表示部と、電気機器の電源線の電圧
   を設定する設定部と、時計機能付き演算部を備え、前記
   電流検出部の出力と設定部で設定された電圧値と前記時
   計機能による単位時間を用いて、前記演算部で単位時間
   当たりの電力値に変換し、さらに単位時間あたりの電力
   値を積算して前記表示部に表示する簡易積算電力計。
2. 【請求項２】 電力を積算する時間を設定する機能を持
   ち、設定された時間内の電力を積算表示する請求項１の
   簡易積算電力計。
3. 【請求項３】 フックにかけるための穴をケースに有し
   た請求項１の簡易積算電力計。