JP3067227B2 - Mos型トランジスタ - Google Patents

Mos型トランジスタ

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JP3067227B2
JP3067227B2 JP4444791A JP4444791A JP3067227B2 JP 3067227 B2 JP3067227 B2 JP 3067227B2 JP 4444791 A JP4444791 A JP 4444791A JP 4444791 A JP4444791 A JP 4444791A JP 3067227 B2 JP3067227 B2 JP 3067227B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、LSI等で用いられ
るLDD(Lighty Doped Drain)構造のMOS型トラン
ジスタに関し、LDD領域の上方で低抵抗率ゲート電極
層に隣接して高抵抗率ゲート電極層を設けたことにより
ホットキャリア耐性の向上並びに周波数特性の改善を図
ったものである。
【0002】
【従来の技術】従来、LSI等で用いられる微細パター
ンのMOS型トランジスタとしては、ドレイン近傍での
ホットキャリアによる特性劣化を防止するため図14に
例示するようにN-型低濃度ドレイン(LDD)領域1
6をN+型高濃度ドレイン領域20のゲート側に設けた
ものが知られている。
【0003】図14において、10は、P型Si等から
なる半導体基板である。基板10の表面にSiO2等の
ゲート絶縁膜12を介してポリSi等からなるゲート電
極層14を形成した後、ゲート電極層14をマスクとす
る選択的イオン注入処理によりLDD領域16を形成す
る。そして、ゲート電極層14のドレイン側の側部にS
iO2等のサイドスペーサ18を形成した後、ゲート電
極層14及びサイドスペーサ18をマスクとする選択的
イオン注入処理によりドレイン領域20を形成する。ゲ
ート電極層14は、N型決定不純物が高濃度にドープさ
れるので、高濃度(N+)状態により低抵抗率の状態と
なっている。
【0004】上記のようなLDD形成技術は、ゲート長
が1.2μmの世代では標準的な技術となっている。し
かし、更に微細化を進めるためにはホットキャリア耐性
を一層向上させる必要がある。
【0005】図15は、図14のトランジスタの一改良
例を示すもので、ゲート電極層14の一部14AをLD
D領域16にオーバーラップさせるべくドレイン側に拡
張して形成したことにより図16の直線Bに示すように
直線Aで示す図14のトランジスタに比べてホットキャ
リア耐性を向上させたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】図15のトランジスタ
によると、ホットキャリア耐性が向上する利点はあるも
のの、図17に示すようにゲート−ドレイン間容量C0
が増大するのを免れない。一般に、増幅素子の入力容量
は、C0のような帰還容量があると、その容量値と利得
との積に比例して増大する(ミラー効果)。従って、図
15のトランジスタでは、容量COの増大により周波数
特性が悪化し、特に高周波でのスイッチング特性が劣化
する不都合がある。
【0007】この発明の目的は、ホットキャリア耐性を
向上させると共に周波数特性を改善した新規なLDD構
造のMOS型トランジスタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明によるMOS型
トランジスタは、半導体基板と、この半導体基板の表面
に形成され、アクティブ領域配置孔を有するフィールド
絶縁膜と、前記アクティブ領域配置孔内の半導体表面を
覆って形成されたゲート絶縁膜と、このゲート絶縁膜の
上に形成された低抵抗率の第1のポリシリコン層からな
る第1のゲート電極層と、この第1のゲート電極層の一
方側において前記半導体表面に形成された低濃度ドレイ
ン領域と、前記第1のゲート電極層の一方側において前
記低濃度ドレイン領域に連続して前記半導体表面に形成
された高濃度ドレイン領域と、前記低濃度ドレイン領域
の上方で前記第1のゲート電極層に隣接して前記ゲート
絶縁膜の上に形成された高抵抗率の第2のポリシリコン
層からなる第2のゲート電極層と、前記第1のポリシリ
コン層に連続して前記フィールド絶縁膜の上に形成され
た低抵抗率の第3のポリシリコン層と、前記第2のポリ
シリコン層に連続し且つ前記第3のポリシリコン層に隣
接して前記フィールド絶縁膜の上に形成された高抵抗率
の第4のポリシリコン層とからなるゲート配線層とを備
えたMOS型トランジスタであって、 前記第2のゲート
電極層は、前記第1のゲート電極層の一方側から他方側
に至る方向に沿って前記第1のゲート電極層の厚さ方向
に切ったときの断面形状がL字状であることを特徴とす
ものである。
【0009】
【作用】この発明の構成によれば、低濃度ドレイン領域
にオーバーラップするように高抵抗率のポリシリコン層
からなる第2のゲート電極層を形成したので、低濃度ド
レイン領域上でゲート絶縁膜にトラップされる電荷の量
が減り、ホットキャリア耐性が向上する。また、抵抗率
が高い第2のゲート電極層は、ゲート−ドレイン間容量
に対して抵抗成分を付加するように作用するので、高周
波領域での容量を低減することができる。さらに、第1
及び第2のゲート電極層に連続してフィールド絶縁膜の
上に形成されるゲート配線層を低抵抗率のポリシリコン
層とこのポリシリコン層に隣接して配置される高抵抗率
のポリシリコン層とで構成したので、高周波領域での容
量を一層低減することができる。その上、第2のゲート
電極層の断面形状をL字状としたので、製造容易性が向
上する。
【0010】
【実施例】図1は、この発明を説明するためのMOS型
トランジスタのドレイン部を示すもので、図14,15
と同様の部分には同様の符号を付してある。
【0011】図1のトランジスタの特徴は、LDD領域
16の上方で低抵抗率のゲート電極層14に隣接して高
抵抗率のゲート電極層17Aをゲート絶縁膜12上に形
成したことである。ゲート電極層14,17Aはいずれ
も例えばポリSiからなり、電極層14の不純物濃度は
高くし(N+とし)、電極層17Aの不純物濃度は低く
する(N-とする)。
【0012】図1のトランジスタの等価回路は、図2に
示されている。図2に示すように、ゲート−ドレイン間
には、抵抗Rと容量Cとを含む分布定数回路が接続され
た形になり、高周波領域での容量を低減可能である。
【0013】図3は、他のMOS型トランジスタを示す
ものである。このMOS型トランジスタの特徴は、高抵
抗率のゲート電極層として、断面形状が三角形状のもの
17Bを設けたことである。
【0014】図4は、更に他のMOS型トランジスタ
示すものである。このMOS型トランジスタの特徴は、
高抵抗率のゲート電極層として、断面形状が方形状のも
の17Cを設けたことである。
【0015】図5は、この発明の一実施例に係るMOS
型トランジスタを示すものである。このMOS型トラン
ジスタの特徴は、高抵抗率のゲート電極層として、断面
形状がL字状のもの17Dを設けたことである。この場
合、電極層17Dの直立部分は、破線で示すように電極
層14を覆うように延長していてもよい。
【0016】図6は、この発明の他の実施例に係るMO
S型トランジスタを示すものである。このMOS型トラ
ンジスタの特徴は、低抵抗率の電極層14の側部と断面
形状がL字状の高抵抗率の電極層17Eとの間に絶縁膜
15を介在させたことである。この場合、電極層17E
は、電極層14の上面に形成された部分にて該電極層1
4と電気接続されることになる。
【0017】図1又は図3〜6で例示した構造は、公知
のCVD(ケミカル・ベーパー・デポジション)、エッ
チング等の技術を用いて容易に実現可能である。特に、
図5又は図6に示した構造は、図7〜12で後述するよ
うに容易に製造可能である。また、所望によりサイドス
ペーサ18は省略してもよい。さらに、電極層17A〜
17Eは、N型ポリSiとする代りに、P型ポリS
iとしもよく、このようにすれば仕事関数の差によっ
てLDD領域16のゲート絶縁膜12にかかる電圧を低
くでき、破壊が起きにくいから信頼性が向上する。
【0018】図7〜図12は、この発明に係るMOS型
トランジスタの製法の一例を示すもので、各々図13の
X−X線断面に対応している。
【0019】図7の工程では、P型Siからなる半導体
基板10の表面を選択酸化するなどしてSiO2からな
るフィールド絶縁膜11を形成する。そして、絶縁膜1
1のアクティブ領域配置孔11A(平面形状は図13参
照)内の半導体表面を酸化するなどしてSiO2からな
るゲート絶縁膜12を形成する。
【0020】この後、基板上面にポリSi及びW(タン
グステン)を順次に被着して所望のゲート電極・配線パ
ターン(一例を図13に示す)に従ってパターニングす
ることによりポリSi層14A及びW層14Bの積層か
らなる低抵抗率のゲート電極層を形成する。ポリSi層
14Aについては、ポリSiの堆積中又は堆積後に例え
ばN型決定不純物をドープすることにより低抵抗化する
ことができる。
【0021】ゲート電極層の形成後、ゲート電極層と絶
縁膜11とをマスクとする選択的イオン注入処理により
-型の低濃度ソース領域16SとN-型の低濃度ドレイ
ン(LDD)領域16Dとを形成する。
【0022】次に、図8の工程では、低温酸化処理によ
りポリSi層14Aの両側部にSiO2からなる絶縁膜
14a,14bを形成する。このとき、W層14Bは、
耐酸化性のマスクとして作用する。
【0023】図9の工程では、例えばCVD法により基
板上面に高抵抗率のポリSiを堆積してポリSi層17
を形成する。ポリSi層17としては、N-型のものを
用いるが、P-型のものを用いてもよい。
【0024】次に、図10の工程では、基板上面に例え
ばSiO2を堆積した後エッチバックすることによりゲ
ート電極層の両側部にサイドスペーサ18A,18Bを
形成する。そして、W層14BとポリSi層17とのオ
ーミック接触を良好にするため、ポリSi層17に対し
てサイドスペーサ18A,18BをマスクとしてN型決
定不純物(例えばリン)を選択的にイオン注入する。な
お、ポリSi層17としてP型のものを用いた場合
は、N型決定不純物の代りにP型決定不純物(例えばボ
ロン)をイオン注入すればよい。
【0025】図11の工程では、サイドスペーサ18
A,18BをマスクとしてポリSi層17を選択的にエ
ッチ除去することによりポリSi層17の残存部からな
る高抵抗率のゲート電極層17A,17Bを低抵抗率の
ゲート電極層(14A及び14Bの積層)の両側部に形
成する。
【0026】次に、サイドスペーサ18A,18B、ゲ
ート電極層14A,14B,17A,17B等の積層と
絶縁膜11とをマスクとする例えばリンの選択的イオン
注入処理によりN+型の高濃度ソース領域20SとN+
の高濃度ドレイン領域20Dとを形成する。この結果、
領域20S及び20Dはそれぞれ領域16S及び16D
に連続して形成される。
【0027】図11のドレイン形成工程では、図8の工
程で形成した絶縁膜14a,14bが存在するため、リ
ンがポリSi層14Aからゲート電極層17A,17B
に拡散するのを阻止される。従って、ゲート電極層17
A,17Bの抵抗率低下を抑制することができる。
【0028】図12の工程では、基板上面にPSG(リ
ンケイ酸ガラス)等の層間絶縁膜22を形成した後、ソ
ース及びドレイン領域20S及び20Dに対応したコン
タクト孔を絶縁膜22にホトリソグラフィ技術により形
成する。そして、基板上面にAl又はAl合金等の配線
材を被着してパターニングすることによりソース配線層
24S、ドレイン配線層24D等を形成する。
【0029】図13は、上記のようにして形成されたゲ
ート電極・配線の平面パターンを示している。ゲート配
線層WGは、ゲート電極層と同様に低抵抗率の積層(1
4A,14B)とその両側の高抵抗率の層(17A,1
7B)とを含む構成になっているので、高周波領域での
容量を低減可能である。
【0030】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、低抵
抗率のポリシリコンからなる第1のゲート電極層に隣接
し且つLDD領域にオーバーラップするように高抵抗率
ポリシリコンからなる第2のゲート電極層を設けてホ
ットキャリア耐性の向上と周波数特性の改善とを図ると
共にゲート配線層を低抵抗率のポリシリコン層とこのポ
リシリコン層に隣接して配置される高抵抗率のポリシリ
コン層とで構成して周波数特性の一層の改善を図るよう
にしたので、高信頼且つ高性能のMOS型トランジスタ
を実現可能となる効果が得られるものである。また、第
2のゲート電極層の断面形状をL字状としたので、製造
容易性が向上する効果もある。さらに、第1のゲート電
極層を構成するポリシリコン層と第2のゲート電極層を
構成するポリシリコン層との間に絶縁膜を介在させたの
で、ポリシリコン層間での不純物拡散を防止することが
でき、第2のゲート電極層の抵抗率低下を抑制できる効
果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明を説明するためのMOS型トランジ
スタのドレイン部を示す基板断面図である。
【図2】 図1のトランジスタの等価回路図である。
【図3】 他のMOS型トランジスタを示す基板断面図
である。
【図4】 更に他のMOS型トランジスタを示す基板断
面図である。
【図5】 この発明の一実施例に係るMOS型トランジ
スタのドレイン部を示す基板断面図である。
【図6】 この発明の他の実施例に係るMOS型トラン
ジスタのドレイン部を示す基板断面図である。
【図7】 この発明に係るMOS型トランジスタの製法
におけるゲート絶縁膜、ゲート電極層、低濃度ソース・
ドレイン領域等の形成工程を示す基板断面図である。
【図8】 図7の工程に続く絶縁膜形成工程を示す基板
断面図である。
【図9】 図8の工程に続くポリSi層形成工程を示す
基板断面図である。
【図10】 図9の工程に続くサイドスペーサ形成及び
イオン注入工程を示す基板断面図である。
【図11】 図10の工程に続く選択エッチング及び高
濃度ソース・ドレイン領域形成工程を示す基板断面図で
ある。
【図12】 図11の工程に続く層間絶縁膜形成及びソ
ース・ドレイン配線層形成工程を示す基板断面図であ
る。
【図13】 図7〜図12のトランジスタのゲート電極
・配線の一例を示す基板上面図である。
【図14】 従来のMOS型トランジスタの一例を示す
基板断面図である。
【図15】 図14のトランジスタの従来の改良例を示
す基板断面図である。
【図16】 図14及び図15のトランジスタについて
ホットキャリアによる劣化量の時間依存性を対比して示
すグラフである。
【図17】 図15のトランジスタの等価回路図であ
る。
【符号の説明】
10…半導体基板、12…ゲート絶縁膜、14…低抵抗
率ゲート電極層、16…低濃度ドレイン領域、17A〜
17E…高抵抗率ゲート電極層、18…サイドスペー
サ、20…高濃度ドレイン領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平2−138747JP,A) 特開 昭59−231864(JP,A) 特開 平2−81439(JP,A) 特開 平2−276251(JP,A) 特開 平1−264264(JP,A) 特開 平2−222152(JP,A) 特開 平4−196437(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01L 29/78 H01L 21/336

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板と、 この半導体基板の表面に形成され、アクティブ領域配置
    孔を有するフィールド絶縁膜と、 前記アクティブ領域配置孔内の半導体表面を覆って形成
    されたゲート絶縁膜と、 このゲート絶縁膜の上に形成された低抵抗率の第1のポ
    リシリコン層からなる第1のゲート電極層と、 この第1のゲート電極層の一方側において前記半導体表
    面に形成された低濃度ドレイン領域と、 前記第1のゲート電極層の一方側において前記低濃度ド
    レイン領域に連続して前記半導体表面に形成された高濃
    度ドレイン領域と、 前記低濃度ドレイン領域の上方で前記第1のゲート電極
    層に隣接して前記ゲート絶縁膜の上に形成された高抵抗
    率の第2のポリシリコン層からなる第2のゲート電極層
    と、 前記第1のポリシリコン層に連続して前記フィールド絶
    縁膜の上に形成された低抵抗率の第3のポリシリコン層
    と、前記第2のポリシリコン層に連続し且つ前記第3の
    ポリシリコン層に隣接して前記フィールド絶縁膜の上に
    形成された高抵抗率の第4のポリシリコン層とからなる
    ゲート配線層とを備えたMOS型トランジスタであっ
    て、 前記第2のゲート電極層は、前記第1のゲート電極層の
    一方側から他方側に至る方向に沿って前記第1のゲート
    電極層の厚さ方向に切ったときの断面形状がL字状であ
    ることを特徴とする MOS型トランジスタ。
  2. 【請求項2】 前記第1のゲート電極層は、前記第1の
    ポリシリコン層の上にタングステン層を重ねたものであ
    り、前記第2のゲート電極層は、前記タングステン層に
    は直接接触し且つ前記第1のポリシリコン層には絶縁膜
    を介して隣接するものである請求項1記載のMOS型ト
    ランジスタ。
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