JP3066241U - 防災用扉の着脱装置とこれを備えた防災用扉 - Google Patents

防災用扉の着脱装置とこれを備えた防災用扉

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JP3066241U
JP3066241U JP1999006732U JP673299U JP3066241U JP 3066241 U JP3066241 U JP 3066241U JP 1999006732 U JP1999006732 U JP 1999006732U JP 673299 U JP673299 U JP 673299U JP 3066241 U JP3066241 U JP 3066241U
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光昭 庄司
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有限会社ベスト青梅
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 構造簡単で省電力の可能な防災用扉の着脱装
置及び防災用扉を得る。 【解決手段】 基板とその一方側上端縁ばね押えのベー
ス部と、短片と長片とで略L字形に形成され長片先端部
に下向き突出部をもったアームと、上部片と下部片とで
略逆L字形に形成され下部片に突設した支持腕が支軸回
りに回動可能な揺動金具を有するストッパー部と、短片
部と長片部とで略へ字形に形成された支持枠が固定軸と
短片部端部に回動可能なローラをもちばねにより付勢さ
れ固定軸回りに回動可能な係合部材と、プランジャーを
もったソレノイドと固着されたカム軸回りに揺動可能で
下端部に長片部下端と係合可能な切込みをもったカムが
プランジャー先端部と係合されている出入り部材とリセ
ット部とを有する電気作動部と、下方に板ばね状接点を
もちカム軸上方位置に固着され少なくとも自己遮断回路
に連結されたマイクロスイッチを有するスイッチ部とを
備えた防災用扉の着脱装置。

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、火災等の緊急事態発生時にレールに沿って移動し開閉可能な引戸用 の防災用扉の着脱装置とこれを備えた防災用扉の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
移動可能な扉、例えば病院、老人ホーム、オフィス、倉庫、一般住宅等の出入 り口に取付けられている重量のある引戸においては、火災等の緊急事態が発生し た場合、煙の吹き出し、火災の延焼等を防止する必要性から出入口は引戸で閉止 した状態としておき、避難者や消火活動のための消防士等が出入する際に引戸を 開くことができるようにする必要がありそのための各種装置がある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
従来の装置は、大掛かりなものでコストが高く、しかも各構成部材の作製誤差 や取付け誤差等の制限要求が厳しすぎ、実際の取付け現場において多大の労力を 要するものであった。 本考案は、構造簡単で僅かなスペースで済み、製造コストが安く、作動性の確 実で、省電力可能で、各部材の作製誤差や取付け誤差等があっても柔軟に対応可 能な防災用扉の着脱装置とこれを備えた防災用扉を得ることを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、 請求項1の考案にあっては、防災用扉を開閉可能とする着脱装置であって、 (a)基板と該基板の一方側上端縁にばね押え及び側端縁にストッパー押えが突 設されたベース部と、 (b)板状の短片及び長片とで略L字形に形成され該長片先端部に下向き突出部 をもったアームと、上部片と下部片とで略逆L字形に形成され該下部片に突設さ れた支持腕が前記基板に固着された支軸回りに回動可能とされ前記短片と該下部 片とが固着されている揺動金具とを有するストッパー部と、 (c)短片部と長片部とで略へ字形に形成された支持枠交差部に固定軸と該短片 部端部に回動可能なローラをもち該固定軸と前記ばね押えとに掛渡されたばねに より付勢された該支持枠が該固定軸回りに回動可能とされている係合部材と、復 元用ばねをもったプランジャーが出入り可能なソレノイドと該プランジャー近傍 の前記基板に固着されたカム軸回りに揺動可能で下端部に前記長片部下端縁と係 合可能な切込みをもったカムが該プランジャー先端部と係合されている出入り部 材と前記長片部を下方へ引張り可能なリセット部とを有する電気作動部と、 (d)下方に板ばね状接点をもち前記カム軸上方近接位置に固着され少なくとも 自己遮断回路に連結されたマイクロスイッチを有するスイッチ部とを備え、 前記ソレノイドへの通電によって前記切込みと前記長片部下端縁との係合を解 除し前記固定軸回りに該長片部を上方へ回動せしめ、前記ローラを介して前記支 持腕を前記支軸回りに回動せしめ、前記アーム長片を下限位置から上限位置へ変 位せしめる共に、前記長片部が前記接点を押圧して前記マイクロスイッチを作動 して前記ソレノイドへの通電を遮断せしめ、前記リセット部の引張りにより前記 アーム長片を下限位置へ復元可能とした防災用扉の着脱装置により解決した。 請求項2の考案にあっては、アームの短片及び長片を金属ばね材製とした請求 項1に記載の防災用扉の着脱装置とするのが好ましい。 請求項3の考案にあっては、リセット部として上方に貫通された係合部材の固 定軸回りに回動自在で略く字形のリセット杆と該リセット杆上端縁に略水平方向 に突設された押圧片と、下端部を前記リセット杆下方に係止され中心部を前記固 定軸と同じ軸芯回りに巻付けられ上端部をばね押えに掛渡されたばねと、前記リ セット杆の下端部に繋着されたワイヤーとを備え、前記ばねにより前記押圧片上 面が直接又は緩衝材を介してばね押え下面に接触するよう付勢され、前記ワイヤ ー自由端側よりの略水平方向引張りにより前記リセット杆を前記固定軸回りに回 動せしめてカムの切込みと長片部下端縁との係合を復元可能とした請求項1又は 2に記載の防災用扉の着脱装置とするのが好ましい。 請求項4の考案にあっては、上方に敷設されたレールに回動自在な戸車が枢着 され移動可能な扉を有する引戸装置であって、前記レール一端部上側に請求項1 〜3いずれかに記載の着脱装置が固着され、アーム長片下限位置において突出部 が前記戸車の外輪体を加圧して係止せしめ、ソレノイドへの通電による前記長片 の上限位置への変位により前記外輪体の係止を解除して前記扉を閉鎖状態に移動 可能とし、リセット部の引張りにより前記長片を下限位置へ復元可能とした防災 用扉の着脱装置を備えた防災用扉により解決した。
【0005】
【考案の実施の形態】
本考案の実施の形態を図面に基づき以下詳細に説明する。 図1は、本考案の防災扉の一例の全開の状態を示す概略全体正面図である。 図2は、図1の防災扉に用いる着脱装置部分の一例の一部省略した斜視図で( a)非通電時、(b)通電時である。 図3は、図2の着脱装置部分の非通電時における(a)正面図、(b)平面図 、(c)側面図である。 図4は、図3において防災扉との関連を示す一部省略した(a)正面図、(b )側面図である。 図5は、図2の着脱装置部分の通電時における正面図である。 以下の説明において、扉を正面よりみて(図1において手前側より)前又は表 側とし反対側を後又は裏側とし、前側から後側に向かって見て左右、上下とし、 各構成は防災扉としての使用態様において説明する。又各図の同様な構成につい ては、符号記載及び詳細説明を一部省略する。
【0006】 図1は、出入口を開閉する吊戸式の大形で重い引戸の扉に実施した本考案の防 災扉の左向き閉鎖方向Sへの閉まり勝手の例(以下の各図においても同じ)で、 引戸装置X及び着脱装置Yを備えている。 引戸装置Xは、通常大型で重い可動体よりなる扉51と、扉51の上框に取付 けた右側戸車53と左側戸車54とによって出入口Aの上壁部Bに閉鎖方向Sに 向かって次第に下降するように左下がりに僅かに傾斜して配設されたレール55 に回動自在に吊下し開閉可能に取付けられ、図1は全開の状態を示している。又 扉51には通常把手52が設けられている。 図4も参照して、戸車53は、その主軸6を扉51の上框に取付けた取付金具 7に固定し、主軸6には軸受を介して回動自在に外輪体8を取付け、外輪体8に はレール55に係合するレール係合溝8aが形成されている。
【0007】 次に、図2〜5を参照して本考案の着脱装置Yを詳述する。 着脱装置Yは、電気作動部1、ベース部2、スイッチ部3及びストッパー部4 を有している。 ベース部2は、板状の通常略方形の基板21と、基板21上端縁に垂直方向に 突設され左端部に切欠22aをもったばね押え22と、基板21左側端縁に垂直 方向に突設され右側表面に板状のゴム又はプラスチック製の緩衝材24が固着さ れたストッパー押え23とを有し、通常上壁部Bの一方(図1では右)端部でレ ール55の右端部上側位置にボルト、木ねじ等の固着具によって基板21前面を 鉛直方向となる向きにして固着されている。ここで、緩衝材24を省略しストッ パー押え23に直接接触させることとしてもよい。 ストッパー部4は、アーム41と揺動金具42と支軸43とを有している。ア ーム41は、金属製板状の短片41aと長片41bとで略L字形に形成され、長 片41b先端部には正面視におい下向き三角形状の突出部41cを有している。 揺動金具42は、通常短い上部片42aと長い下部片42bとで略逆L字形に形 成され、下部片42bには右側よりみて略コ字形で軸孔が穿設され基板21に平 行な一対の支持腕42cが突設されている。支軸43は、一対の支持腕42cに 軸孔を貫通し後側は基板21にライナ43aを介して固着され、前側はスナップ リング、ナットなどの固着具により支持腕42cからの外れを防止している。こ こで、アーム41の突出部41cを正面視において下向き三角形状でなく下向き の他の形状例えば円弧、その他の曲面等としてもよいが、前記三角形状が最も製 作上、作動性の面より好ましい。又短片41a、長片41b及び突出部41cを 金属ばね材で形成するのが耐久性より好ましい。 アーム41の短片41aの右面と揺動金具42の下部片42bの左面とは、ボ ルト又はビスなどの固着具により固着され、アーム41は長片41bの下限位置 として略水平位置にきたとき短片41aがストッパー押え23直接又は緩衝材2 4に接触するように支軸43回りに回動可能とされている。長片41bの上限位 置については後述する。
【0008】 電気作動部1は、係合部材11、出入り部材12及びリセット部13を有して いる。 係合部材11は、手前側よりみて略へ字形をなし左側を短片部11dで右側を 長片部11eで形成され基板21に平行の一対で左側は上方開放され右側上方が 相互に交差部で連結されて形成された支持枠11aと、各支持枠11aの左端部 に穿設された軸孔に固着されている支軸によって回動可能に軸支されたローラ1 1cと、短片部11dと長片部11eの交差部に穿設された軸孔を貫通し後側は 基板21にライナを介して固着され前側はスナップリング、ナットなどの固着具 により支持枠11aの外れを防止している固定軸11bと、支持枠11a前後間 の固定軸11bからばね押え22の切欠22aに掛渡されたばね例えば線条のば ね11fとを有し、支持枠11aはばね11fによって反時計方向に付勢され固 定軸11bを軸芯として左上がり右下がり勾配から左下がり右上がり勾配へとシ ーソー状に変位可能としている。 出入り部材12は、ソレノイド12aとこれへの通電による励磁によって引込 み可能で先端部に圧入されたピン12fをもったプランジャー12bと、プラン ジャー12bの引込み時に復元方向に付勢する復元用ばね例えば線条ばね12c と、プランジャー12b上方近傍の基板21に固着されたカム軸12dと該カム 軸12d回りに揺動可能なカム12eとを有し、ソレノイド12aの裏面にライ ナ12iを介してプランジャー12bの出入り方向が略水平となるように固着さ れている。プランジャー12bには左先端から軸芯方向にスリットが穿設され、 該スリットの前部に直交したピン12fが貫通されてカム12eが係合可能とさ れている。カム12eは略扇形の板カムで、扇形の要部にカム軸dがおかれ、扇 形の拡大部の左下端部に係合用の切込み12gが穿設され、扇形の拡大部の右端 部がプランジャー12bの先端スリットに遊嵌されてピン12fが貫通され、プ ランジャー12bの出入りによってカム12eが左右に揺動可能なように扇形の 拡大部の右端部にガイド孔12hが穿設されている。ソレノイド12aには導線 12jが連結され、端末側の火災報知器等の電源部Eに接続されている。 リセット部13は、非通電時において、略く字形のリセット杆13aと、リセ ット杆13a上端縁に基板21に対し直角で略水平方向に突設されている略方形 の押圧片13bと、押圧片13b上面は固着された緩衝材13cを介してばね押 え22下面に接触するように配置され、リセット杆13aの下端部に穿設された ワイヤー掛け孔には一端が繋着されたワイヤー13eと、レール55の長手略水 平方向に延設されたワイヤー13eの自由端側に固着されたつまみ13fとを有 している。又リセット杆13aは係合部材11の後側と基板21前側のライナ間 におかれ上方に貫通された固定軸11b回りに回動自在に装着されている。そし てばね例えば線条のばね13dが、下端部をリセット杆13aの下方でワイヤー 掛け孔より僅かに上方位置に穿設された係止孔13gに挿入され、中心部を固定 軸11bと同じ軸芯回りに巻付けられ、上端部をばね押え22の切欠22aに掛 渡されるように配設されている。このばね13d中心部の巻付けは、支持枠11 aの内側部分にある固定軸11bに直接巻付けてもよく、又図3に示すように支 持枠11a後側のライナに巻付けてもよく、いずれも固定軸11bと同じ軸芯回 りとされている。これによりリセット杆13a、押圧片13b及び緩衝材13c はワイヤー13eを略水平左方向に引張ると固定軸11b回りに回動可能である が、引張りを止めるとばね13dの反力によって押圧片13b上面が緩衝材13 cを介してばね押え22下面に接触するように付勢されている。ここで、緩衝材 13cを省略し押圧片13b上面をばね押え22下面に直接接触させることとし てもよい。ここでつまみ13fは必ずしも必要ではないが、ふら付き防止や目印 ともなり操作性の面からは装着したほうが好ましい。 リセット部13は前記構成に限定されず、支持枠11a右側の長片部11eを 下方へ引張り可能であればよく、例えば長片部11e下端部に紐等を掛けて下方 より引張ることとしてもよい。
【0009】 スイッチ部3は、非通電時において、先端の板ばね状の接点32が略水平とな るように右下がりに傾斜させたマイクロスイッチ31をカム軸12dの上方近接 位置の基板21上にライナ34を介して固着されが、固定軸11b回りにシーソ ー状に変位可能な支持枠11aの右側の長片部11e先端部が上限位置にきたと き図2(b)及び図5に示すように接点32に接触しこれを押込んでマイクロス イッチ31を作動可能となるように位置選定がなされる。導線33a、33bに よりマイクロスイッチ31と離隔位置にある電源部Eと接続され、導線33cに よりソレノイド12aと接続される。マイクロスイッチ31は、接点32の押込 みによってON信号とOFF信号を出すようにされ、ソレノイド12aへの通電 遮断用と、ソレノイド12aが作動した確認信号回路への通電用に用いられる。 このマイクロスイッチ31は通常自己遮断型と呼ばれるものでここでは1個が用 いられている。又確認信号回路への通電は非常用電流が流れたときのみ行える場 合で説明したが、マイクロスイッチを2個使用すれば、手動で作動し電気信号を だせるようにすることもできる。いずれにおいても、少なくとも接点32の押込 みによってソレノイド12aへの通電遮断を行わせる自己遮断回路に連結された ものでこれにより省電力が可能であり、小電力で多数の防災用扉の作動を行わせ ることができる。
【0010】 次に、本考案の引戸装置X及び着脱装置Yの作動を説明する。 着脱装置Yのベース部2の基板21は、図1に示すように、上壁部Bの右端部 に固着具によって基板21前面を鉛直方向にして固着され、図示省略するが離隔 位置のおかれた電源部Eが導線33a、33b及び12jによってマイクロスイ ッチ31及びソレノイド12aと導通され、リセット部13のワイヤー13eが 扉51閉鎖方向Sに向かってレール55の長手方向に沿って延設され、レール5 5の左端外側に固着され湾曲面をもったワイヤーガイド13hによって下方に曲 げられ下端部に設けられているつまみ13fを引張ることによってリセット部1 3を作動可能としている。 先ず平常時の電気作動部1への非通電時においては、引戸装置Xは全開の状態 の場合、ストッパー部10と電気作動部11は図2(a)、図3及び図4に示す 状態におかれる。もしこの状態になっていないときには、詳細後述するがリセッ ト部13のつまみ13fを下方に引張りワイヤー13eを長手閉鎖方向Sに引張 って係合部材11の支持枠11aの長片部11eを下方に引下げることにより、 出入り部材12のプランジャー12b先端はばね12cによって突出され、ピン 12fによってカム12eも連動し切込み12gに長片部11eの下端縁が係合 して支持枠11aを左あがり右下がり勾配状態に保持する。その結果ストッパー 部4の短片41aは略鉛直方向に、長片41bは略水平方向の下限位置におかれ 、長片41b先端部の突出部41cが戸車53の外輪体8を加圧して戸車53を 係止せしめ、扉51を閉鎖方向Sに向かって左下がりに僅かに傾斜して配設され たレール55に対するレール係合講8aの転動を抑止し全開状態に保持する。又 短片41a、長片41b及び突出部41cを金属ばね材製とすると、ストッパー 部4の戸車53の外輪体8に対する圧接をより確実にすることができ、又各部材 の作製誤差や取付け誤差等があっても柔軟に対応可能である。 もし、この平常時において扉51を閉じたい場合には、扉51の把手52を人 手によって閉鎖方向Sに押すことにより、戸車53の外輪体8に対する突出部4 1cの下方への圧力に抗して扉51を容易に離脱せしめることができるので、扉 51はレール55の左下がりの僅かな傾斜によって閉鎖される。一旦閉鎖された 扉51を閉鎖方向Sの反対方向に手動によって押せば、下限位置にある突出部4 1cに戸車53の外輪体8が容易に係合して扉51を全開状態に戻すことができ る。
【0011】 次に火災等の発生時には、端末側の火災報知器の電源部Eが接続され電気作動 部1へ通電され、ストッパー部4と電気作動部1は図2(b)及び図5に示す状 態におかれる。前記した平常時において、電気作動部1へ非通電時の状態にある 出入り部材12の突出したプランジャー12b先端は、火災報知器の電源部が接 続されされると導線12jを経ての通電によってソレノイド12aが作動し、ば ね12cに抗して引込み、その結果切込み12gと支持枠11aの長片部11e の下端縁との係合が外れ、左上がり右下がり勾配状態に保持されていた支持枠1 1aはばね11fの反発力によって左下がり右上がり勾配の状態に変位する。左 下がりの支持枠11aの短片部11d側にあるローラ11cによって支持腕42 cの上部が圧接され支軸43を軸芯としてストッパー部4の揺動金具42は時計 方向に回動し、短片41aは図5に示す時計方向に傾斜し、長片41bは略水平 方向の下限位置から突出部41cが上昇した傾斜方向の上限位置におかれ、突出 部41cに係合していた戸車53の外輪体8の拘束が解けて扉51は左下がりに 傾斜して配設されたレール55に沿って自動的に閉鎖方向Sに移動し前閉状態に 至る。 一旦閉鎖された扉51を開放状態に復元するには、リセット部13のつまみ1 3fを下方に引張ってワイヤー13eを長手閉鎖方向Sに引張ってリセット杆1 3aを固定軸11b回りに時計方向に回動せしめると、押圧片13bの下面が略 水平位置から時計方向に回動して支持枠11aの右上がり勾配の状態にある長片 部11e表面に当接して該長片部11eを下方に押下げ、外れているカム12e の切込み12gと長片部11eの下端縁との係合が復元され、図2(a)及び図 3に示す支持枠11aは左あがり右下がり勾配の状態となり、長片41bを上限 位置から突出部41cが略水平方向の下限位置に復元せしめた後、扉51の把手 52を閉鎖方向Sの反対方向に手動によって押せば、前記平常時の作動で説明し た通り下限位置に復元した突出部41cに戸車53の外輪体8が係合して扉51 を全開状態に戻すことができる。
【0012】 リセット部を支持枠11a右側の長片部11e下端部に紐等を掛けて下方より 引張る場合においても、前記したワイヤー13eを長手閉鎖方向Sに引張る場合 と同様に容易に突出部41cを下限位置に復元可能であるが、ここでの引張りは 扉51の閉鎖位置の例えば戸袋の奥等の狭い場所での操作となるので前記扉51 の開放位置からの操作のほうが好ましい。 又上記例においては、扉51の右方向開き勝手の例について引戸装置X及び着 脱装置Yを説明したが、左方向開き勝手の場合には各部材を左右置換えればよい ので、詳細説明は省略する。
【0013】
【考案の効果】
本考案の防災用扉の着脱装置は、構造簡単で僅かなスペースで済み、製造コス トが安く、作動性が確実であり、省電力が可能である。又この着脱装置を備えた 防災用扉は、小電力で多数の扉の作動に適用でき、各部材の作製誤差や取付け誤 差等があっても柔軟に対応可能で、火災発生等の緊急時において扉の開閉を容易 確実に切換えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の防災扉の一例の全開の状態を示す概略
全体正面図である。
【図2】図1の防災扉に用いる着脱装置部分の一例の一
部省略した斜視図で(a)非通電時、(b)通電時であ
る。
【図3】図2の着脱装置部分の非通電時における(a)
正面図、(b)平面図、(c)側面図である。
【図4】図3において防災扉との関連を示す一部省略し
た(a)正面図、(b)側面図である。
【図5】図5は、図2の着脱装置部分の通電時における
正面図である。
【符号の説明】
1 電気作動部 11 係合部材 11a 支持枠 11b 固定軸 11c ローラ 11d 短片部 11e 長片部 11f、12c、13d ばね 12 出入り部材 12a ソレノイド 12b プランジャー 12d カム軸 12e カム 12f ピン 12g 切込み 12j、33a、33b、33c 導線 13 リセット部 13a リセット杆 13b 押圧片 13e ワイヤー 2 ベース部 21 基板 22 ばね押え 23 ストッパー押え 3 スイッチ部 31 マイクロスイッチ 32 接点 4 ストッパー部 41 アーム 41a 短片 41b 長片 41c 突出部 42 揺動金具 42a 上部片 42b 下部片 42c 支持腕 43 支軸 51 扉 53、54 戸車 55 レール 6 主軸 7 取付金具 8 外輪体 8a レール係合溝 A 出入口 B 上壁部 E 電源部 S 閉鎖方向 X 引戸装置 Y 着脱装置

Claims (4)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防災用扉を開閉可能とする着脱装置であ
    って、(a)基板と該基板の一方側上端縁にばね押え及
    び側端縁にストッパー押えが突設されたベース部と、
    (b)板状の短片及び長片とで略L字形に形成され該長
    片先端部に下向き突出部をもったアームと、上部片と下
    部片とで略逆L字形に形成され該下部片に突設された支
    持腕が前記基板に固着された支軸回りに回動可能とされ
    前記短片と該下部片とが固着されている揺動金具とを有
    するストッパー部と、(c)短片部と長片部とで略へ字
    形に形成された支持枠交差部に固定軸と該短片部端部に
    回動可能なローラをもち該固定軸と前記ばね押えとに掛
    渡されたばねにより付勢された該支持枠が該固定軸回り
    に回動可能とされている係合部材と、復元用ばねをもっ
    たプランジャーが出入り可能なソレノイドと該プランジ
    ャー近傍の前記基板に固着されたカム軸回りに揺動可能
    で下端部に前記長片部下端縁と係合可能な切込みをもっ
    たカムが該プランジャー先端部と係合されている出入り
    部材と前記長片部を下方へ引張り可能なリセット部とを
    有する電気作動部と、(d)下方に板ばね状接点をもち
    前記カム軸上方近接位置に固着され少なくとも自己遮断
    回路に連結されたマイクロスイッチを有するスイッチ部
    とを備え、前記ソレノイドへの通電によって前記切込み
    と前記長片部下端縁との係合を解除し前記固定軸回りに
    該長片部を上方へ回動せしめ、前記ローラを介して前記
    支持腕を前記支軸回りに回動せしめ、前記アーム長片を
    下限位置から上限位置へ変位せしめる共に、前記長片部
    が前記接点を押圧して前記マイクロスイッチを作動して
    前記ソレノイドへの通電を遮断せしめ、前記リセット部
    の引張りにより前記アーム長片を下限位置へ復元可能と
    したことを特徴とする防災用扉の着脱装置。
  2. 【請求項2】 アームの短片及び長片を金属ばね材製と
    したことを特徴とする請求項1に記載の防災用扉の着脱
    装置。
  3. 【請求項3】 リセット部として上方に貫通された係合
    部材の固定軸回りに回動自在で略く字形のリセット杆と
    該リセット杆上端縁に略水平方向に突設された押圧片
    と、下端部を前記リセット杆下方に係止され中心部を前
    記固定軸と同じ軸芯回りに巻付けられ上端部をばね押え
    に掛渡されたばねと、前記リセット杆の下端部に繋着さ
    れたワイヤーとを備え、前記ばねにより前記押圧片上面
    が直接又は緩衝材を介してばね押え下面に接触するよう
    付勢され、前記ワイヤー自由端側よりの略水平方向引張
    りにより前記リセット杆を前記固定軸回りに回動せしめ
    てカムの切込みと長片部下端縁との係合を復元可能とし
    たことを特徴とする請求項1又は2に記載の防災用扉の
    着脱装置。
  4. 【請求項4】 上方に敷設されたレールに回動自在な戸
    車が枢着され移動可能な扉を有する引戸装置であって、
    前記レール一端部上側に請求項1〜3いずれかに記載の
    着脱装置が固着され、アーム長片下限位置において突出
    部が前記戸車の外輪体を加圧して係止せしめ、ソレノイ
    ドへの通電による前記長片の上限位置への変位により前
    記外輪体の係止を解除して前記扉を閉鎖状態に移動可能
    とし、リセット部の引張りにより前記長片を下限位置へ
    復元可能としたことを特徴とする防災用扉の着脱装置を
    備えた防災用扉。
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