JP3065145B2 - スパークプラグの絶縁碍子用焼成体 - Google Patents

スパークプラグの絶縁碍子用焼成体

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JP3065145B2
JP3065145B2 JP3325468A JP32546891A JP3065145B2 JP 3065145 B2 JP3065145 B2 JP 3065145B2 JP 3325468 A JP3325468 A JP 3325468A JP 32546891 A JP32546891 A JP 32546891A JP 3065145 B2 JP3065145 B2 JP 3065145B2
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誠 杉本
宏之 田辺
守 無笹
雅弘 小西
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NGK Spark Plug Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、窒化アルミニウムを使
用した、スパークプラグの絶縁碍子用焼成体に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、絶縁碍子に窒化アルミニウム
を使用して、熱引きを向上させたスパークプラグが知ら
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記ス
パークプラグは、熱間で絶縁碍子の絶縁性が低下し、ト
ラッキング(樹枝状痕的に表面が侵食される)が発生し
易いという欠点がある。種々実験の結果、発明者らは、
窒化アルミニウムにMgOを含有させる事により、耐ト
ラッキング性が向上できる事を見出した。しかし、窒化
アルミニウムにMgOを含有させた上記スパークプラグ
は、エンジンの高出力化や低燃費化(空燃比、圧縮比の
増大)に有利な様に放電電圧を増大(30kV程度)さ
せると、以下の理由により火花貫通が発生し、失火が起
こった。脚長部表面、または脚長部内の軸孔内壁で高電
圧印加時に生じる高電界の為、表層部微小領域が分解
{AlN(固体)→Al(固体または液体)+N2/2
(気体)}し、発生した金属Alが更に電界を高めて、
遂には火花貫通(絶縁破壊)が発生する)。本発明の目
的は、スパークプラグに組み付けた場合、放電電圧を高
くしても火花貫通が発生しないとともに、熱伝導性に優
れた、窒化アルミニウム質焼結体を使用したスパークプ
ラグの絶縁碍子用焼成体の提供にある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する為、
本発明は、元素記号Y、Sc、Ca、Sr、Ba、L
a、Ce、Py、Nd、Sm、Eu、Gd、及びDyで
表される元素群の中から任意に1種又は2種以上選ば
れ、酸化物換算が0.5重量%〜15重量%である希土
類・アルカリ土類金属元素と、酸化物換算で0.002
重量%〜5重量%のマグネシウムと、酸化物換算で0.
4重量%〜5重量%のアルミニウムと、残部を占める窒
化アルミニウムとで構成され、脚長部及び軸孔を有する
窒化アルミニウム質焼成体の、少なくとも、前記脚長部
の表面および脚長部内の軸孔内壁に、厚さ10μm〜2
00μmのPBN(パイロリティク・ボロン・ナイトラ
イド)を、熱分解を伴う化学蒸着法により膜付けした構
成を採用した。尚、酸化物換算は、窒化アルミニウム質
焼成体中に含有する酸素量を希土類・アルカリ土類金属
元素成分およびMgの酸化物分とし、残部をAl2 3
として計算したものである。
【0005】
【作用および発明の効果】分解温度が高く(約3000
℃)、分解しても絶縁物(B2 3 )を形成するPBN
が、熱分解を伴う化学蒸着法により膜付けされるので、
脚長部の表面および脚長部内の軸孔の内壁形状に沿って
低不純物の強固な被膜が形成でき、スパークプラグに組
み付けた場合の熱間における焼成体の絶縁性低下を防止
するとともに、火花貫通を防止する。尚、形成箇所の凹
凸の存在により、PBNの膜厚が10μm未満であると
膜厚の薄い部分で絶縁破壊が起き易く、また、PBN被
膜とAlNとの間には熱膨張差があるので、PBN被膜
が200μmを越えると被膜剥離が起き易くなる。希土
類・アルカリ土類金属元素、Mg、Alの何れかの、酸
化物換算値がひとつでも指定範囲内に無いと、熱間の絶
縁抵抗が低くなり、PBN被膜を膜付けしても、AlN
とPBN間で電界が強められ、PBN被膜の効果が出な
い。希土類・アルカリ土類金属元素またはAlの酸化物
換算値が指定範囲の上限を越えると、熱伝導率が80W
/m・k以下に低下して、スパークプラグに組み付け時
にワイドレンジ化が図れなくなる。また、下限を下回る
と焼結性に劣る様になる。
【0006】
【実施例】本発明の構成を採用したスパークプラグA
は、図2に示す如く、窒化アルミニウム質焼成体1の、
外周表面11および軸孔12の内壁121に、PBN
(Pyrolitic Boron Nitride)
被膜2を、熱CVD法により膜付けしてなる。また、3
は主体金具、31は側方電極、4は中心電極、41は抵
抗材、43は導電性ガラスシール材、42は端子電極で
ある。
【0007】つぎに、窒化アルミニウム質焼成体1を製
造する際に用いる原料を説明する。 〔AlN〕平均粒径1.5μm、酸素含有量0.8重量
%(Al2 3 還元窒化法による)のものを使用した。 〔希土類、アルカリ土類金属〕Y成分としてY2
3 (酸化イットリウム)、Ca成分としてCaCO
3 (炭酸カルシウム)、La成分としてLa2 3 (酸
化ランタン)、Sr成分としてSrCO3 (炭酸ストロ
ンチウム)を用いた。尚、純度は全て99.9%、平均
粒径は全て5μm以下である。 〔Mg〕Mg成分として、純度99.9%、平均粒径1
μm〜2μmのMgOを使用した。 〔Al2 3 〕実施例No.4、5、6、8、10、1
3については、AlN中の含有酸素により生成されるA
2 3 とは別に、調合時にAl2 3 を0.3重量%
〜5重量%の範囲で添加した。尚、これらAl2
3 は、焼成時に、その内の10重量%〜30重量%が消
失する。
【0008】上記原料を用い、テストピース(円盤形)
を以下の様にして製造し、熱間絶縁抵抗(700℃)お
よび熱伝導率を測定した。 AlN、Y2 3 等(希土類・アルカリ土類金属元素
の酸化物)、MgOを各所定量添加し、エタノール中で
混合する。尚、試料No.4、5、6、8、10、13
については、調合時に、AlN、Y2 3 等、MgOに
加え、Al2 3 も添加する。 混合後、乾燥させ、揮発分を除去した後、粉砕する。 上記粉砕体を金型プレス成形(圧力1000kg/c
2 )し、φ50×3.0tの大きさにする。 バインダー等を抜く為、500℃で酸化仮焼きする。 1atm(窒素ガス雰囲気)、1700℃〜1850
℃で、2時間〜5時間焼成する。 得られた焼成体をφ40×1.0tの大きさに研磨
し、テストピース(円盤形)となる。このテストピース
の熱間絶縁抵抗(700℃)の測定結果、およびテスト
ピースの中のY2 3 等、MgO、Al2 3 の各酸化
物換算量を分析した結果を表1に示す。
【0009】
【表1】
【0010】熱間絶縁抵抗(700℃)は、図1に示す
試験装置で測定した。100、200は真銅製の電極、
300は炉内を700℃にする電気ヒータ、400は直
流1000Vを印加して熱間(700℃)のテストピー
ス(円盤形)の電気抵抗を測定する絶縁抵抗計である。
なお、他の実験により、700℃におけるテストピース
の絶縁抵抗値が50MΩ以上であればスパークプラグの
絶縁碍子として充分使用できることが確認されている。
酸化物換算の分析に関し、Mgについては、ICP発火
分光分析、Y2 3 等やAlについては蛍光X線(検量
線法を使用)、酸素については放射化分析により、夫々
測定した。表1における、Y2 3 等、MgO、Al2
3 (α- Al 2 3 は検出せず)は、酸素分析の値と
2 3 等の値から計算により求めたものである。又、
AlNは、全体から全酸化物量を差し引くことにより求
めた。
【0011】さらに、テストピース(プラグ形)を以下
の様に製造し、スパークプラグとして組み付けた後、エ
ンジン試験を行った。 {1}テストピース(プラグ形)の方は、円盤形のテス
トピースの状態で、熱伝導率が80W/m・k以上で、
且つ、熱間絶縁抵抗(700℃)を50MΩ以上にする
ことができた試料No.1〜8のテストピースの内、試
料No.2、4、7、8と同一の材料を用いた。尚、比
較として試料No.12、14の材料も用いた。 {2}原料粉末に、エタノールとパラフィン系バインダ
ーとを適量添加した後、スプレードライして造粒し、こ
れをラバープレス(圧力1000kg/cm2 )する。 {3}この成形体に、、を行い、脚長部13及び軸
孔12を有する窒化アルミニウム質焼成体1を製造す
る。 {4}減圧(10-1Torr)中、BCl3 ガスおよび
NH3 ガスを炉内に流入させ、熱CVD法により、19
00℃で焼成体1の外周表面11および軸孔12の内壁
121に、PBN被膜2が10μm〜200μmとなる
様に膜付け(図2に示す)する。尚、PBN被膜2は、
少なくとも、脚長部13の表面および脚長部13内の軸
孔内壁121に膜付けされていれば良い。そして、PB
N被膜2の厚さは、PBN被膜2を膜付けした絶縁碍子
10を切断し、電子顕微鏡で観察して確認した。尚、比
較の為、PBN被膜2の厚さの範囲を外したものも製造
した。 {5}試料A〜Iの絶縁碍子10の軸孔12内に、中心
電極4を導電性ガラスシール材43を用い、抵抗材4
1、端子電極42とともに挿設し、スパークプラグとし
て組み付ける。 {6}エンジン試験は、レシプロエンジンを用い、放電
電圧32kV、5000r.p.m×全開、100Hr
耐久で行った。
【0012】つぎに、本実施例の効果を述べる。 (ア)Y2 3 等(希土類・アルカリ土類金属元素の酸
化物)、MgO、Al2 3 の酸化物換算が指定範囲内
にある、試料No.1〜8のテストピース(円盤形)
は、熱伝導率を80W/m・k以上で、且つ、熱間絶縁
抵抗(700℃)を50MΩ以上にする事ができた。一
方、Y2 3 等が0.5重量%未満のもの(試料No.
9、10)、MgOが0.002重量%未満または5重
量%を越えるもの(試料No.12、14)は、熱間絶
縁抵抗が低下した。また、Y2 3等が5重量%を越え
るもの(試料No.11)やAl2 3が5重量%を越
えるもの(試料No.13)は、熱伝導率が80W/m
・k以下になり(但し、熱間絶縁抵抗値は高い)、これ
らは、スパークプラグの絶縁碍子として不適であること
が判明した。 (イ)テストピース(円盤形)の状態で、熱伝導率が8
0W/m・k以上、且つ、熱間絶縁抵抗(700℃)を
50MΩ以上にする事ができた、試料No.1〜No.
8の内、試料No.2、4、7、8を使用して製造した
プラグ形のテストピース(試料A〜G)の内、焼成体1
の外周表面11および軸孔内壁121に、PBN被膜2
を10μm〜200μmの範囲内に膜付けしたもの(試
料B、C、D、F、G)は、表2に示す如く、エンジン
試験で不具合無く使用でき、かつ試験後の発火部外観に
異常は見られなかった。
【0013】
【表2】
【図面の簡単な説明】
【図1】テストピース(円盤形)の熱間絶縁抵抗を測定
する試験装置の説明図である。
【図2】本発明の絶縁碍子用焼成体を組み付けたスパー
クプラグの半断面図である。
【符号の説明】
A スパークプラグ 1 窒化アルミニウム質焼成体 2 PBN被膜(PBN) 10 絶縁碍子(絶縁碍子用焼成体) 11 外周表面(表面) 12 軸孔 13 脚長部 121 内壁(軸孔内壁)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小西 雅弘 名古屋市瑞穂区高辻町14番18号 日本特 殊陶業株式会社内 (56)参考文献 特開 平2−152185(JP,A) 特開 平2−27684(JP,A) 特開 平4−87286(JP,A) 特開 平4−149985(JP,A) 特開 昭61−163582(JP,A) 特開 平3−237067(JP,A) 特開 昭61−219787(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01T 13/00 - 13/56 C04B 41/87

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 元素記号Y、Sc、Ca、Sr、Ba、
    La、Ce、Py、Nd、Sm、Eu、Gd、及びDy
    で表される元素群の中から任意に1種又は2種以上選ば
    れ、酸化物換算が0.5重量%〜15重量%である希土
    類・アルカリ土類金属元素と、 酸化物換算で0.002重量%〜5重量%のマグネシウ
    ムと、 酸化物換算で0.4重量%〜5重量%のアルミニウム
    と、 残部を占める窒化アルミニウムとで構成され、脚長部及
    び軸孔を有する窒化アルミニウム質焼成体の、少なくと
    も、前記脚長部の表面および脚長部内の軸孔内壁に、厚
    さ10μm〜200μmのPBN(パイロリティク・ボ
    ロン・ナイトライド)を、熱分解を伴う化学蒸着法によ
    り膜付けしたスパークプラグの絶縁碍子用焼成体。
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